2010年01月01日 00:00
Carlo Uboldi 《 Welcome To Nippon 》 2009.11.20 更新曲
主に90年代以降のジャズを気ままに綴っています。 現在、旧ブログ 『 雨の日にはJAZZを聴きながら 』 から引っ越し中。↑ は雨の日の代々木公園噴水広場です。
2010年01月01日 00:00
Carlo Uboldi 《 Welcome To Nippon 》 2009.11.20 更新曲
2009年11月25日 21:56
2009年11月24日 19:41
英国生まれのベテラン・ピアニスト、デレク・スミス ( Derek Smith , 1931~ ) による1980年録音のジェローム・カーン集。
今年5月にVenus Records からピアノ・トリオ作品 『 Beautiful Love 』 がリリースされた時は驚かれたファンも多かったのではないか。さらに9月には早くも第二弾となるソロ作品 『 Love Again 』 をリリースし、好調ぶりを示したデレクだが、この調子だと第二のエディ・ヒギンズとして Venus Recods の看板アーティストになる日も近いかもしれない。
Venus Recods の新作などを聴いてみても、テクニック的には全く衰えていなかったし、こうして改めてデレクのピアノを聴いてみると、確かに Venus Recods が気に入りそうな美しいピアノ・スタイルであることがわかる。流石はVenus Recods。往年の名プレーヤーの蘇生術にかけては天下一品である。
デレク・スミスと云っても若いジャズ・ファンには馴染みいが浅いかもしれないので、簡単に経歴を紹介しておく。
1931年、ロンドンに生まれたデレクは、14歳のときには既にプロ・ミュージシャンとして活躍するほどの早熟ぶりを発揮していた。50年代には数多くのレコーディングに参加し人気もあったが、リーダー作には恵まれなかったようだ。そんな状況に業を煮やしたデレクは、50年代半ばにニューヨークにその活動の拠点を移すことになる。セッション・ミュージシャンとしてスタジオ・ワークをこなす一方、クラブでの演奏でキャリアを高め、、周囲の信望を勝ち取っていった。1961年にはついにベニー・グッドマン楽団での仕事を手に入れ、60年代末にはドグ・スティーブンの Tonight Show Orchestra にも参加し人気を博した。しかしそれでも日本のジャズ・ファンにはまだまだ無名の存在であった。転機は70年代に訪れた。
1976年に渡米後初となるリーダー作 『 Love For Sale 』 が Progressive Records ( テイチク ) からリリースされ、日本でも一気に知名度があがったのだ。その後もコンスタントに吹きこみを行い、76年から83年までの間に計6枚の作品を残している。
『 Love For Sale 』 1976 ( Progressive )
『 Bluesette 』 1978 ( Progressive )
『 New Soil 』 1978 ( Progressive ) ※CD再発時タイトル 『 The Man I Love 』
『 My Favorite Things 』 1978 ( Progressive )
『 Plays Jerome Kern 』 1980 ( Progressive )
『 Dark Eyes 』 1983 ( Baybridge )
その後、1994年と2001年に米国独立系レーベルからトリオ作品をだしているようだが、日本では話題にならなかったと思う。
2009年11月21日 22:25
西海岸で活躍するピアニスト、シェリー・バーグ ( Shelly Berg , Cleveland , 1955~ ) が1996年に DMP に吹き込んだ記念すべきデビュー作品。
ピアノ好きなジャズ・ファンの間では1997年のオスカー・ピーターソンに捧げた作品 『 The Will 』 や、寺島靖国氏が絶賛した2005年のコンコード盤 『 Blackbird 』 などが人気がある。しかし、このデビュー盤もそれらと比べても決して遜色ない素晴らしい作品だ。
シェリーはピアニストとして活躍するだけでななく、音楽教育者としても有名である。1996年から98年には国際ジャズ教育協会 ( International Association for Jazz Education : IAJE ) のプレジデントを務めている。また、南カリフォルニア大学(The University of Southern California : USC ) ソーントン音楽学校のジャズ研究科での教授職の経験もある。2007年にはマイアミ大学フロスト校の学部長に任命されている。
そのような素晴らしいキャリアもあって、最近は若手ミュージシャンからの信望も熱く、「シェリー・バーグの薫陶を受け〜」という経歴の紹介文をミュージシャン・サイトでみかける機会が増えた。たとえば最近ではジェラルド・クレイトンがシェリー・バーグにピアノと作曲を習っている。
シェリーの素晴らしさはその演奏力だけではない。彼のソング・ライティング力も瞠目すべき点である。本作でも哀愁を帯びたメロディーセンスが光るタイトル曲 ≪The Joy ≫ なども印象的だ。さらにはスタンダード≪ Here's That Rainy Day ≫ のラテン調のアレンジも秀逸であるし、とにかく演奏、作曲、アレンジと、どれをとっても非の打ちどころがない。
2009年11月20日 21:20
2009年11月17日 16:03
アーロン・ゴールドバーグ ( Aaron Goldberg , Boston , 1974~ ) といえば、とにかくこの 『 Flow 』(2002 FSNT) の出来が傑出している。
ご存じのように、ゴールドバーグは彼個人名義のトリオとOAM トリオ という2つのユニットで並列して演奏活動を行っている。
前者はリューベン・ロジャーズ ( b ) 、エリック・ハーランド ( ds ) を従え、翳りと軋みを内包した静的で知的な音世界が表現されているのに対して、後者はオマー・アビタル ( b ) 、マーク・ミラルタ(ds ) との三者対等のインタープレイを強く打ち出した緊張感溢れる動的な音世界を演出している。表現される世界感は対照的ながらも、両ユニットとも三者のコミュニケーション感度は抜群に高く、俊敏なリアクトの応酬は超スリリングである。
本作が録音された2000年12月というと、ゴールドバーグはジョシュア・レッドマンのカルテットに参加していた時期で、作品としては 『 Passage of Time 』 ( 2000年11月録音 ) を吹きこんだ直後ということになる。OAM trioのデビュー盤 『 Trilingual 』 (FSNT 070) が1999年5月の録音。次いでゴールドバーグの第二作目 『 Unfolding 』 (J-Curve 1014) が2000年2月の録音。そして再びOAM trioとしての 『 flow 』 が2000年12月の録音。



2009年11月14日 22:58
今まであまり体系立てて考究されてこなかったヨーロッパ・ジャズについて、音楽研究家である星野秋男氏が本格的に解説した待望の一冊。
ヨーロッパ・ジャズに関する研究では第一人者である氏は、1997年に刊行された季刊ジャズ批評別冊 『 ヨーロッパのジャズ・ディスク 1800 』 にも共著者として多大なる貢献を果たしている。1800枚という気の遠くなるようなカタログを制作した著者らの熱意にも感服させれたが、なによりも氏が巻頭に寄稿した論文「ヨーロッパ・ジャズの歴史」に、当時の僕は強い関心を持った。
当時、ヨーロッパ・ジャズに関してはほとんど無知状態であった僕にとってはすべてが驚きであった。すでに1920年前後にはジャズ・バンドがヨーロッパの各国各地で活動していたという事実にまずは驚き、史上初のジャズ評論を書いたのがあのジャン・コクトーであったことに驚き、渡米したストラヴィンスキーがチャーリー・クリスチャン、アート・テイタム、チャーリー・パーカーに夢中になり、ライブハウスに通いつめたという話に驚き、ジャズが誕生したは1917年のニューオーリンズでの出来事ではなかった、という件には、動悸と眩暈で倒れそうになった。
兎に角、この季刊別冊は当時、眼光紙背に徹するまで読み通した、まさに僕にとってはヨーロッパ・ジャズの聖書のような存在であった。
同書でヨーロッパ・ジャズに目覚めた僕は、その後、2002年に刊行された杉田宏樹氏の著書 『 ヨーロッパのJAZZレーベル 』を読み耽りながら、徐々に欧州ジャズの魅力に嵌っていき、今に至っている。
『 ヨーロッパのジャズ・ディスク 1800 』 に掲載されている60年代を中心とした名盤、レア盤はどれも一度は聴いてみたくなるような音源であったが、なにしろ当時は入手が至難であった。いくら欲しいとはいえ、僕は貯金を蕩尽してまで手に入れたいとは思わなかったので、はじめから収集は諦めていた。それに対して杉田氏が 『 ヨーロッパのJAZZレーベル 』で紹介しているCDは、ほとんどが苦労せずとも入手可能なものばかりであったため、いまでは紹介CDのほぼすべてを所有するに至っている。
それにしても毎月、数多くのヨーロッパ・ジャズの新譜がリリースされ、一方で信じ難い質と量で過去の名盤、レア盤の再発が進んでいるにもかかわらず、そのヨーロッパのジャズ情報を扱った書物があまりにも少ない。Swing Journal 誌やJazz Life 誌などで時々ヨーロッパ・ジャズの特集を目にするが、一冊まるごとヨーロッパ・ジャズを扱った書籍は上記の2冊しかないのではないか。
しかし、両書とも発刊されたのは10年も前のことである。仕方ないことではあるが、いずれもが月日の流れの中でその情報は「過去の情報」と化してしまった。アップデイトされたヨーロッパの情報が欲しい。そう願っていたファンは決して少なくなかったはずだ。そういう意味で、今回の星野氏の新刊は待望の一冊と云えるだろう。
という訳で、昨日、やっと本書を手にすることができたのだが、まずはざっと目を通して感じたのは、やはり星野氏は今のヨーロッパ・ジャズ・ブームには否定的だ、ということ。
ヨーロッパの国ごとに章分けされ、各章ではまず総論、その国の有名ミュージシャン解説、そして推薦ディスクと、分けて詳しく解説されている。だが、80年代から90年代のジャズに関しては、総論で軽く言及するに留まり、今世紀のジャズに至っては全く触れられていない。
ミュージシャンの個別解説や紹介ディスクでも、全て60年代から70年代のミュージシャンおよびディスクで占められている。つまり『 ヨーロッパのジャズ・ディスク 1800 』 とほぼ同じ時代に焦点が当てられているわけだ。
そもそもタイトルにあるヨーロッパ・ジャズの “ 黄金時代 ” とは “ ヨーロッパのジャズがアメリカのジャズとは違う独自性を獲得し、革命的な気鋭のミュージシャンが数多く登場した60年代から70年代初頭 ” の時期を指している。この最もエネルギーのあった時代に氏は並々ならぬ愛情を持っているわけで、正真正銘の硬派なジャズ研究家なのだ。
だから、昨今の日本におけるユーロ・ジャズ・ブームに対しては厳しい裁断を下す。
( 前略 ) 日本でのヨーロッパの新譜の聴かれ方は、メロディーのきれいなピアノ・トリオ物やあまりにもオーソドックスなバップ風の演奏に偏重し、新しいファンの中にはラーシュ・ヤンソンのCDは全部持っているが、ロリンズもパウエルも知らないという聴き方さえも生まれている。こういう聴き方はどうなのだろう?明けても暮れても似たようなピアノ・トリオばかり聴いて、その殻に閉じこもっているのでは、リスナーとしての発展的な成長は望めないのではないか?
( 前略 )ジャズ・ファンはカレル・ボエリーのような聴き易いピアノ・トリオばかりではなく、たまにはそうした硬派な演奏にも目を向けるべきだろう。ジャズはきれいなメロディーで単に癒されればいいという音楽ではないし、暇つぶしの娯楽ではない。
僕のように軟弱なジャズ・ファンには耳が痛い言葉だ。頭じゃ分かっちゃいるのだが,,,,。仕事で疲弊して帰宅。一息ついてさあ何か聴こうかと思ったとき、アレクサンダー・フォン・シュリッペンバッハに手を伸ばす体力が悲しいかな僕には残っていないのだ。
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