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雨の日にはジャズを聴きながら90年代以降のジャズを気ままに綴っています。 旧ブログ 『 雨の日には JAZZ を聴きながら 』 からのデータ移行は終了しました。ジャズ以外にも、時々デジタル関連の物欲記事、最近ハマっているカメラの話題も少しアップしています。 

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Robert Balzar Trio / Overnight

   ↑  2008/11/09 (日)  カテゴリー: 未分類

金曜日にアダム・マコビッチを聴いていたら、チェコスロヴァキアのピアノをまとめて聴きたくなって、Emil Viklicky ( エミール・ヴィクリツキー )、Matej Benko ( マチェイ・ベンコ )、 Naj Ponk ( ナイポンク )などのCDを棚から引っ張り出して聴いていました。そんなことをしていたら偶然、拙ブログにたびたび来てくださる Marty さんが「 Robert Balzar Trio の 『 Overnight 』 を買いましたよ。」 とコメント入れてくれたので、久しぶりに僕もバルザールの 『 Overnight 』 を聴きながらこうして書いています。

ロベルト・バルザールはスロヴァキアの売れっ子ベーシストで、ピアノはスタニスラフ・マハという人が弾いています。この作品はジャズ批評の最新号 No.146 『 ピアノ・トリオ Vol.4 』に掲載されています。紹介している方は diskunion 吉祥寺店の水野悠さんです。僕もこの作品が大好きだったので、「よくぞ取り上げてくれた!」と、もし彼が目の前にいたら、熱く手を握りしめ、思わずドードレブスカ・ポルカを踊りだしていたかもしれません。水野さんは本作以外にも、アラン・パスクァの『 The Way You look Tonight 』、エヴジェニー・レベデフの 『 Fall 』、南博の 『 Like Someone In Love 』、ロバート・ラカトシュの 『 Never Let Me Go 』 etc を紹介されていて ( どれももベースが良い作品 )、いずれも非常に共感できる作品ばかりなので、これからも彼の推薦盤をチェックしていこうと思っています。

さて、まずはバルザールの経歴について簡単に触れておきましよう。
All About Jazz と こちらを参考にしました。 )

彼は1962年にチェコ共和国のポーランド国境近くにある町ナーホドに生まれました。12歳の時にウッドベースを学び始め、ブルノ音楽学院でクラシックのコントラバスとピアノを学んだそうです。85年よりプロとしての活動を開始し、プラハ活動拠点として、スタジオやテレビ番組のビッグバンドでの仕事をはじめ、国内外の著名なミュージシャン達との共演を重ねていきました。自己のトリオを結成したのは96年で、98年にはデビュー作 『 Travelling 』 ( jazzpoint ) をリリース。2000年には二作目となる『 Alone 』 ( cube ) をリリース。05年に三作目となる本作『 Overnight 』を Sonny / BMG よりリリースし、メジャー・デビューを果たしています。今年発売されたジョン・アバークロンビーとの共演盤 『 Tales 』 ( BCWD music ) が第四作目となる最新作です。

自己のバンド以外では、前述したエミール・ヴィクリツキー ( p ) 、チェコの人気シンガーソングライター、ダン・ベルタのサポート・メンバーなどで人気を博してきました。ピアノ・トリオ・ファンならナイポンク・トリオの94年の幻の名盤 『 Birds in Black 』 ( カラスのジャケット ) で弾いていたのでご存じの方も多いでしょう。

バルザールはとにかく滅茶苦茶うまいです。弦を高く張り、指で弦を引っ掻くように力強く弾くので、アタック感が明瞭で、ブリブリ、ゴリゴリのウッドベースらしい音が出ます。アンプリファイされない、木の香り漂う美しい音質です。それでいてサム・ポジションでのソロも軽々とやってのけるので驚きです。驚異的なテクニックです。同郷の名手、ジョージ・ムラーツと非常によく似たスタイルですね。

作品全体の印象としては美メロ満載の抒情派路線なのですが、ベースの重心が低く、ドラムのジジ・スラヴィチクも要所要所で適度に暴れてくれるので、聴き終えた後、確かな余韻を残してくれる素晴らしい仕上がりになっています。抒情的と言っても透明感はあまり感じられず、むしろ、霧のかかったような仄かな抒情性が全編に漂っている感じです。雲の隙間から差し込み、海面を仄かに照らす太陽の光が美しいジャケットのアートワークのように、ダークだけれど哀愁感を湛えた作風です。

全9曲で、そのうち6曲がバルザールのオリジナル。その煌めくソングライティング力も彼の魅力の一つです。特に M-6 ≪ night ≫ のメランコリックなメロディーは、一度聴いたら忘れられない魅力を放っています。

この作品、ちょっと不思議ですが、中古店で安く出回っているのをよく見かけます。新品を手に入れるのは難しくなってきていますので、ぜひ中古店で探してみてください。そういえば、11月7日に移転オープンした diskunion お茶の水駅前店 に昨日寄ってきましたが、このCDが2枚も売られていましたよ。
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(記事編集) http://jazzlab.blog67.fc2.com/blog-entry-1221.html

2008/11/09 | Comment (4) | Trackback (0) | HOME | ↑ ページ先頭へ ↑ |

Comment


Unknown

monakaさん、こんばんわ。
駅前店のジャズ・フロアって、4階だったでしょ。あれ、中年には階段がきつくて、たどり着くころには心臓バクバクいってたのですが、
今度の移転した駅前店は2階なので、その点はありがたいです。

でも品ぞろえはやっぱりジャズ館に比べたら雲泥の差で、全く期待できませんね。

意外に神保町店が穴場で、たまに探し物が見つかったりするので、月1回ぐらいは立ち寄ります。

criss to monaka |  2008/11/12 (水) 22:48 [ 編集 ] No.3556


情報がありがたい

crissさん、情報ありがとうございました。
お茶の水駅前店って場所変えたんでしょうね。
広く出きる可能性なかったですもにね。
私としては明大前のお店が一番あたりが多いお店です。

monaka |  2008/11/09 (日) 20:03 [ 編集 ] No.3557


お久しぶりです。

お体の調子はいかがですか?
急に寒くなったので、体調を崩さない
よう、気を付けてくださいね。
私も先週は風邪をひきっぱなして、
熱はさがったものの、今日も喉に針が
刺さっているように痛く、
のど飴をなめながら、家でじっとしています

monakaさんがこの作品のレビューを書かれていたのは
知っていたので、これからTBしようかと
思っているうちに、先を越されてしまいましたね。
どうもありがとうございました。

それにしても、monakaさんお守備範囲は
半端じゃないですね(笑)。
恐れいりました

ジョンアバの象のジャケットのやつも
DUでみましたが、まだ買ってはいません。

monakaさんの記事を読む限り、僕の
趣味からはちょっと外れるかな、って思ってますが。

ジョンアバは、それほど、好きじゃないのです、ハイ。

diskunion の移転したお茶の水駅前店は、
全ジャンルを網羅したものすごく広い
ワンフロアで、したがって、
髪の毛染めたアンちゃんから、僕のような
ジジイまで、雑多な客達で、ごった返しでした。

ジャズのCDはたくさんありましたが、
(たぶん、ジャズ館の2倍ぐらいかな)
コルトレーンやマイルスなど、ほとんどが
ジャズ・ジャイアントの名盤の中古で、
まったく面白みはありませんでしたよ。

明大前の2階で十分だと思いますよ。
わざわざ行く必要はありません。

てなわけで、これから、夕食を食べに
外出してきます。

では、また。

criss to monaka |  2008/11/09 (日) 17:43 [ 編集 ] No.3558


とても好きです

crissさん、こんにちは、monakaです。
日曜日にだらだらとしていたところ、このアルバム記事にであいました。
とても清としてすきです。次作でちょっとアバークロンビーをたてすぎた嫌いがありますので、次を期待しています。
disukuunionのお茶の水って明治大学の前の2階に行きますが、駅前店凄くなったんですか。どちらがいいのでしょう。私の場合車が止められる所から近い2階を重宝しています。

monaka |  2008/11/09 (日) 17:17 [ 編集 ] No.3559

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