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雨の日にはジャズを聴きながら90年代以降のジャズを気ままに綴っています。 旧ブログ 『 雨の日には JAZZ を聴きながら 』 からのデータ移行は終了しました。ジャズ以外にも、時々デジタル関連の物欲記事、最近ハマっているカメラの話題も少しアップしています。 

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Charlie Mariano / Silver Blue

   ↑  2009/09/29 (火)  カテゴリー: alto

charlie mariano silber blue



2009年6月16日、惜しまれつつも他界したチャーリ-・マリアーノ ( Charlie Mariano , Boston , 1923~ ) の2006年、チューリッヒで録音された作品。録音当時、マリアーノは83歳。もうそれだけでどんな演奏だろうが尊敬しちゃいますね。しかも当時はすでに癌を患っていたわけですから、その精神力たるやタダものではありません。

人間、誰しも老いから逃れられない宿命にあります。逃れられない以上、重要なのは、いかに美しく老いるか、いかに成熟していくか、という事です。この命題の一つの答えをマリアーノは僕たちに提示してくれている、と、この作品を聴くたびに思うのです。いくら老いても、強い精神力と前向き志向を常に絶やさず、最後まで自分の人生を歩んでいきたい。そして最後は前のめりで死んでいきたい。そう思うのです。
 
本作は、最後まで音楽家としての使命を全うしようとしたマリアーノの最晩年の演奏を刻銘に記録した作品です。すでに音に清明ささや艶やかさはありません。それどころか、濁って聴きにくい箇所も散見されます。ちょうど、老いていくに従い人間の声質も濁っていくように、マリアーノの音色も晩年は枯れたものに変化していきました。しかし、そこには技術的な衰えなど微塵も感じられません。本作を聴く限り、マリアーノの即興演奏家としての能力は最後まで枯渇することがなかった、と思われます。まさに超人的です。


全9曲で、そのうち4曲がスタンダード。1曲がピアノのジャン・クリストフ・ショレのオリジナル。そして残りの4曲がマリアーノのオリジナル、という構成。すべてがマリアーノの真骨頂が発揮されたバラードです。

バックを務めるのは、先日も紹介したスイスで活躍中の人気トリオ、Cholet - Kanzig - Papaux Trio ( 前項アリ-1, )  です。この鉄壁の伴奏陣が本作の魅力をより一層引き立てきます。完全に抑制された落ち着きのある伴奏で、三者間のパワー・バランスもお見事。完璧な伴奏を披露しています。

マリアーノのフラジオ域での泣きのフレーズに思わず胸が熱くなります。深い哀感が全編に横溢し、彼の人生そのものがリアルな音像となって、僕ら聴き手の眼前に投影されてくるかのようです。
 
本作は新譜ではありせんが、マリアーノの遺作となる新譜がEnja から発売されました。昨年録音されたライブ音源で盤題は 『 The Great Concert 』 といいます。まだ未購入ですが、ぜひ聴いてみたい作品です。

Charlie Mariano / Silver Blue  星1つ星1つ星1つ星1つ星半分
Enja 2008  TKCW-32139

Charlie Mariano  ( as )
Jean - Christophe Cholet  ( p )
Heiri Kanzig  ( b )
Marcel Papaux  ( ds )
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2009/09/29 | Comment (7) | Trackback (0) | HOME | ↑ ページ先頭へ ↑ |

Heiri Kanzig / Grace of Gravity

   ↑  2009/09/28 (月)  カテゴリー: bass

heiri kanzig





ヘンリ・カンツィグ ( Heiri Kanzig ) は、90年代半よりティエリー・ラング・トリオの・レギュラー・ベーシストとして活躍し、近年は ジャン・クリストフ・ショレ ( Jean-Christophe CHolet ) らとの連名でトリオを組んで活躍している技巧派ベーシストです。ネット上には英語による彼の詳しい情報がほどんと公開されていないのですが、ニューヨク生まれのドイツ系スイス人 ( Swiss German ) のようです。年齢は不詳です。


今回、この記事を書くにあたり検索して初めて知ったのですが、彼は1978年から20年近くにわたり、ウィーン・アート・オーケストラ ( Vienna Art Orchestra ) のベーシストを務めていたのですね。僕も近年の同オーケストラの作品はだいたいのところは所有しているのですが、80年代から90年代の作品はあまり所有していないので、詳しいことは言えませんが、確かに手許にある94年作品 『 Duke Ellington & CHarles Mingus 』 に彼の名前がクレジットされており、ベースソロまでフューチャーされているのを見つけました。

今日聴いている 『 Grace of Gravity 』 はスイスのレーベル、Plainsphare から95年にリリース ( 録音は94年 ) されたセカンドです。デビュー作は92年にドイツの L+R から出した『 Awakening 』 という作品で、ケニー・ホイーラを招いて制作されていてます。そちらは未所有ですが、こちらのサイトで試聴できます。

現在もティエリー・ラングと活動を共にしていて、昨年発売されたラングのリーダー作 『Lyoba 』 にも名を連ねていました。チェンバー・ジャズ的なスイスのフォークソング集で、クラシカルなチェロ奏者らとのコラボも見事で印象的な好盤でした。

2007年には久しぶりのリーダー作 『 Acoustic Strings 』 をリリース。なんとプログレシッヴ・ロック風のラディカルなスタイルを披露していました。



さて、この『 Grace of Gravity 』の話に戻しましょう。本作はウエスト・コースト・ジャズを代表するアルト・サックス界の巨匠、チャーリー・マリアーノを招聘して制作されたカルテット作品です。ピアノはもちろんテティエリー・ラングです。

チャーリー・マリアーノは今年6月に亡くなられました。あまり話題になりませんでしたが、マリアーノに関心の薄いファンには2重の意味で驚かれたのでないでしょうか。

まず、不謹慎ではありますが、「マリアーノってまだ存命中だったのかぁ!! 」 という驚き。まあ、1923年生まれですから、普通なら ( 男性なら特に ) すでに亡くなられていてもおかしくないわけですから。実際には癌と闘いながら、亡くなる直前まで精力的にライブ活動も行っていて、昨年録音されたライブ音源が先日、ENJA から 『The Great concert 』 という盤題で発売されました。

そしてもうひとつ驚かされたのが、亡くなられた場所がドイツのケルンであったということです。50年代のウエスト・コーストで活躍していたマリアーノしか知らないファンにとっては意外かもしれませんが、シドニー・ベシェ、ケニー・クラーク、デクスター・ゴードン、それにチェット・ベイカーなど、多くの米国ミュージシャンが安住の地を求めて60年代に渡欧したように、マリアーノもまた70年代に渡欧していたのです。

渡欧したマリアーノが居を構えたのがケルンで、そこを拠点に欧州諸国のミュージシャンらと競演を重ねてきました。

欧州に活動の場を移してからの彼の活動は、ワールド・ミュージック的なものから、United Jazz + Rock Ensemble への参加にみられるようにジャズロック的なものまで、ジャズを超えて広がりを見せました。が、もちろんアコースティックな4ビート・ジャズでもその卓越した技術は多くの欧州ミュージシャンに影響を与え、多くの作品に客演していました。

このヘンリ・カンツィグの作品への参加もその流れで実現したもので、以後、マリアーノとカンツィグはたびたび共演し交友を深めていき、アルバム・ベースでは2006年録音のマリアーノのバラード集 『 Silber Blue 』 でも二人は共演しているほどです。この 『 Silber Blue 』も深い哀感を全編に漂よわせる味わい深い作品で、僕の秘かな愛聴盤であります。

ともかく、このカンツィグの作品ではマリアーノが要になっていることは疑う余地がありません。円熟の極みとも云うべき豊穣なフレーズで作品全体が満たされていますが、晩年のいかにも枯れた味わいは此の頃はまだみられません。マリアーノは50年代のウエスト・コースト時代からバラードが得意で、思わず陶酔してしまうような官能フレーズが僕は大好きだったのですが、本作でもゆったりとしたリズムの上に情感をうまく乗せて、欧州独特のリリカルな作品に仕上げています。

Heiri Kanzig  /  Grace of Gravity  星1つ星1つ星1つ星1つ
Planinisphare  1994  PL 1267/102

Heiri Kanzig  ( b )
Charlie Mariano  ( as )
Thierry Lang  ( p )
Alfredo Golino  ( ds )

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