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Shelly Berg / The Joy

   ↑  2009/11/21 (土)  カテゴリー: piano

shelly berg joy



西海岸で活躍するピアニスト、シェリー・バーグ ( Shelly Berg , Cleveland , 1955~ ) が1996年に DMP に吹き込んだ記念すべきデビュー作品。

ピアノ好きなジャズ・ファンの間では1997年のオスカー・ピーターソンに捧げた作品 『 The Will 』 や、寺島靖国氏が絶賛した2005年のコンコード盤 『 Blackbird 』 などが人気がある。しかし、このデビュー盤もそれらと比べても決して遜色ない素晴らしい作品だ。

シェリーはピアニストとして活躍するだけでななく、音楽教育者としても有名である。1996年から98年には国際ジャズ教育協会 ( International Association for Jazz Education : IAJE ) のプレジデントを務めている。また、南カリフォルニア大学(The University of Southern California : USC ) ソーントン音楽学校のジャズ研究科での教授職の経験もある。2007年にはマイアミ大学フロスト校の学部長に任命されている。

そのような素晴らしいキャリアもあって、最近は若手ミュージシャンからの信望も熱く、「シェリー・バーグの薫陶を受け~」という経歴の紹介文をミュージシャン・サイトでみかける機会が増えた。たとえば最近ではジェラルド・クレイトンがシェリー・バーグにピアノと作曲を習っている。

あらゆるスタイルの音楽に通暁しているにも関わらず、彼自身が奏でるジャズは驚くほどオーソドックスだ。

ギミックを排し、あるときはストレートに小気味よくスイングし、あるときは哀愁美メロでリスナーの涙腺を直撃する。コンテンポラリーな気難しい曲もイケるのだろうが、決してやることはない。常に心地よいスイング感と解放感の演出にその力を注ぐ。聴いていると心底嬉しくなってくる、そんな幸福に満ち溢れた作品だ。

まあ、彼の作品はどれもほどんど同じ作風なのだが、そこがまたイイのだ。

ジャズの聴き手は常に革新的でクリエイティブな音を求めている訳ではない。半世紀以上もの間、繰り返し繰り返し演奏されてきたスイングするジャズを、これからも反復して聴き続けていく中に、快感を求める、そういったジャズの聴き方もあって良いのではないか。この前聴いたジャズとほどんど同じジャズだけど、でもちょっとだけ違う普通のジャズ。そんな微妙な差異の発見にこそ、ジャズの喜びがあるのかも、って最近つくづく思う。

シェリーの素晴らしさはその演奏力だけではない。彼のソング・ライティング力も瞠目すべき点である。本作でも哀愁を帯びたメロディーセンスが光るタイトル曲 ≪The Joy ≫ なども印象的だ。さらにはスタンダード≪ Here's That Rainy Day ≫ のラテン調のアレンジも秀逸であるし、とにかく演奏、作曲、アレンジと、どれをとっても非の打ちどころがない。



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2009/11/21 | Comment (6) | Trackback (0) | HOME | ↑ ページ先頭へ ↑ |
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