雨の日にはジャズを聴きながら90年代以降のジャズを気ままに綴っています。 旧ブログ 『 雨の日には JAZZ を聴きながら 』 からのデータ移行は終了しました。ジャズ以外にも、時々デジタル関連の物欲記事、最近ハマっているカメラの話題も少しアップしています。 

ブログパーツ

このページの記事目次 (カテゴリー: large ensemble

total 3 pages  次のページ →  

スポンサーサイト

   ↑  --/--/-- (--)  カテゴリー: スポンサー広告
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

(記事編集) http://jazzlab.blog67.fc2.com/?overture" target="_new

--/--/-- | Comment (-) | HOME | ↑ ページ先頭へ ↑ |

Vince Mendoza / Night On Earth

   ↑  2011/09/18 (日)  カテゴリー: large ensemble
vince mendoza nights on earth_256
Vince Mendoza / Night On Earth ( amazon.co.jp )
2011 Ais

John Abercrombie, John Scofield, Peter Erskine, Louis Conte, Larry Goldings, Kenny Werner, Alan Pasqua, Fred Sherry, Bob Mintzer, Joe Lovano, Ambrose Akinmusire, Luciana Souza, Hector Del Curto, Tom Diakite, Nguyen Le, etc.

メトロポール・オーケストラの常任指揮者兼音楽監督をつとめる現代最高のアレンジャー、ヴィンス・メンドゥーサ ( Vince Mendoza ) の通算9作目となるリーダー作。

メンドゥーサは1961年11月17日、コネチカット州ノーウォークの生まれ。オハイオ州立大学で作曲法で学位を取得。卒業後はロサンゼルスに移り、スタジオミュージシャンやテレビ番組の音楽制作などで生計を立てる一方、80年代後半に、南カリフォルニア大学大学院に進学し作曲と指揮を学んでいる。ちょうどその頃、ピーター・アースキンと出会い、彼の作品『 Transition 』に楽曲を提供。そのことがきっかけとなり様々なジャズミュージシャンとの交流が始まった。交流のあるミュージシャンはジャズの分野に留まらず、ジョニ・ミッチェル、スティング、エルビス・コステロ、ビヨークなどなどロック / ポップス界のビッグネームのアルバムに参加し、絶大なる信頼を得てきた。

一方、メンドゥーサは自らもリーダー作をリリースしてきた。89年に晴れて 『 Vince Mendoza 』( 前項あり ) でデビューを飾り、その後も90年に 『 Start Here 』( 前項あり ) 、91年に 『 Instruction Inside 』( 前項あり ) と、立て続けにフュージョン系ビッグバンド作品をリリース。93年にはフラメンコ・ミュージシャンとドイツの WDRビッグバンドらとともに制作した『 Jazzpana 』、続く94年にはデイヴ・リーブマン、チャーリー・マリアーノ、グェン・レなど、豪華なソリストを迎えたWDRビッグバンド共演盤『 Sketch 』、そして97年にはロンドン交響楽団をバックにマイケル・ブレッカーやジョン・アーバクロンビーらがソロをとる壮大なる絵巻物語『 Epiphany 』をリリースし、特にストリングス・アレンジャーとしての名声を確固たるものとしていった。その後しばらくは他ミュージシャンのサポートに徹し、自身のリーダー作は発表しなかったメンドゥーサだったが、2005年には上記のようにメトロポール・オーケストラの常任指揮者兼音楽監督に就任し、2008年に待望のストリングスが入った約15人編成のアンサンブル作品『 Blauklang 』、2009年にはスペインの詩人兼劇作家のフェデリコ・ガルシア・ロルカを題材にしたメトロポール・オーケストラ演奏の 『 El Viento 』( 前項あり ) をリリース。

また、厳密にはメンドゥーサのリーダー作ではないが、2010年にジョン・スコフィールドをソリストとしたメトロポール・オーケストラ作品 『 54 』( 前項あり ) やジョー・ザビヌル追悼盤 『 Fast City 』( 前項あり ) などでも編曲&指揮している。

そして今新作は、今までのシンフォニックな大編成とは違い、主役はあくまでジャズ・ミュージシャンから成るコンボであり、ストリングスは味付け程度の役割。 いわば “ Symphonic Orchestra with solist ” から “ Jazz Combo with Strings ” に変わった感じ。

ストリングス・セクションとブラス・セクションが絡み合って壮大なドラマツルギーを演出するメトロポール・オーケストラ作品が好きな僕としては、今作はいまひとつスケール感に欠けるし、ロマンティックな物語を紐解いていくようなワクワク感も乏しいので、ちょっと残念。





スポンサーサイト

FC2スレッドテーマ : JAZZ (ジャンル : 音楽

(記事編集) http://jazzlab.blog67.fc2.com/blog-entry-1501.html

2011/09/18 | Comment (2) | Trackback (1) | HOME | ↑ ページ先頭へ ↑ |

Chris Potter & The DR Big Band / Transatlantic

   ↑  2011/08/30 (火)  カテゴリー: large ensemble
Chris Potter & The DR Big BandChris Potter & The DR Big Band / Transatlantic ( amazon.co.jp )
2011 Red Dot Music

Chris Potter ( ts,ss,conductor ), Anders Gustafsson ( tp ), Christer Gustafsson ( tp ), Thomas Kjærgaar ( tp ), Mads la Cour ( tp ), Gerard Presencer ( tp ), Vincent Nilsson ( tb ), Steen Hansen ( tb ), Peter Jensen ( tb ), Jakob Munck ( tb ), Nicolai Schultz ( reed ), Peter Fuglsang ( reed ), Lars Møller ( reed ), Uffe Markussen ( reed ), Pelle Fridell ( reed ), Magnus Hjort ( p ), Kaspar Vadsholt ( b ), Søren Frost ( ds ), Per Gade ( g )



クリス・ポッターの最新作はデンマーク放送ビッグバンド( Danish Radio Big Band )との共演盤。

DR Big Band が世界初の政府支援のジャズ・ビッグバンドとして旗揚げされたのは1964年のこと。現在までに同楽団で指揮ならびにソリストとして客演したミュージシャンは100人を超え、誰もが認めるヨーッロッパを代表する名門バンドとして、ビッグバンド界に君臨しています。

そんな同楽団の歴史の中で、ビッグバンド・ファンならずとも思い出される出来事が2つあります。ひとつはサド=メル・オーケストラを辞めたサド・ジョーンズがその活動拠点をコペンハーゲンに移し、そこで同楽団のバンド・リーダーとして活躍したこと。そしてもうひとつは、1985年、コペンハーゲンのレオニ・ソンング音楽賞を受賞したマイルス・デイビスを招いて開催されたDRビッグバンド20周年記念コンサートの模様が、『 Aura 』という作品としてリリースされ、2つのグラミー賞を受賞したことです。

ところで、同楽団をDanish Radio Big Band ( DRBB ) と呼んだり、また、Danish Radio Jazz Orchestra ( DRJO ) と呼んだりと、統一されていないのを不思議に思われる方もいらっしゃるのではないでしょうか。実はこれは、バンド・マネージャーの交代に伴い2回、名称変更がなされたためなのです。

64年の発足当初は ビッグバンド ( DBBB ) という名称でした。しかし、92年にピーター・H・ハーセンがプロデュサー兼バンド・マネージャーに就任した際、それまでのメインストリーム系の既存の曲を演奏するビッグバンドから、今後は自己のオリジナル曲を演奏することに主眼を置くオーケストラとして活動していくことを強調するため、ジャズ・オーケストラ ( DRJO ) という名称に変更したのでした。

しかし、01年にロックやポップス業界での業績を高く評価されマネージャーに抜擢されたモルテン・ヴィルヘルムが、再び DRJO から DRBB に名称を戻したのでした。その裏には公的なバンドであってもある程度の収益を上げなければ経営存続できないという台所事情が関係していたようです。高踏的でアーティスティックなサウンドでは客が呼び込めない。より大衆にアピールする、分かりやすいビッグバンド・サウンドを奏でることが同楽団に課せられた課題だったのです。そのため、“ Jazz Orchestra ”ではなく“ Big Band ”と変更し、冬になるとせっせとクリスマス・コンサートの巡業を行い、往年のスイング・ジャズも演奏し、普段はジャズを聴かない人々にもホールに足を運んでもらうことに成功したのでした。それでも03年には同楽団への政府予算は削減されたようです。ますます営業に精を出さなければ存続が危うい、そんな苦境に立たされているのが現状のようです。

閑話休題。今作ではクリス・ポッターは単にソリストとして招聘されたのではありません。なんと彼が全ての楽曲の作曲・編曲を手掛けているのです。しかも全曲がこのコラボのために書き下ろした曲というのですから、クリポタ、超本気モードです。

対する DRBB もいつになく張り切っています。スコアがイイからでしょうかね。DRBB をちょっと見なおしました。 DRBB って上述したようにかなりの歴史があるにも関わらず近年は、オランダのJazz Orchestra Of The Concertgebouw やMetropole Orchestra、ベルギーのBrussels Jazz Orchestra、フランスのParis Jazz Big Band などなどの近隣諸国の新興勢力に押されっぱなしで、あまりいいところがなかったのですが、今回は汚名返上とも云ってよいであろう素晴らしいアンサンブルを聴かせてくれています。

欧州のビッグバンドは概して米国のトップミュージシャンをソリストとして招いて作品を作ることが多いのですが、その場合、ソリスト対ビッグバンドのバランスが崩れていて興ざめすることもしばしばあります。数の優位性からどうしてもビッグバンドの扇動的な大音響に圧倒され、ソリストが目立たなくなったり、かと思えば、ビッグバンドがソリストの引き立て役としてちょこっとアンサンブルで参加するだけのようなものもあったりと、意外にそのあたりのバランス感覚って難しかったりするのですが、今作ではクリポタとビッグバンドのサウンドがイイ感じで調和し、バランスもイイ塩梅で、非常に聴いていて安定感があります。旋律と対旋律が重層的に絡み合い、徐々に立体感とスケール感が増していき、ブラスの高揚感漲るトゥッティと共にクリポタのソロが爆発する・・・。ホント、気持ちええわ。もうちょっとスピード感のある曲が用意されていれば更によかったけど、でもまあ、十分に楽しませてもらいました。最高!!

FC2スレッドテーマ : JAZZ (ジャンル : 音楽

(記事編集) http://jazzlab.blog67.fc2.com/blog-entry-1492.html

2011/08/30 | Comment (2) | Trackback (1) | HOME | ↑ ページ先頭へ ↑ |

Vince Mendoza & Metropole Orchestra / Fast City - A Tribute To Joe Zawinul

   ↑  2010/11/26 (金)  カテゴリー: large ensemble
vince mendoza_fast cityMetropole Orchestra / Fast City
( amazon.cco.jp )
2010 BHM



Fast City will consists of six tracks recorded on January 26, 2008 at the Concertgebouw in Amsterdam. The remaining three tracks were recorded live at the North Sea Jazz Festival on July 11, 2008. Guest artists on both occasions included Peter Erskine, Amit Chatterjee, Victor Bailey, and Jim Beard. Alex Acuña plays percussion on the Concertgebouw tracks while Efrain Toro handles percussion on the North Sea recordings.


世界で唯一ストリングス・セクションをもつオランダの超絶技巧アンサンブル集団、メトロポール・オーケストラの最新作は、ジョー・ザヴィヌルへのトリビュート作品です。オーケストラを率いるのはもちろんミスター・アレンジャーことヴィンス・メンドゥーサ。ジャズという枠を超えて世界の一流アーティストから絶大なる信頼を得ている名アレンジャーです。

実はメンドゥーサにとっては今回のお題目は初めてではありません。話は今から10年ほど遡る2001年のことです。カリフォルニア州ロングビーチで開催された国際ジャズ教育協会( International Association of Jazz Educators )主催のカンファレンスで、ザヴィヌルが欧州ジャズ・フェスティバル協会( European Jazz Festivals Organizaiton : EJFO )から国際ジャズ賞を授与された際、授賞特別コンサートとしてWDR ビッグバンドとWeather Report 卒業生 (ピーター・アースキン、ビクター・ベイリー、アレックス・アクーニャ)が、往年のWR名曲を披露しました。この時、アレンジを担当したのがメンドゥーサだったのです。このことが発端となり、翌年の2002年には、Leverkusener Jazz Festival の一環として開かれたザヴィヌルの古希(70歳)の祝賀公演でも、WDR ビッグバンドとWeather Report 卒業生による同様のライブのアレンジをメンドゥーサが再び担当することになります。

vince mendoza_portrait02  

そんなわけでザヴィヌルは晩年、WDR ビッグバンドとの共演をきっかけに、ニューヨークの Kristjan Jarvi’s Absolute Ensemble や、フランスのNational Orchestra of France と共演したりと、 Large ensemble に強く傾倒していったことが窺えるわけですが、ここにちょっと興味深い記事がありますので、ご紹介いたします。

ジョー・ザヴィヌルの非公式ファンサイト 『 Zawinul Online 』2007年2月26日のエントリー。ザヴィヌルが亡くなるちょうど半年前の記事です。


By the way, Vince tells me he will be working with Joe and the Metropole Orchestra of the Netherlands in January 2008. It’s possible we may see a CD out of this project as well.

ザヴィヌルは生前すでに、2008年1月にはメトロポール・オーケストラと共演する予定があることを明かしていたのです。

今回発売された 『 Fast City : a Tribute to Joe Zawinul 』 は、2008年1月26日のアムステルダム( コンセルトヘボウ: Concertgebouw ) の公演からの6曲と、2008年7月11日の North Sea Jazz Festival での公演からの3曲、計9曲で構成されていますが、上記のザヴィヌルがメトロポール・オーケストラと予定していた公演は、ちょうどこのコンセルトヘボウの公演に符合しているのです。ですからもしザヴィヌルが生きていれば今作はザヴィヌル参加のもと録音されていたのであろうと想像するのですが、どうでしょうか。あくまで僕の勝手な想像ですけどね。

joe zawinul001_2

今回の参加ミュージシャンは総勢48名。メトロポール・オーケストラが最大で60名程の人員を擁しているので、少々少なめの編成で臨んだ作品です。ちなみにジョン・スコフィールドをソリストに迎えて制作された同オーケストラの前作『 54 』 ( 前項参照 ) は文字通り54名が参加した作品でした。

今回のゲストは、ピーター・アースキン、ヴィクター・ベイリー、アレックス・アクーニャ、そしてアミット・チャタジーなど、ウェザーリポートならびにザヴィヌル・シンジケートに所縁のある、ザヴィヌルを語る上で欠かせないミュージシャンばかりを招聘しました。さらには卒業生ではありませんが、ザヴィヌルのトラとしてジム・ベアードも参加しています。

収録曲は全9曲で、冒頭曲がいきなり静かな《 Jungle Book 》で始まり、最初聴いたときは拍子抜けしちゃって、また《 Peace 》とか《Dram Clock 》とか、けっこう地味目な曲も取り上げられていて、全体に微妙な選曲かと思ったのですが、何度も聴いているうちにやはりアルバム総体として見た場合、この選曲、曲順は緩急起伏が絶妙に心地よく、意外にいいんじゃないかと思えるようになりました。

ストリングス・セクションとブラス・セクションが絡み合って壮大なドラマツルギーを演出している《 Oriental Express 》 のような曲もありますが、殆どが静かな曲ではストリングス・セクション主体、乗りのいい曲はブラス・セクション主体、と役割分担がはっきりした構成のようです。

まるでザヴィヌルが操るシンセサイザーの一音一音を連立微分方程式で記述し、オーケストラ構成員のひとりひとりにに分配配置していくような、緻密でマニアックな作業の果てに現出する壮大な音の絵巻物語。この繊細にしてドライブ感に溢れ、はたまたラテン血脈の燃えたぎる心情描画。これを持ってしてメンドゥーサの醍醐味となるのです。

つづく、ホントに。




【 収録曲 】
1. Jungle Book ( from album『 Mysterious Traveller 』 )
2. Orient Express ( from album『 My People 』 )
3. The Juggler ( from album『 Heavy Weather 』 )
4. Nubian Sundance ( from album『 Mysterious Traveller 』 )
5. Dream Clock ( from album『 Night Passage 』 )
6. Fast City ( from album『 Night Passage 』 )
7. Peace ( from album『 Dialects 』 )
8. Tower Of Silence ( from album『 Faces & Places 』 )
9. In A Silent Way ( from album 『 Zawinul 』 )



Clip to Evernote

FC2スレッドテーマ : JAZZ (ジャンル : 音楽

(記事編集) http://jazzlab.blog67.fc2.com/blog-entry-1407.html

2010/11/26 | Comment (0) | Trackback (0) | HOME | ↑ ページ先頭へ ↑ |

Pat Metheny & The Metropole Orchestra / North Sea Jazz Festival 2003 ( Youtube )

   ↑  2010/06/27 (日)  カテゴリー: large ensemble

ジョン・スコフィールドとメトロポール・オーケストラとの共演はなかなかの出来でしたが、ギタリストとメトロポールの共演と言えば何と言っても2003年 North Sea Jazz Festival でのパット・メセニーとメトロポールとの共演でしょう。メセニーの楽曲は初めから物語性に富んでいるので、オーケストラとの親和性はスコフィールドの楽曲に比べて格段に良いですね。Youtube などでその時の映像が見られますが、これってDVDで発売されているのでしょうか? 五つ星間違いなしの素晴らしい演奏なのですが、ぜひDVDで手許に置いておきたいのですが、現物を見たことないのです。

スティーブ・ヴァイとの共演盤『 Visual Sound Theories 』は簡単にそれも安く手に入ったのですけどね。これも凄くカッコよかった。

FC2スレッドテーマ : JAZZ (ジャンル : 音楽

(記事編集) http://jazzlab.blog67.fc2.com/blog-entry-1364.html

2010/06/27 | Comment (4) | Trackback (0) | HOME | ↑ ページ先頭へ ↑ |

Mark-Anthony Turnage & John Scofield / Scorched

   ↑  2010/06/27 (日)  カテゴリー: large ensemble
Mark-Anthony Turnage
Mark-Anthony Turnage / Scorched ( amazon )
2004 Deutsche Grammophon

hr-Sinfonieorchester, HR Big Band
Mark-Anthony Turnage (composer)
Hugh Wolff (conductor)
John Scofield (g)
John Patitucci (b)
Peter Erskine (ds)
Recorded Live at Alte Oper, Frankfurt, Germany, September 7, 2002


マーク=アントニー・タネジ (Mark-Anthony Turnage, 1960~ ) はイギリスの現代音楽家。現代音楽とはいっても前衛音楽ではありません。彼に対しての評価はまだ一定していないようですが、いずれにしても近年かなり注目されている作曲家らしいです。クラシック畑の作曲家ではありながら、マイルス・デイヴィスに強く影響を受けていて、彼の曲には打楽器が多用されていたり、和声もジャズ的であったりと、クロスオーバーな作曲家として認知されているようです。実際にジャズ・ミュージシャンへの接近も見せており、2001年にデイヴ・ホランドを招いて、彼のアップライト・ベースをフューチャーした 『 Bass Inventions 』 というオーケストラ作品を上演しています。

Mark-Anthony Turnage

タネジはドイツの現代音楽アンサンブル集団 “ アンサンブル・モデルン ( Ensemble Modern ) ” から委嘱され、1996年に『 Blood on the Floor 』 という管弦楽曲を書いています。その曲はジョン・スコフィールド、ピーター・アースキン、マーティン・ロバートソンらをソリストに想定して書かれたもので、もちろん公演にあたっては彼らも参加しています。そしてその公演がきっかけでタネジとスコフィールドの交友がはじまり、2002年にスコフィールドの楽曲をオーケストラでカヴァした『 Scorched 』が実現しました。『 Scorched 』とは SCofield ORCHestratED という意味です。

スコフィールドをサポートしたのはフランクフルトに本部を置く Hessischer Rundfunk ( ヘッセン放送協会)が運営するビッグバンド HR Big Band とシンフォニー・オーケストラの  Frankfurt Radio Symphony Orchestra ( hr-Sinfonieorchester ) のジャズ・クラシック混合集団です。

HR Big Band はドイツ国内でも WDR Big Band などと並び、最も人気のあるビッグバンドで、近年ではスティーリー・ダンやマハビシュヌ・オーケストラなどのカヴァ集をリリースするなど、従来のビッグバンドの枠に捕われない幅広い活動を行って人気を博しています。

また、この『 Scorched 』にはジョン・パティトゥッチやピーター・アースキンらも参加しており、ジャズ・ファンも要チェックの一枚になっています。

『 Scorched 』は2002年7月、フランクフルトの Alte Oper ( Old Opera ) というコンサートホールでの実況録音盤です。収録曲は全14曲。スコフィールドのカヴァがほとんどですが、『 Blood on the Floor 』 で演奏された曲も含まれています。昨日ご紹介したスコフィールドとメトロポール・オーケストラの共演盤『 54 』では、スコフィールドのBN時代の楽曲が中心でしたが、この『 Scorched 』では、グラマヴィジョン時代の楽曲が多く取り上げれらています。すべてがオーケストラとスコフィールドの共演というわけではなく、オーケストラのみによるクラシック的なカヴァ曲やスコフィールド+パティトゥッチ+アースキンのトリオによる演奏なども含まれているのが特徴です。

僕個人的には企画として必ずしも成功しているとは思いませんが、それなりに刺激的なサウンドではあります。現代音楽特有の難解さはありません。ジャズ・ファン側からすれば、あくまでスコフィールドのコアなファン用のアイテムと考えてよさそうです。


FC2スレッドテーマ : JAZZ (ジャンル : 音楽

(記事編集) http://jazzlab.blog67.fc2.com/blog-entry-1363.html

2010/06/27 | Comment (12) | Trackback (0) | HOME | ↑ ページ先頭へ ↑ |

Metropole Orchestra featuring John Scofield conducted by Vince Mendoza / 54

   ↑  2010/06/26 (土)  カテゴリー: large ensemble
john scofield_54.jpg
Metropole Orkest featuring John Scofield / 54 ( amazon )
2010 Emercy

Metropole Orchestra
Solist : Ruud Breuls (tp), Paul van der Feen (as), Leo Janssen (ts), Bart van Lier (tb), Martijn Vink (ds), Hans Vroomans (p)
John Scofield (g)
Vince Mendoza (arr.M1-5,7&8)
Florian Ross (arr.M-6)
Jim Mcneely (arr.M-9&10)


ここ最近、個人的に感じるのは、ジャズのラージ・アンサンブル作品が以前に比べて増えていのではないかということ。僕自身がビッグバンドが好きだからそう感じるのかもしれなけど、しかし、バックにストリングスが入ったり、ビッグバンドのアンサンブルをバックにソロをとったりするアルバムがやたら目につきます。

もしそのことが僕の思い込みでなければ、その背景には欧州を中心に高水準のアンサンブル集団が増えているという事実が関係しているのではないでしょうか。

欧州のビッグバンド界隈は今や百花繚乱の様相を呈しています。長い歴史を誇るドイツの WDR Big Band (西ドイツ放送協会ビッグバンド)やNDR Big Band (北ドイツ放送協会ビッグバンド)、デンマークの Danish Radio Big Band (デンマーク放送ビッグバンド)から、90年代に産声を上げたベルギーの Brussels Jazz Orchestra や Paris Jazz Big Band 、更には オランダのJazz Orchestra Of The Concertgebouwなどの新興勢力まで、現在のヨーロッパ大陸は、まさに戦国時代さながらの群雄割拠の勢力争いが繰り広げられていると言っても過言ではありません。

そんな中、ポリスタイルでヴァーサタイルな集団として最も数多くのポップ系あるいはジャズ系ミュージシャンと共演を果たしている今最も注目されているアンサンブル集団が、オランダの放送局が運営にあたるMetropole Orchestra です。

1945年に創立されたメトロポール・オーケストラは、世界で唯一ストリングス・セクションをもつ総勢60人からなる巨大アンサンブル集団です。ジャズはもとより、民族音楽からポップス、果てはヘヴィ・メタルまで幅広いレパートリーをもち、今までにエラ・フィッツジェラルド、ハンク・ジョーンズ、スタン・ゲッツ、ハービー・ハンコック、ジノ・ヴァネリ、ブライアン・イーノ、エルビス・コステロ、スティーヴ・ヴァイなど、世界的に有名な多くのアーティストと共演を果たしています。近年の活動の中では、昨年リリースされたイヴァン・リンスとの共演盤 『 Ivan Lins & The Metropole Orchestra 』 がラテン・グラミー賞の《 Best Brasilian Album 》 賞を受賞して話題となりました。

そして現在、そのオーケストラを統率するのがグラミー賞をはじめ数々の賞に輝く現代最高のアレンジャー、ヴィンス・メンドゥーサ ( Vince Mendoza ) です。ジョニ・ミッチェル、ジェーン・モンハイト、ビヨークなど多くのビッグネームの作品を手掛け、音楽業界では絶大な信頼を得ているメンドゥーサですが、ただ、音楽シーンへの貢献度の割に、一般音楽ファンへの知名度が意外に浸透しないミュージシャンではないでしょうか。がしかし、2005年についにメンドゥーサがメトロポール・オーケストラの常任指揮者&音楽監督に就任しましたので、これから多くの音楽ファンに認知される存在になるのではと期待しています。

という訳で、ミスター・アレンジャーことヴィンス・メンドゥーサ率いるメトロポール・オーケストラの最新作がリリースされました。今作は押しも押されぬジャズ・ギター界の大御所の仲間入りを果たしたジョン・スコフィールド ( John Scofield, 1951~ ) との共演作品。メンドゥーサとスコフィールドの邂逅は約20ぶり。80年代後半にピーター・アースキンの秘蔵っ子として颯爽とジャズシーンに登場したメンドゥーサは89年にデビュー作『 Vince Mendoza 』( 前項あり ) をリリース。その後、90年に『 Start Here 』、91年に『 Instruction Inside 』と、立て続けにリーダー作をリリースしていきましたが、その後2作で既にスコフィールドをソリストとして起用していたのです。今回の新作でも『 Instruction Inside 』に収録されていたメンドゥーサの楽曲を2曲 ( 《 Say We Did 》 と《 Jung Parade 》) 披露しています。当時、夢中で哀愁のメンドゥーサ・フュージョンに聴き入っていた僕には、今回のセルフ・リメイクは大変嬉しい贈り物となりました。



vince mendoza_start here.jpg
vince mendoza / Start Here ( amazon )
1990 Fun House


Bob Mintzer (ts, ss, cl, b-cl), Joe Lovano (ss, ts), Lawrence Feldman (ss, as, fl), John Scofield (g), Ralph Towner (g), Jim Beard (p), Marc Cohen (p), Will Lee (b), Gary Peacock (b), Peter Erskine (ds),etc.





vince mendoza_Instruction Inside.jpg
Vince Mendoza / Instructions Inside ( amazon )
1991 Fun House


Randy Brecker (tp), Lew Soloff (tp), Marvin Stamm (tp), Bob Mintzer (ts, ss), Joe Lovano (ss, ts), John Scofield (g), Ralph Towner (g), Judd Miller ( electric valve instrument), Gloria Cheng (p), Marc Cohen (p), Will Lee (b), Gary Peacock (b), Peter Erskine (ds), Don Alias (perc), Mnolo Badrena (perc), Alex Acuna (perc), etc



70年代から第一線で活躍を続けてきたスコフィールドは、常にアメーバのごとく様々な音楽形態を消化、吸収し自身を進化させてきたので、時代時代によってスタイルがかなり変化しています。なので、スコフィールドのファンの中でも好みによって好き嫌いがあるようです。僕個人としてはやっぱり80年代のグラマヴィジョン時代、つまりデニス・チェンバースが在籍していた頃のファンキーでヘヴィーなフュージョンが好きです。最近はスコフィールドの音楽的ルーツであるR&B やカントリーなどに傾倒していており、彼の音楽の方向性が僕の趣味とちょっとずれてきてしまいました。

2004年のトリオによるライブ盤『 EnRoute 』は最高に出来がよく、続く2005年のレイ・チャールズのカヴァ集も完全にジャズではありませんでしたが、なかなか楽しい作品でした。がしかし、その後の3作品、つまり『 Out Louder 』、『 This Meets That 』、『 Piety Street 』 はどうも肌に合わず、もうジョン・スコのフォローは辞めようかなぁ~、なんて思っていました。でも、今作はイイです。なにしろメトロポール+メンドゥーサがサポートしてますから、悪かろうはずがありません。

さて、前置きが長くなりましたが、そろそろ肝心の内容にいきましょう。

まず盤題の『 54 』の意味ですが、メトロポール・オーケストラのメンバー52人とスコフィールドとメンドゥーサで合計54人、というところに由来しているようです。メトロポール・オーケストラの52名はほぼフル・ヴォリュームに近い構成でしょう。スコフィールドのセルフ・カヴァ7曲とメンドゥーサの自曲2曲から成る全9曲。メンドゥーサの自曲2曲は前述したように91年の日本制作盤『 Instruction Inside 』に収められていた楽曲で、オリジナル・ヴァージョンでもスコフィールドがフューチャーされているので、聴き比べると面白いかもしれません。9曲中7曲はメンドゥーサがアレンジを担当していますが、フローリアン・ロスも1曲、ジム・マクニーリーも2曲、アレンジを書いています。フローリアン・ロスはジム・マクニーリーの弟子ですね。最近、ピアニストとしてはもちろんのこと、アレンジャーとしてもめきめきと頭角を現してきています。ドイツの放送協会専属のビッグバンドの作品などでよく名前を見ます。

アウトスケールで攻撃的にグルーブするスコフィールドのラインと、壮重なクラシカルな和声のオーケストラ・サンドという、お互いに拮抗すべき要素が均衡を保ちながらひとつの世界を構築していく様はまさに圧巻。シンフォニックな音でビートを包み込んでしまうと、甘美なイージー・リスニングなサウンドに陥りやすいのですが、意外とブラス・セクションが頑張って吹いているので、ジャズとしての手ごたえが残っています。ただ、ジャズにスイング、大きな意味でビートを求めるファンにとっては、このオーケストラとの共作はウケが悪いかもしれません。

スコフィールドが書いた数人分のパート譜をもとにして、メンドゥーサは扇動的な重層美旋律を再構築していきます。優しく起伏しながらアンビエントな楽曲に生まれ変わっていきます。それは何処に連れていかれるかのような幻夢的で官能的な音世界。驚くことにメンドゥーサの美意識は20年前と全く変わっていません。ただ演奏者が増えた分、以前に比べ更に華麗に絢爛に響き、立体感とスケール感が格段に増しているだけです。

一方、主役のスコフィールドはイン・アウトを行き来しながら、時にワーミーを踏み鳴らしながらユーモア溢れるフレーズを紡いでいきます。独特のレイドバック感。これが心地よい。コーラスは使っているのだろうが、昔のように強くはかけない。幾部ドライでナチュラルな音質に変化しているようです。

とにかく僕にとってはこの上なく嬉しい作品です。僕の琴線を打つ要素がぎっしり詰まっています。このCDを先週買ってきたのですが、まずいつものようにiPod で聴き込み、次いで自室のオーディオで聴き、昨日は車の中で大音量で聴いてみました。もちろんこういったオーケストラ作品はボリュームを上げれば上げるほど感動も増します。ぜひ環境が許す限りラウドにスピーカーを振るわせて聴いてみてください。相当のトリップ感が得られるはずです。



  ブログ 《 Jazz & Drummer 》 のnaryさんの記事 『 Metropole Orkest, John Scofield, Vince Mendoza/54 』 はこちら

FC2スレッドテーマ : JAZZ (ジャンル : 音楽

(記事編集) http://jazzlab.blog67.fc2.com/blog-entry-1362.html

2010/06/26 | Comment (4) | Trackback (1) | HOME | ↑ ページ先頭へ ↑ |

Jazz Masters Series / Mel Lewis & Jazz Orchestra [DVD]

   ↑  2010/05/28 (金)  カテゴリー: large ensemble
mel lews
Jazz Masters Series: Mel Lewis & Jazz Orchestra [DVD] ( amazon )
1982 Adler Enterprises [ VHS ] 2005 [ DVD ]
 

Mel Lewis (ds), Earl Gardner, Tom Harrell, Joe Mosello, John Marshall (tp), John Mosca, Ed Neumeister, Earl mcIntyre, Doug Purviance (tb), Stephany Fauber (frh), Dick Oats, Kenny Garrett, Joe Lovano, Gary Bribeck, Gary Smlyan (sax), Jim McNeely (p), Dennis Irwin (b)









先日拙ブログで取り上げたアーメン・ドネリアンのセクステットのメンバーとして名を連ねていたディック・オーツ ( Dick Oatts, Iowa ) はあまり馴染みのないサックス奏者ですが、70年代末よりサド・ジョーンズ=メル・ルイス・ジャズ・オーケストラ のリードアルトとして活躍し、現在もサドメルの後継ビッグバンドであるヴァンガード・ジャズ・オーケストラでアーティスティック・ディレクターとして同バンドの音楽的主軸として活躍している名手です。コンボ好きの日本人にはいまひとつ認知されていないのが残念なのですが、実はかなり巧い吹き手であります。そんなオーツの貴重な映像が収められているのがこのメル・ルイス・ジャズ・オーケストラのDVDです。


本盤は1982年のスミソニアンセンターでの実況盤で、当時、『 Jazz at the Smithsonian 』というタイトルでVHDで発売された作品のDVD再発盤です。さすがに時代を感じさせる古臭い映像と音響ですが、しかしそれを補って余りある素晴らしい演奏が聴ける名盤です。しかもこの時代のメル・ルイス・オーケストラのLPは現在ではほとんどが入手困難でCD化もされていないので貴重な映像作品ともいえます。さらにはメンバーがとっても魅力的です。リードアルトのディック・オーツを筆頭に、ジョー・ロバーノやケニー・ギャレット、それから馬鹿テクバリサクのゲイリースマリアンらによるサックス陣営。リード・トロンボーンには名手ジョン・モスカ。トランペットにはトム・ハレルもいます。リズムセクションも2008年に惜しくも癌で他界したベーシスト、デニス・アーヴィンと現ヴァンガード・ジャズ・オーケストラで Composer in Residence として活躍中のジム・マクニーリーが参加しています。

ディック・オーツとは当時師弟関係にあったケニー・ギャレットの存在が目を引きますが、当時はまだOTB加入前ですから、その意味でもすごく貴重です。当然ですが当時はやはりギャレットよりもオーツの方が数段アドリブが巧いです。それからトム・ハレルの若かりしその姿も見られますので、トムのファンにもマスト・アイテムかと思います。え~、ず~とうつむいています、彼。メンバー紹介でも、じっと地面を見ています。トランペット・パートがない場面で、他のトランペッターが愛嬌たっぷりに踊っているのに、トムだけ、ず~とうつむいたままです。まあ、ぜひ、見てください。

収録曲は全4曲で曲間にメル・ルイスのインタビューが入ります。4曲中3曲はハービー・ハンコックの楽曲で、アレンジはボブ・ミュンツァー。サド・ジョーンズが抜けてからはアレンジをボブ・ミュンツァーやボブ・ブルックマイヤーらなどにアウトソーシングしていたため、この頃のメル・ルイスのバンドはとっても現代的でカッコよく、垢ぬけた印象を受けます。今聴いてもほとんど古臭さを感じません。CDなどの音媒体に比べてDVDやLDなどの映像媒体はどうしても飽きやすのですが、本盤は意外に飽きずにときどき思い出したように聴きたくなる作品です。


FC2スレッドテーマ : JAZZ (ジャンル : 音楽

(記事編集) http://jazzlab.blog67.fc2.com/blog-entry-1333.html

2010/05/28 | Comment (0) | Trackback (0) | HOME | ↑ ページ先頭へ ↑ |

Jazz Orchestra of the Concertgebouw featuring Peter Beets / Blues For The Date

   ↑  2010/02/26 (金)  カテゴリー: large ensemble

Jazz Orchestra of The Concertgebouw_blues for the dateJazz Orchestra of The Concertgebouw / Blues for The Date ( amazon )
2010 55 Records FNCJ-5539
 
Henk Meutgeert ( cond ), Joris Roelofs ( as,ss,cl,fl ), Jorg Kaaij ( as, fl ), Simon Rigter ( ts ), Sjoerd Dijkhuizen ( ts, cl ), Juan Martinez ( bs, bcl ), Jelle Schouten ( tp, flh ), Wim Both ( tp, flh ), Rini Swinkels ( tp, flh ), Ruud Breuls ( tp, flh ), Jan van Duikeren ( tp, flh ), Martijn Sohier ( tb ), Hansjorg Fink ( tb ), Bert Boeren ( tb ), Martien de Kam ( b-tb ), Martijn van Iterson ( g ), Peter Beets ( p ), Frans van Geest ( b ), Martijn Vink ( ds )



オランダのビッグバンド、Jazz Orchestra of The Concertgebouw ( 以下JOC )の通算6作品目となる最新作。2008年にリリースされた前作 『 Silk Rush 』 ( 前項あり ) は、JOC きってのスーパースター、ジェシ・ヴァン・ルーラー ( g ) を主役に配したいわば“ ジェシ・ヴァン・ルーラー・ソングブック集 ” であったが、今最新作はジェシ同様、JOC のなかでは絶大な人気を誇るピアニスト、ピーター・ビーツ ( Peter Beets , Hague , 1971~ ) をフィーチャーした作品だ。もちろん演奏曲はすべてピーター・ビーツのオリジナル曲である。

まずは簡単に JOC について記しておく。


JOC は96年に創立されたビッグバンドで、たとえばフランスの Paris Jazz Big Band やベルギーの Brussels Jazz Orchestra と同様、比較的 歴史の浅い集団だ。

オランダにはストリングス・セクションを有する世界でただ一つのビッグバンド、 The Metropole Orchestra や、コンベンショナルなスタイルで安定したサウンドを奏でる83年設立のDutch Jazz Orchestra などが既に存在しているが、この JOC は地元出身の若き精鋭を中心に結成された新しいビッグバンド・サウンドを模索する集団という点で他との差別化を図っているようだ。

JOC は編曲・指揮を担当するヘンク・ムトーヘルトやベーシストのフランツ・ヴァン・ヘーストらによって96年に“ The New Concert Big Band ”という名でスタートした。そして地道な活動が実を結び、99年には、クラシック界の殿堂“ Concertgebouw ”の名を冠したJOC という名前に昇格改称している。現在では年間50公演以上、年間観客動員数は35000人を超えており、今後も活動範囲を広げていく予定だ。なお、やはりビッグバンドの運営は他国同様、厳しい状況下におかれており、現在JOCは、オランダ教育・文化・科学省から構造基金を受ける一方、Deloitte および AKD Prinsen Van Wijmen という企業からの支援を受けて運営されている。

このバンドは、トランペットが5人配されているため、通常のビッグバンドよりも1人多い18人編成であるのが特徴的だ。それにより、高域部のエッジが鋭くなり、トランペット・ソリでの抜群の爽快感を生みだしている。メンバーは全員オランダを代表する新進気鋭のエリート・ミュージシャンとのことだが、ホーン・セクションには日本ではほとんど馴染みのないミュージシャンが名を連ねている。それに対してリズム・セクションは強力だ。もしかすると世界最強のリズム隊を有するビッグバンドかもしれない。まずはギターのジェシ・ヴァン・ルーラー。おそらく世界で軽く5本の指にはいる超絶技巧派だろう。日本にもファンは多い。本来ならビッグバンドのギターはそれほど優秀でなくても務まるところなのに、そこにジェシを起用するあたりがこのバンドの特徴だ。そして、ジェジとの活動を通して徐々にその評価を高めているのが、ドラマーのマタイン・ヴィンクとベーシストのフランツ・ヴァン・ヘーストだ。マタインはBrussels Jazz Orchestra や The Metropole Orchestra でも活躍する超売れっ子ドラマー。ピアニストのピーター・ビーツもCriss Cross に多くの吹き込みをもつ日本でも人気のミュージシャンだ。05年には 『 Live at The Concertgebouw Vol.1 & 2 』 という素晴らしいトリオ作品を発表している。


さて、肝心の内容について。


今作はビムハウス ( Bimhuis ) での実況録音盤。ビムハウスはアムステルダム中央駅近くにあるオランダ屈指のジャズスポット。オランダ国内のアーティストは云うに及ばず、世界中の超一流ジャズマンが連日熱い演奏を繰り広げている有名スポットだ。

収録曲は全7曲でいずれもピーター・ビーツの筆によるもだが、すべて彼の Criss Cross に残した 『New York Trio 』 シリーズで演奏されている曲をビッグバンド用にアレンジし直したスコアを用いている。


JOC の指揮者であるヘンク・モトーヘルトが素晴らしいアレンジを施しているが、彼以外にもクラシックから映画音楽やジャズまで幅広い分野で活躍しているピアニスト兼作曲家兼指揮者のユーレ・ハンストラ ( Jurre Haanstra ) もリリカルで美しいアレンジを提供している。


ビッグバンドはやはり、指揮者あるいはバンドメンバーがはじめからビッグバンドでの演奏を念頭に置いた曲を書いて、その楽曲を自ら演奏する、という手法のほうがそのバンドの魅力を引き出しやすいと思っている。欧州のビッグバンドによくあることだが、米国の有名ソリストを招聘して、そのミュージシャンの楽曲とソロをフィーチャーしたプログラムを組むことが多いが、あれはあまり面白いと思って聴いた試しがない。ジャズ・ジャイアントのトリビュート・プログラムも期待外れに終わることも多い。やはり、ビッグバンドはゲストなど招かずに、自ら曲を書き、自らその曲を演奏するほうが100倍楽しい。

そういう視点で JOC の作品を俯瞰した場合、ヘンク・モトーヘルトとメンバーの自曲で固めた家内工業的作品 『 Riffs'n Rhythms 』 ( 2008, 55 Records ) がベストだと思う。

以前、この『 Riffs'n Rhythms 』のレビューを書いたとき、僕は彼らの演奏をこんな風に表現していた。


≪ ~ リズムを目まぐるしく変化させながら、切れ味鋭いソリを怒涛のごとく決めてくる。アクセントの入れ方も斬新。針の穴を通すような緻密なスコアを正確無比の超人的読譜力と演奏スキルで軽々とこなしていく。~ ≫


がしかし、今回のピーター・ビーツ作品集を聴く限り、リズムの変化の点においても、アンサンブルの切れ味も、スコア上のフック度にしても、やはり 『 Riffs'n Rhythms 』 には及ばないと感じた。とは云うものの、ビーツのピアノのためのシンプルな数分の楽曲をこれほどまでにイメージを膨らませ、壮大なビッグバンド・サウンドに仕上げてしまうとは、やはりリーダーのヘンク・モトーヘルトの編曲能力は相当に凄い。

主役のビーツもソロパートでは豪快かつ優雅にオスカー・ピーターソン級のソロを聴かせてくれて、単純に爽快な気分になれるし、トランペットのヤン・ヴァン・ダウケレンやルート・ブルルス、アルティストで一昨年に55 Records からリーダー作もリリースしたヨリス・ルーロスなど、個性的な脇役も健在で、アンサンブル、ソロともに大変楽しめる作品に仕上がっている。なお、今作にはジェシは参加しておらず、代わりにマタイン・ヴァン・イターソンというギタリストが参加している。ジェシには技術的に及ばないものの、ベンソン風のなかなか味のあるソロをとっていて好感が持てた。

FC2スレッドテーマ : JAZZ (ジャンル : 音楽

(記事編集) http://jazzlab.blog67.fc2.com/blog-entry-1258.html

2010/02/26 | Comment (0) | Trackback (0) | HOME | ↑ ページ先頭へ ↑ |

2009年極私的愛聴盤_その四_ビッグバンド編

   ↑  2010/01/01 (金)  カテゴリー: large ensemble

Vanguard Jazz Orchestra live Vanguard The Vanguard Jazz Orchestra / Monday Night Live At The Village Vanguard ( amazon )
2008  Planet Arts

やっぱり観に行っとけばよかった。12月はじめに Blue Note Tokyo に来てたんですよね。仕事が忙しくて行けなかったけど、無理すればいけたのに・・・。 このヴィレッジ・ヴァンガードのライブ盤を聴くたびに後悔してます。メンバー・チェンジをしないことで有名なVJO ですが、今作を見るとトランペット陣ががらりとメンバー・チェンジしてますね。で、大好きな
テレル・スタッフォードとスコット・ウェンホルトが加入!! あ~、絶対聴くべきだった。Blue Note のライブは学バンのファンとそのOBの異様な ( ホント異様だったらしい ) 熱気で凄いことになっていたようですが、このライブ盤はこれまた別な意味で異様に静か。レコーディングだからと観客は気をつけていたのかな。これ、近年のVJO の最高傑作でしょう、間違いなく。




joris teepe bb Joris Teepe Big Band / We Take No Prisoners  ( amazon )
2009 challenge
オランダ生まれで、90年代初頭には渡米しNYを中心に活躍している左利きのベーシスト、ヨーリス・テーペーの初ビッグバンド作品。テーペーと云えば90年代にMons から出した一連の作品が思い出されます。 『 Bottom Line 』 なんかメッセンジャーズを現代風にアレンジしたようなハードバップで愛聴していました。そんな彼がビッグバンドを手掛けるようなったのは、2007年に北オランダ交響楽団のスコアを書いたのがきっかけらしいです。オーケストラ用の曲が評価が高く、気を良くした彼が自らのビッグバンドを立ち上げてしまったのです。今作は著名なプレーヤーは参加していませんが、非常にセンスのよい心地よいサウンドで、心に残る愛聴盤でした。





vince mendoza el vientoVince Mendoza and the Metropole Orchestra / El Viento: The Garcia Lorca Project  ( amazon )
2009  ACT
グラミー賞をはじめ数々の賞に輝く現代最高のジャズ・アレンジャー、ヴィンス・メンドゥーサの最新作。今回のプロジェクトは20世紀のスペインを代表する詩人兼劇作家のフェデリコ・ガルシーア・ロルカを題材にした大作。演奏するのは世界最高のストリングス入りビッグバンド、メトロポール・オーケストラ。スペインに舞台を移しても、彼の壮大な世界感は普遍です。もともとラテンの血脈を受け継ぐ彼ですから、このあたりは得意分野です。ロマンティックな物語を紐解いていくようなワクワク感に溢れ、まさに仮想サウンドトラック的な作品です。まあ、いつも彼の作品はそんな感じですが。スパニュッシュ・フレイバー溢れる扇動的な多重美旋律にぜひ酔っていただきたい。


上記以外では、Bohuslan Big Band のクリスマス作品 『 Good Time Christmas 』 や、ロイ・ハーグローブのビッグバンド作品 『 Emergence 』 も良かった。ロイのビッグバンドは Blue Note Tokyo でも観れたし、いつまでも思い出に残る作品になるでしょう。それから、全然新作ではありませんが、フィンランドのビッグバンド、The UMO Jazz Orchestra の Naxos 盤 『 UMO Jazz Orchestra  』 は噂通り素晴らし出来だった。 まあ、そんなことろでしょうか。

FC2スレッドテーマ : JAZZ (ジャンル : 音楽

(記事編集) http://jazzlab.blog67.fc2.com/blog-entry-558.html

2010/01/01 | Comment (0) | Trackback (0) | HOME | ↑ ページ先頭へ ↑ |

HR Big Band / Swinging Christmas

   ↑  2009/12/25 (金)  カテゴリー: large ensemble

bohuslan big band good time christmas

HR Big Band / Swinging Christmas ( amazon )
2002  hr-musik.de   hrmj012-02
星1つ星1つ星1つ

HR Big Band
( producer: jorg Achim Keller )
Marjorie Barnes  ( vo )
Frits Landesbergen  ( vib )

FC2スレッドテーマ : JAZZ (ジャンル : 音楽

(記事編集) http://jazzlab.blog67.fc2.com/blog-entry-549.html

2009/12/25 | Comment (0) | Trackback (0) | HOME | ↑ ページ先頭へ ↑ |

Bohuslan Big Band / Good Time Christmas

   ↑  2009/12/24 (木)  カテゴリー: large ensemble
bohuslan big band good time christmasBohuslan Big Band / Good Time Christmas ( HMV )
2009  Vara Concert Hall / Bohuslan Big Band 2009-2
星1つ星1つ星1つ星1つ 
BOHUSLAN BIG BAND:
Nils Landgren ( artistic director, tb )
Rigmor Gustafsson ( vo )
Erik Gullbransson ( vo )
Veronica Mortensen ( vo )




Natale con i tuoi, Pasque con chi vuoi.
イタリアの格言で、“ クリスマスは家族と、イースター(復活祭)は恋人と ” といって、
イースターは恋人と一緒にいてもいいけど、クリスマスだけは家族と一緒に過ごしてね、という
母親の言葉があります。
 
本来クリスマスは宗教行為なので、粛々とした気持ちで静かに祝福しないといけません。
まあ、キリスト教信者でもないので、つられて祝う必要がないと云えばそれまでですが。
 
という訳で、僕は早々に仕事を切り上げて足早に帰宅、家族三人で楽しくクリスマスイブの夜を過ごしました。
先ほどまではしゃいでいた息子は、すっかり疲れてもう寝てます。
妻はこっそり仕込んでおいたプレゼントを枕元に置きに行ったことろです。
今年は 『 ラQ ( ラキュー ) 』 という細かいブロックのセットが欲しかったらしい。
 
みんなでケーキや鳥のモモ肉を食べ、シャンパンを開け、ワイワイ騒ぎながら聴いていたのが
この Bohuslan Big Band の最新作 『 Good Time Christmas 』 。
文字通りクリスマスアルバムです。本当は12月29日に発売予定のアルバムですが、
ある方からこっそりいただいちゃいました。
まあ、“ ある方 ”と云っても、長く拙ブログをご覧いただいている方にはすぐにわかっちゃうと思いますが。

BBBのオフィシャル・サイトを先日見ていたら、この新作のことが書いてあったので欲しいな~と思っていただけに
かなり嬉しい。BBBはもちろん大好きなのですが、今作には我が愛しきリグモア・グスタフソン
( Rigmor Gustafsson  )が 参加しているのです。
そのほかにも現アーティスティック・ディレクターのニルス・ラングレンが ヴォーカル兼トロンボーンで参加しています。

ニルスによるライナーノーツを読むと、リグモア・グスタフソンはスウェーデンにおいてはモニカ・ゼタールンド以来、
最も成功を収めたヴォーカリストらしい。そんなに偉くなっちゃったのかとデビュー当時からのファンとしては
感慨深いです。
でも、BBBの重厚なサウンドに幾分負け気味で、少々残念。もともと声量がある歌い手ではないですからね。
 
作品としてはニルスを含め4人のヴォーカリストが入れ替わり立ち替わり登場するし、ありきたりな
クリスマスソングに対して、けっこう斬新なアレンジを施しているので、たいへん面白い仕上がりになっています。
 
ということで、日付は既に25日。今日は仕事収め。そのまま当直に突入と、まだまだ僕の年末は忙しいです。

I wish you a Good Time Christmas !



christmas2009_4_s christmas2009_1_s christmas2009_3 christmas2009_2_s christmas2009_5_s christmas2009_6_s

 

FC2スレッドテーマ : JAZZ (ジャンル : 音楽

(記事編集) http://jazzlab.blog67.fc2.com/blog-entry-547.html

2009/12/24 | Comment (5) | Trackback (1) | HOME | ↑ ページ先頭へ ↑ |

Mike Gibbs / Nonsequence

   ↑  2009/12/13 (日)  カテゴリー: large ensemble

mike gibbs non sequence


HR Big Band の話が出たところで、ドイツの地方放送局専属のビッグバンドの作品をもう一枚。

新譜ではないが、マイク・ギブス ( Mike Gibbs , Zimbabwe , 1937~ ) の2001年にリリースされた最新作。
最新作とは云っても、10年近くも昔のことだ。近年はそのアレンジジャーとしての才能が高く評価され、ジャンルを超えてアレンジの以来が殺到! 自身名義のアルバムの制作に費やす時間的余裕がないらしい。

マイク・ギブスというと、マイク・ウエストブルック ( Mike Westbrook , 1936~ ) やニール・アードレイ ( Neil Ardley , 1937~2004 ) らと並び、ブリティッシュ・ジャズ・ロックの文脈で語られることが多いアレンジャー兼ビッグバンド・リーダーだ。

1937年にジンバブエに生まれマイクは、7歳からピアノを習いはじめた。大学はジンバブエに隣接する南アフリカ共和国の大学で科学を学ぶものの、音楽に目覚めてしまったマイクは18歳のときにバークリー音楽院に入学。トロンボーンやジャズの編曲を学んだ後、タングルウッドやアーロン・コープランドに作曲を学んだ。その滞米中にゲイリー・バートンと親交を深めた。

1965年に学業を終えると同時に帰国。バークリーの同窓のジャズ・ベーシスト、グレアム・コリア( Graham Collier , 1937~ ) やジョニー・ダンクワース、 New Jazz Orchestra 、マイク・ウエストブルック・コンサート・バンドなどに演奏家兼作編曲家として参加した。その後、ゲイリー・バートンやマハビシュヌ・オーケストラの作品でそのアレンジャーとして手腕を発揮し、1974年からは再び渡米し、バークリーを拠点に活動を続けている。

『 Nonsequence 』 と題したこの作品は、ジャケットを見ただけではわからないが、ドイツ放送協会( NDR ) 専属のビッグバンドである NDR Big Band に、ニューヨークで活躍する数多くの著名なミュージシャンが客演して作り上げられている。下に参加ミュージシャンを記しておいたのでよ~く見てほしい。特にニューヨーク陣営には、クリス・ポッター、ランディ・ブレッカー、ルー・ソロフ、アレックス・シピアジン、アレックス・フォスター、ギル・ゴールドスタイン、ハイラム・ブロック、ビリー・キルソン、スティーブ・スワローと、思わずひれ伏してしまうほどの布陣が揃っている。まさにニューヨーク・オールスターバンドとドイツ公共楽団との豪華絢爛な音の祭典だ。

ちなみにアップロードした ≪Romour Has It ≫ で螺旋階段を跳躍しながら昇降していうような激しいソロをとってるテナリストはクリス・ポッター。知的で繊細、かつ豪快なドラムソロはビリー・キルソンだ。また ≪Moonlight Serenade ≫ でテナー・ソロをとっているのはNDR Big Band の看板ソリストであるクリストフ・ラウアー ( Christof Lauer , 1953~ ) だ。

70年代のジャズ・ロックが盛んだった頃のマイク・ギブスは、よくわからないが複雑な和声を駆使した一風変わった曲を書く人だと思っていたが、今作などを聴くと随分と洗練されらスタイルに変貌していることに驚く。ただし、極めて精緻な手腕はひしひしと伝わってくる作風なのは昔と変わらない。また、各曲にフィーチャーされているソリストの仕事ぶりが素晴らしく、全編を通して聴き手を全く飽きさせない。今作は意外に知られていない作品だが、僕個人的には密かな愛聴盤としていつも手の届くところに置いて楽しんでいる作品だ。
 
余談になるが、“ ジャズ・ロック ” という言葉が最初に使われたのはいつだかご存じだろうか。これには諸説があるようだが、ラムゼイ・ルイスの1965年の大ヒット曲 ≪The in Clowd ≫ がその出所という説が有力らしい。今、≪The in Clowd ≫ を聴いてジャズ・ロックと感じるジャズ・ファンはいないと思うが、当時はあのR&B のノリにロックのテイストを感じ取ったのだろうね。

Mike Gibbs / Nonsequence ( amazon )  星1つ星1つ星1つ星1つ
2001  Provovateur Records  PVC1027

Michael Gibbs (comp, arr)

New York Musicians: Lew Soloff, Randy Brecker, Earl Gardner, Alex Sipiagin (tp); Chris Potter (ts, ss); Chris Hunter (as); Alex Foster (as, ts, ss, fl); Howard Johnson (cb cl, tuba); John Clark (frh); Jim Pugh, Dave Bargeron, Dave Taylor (tb); Gil Goldstein (p, acc); Hiram Bullock (g); Steve Swallow (b); Billy Kilson (d)

NDR Musicians: Ingolf Burkhardt, Lennart Axelsson, Michael Leuschner, Claus Stötter, Dirk Lentschat, Reiner Winterschladen (tp); Fiete Felsch, Peter Bolte, Christof Lauer, Lutz Büchner, Frank Delle (sax); Joe Gallardo, Michael Danner, Dan Gottshall, Stefan Lotterman, Ingo Lahme (tb); Richard Rieves, Karyn Dobbs (frh); Vladyslav Sendecki (p); Stephen Diez (g); Lucas Lindholm (b); Mark Mondesir, Ian Thomas (d); Wolf Kerschek (marimbaphon); Marcio Doctor (perc)

FC2スレッドテーマ : JAZZ (ジャンル : 音楽

(記事編集) http://jazzlab.blog67.fc2.com/blog-entry-533.html

2009/12/13 | Comment (6) | Trackback (1) | HOME | ↑ ページ先頭へ ↑ |

Dave Douglas with Jim McNeely + Frankfurt Radio Bigband ( hr big band ) / A Single Sky

   ↑  2009/12/11 (金)  カテゴリー: large ensemble

dave douglas a single sky2



米国人トランペッター、デイヴ・ダグラス ( Dave Douglas , Montclair , 1963~ ) は、いまだに日本での知名度は低いのだが、1994年のデビュー以降、フリーから正統派ハード・バップまで幅広いレンジで活躍し、すでに30枚近いアルバムをリリースしており、コアなファンの間ではけっこう人気が高い。もともと多作家であったが、2005年に自身のレーベル Greenleaf を立ち上げてからは更に制作スピードに拍車がかかり、ものすごい勢いで作品をリリースしまくっている。

 今年に入ってからもレスター・ボウイに捧げたプロジェクト“ Brass Fantasy ” 名義で 『 Spirit Moves 』 ( 前項あり ) という作品を6月にリリースしたばかりだが、早くも新作が発表された。

次々と新プロジェクトを立ち上げ、常に新しい音に挑戦し続けるデイヴ・ダグラスだが、今回はなんとドイツのフランクフルト・ラジオ・ビッグバンド ( Frankfurt Radio Bigband ) との共演盤だ。意外なことに彼にとっては初のビッグバンド作品となる。

あれ、はじめて耳にするビッグバンドだな、って思って調べてみたら、何てことはない、フランクフルトに本部を置くヘッセン放送協会( Hessischer Rundfunk ) 専属のビッグバンド、HR Big Band のことであった。いつもならHR Big Band の名前でアルバムをリリースしているのに今回だけフランクフルト・ラジオ・ビッグバンドと名乗ったか本当のところは不明だが、おそらくデイヴ・ダグラス 主宰のGreenleafとしては、米国内で売りさばくためにはヘッセンよりもフランクフルというネーミングのほうがファンにわかりやすいと判断したからであろう。

話のついでに、ドイツの公共放送ビッグバンドについて簡単に触れておく。(興味のない方は飛ばして読んでください)

ドイツにはドイツ公共放送連盟 ( ARD ) と呼ばれる公共放送局の組織があり、地方の放送局とネットワークを形成している。つまり、南西ドイツ放送協会 ( SWR )、北ドイツ放送協会( NDR )、西ドイツ放送協会( WDR )、ナイエルン放送協会( BR )、ヘッセン放送協会( HR )、中部ドイツ放送協会( MDR )、ベルリン・ブランデンブルグ放送協会( RBB )、ザールランド放送協会( SR )、ブレーメン放送( RB )  の計9つの地方放送局と連合を組んでいるのだ。そしてその中の多くが放送局独自の交響楽団やビッグバンドを所有している。ただし、クラシックの交響楽団はブレーメン放送( RB )以外の8つの地方放送局が所有しているが、ジャズのビッグバンドを抱えている放送協会はそれほど多くはなく、南西ドイツ放送協会 ( SWR )、北ドイツ放送協会( NDR )、西ドイツ放送協会( WDR )、それにヘッセン放送協会( HR ) の4団体に限られている。

この4団体の中で最も知名度が高いのは西ドイツ放送協会専属の WDR Big Band だろう。ジョー・ザヴィヌルがWDR Big Band と共演した作品 『 Brown Street 』 は、同ビッグバンドの名を世界中に知らしめるきっかけとなった名盤である。歴史的にみてもWDR Big Band が最も古い。一方のSWR や NDR も米国の一流アーティストを招聘して多くの作品をリリースしているので、最近はその認知度を高めている。そんな中では HR Big Band が最も知られていない存在であろう。しかし演奏技術は前3者に比べて決して遜色はないのでこの機会に彼らのサウンドを体感してほしい。

HR Big Band と他の公共放送局専属楽団とでは、音楽的守備範囲の広さがだいぶ違う。HR Big Band は、スウィング・ジャズ,モダン・ジャズ,ライト・ミュージック,アヴァンギャルド・ジャズからヒップ・ホップまで,様々な音楽をそのレパートリーに持ち,数多くのフェスティバル,定期コンサートなどにももちろん参加する。おそらく地元フランクフルトでは子供からお年寄りまで,あらゆる年齢層の方々に愛されるビッグバンドなのだろう。他の公共放送局専属のビッグバンドよりもかなり “ Polystyle ” で “ Versatile ” な職人集団と言えよう。

閑話休題。
本作にはアレンジャー兼コンダクターとしてジム・マクニーリー ( Jim McNeely , Chicago , 1949~ ) が参加している。彼は古くからヨーロッパとアメリカを行き来しながら、多くのビッグバンドを指揮してきたビッグバンド界の重鎮だ。本国アメリカでは Vanguard Jazz Orchestra に属し、ピアニスト兼作曲家として活躍する一方で、頻繁に訪欧しては Danish Radio Jazz Orchestra、 Metropole Orchestra、WDR Big Band、Stockholm Jazz Orchestra など、多くの名門ビッグバンドで采配を振ってきた。

今回も HR Big Band に招聘されたのか、と思ったが、実は2008年8月から同 Big Band の Artist-in-Residencce に招かれていたようだ。彼は今作において指揮をとるとともに4曲でアレンジも担当している。 デイヴ・ダグラス とジム・マクニーリーの組み合わせは初めてだと思うが、実はこの二人、80年代に師弟関係にあったようだ。デイヴがNew York University の Gallatin School に通っていた時、ジムから作曲について学んだそうだ。

さて、今作の内容だが、全7曲構成で、すべてデイヴの自曲である。デイヴは2008年のアメリカ大統領選挙にインスパイアされ   ≪ Delighted States ≫ というビッグバンドのための9楽章構成の組曲を作曲した。今作にはその9楽章の中から≪ Presidents ≫ ≪ Campaign Trail ≫ ≪ Blockbuster ≫ の3楽章を聴くことができる。残りの4曲はデイヴの古い自曲の中から選曲されており、ジムがビッグバンド用にリイメージされている。

正直なところ聴くまではあまり期待していなかった。デイヴのエッジの効いた自由奔放なスタイルがビッグバンド・サウンドに馴染むことはないだろうと蔑んでいた。おそらくデイヴとHR Big band は構図的には対置し、彼のフレーズは浮きまくるのではないかと思っていた。ところがこれが完全にいい意味で裏切られる結果となった。両者は高い次元で融合し、ドラマチックで壮大な音世界を演出し、素晴らしいビッグバンド・サウンドを作り上げているのだ。 デイヴの何処までも自由奔放なソロは控えめで、いつもの実験精神をぐっと抑えたスタイルで通している。

全体としては、スピード感よりも重厚感を全面に押し出したサウンドで、その圧倒的な迫力、音圧はヘビー級ボクサーにこれでもかと云うくらい殴られて気が遠くなっていくときの快感に似ている。どにかくスケール感が半端じゃなくて、大音量を浴びるように聴けば、かなりのトリップ感が得られること必至だ。特に壮大に展開するタイトル曲が強烈な印象を残す。加えて HR Big Band のテナー奏者、トニーラカトスとの相性もばっちりで、燃えたぎる炉心で二人が核分裂し、発生させるエネルギーの破壊力は半端じゃない。

FC2スレッドテーマ : JAZZ (ジャンル : 音楽

(記事編集) http://jazzlab.blog67.fc2.com/blog-entry-532.html

2009/12/11 | Comment (0) | Trackback (0) | HOME | ↑ ページ先頭へ ↑ |

Peter Erskine, Tim Hagans & The Norrbotten Big Band / Worth The Wait

   ↑  2009/11/08 (日)  カテゴリー: large ensemble

norrbotten big band worththewait 


ティム・ヘイゲンス ( Tim Hagans ) が監修を務めるスウェーデンの名門ビッグバンド、 ノルボッテン・ビッグバンド (  Norrbotten Big Band :  NBB ) にピーター・アースキンが客演したた2007年の作品。 ティム・ヘイゲンスとピーター・アースキンは、70年代初めに共にスタン・ケントン楽団に在籍し、同じ釜の飯を食った仲間。その繋がりでこの共演盤が実現したのだろう。

スウェーデンには首都ストックホルムに本部を置く Stockholm Jazz Orchestra ( SJO ) や イェーテボリを拠点に活動している Bohuslan Big Band ( BBB )  など、優秀なビッグバンドがあるが、この NBB もSJO や BBB に比べても決して遜色ない素晴らしいビッグバンドだ。

NBB の活動拠点は北スウェーデンのリューレオ市 ( Lulea )  にある。 BBB で長年、常任ベーシストとして活躍している森泰人氏によると、北スウェーデンという地は自然環境が厳しいため、スウェーデンの腕の良いミュージシャンは住みたがらず、都市部へ移り住んでしまうらしい。そのため NBB のメンバーは現地のミュージシャンではなく、ストックホルムから招聘された外部のミュージシャンが多いとのこと。

そう言われてみると、NBB のリード・アルトのヨハン・ホーレン ( Johan Horlen ,1967~ )  や人気若手ベーシストのマーティン・シェーステッド ( Martin Sjostedt ) ( 前項あり ) は、普段はストックホルムを中心に活躍していて、SJO のメンバーとして活動しているミュージシャンだ。

ただし、彼らのOfficial Web Site の 《 Musicinas 》 で現在のメンバーを確認すると、どうもヨハン・ホーレンはすでに脱退しているらしい。その代わり SJO から同バンドの看板ソリストであるテナー奏者のカールマーティンア・ルムクヴィスト ( Karl-Martin Almqvist  ) ( 関連前項あり ) が正式メンバーとして参加している。

本作は、ピーター・アースキンのソロが大々的にフィーチャーされているので、アースキン・ファンにはたまらない一枚になるであろう。しかし僕個人的には、アースキンの知性溢れる見事なプレイも然ることながら、ここでは前述アルト奏者のヨハン・ホーレン にも注目してもらいたい。日本ではほとんど無名だと思うが、その演奏能力は抜群で、誰しもが欧州ジャズの懐の深さに驚くはずだ。

ピーター・アースキンのオリジナルが3曲、ティム・ヘイゲンスのオリジナルが4曲で、全7曲収録。アレンジの殆どをヘイゲンスが手掛けている。どの曲もセンスがよく、安らぎと刺激が交互に押し寄せてくるようなダイナミックな曲が大半を占める。ホーン・アンサンブルはやや甘さがみられる箇所があるが、ソリストはそれぞれ個性的で巧いし、総体としては世界レベルと云ってよいのではないか。少なくともスウェーデンの田舎のローカルバンドを匂わせる野暮ったさは皆無で、アースキンの貢献もあるのだろうが、非常に洗練された印象を受ける。本作は発売時、Down Beat 誌で四つ星を獲得しており、評論家の評価もすこぶる良かったようだ。

NBB の Web Site によると、本年の5月にはピーター・アースキンとの第二弾作品をレコーディングするため、訪米しているとのこと。しかもゲストとしてランディー・ブレッカー、ジョー・ロバーノ、デイヴ・リーブマンらも参加しているらしい。これはすごく楽しみだね。

Peter Erskine, Tim Hagans & The Norrbotten Big Band / Worth The Wait
( amazon )
  2007  Fuzzy Music  PEPCD015
星1つ星1つ星1つ星1つ

JazzTimes の記事はこちら

FC2スレッドテーマ : JAZZ (ジャンル : 音楽

(記事編集) http://jazzlab.blog67.fc2.com/blog-entry-508.html

2009/11/08 | Comment (0) | Trackback (1) | HOME | ↑ ページ先頭へ ↑ |

Jim Beard / Revolutions ( ReEntry )

   ↑  2009/10/30 (金)  カテゴリー: large ensemble

jim beard Revolutions2 




ジム・ベアードの9年ぶり、4作目となる最新作。本作は世界で唯一ストリングス・セクションを持つオランダのビッグバンド、メトロポール・オーケストラとの共演盤。指揮者はもちろんヴィンス・メンドゥーサ。ということで、三者そろい踏みの豪華絢爛な絵巻物語のはじまりである。

一聴して何だか初めて聴いた感じのしない、懐かしい気分になった。それもそのはずで、全10曲中4曲が91年の初リーダー作 『 Song of The Sun 』 からの楽曲であった。それ以外にも過去の作品からの再演が2曲含まれていた。数多く作曲を手がけているジムにしては、セルフ・カヴァーが多すぎる感じもしたが、おそらく、自分の愛着のあるオリジナルをオーケストラ・ヴァージョンで再演したらどうなるか、彼自身も興味があったのだろう。


曲は全てジムのオリジナルだが、メンドゥーサがアレンジするとその表情は一変する。

知的で繊細なジムの楽曲にメンドゥーサのラテンの血が注ぎ込まれ、一気に燃え上がるのだ。メンドゥーサの奇抜な和声とエンターテインメント性が繰り成す独特のグルーブ感は麻薬的であり、聴けば聴くほど彼の虜になっていく。弦と管が複雑に絡み合い、幾重にも音が重なり合い、そして比類稀なるファンタスティックな音世界が構築される。

ジムはサイドメンとして起用されるときは、シンセサイザーを扱うことがほとんどだが、自己のリーダー作では生ピアノをメインに弾いてきた。今回もほとんどがピアノを弾いている。もともと彼はピアニストであったから当然といえば当然のことだ。シンセを扱えるほうがギャラが高かったためにシンセを弾きはじめたが、皮肉なことにピアニスト・ジムよりも、キーボーディスト・ジムの方が評価されたのだ。

ジムの知的でクールなピアノも流石だが、盟友ボブ・マラックやビル・エバンスの熱きソロにも痺れる。また、メトロポール・オーケストラのメンバーであり、 Jazz Orchestra of The Concertgebouw のメンバーでもあるトランペッター、Ruud Breuls ルード・ブルルスがなかなか爽やかなソロを聴かせてくれる。そしてドラマーはbrussels Jazz Orchenstraでの活動も並行して行っているマタイン・ヴィンクが7曲を担当。

アレンジはメンドゥーサが7曲担当し、残りはマット・ハリス、ゴードン・グッドウィン(Gordan と表記されているがGordonの間違いだろう)、そしてジム・ベアードがそれぞれ一曲づつ担当している。ゴードン・グッドウィン=Big Phat band という固定観念が僕にはあるので、ちょっと意外。


< Biography >

ジム・ベアードは1960年、フィラデルフィア生まれた。両親の薦めで7歳からピアノを始め、クラシックを学ぶ一方であのジョージ・シアリングの個人レッスンも受け、さらにはクラリネット、サックス、ベースなどを習得していった。85年にはニューヨークに移住したが、1年もしないうちに、マハビシュヌ・オーケストラのツアー・メンバーに抜擢された。その頃、あのステップスのイリアーヌ・イリアスがバンドを脱退し、マイケル・ブレッカーらは彼女の後釜を探してオーディションを開いた。そこでジムもオーディションを受けたが、結果的にはキーボーディストではなくギターのマイク・スターンが加入してしまった。しかしそのことがきっかけでジムとマイケルとの交流がはじまり、のちにマイケルの作品にも参加することとなった。86年暮れからはウェイン・ショーターのツアーに参加。ショーターとの関係は2000年まで続いた。その間にもジョン・スコフィールドやパット・メセニーらのサポートを行うなど、常に超一流アーティストのブレインとして第一線で活躍してきた。



FC2スレッドテーマ : JAZZ (ジャンル : 音楽

(記事編集) http://jazzlab.blog67.fc2.com/blog-entry-501.html

2009/10/30 | Comment (0) | Trackback (0) | HOME | ↑ ページ先頭へ ↑ |
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。