雨の日にはジャズを聴きながら90年代以降のジャズを気ままに綴っています。 旧ブログ 『 雨の日には JAZZ を聴きながら 』 からのデータ移行は終了しました。ジャズ以外にも、時々デジタル関連の物欲記事、最近ハマっているカメラの話題も少しアップしています。 

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My Fav Song This Week

   ↑  2010/07/25 (日)  カテゴリー: alto

Paquito D'Rivera 《 Claudia 》

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2010/07/25 | Comment (11) | Trackback (0) | HOME | ↑ ページ先頭へ ↑ |

Tia Fuller / Healing Space

   ↑  2010/06/24 (木)  カテゴリー: alto
tia fuller_healing Space.jpg
Tia Fuller / Healing Space ( amazon )
2007 Mck Avenue Records

Tia Fuller (as,ss,fl)
Miki Hayama (p)
Miriam Sullvian (b)
Kim Thompson (ds)
Kahlil Kwane Bell (perc)
Sean Jones (tp)
Ron Blake (ts)
Charandee Wade (vo) Iyana Wakefield (vo)


以前からファンの間では話題になっていた北海道出身の高校生アルト奏者、寺久保エレナさん(というかチャンかな)の待望のデビューアルバム 『NORTH BIRD』 が昨日リリースされた。1992年生まれで現在18歳という若さにも関わらず完璧なテクニック。しかも表現力が豊かで聴き手の心にグイグイと熱く迫るものを既に持っている。

繰り返すけどまだ18歳。若け~。ちょっとジャケットのパーマを無理やりかけたようなポートレイトは微妙な可愛さだが、、、。普段はセーラー服きてるんでしょ、彼女。だったらやっぱり 『スウィング・ガール 』 路線でいけば絶対売上倍増するのに。そのほうがず~と可愛いのに。もったいない。

それにしても巧すぎ。一体どんな時間の過ごし方をしたら18年間でこれだけ深くジャズを理解できるようになるのか。僕ら凡人とはタイムスケールが全然違うんだろうな。選曲がスタンダード中心で今一つ面白みに欠けるが、おそらくこのデビュー作が売れるだろうから、セカンドも程なくリリースされるだろう。次作ではコンテンポラリーなオリジナルで勝負してほしい。彼女には絶対、そのほうが似合う、と思うよ。

ということで、言いたいことは現在のジャズ市場は山中千尋さんや矢野沙織さんの名前を持ち出すまでもなく完全なジェンダレスな市場になっているということ。一昔前は女がジャズなんてという風潮が特に管楽器にはあったけど、今は全然そんなことはない。むしろ女性のほうがアグレッシブで生き生きしたコンテンポラリーなジャズを演っていたりする。

そんな訳で、今日の本題に移るとしよう。このアルティストも女性ながらパワフルで存在感のある吹き手だ。

コロラド州出身で現在はニューヨーク界隈で活躍中のアルトサックス兼フルート奏者、ティア・フラー ( Tia Fuller, 1976~ ) の2007年リリースのセカンドアルバム 。先日発売になっている第三作 『 Decisive Steps 』 ( 前項あり ) が思いのほか素晴らしい作品だったので、喜び勇んでこのセカンドを手に入れたというわけ。

ちなみに2005年に母親がプロデュースした自主制作『 Pillar of Strength 』でCDデビューしているが、残念ながら流通には乗っていないようで入手困難な模様。

簡単に彼女の経歴を記しておく。ティア・フラーは1976年、コロラド州オーロラに生まれる。デンバーの公立学校の音楽教師をしていたベーシストの父親とヴォーカリストの母親のもとで、チャーリー・パーカー、サラ・ヴォーン、コルトレーンなどを聴きながら幼少期を過ごしている。3歳からピアノ、9歳でフルート、そして中学生になるとキャノンボール・アダレイに強い関心を抱きサックスを手にしている。そしてアトランタにあるアメリカ合衆国最古の黒人女性のための大学、スペルマン・カレッジに入学し、1998年に学士号(人文学位 : a Bachelor of Arts degree in Music ) を取得、マグナ・クム・ラウデで卒業。さらに2000年にはコロラド大学で修士号(専門修士)を取得し、サマ・クム・ラウデで卒業している。2001年にニューヨーク進出。デューク・エリントンBB、ナンシー・ウイルソンなどのビッグネームと共演。2006年にはビヨンセの女性バッグバンドのメンバーに抜擢され一躍注目を浴びている。


全10曲でフラーのオリジナル中心。フラーはアルト以外にもソプラノやフルートも吹いているし、楽曲も第三作『 Decisive Steps 』に通じるような凝ったコンテンポラリーな楽曲やメローな楽曲、それから2曲でヴォーカルをフューチャーしたりと、若干 Mack Avenue のレーベル・カラーが表出したような作品作りだ。バラエティに富んだ内容なのだが、ただ裏を返せば散漫な印象も拭いきれない。まあ、全体的には孵化以前の様態を捉えた一枚と云えるのではないか。そうは云っても、彼女のその後の秀演を予感させる鋭いアドリブラインが随所に見られるのが嬉しい。

レギュラーメンバーの5人は全員女性で、『 Decisive Steps 』 同様、女ジェフ・ワッツことキム・トンプソンも参加。ただ彼女に見せ場は全体を通して一曲だけ。それ以外は比較的おとなしい演奏に終始している。また京都生まれで現在はニューヨークで活躍中のピアニスト早間美紀さんも参加。モーダルで切れ味鋭いフレーズを連発している。ゲストにはレーベル・メイトのトランペッター、ショーンジョーンズとテナー奏者のロン・ブレイクが参加している。

どうしても第三作の『 Decisive Steps 』と比較してしまうが、その出来具合の差は歴然としている。あまりにも『 Decisive Steps 』が素晴らしかったから仕方ないのだが、少々残念。まあ、彼女も進化の過程にあるということだろう。そのことが分かっただけでも良しとしよう。今から次作が楽しみだ。


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2010/06/24 | Comment (0) | Trackback (0) | HOME | ↑ ページ先頭へ ↑ |

Tia Fuller / Decisive Steps

   ↑  2010/06/13 (日)  カテゴリー: alto
steps
Tia Fuller / Decisive Steps ( amazon )
2010 Mack Avenue Records

Tia Fuller (as)
Shamie Royston (p, rhodes)
Miriam Sullivan (b)
Kim Thompson (ds)
Sean Jones (tp)
Christian McBride (b)
Warren Wolf (vib)



コロラド州オーロラ出身で現在はニューヨークを中心に活躍している女性アルトサックス兼フルート奏者、ティア・フラー ( Tia Fuller, 1976~ ) の最新作。

2007年リリースのセカンド 『 Healing Space 』同様に、ゲスト陣以外はすべて女性ミュージシャンで固めているが、何と云ってもドラマーのキム・トンプソンの参加に惹きつけられる。マイク・スターンやケニー・バロンのバンドで活躍しているを聴いた限り、かなりの凄腕ドラマーで、その狂暴性と破壊力のある叩きっぷりはまるで女ジェフ・ワッツ。結論から云うと、今作で彼女の真価が発揮されたと云っても過言ではないくらい素晴らしいドラムを披露している。

女性のサックス奏者であるということ、また、ジョナサン・バトラーやリック・ブラウンやカーク・ウェイラムらなどが所属する Mack Avenue Records からの作品ということもあり、スムース・ジャズ作品かと誤解されがちだが、とんでもない。ニグロ臭プンプンの最高のハード・コア・ジャズ作品だ。LCJO のメンバーとして活躍する若手トランペッター、ショーン・ジョーンズ ( Sean Jones, Warren OH, 1978~ ) (前項あり ) は僕の中では最近、赤丸急上昇中なのだが、彼の一連の作品に以前からフラーが参加していたので注目していた。常にハイな状態が維持できる吹き手で、かなり僕的には好みのタイプだと思っていたが、彼女のサイトを見て初めて女性だと知り驚いたものだ。

つつく。数日に分けて加筆していく予定です。

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2010/06/13 | Comment (0) | Trackback (0) | HOME | ↑ ページ先頭へ ↑ |

Rosario Giuliani / Lennie's Pennies

   ↑  2010/04/18 (日)  カテゴリー: alto
Rosario Giuliani_lennies-penniesRosario Giuliani / Lennie's Pennies ( amazon )
2010  Dreyfus Jazz


Rosario Giuliani (as)
Pierre De Bethmann (p, Rhodes),
Darryl Hall (b),
Joe La Barbera (ds)






イタリアの巨匠ピアニスト、フランコ・ダンドレアから高く評価され、90年代からめきめきと頭角を現し、今やステファノ・ディ・バティスタ並んでイタリアンジャズ界の中核を担うアルティストに成長したロザリオ・ジュリアーニ ( Rosario Giuliani , Terracina , 1967~ ) の通算11作品目となる最新作。

昨年、ロザリオ・ジュリアーニ、ピッポ・マティーノ、ベンジャミン・エノクからなるトリオ、Trio Ostiko 名義でコンテンポラリーなハード・フュージョン作品をリリースしたのも記憶に新しいところですが、今作は一転してレニー・トリスターノへのオマージュを捧げた内容となっています。

レニー・トリスターノは云わずと知れたクール・ジャズの第一人者で、独自の理論を展開し、リー・コニッツやウォーン・マーシュらなどの優秀な弟子を輩出したことで有名ですね。90年代以降のブルックリン派と揶揄されたアーティストの殆どがトリスターノから影響を受けたといわれるように、現代でもなお彼の影響力は保たれています。

チャーリー・パーカーの伝統をしっかり継承しながらも、コルトレーンのモード奏法をアルトサックスにトランスレートしたようなフレーズで激情的に吹きまくる二反背律的なスタイルを身上とするジュリアーニが、なんで今頃トリスターノなの? という疑問はありますが、ジュリアーニに限らずイタリア人って米国ジャズ・ジャイアントへのトリビュートがもともと好きですよね。ジュリアーニだって今までにも、コルトレーンへ捧げた『 Duets for Train 』、マイルス・トリビュートの実況盤 『 Jazz Italiano Live 2007 』 、Schema Sextet 名義でバッソ=ヴァルダンブリーニへのオマージュを贈った『 Look Out 』 などいろいろ制作していますし。

そう云えば、トリスターノってイタリア系移民だったんですよね。そんな因縁も今作制作のきっかけにあったのかも。

 
さて内容ですが、11曲中、トリスターノの自曲は冒頭に配された彼の代表曲≪ Lennie's Pennies ≫ のみ。それ以外は≪ Love Letters ≫ や ≪ How Deep Is The Ocean ≫ などのスタンダードや、ジミー・ロウルズのお馴染み≪ The Peacocks ≫やザビヌルの≪ 74 MIles Away ≫などのミュージシャン・オリジナル、そしてジュリアーニが4曲とピエール・ドゥ・ベスマンが2曲を提供。
 
と云う訳で、トリスターノ恐怖症で夜も眠れないあたなでも安心して聴ける作品に仕上がっています。

でも流石にトリスターノの≪ Lennie's Pennies ≫では、インテンシヴに蜿蜒とウネる音列でトリスターノっぽさを演出しています。ジャズを聴き始めた頃は、こういうフレーズの連鎖に虫唾が走ったものですが、マーク・ターナーらの音楽を経過してきた我が耳には、それほど違和感はありません。2曲目以降はホリゾンタールにクネるトリスターノらしさは影をひそめます。

ですが、音色は今までと随分と違う印象です。ジュリアーニは高揚してくるとファズトーンに近い音色で < 音を割って > くるのですが、今回は全くそれがありません。澄み渡るクリアな音色で一枚通しているのは初めてのことで、そのあたりはやはりトリスターノへのオマージュを意識しているのでしょう。マウスピースも変えているのかもしれませんね。

 脇を固めるサポート陣も素晴らしい仕事をしています。ピエール・ドゥ・ベスマン ( Pierre de Bethmann ) は今回は生ピアノとローズを半々ぐらいで弾き分けていますが、僕個人的には生ピアノを弾くベスマンに強いシンパシーを感じます。一昨年のステファン・ウシャール ( Stephane Huchard )の 『 African Tribute to Art Blakey 』 、今年になってからの Moutin Reunion の『 Soul Dancer 』 などでも歌心溢れつつも切れ味鋭いソロでその非凡な才能を発揮していましたが、今作でもその存在感は絶大です。

ベースのダリル・ホール ( 1963~ ) とドラムスのジョー・ラバーベラ ( 1948~ ) をわざわざ米国から招聘した理由はわかりませんが、グローバル化した現代社会においては米国とヨーロッパ間の行き来など極々日常的なことなのでしょう。それにしてもラバーベラのダイナミックでしなやかなドラミングを聴いていると、還暦過ぎた初老が叩いているとは俄かには信じられません。老成円熟とは無縁の溌剌とした見事な演奏です。

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2010/04/18 | Comment (2) | Trackback (1) | HOME | ↑ ページ先頭へ ↑ |

Stefano Di Battista , Danilo Rea , Roberto Gatto / La Musica Di Noi

   ↑  2010/03/26 (金)  カテゴリー: alto

stefano di battista_ la musica di noiStefano Di Battista , Danilo Rea , Roberto Gatto / La Musica Di Noi   ( HMV )
2010 Alice Records


Stefano Di Battista (as,ss)
Danilo Rea (p)
Roberto Gatto (ds)
Dario Rosciglione (b)




バティスタ様の最新作だけど、う~ん、なんだか微妙な出来。良いような気もするけど、やっぱり物足りないかな。やっぱり個人的には、初期の頃のような激しいアドリブを聴いてみたいなぁ。ボルトロとの2管なんかでさ。

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2010/03/26 | Comment (4) | Trackback (0) | HOME | ↑ ページ先頭へ ↑ |

Rosario Giuliani, Pippo Matino, Benjamin Henocq / Trio Ostiko

   ↑  2010/01/10 (日)  カテゴリー: alto

trio_ostiko Rosario Giuliani, Pippo Matino, Benjamin Henocq  /  Trio Ostiko  ( HMV )
2009  V.V.J.
星1つ星1つ星1つ星1つ星半分

Rosario Giuliani  ( as )
Pippo Matino  ( el-b )
Benjamin Henocq   ( ds )







ロザリオ・ジュリアーニ、ピッポ・マティーノ、ベンジャミン・エノクからなるトリオ、Trio Ostiko による第一弾。

ステファノ・ディ・バティスタと共に、イタリアを代表するアルティストに成長したロザリオ・ジュリアーニ ( Rosario Giuliani , Terracina , 1967~ ) と、ジャコのフォロワーとしても有名なイタリアのベーシストであるピッポ・マティーノ ( Pippo Matino , Napoli , 1965~)、そして90年代に Prysm のメンバーとして活躍したフランス人ドラマー、ベンジャミン・エノク ( Benjamin Henocq , Paris , 1969~ ) の豪華な顔合わせによるサックス・トリオである。欧州きっての馬鹿テク集団がどんなジャズを奏でるのか、CDが届くを楽しみにしていたが、これがまさに僕のストライクゾーンど真ん中のコンテンポラリー・ハード・フュージョン作品だった。

ピッポ・マティーノがエレベで参加しているからには4ビート・ジャズではないことはだいたい想像はつくが、スタイル的にはピッポの過去の作品、とくに2008年の 『 Third 』 あたりとよく似ている。『 Third 』から無駄をそぎ落としたらこうなった、みたいな作品とも言える。

本作は3人の共同名義になっていって、ジュリアーニが3曲、マティーノとエノクがそれぞれ2曲ずつ曲を提供することでアルバムの多面的な魅力を引き出すことに成功している。がしかし、音楽的意匠を決定し、多彩なバリエーションを有する楽曲をコンセプチュアルにまとめ上げているのは、おそらくピッポ・マティーノではないか。

ワイルドでグルーヴィー、そして最高にファンキーなフュージョンを奏でたかと思うと、一転してエモーショナルで耽美的なバラードでリスナーの心を鷲つかみにするそのスタイルは、いままでのポッポの作品群にみられた特徴そのものである。そして、ピッポのライフワークとも言うべきプロジェクト、 “ Essential Team ” ( 前項あり ) の指向性の延長線上に生まれたのがこの Trio Ostiko と、捉えることもできるだろう。

そういえば、95年頃にジュリアーニが ピッポの Essential Team に客演したのがきっかけで、二人の蜜月関係が始まったんだっけ。

一方のエノクは、近年のジュリアーニの作品、たとえば 『 More Than Ever 』( 2004, Dreyfus ) や『 Anything Else 』( 2007, Dreyfus )  に参加し、ジュリアーニとの親交を深めていたのはご存じのとおり。

肝心の内容だが、三人がそれぞれのを嗜好を活かし、高度なレベルで融合したようなハード・フュージョンだ。全編を貫くのはファンキーでドライブ感のあるリズムと、キャッチーでポップなメロディーである。三人ともその分野では欧州で頂点に君臨するテクニシャンだけに、とにかく巧い。そして、次々と繰り出される音楽的語彙の豊富さにも圧倒される。
 
冒頭曲≪ Footprints ≫ からジュリアーニはフルスロットルで豪快に吹きまくる。≪イタリアのケニー・ギャレット≫、あるいは ≪アルトを手にしたコルトレーン≫ の異名をとるジュリアーニ ( 僕が勝手にそう呼んでいるだけだが ) の激情的な節回しに心地よい高揚感を覚える。基本的にバックのリズムが4ビートだろうが16ビートだろうが、ジュリアーニの演奏スタイルは変わらないと思う。
 
ピッポのジャコ激似ぶりは健在だが、時々、ジェフ・バーリンに変身したり、あるいは、それほど巧いとは思えないスラップを披露したりと、せわしく弦を掻きむしっている。まあ、そこまで弾かなくてもいいんじゃないかと、ふと思ったりするが、でも馬鹿テクぶりには素直に感服する。
 
そして、エノクだが、ここまでグルーヴするフュージョン系の太鼓が叩けるとは今まで知らなかった。単純に驚いた。まあ、彼にとっては新機軸を打ち出したというよりも、自身のキャリアの一部を新たに披露しただけなのだろう。それにしてもこのクラスの一流ミュージシャンのフレキシビリティは、僕らリスナーの想像を遥かに超えている。

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2010/01/10 | Comment (6) | Trackback (2) | HOME | ↑ ページ先頭へ ↑ |

Pierrick Pedron / Cherokee

   ↑  2009/10/26 (月)  カテゴリー: alto

pierrick pedron  cherokee




フランス人アルトサックス奏者、ピエリック・ペドロン ( Pierrick Pedron b.1969 ) の2001年にリリースされたデビュー作。

日本ではいまだ知名度は低いが本国ではかなりの高い評価を得ているアルティストだ。本作は発売当時、天才と騒がれていたピアニスト、バティスト・トロティニョン ( Baptiste Trotignon b.1974 ) が参加していたこともあり、輸入盤店を中心に話題となった。


ペドロンはキャリアの割に世に認められたのは遅く、1996年にアラン・ジャン・マリーのサイドメンとして “ ラ・デファンス・ジャズ・コンサート” に参加したときの実況盤が録音デビューであった。意外に遅咲きのアーティストなのだ。本作でデビューを飾ったあとは、順調に活動の場を広めていき、のちにフランスの独立系レーベル Nocturne の看板アーティストにまで成長している。

パーカーの遺伝子がものの見事に融解したバップ魂に溢れる技巧派で、饒舌流麗な語り口はフィル・ウッズを彷彿とさせる。同世代の欧州圏のアルティストではイタリアのロザリオ・ジュリアーニが彼に似たテイストを持ってるのではないか。

全8曲で、タイトル曲の ≪ Cherokkee ≫ と≪Autumn in New York ≫ 以外はメンバーのオリジナル曲で構成されている。基本的にはバピッシュな曲が大半を占めるが、現代的なモーダルな楽曲も挟み込まれた、新旧折衷の不思議な作風だ。そのあたりの志向はたぶんにトロティニョンの参加が影響しているように思う。

この頃はリップ・コントロールに難があるのか、やや不安定に感じる箇所も散見されるが、のちの作品を聴くとそのあたりは完全に克服されているようだ。

トロティニョンも主役を飲み込む勢いで鋭的かつ知的ソロを聴かせてくれるし、また、ドラマーのフランク・アギュロンもずば抜けた瞬発性と精緻さをもって主役を煽るので、全編を通して緊張感が持続する素晴らしい作品に仕上がっている。

フランク・アギュロンはピエール・ド・ベスマン、エリック・レニーニ、デヴィッド・エル・マレク、それからピエール・アラン・グルチらなど、フランスのトップ・アーティストらのサポートで名を馳せる名手だ。

 
なお、ペドロンを初めて聴くという方には2006年リリースの第三作 『 Deep in A Dream 』 ( 前項あり )  をお薦めする。単身訪米し、ブルックリンの Systems Two Recording Studio で、マルグリュー・ミラーのピアノ・トリオをバックにバピッシュに激しくブローするペルドンが聴ける。彼の持ち味が最もストレートに表現されている名盤だと思う。
 
コルトレーンの出現以降、テナリストばかりか、アルティストまでがコルトレーンに影響を受け、モーダルな奏法を身につけていったことを考えると、ペドロンのような正真正銘のパーカー直系のアルティストの存在意義は大きいと思う。

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2009/10/26 | Comment (2) | Trackback (0) | HOME | ↑ ページ先頭へ ↑ |

Charlie Mariano / Silver Blue

   ↑  2009/09/29 (火)  カテゴリー: alto

charlie mariano silber blue



2009年6月16日、惜しまれつつも他界したチャーリ-・マリアーノ ( Charlie Mariano , Boston , 1923~ ) の2006年、チューリッヒで録音された作品。録音当時、マリアーノは83歳。もうそれだけでどんな演奏だろうが尊敬しちゃいますね。しかも当時はすでに癌を患っていたわけですから、その精神力たるやタダものではありません。

人間、誰しも老いから逃れられない宿命にあります。逃れられない以上、重要なのは、いかに美しく老いるか、いかに成熟していくか、という事です。この命題の一つの答えをマリアーノは僕たちに提示してくれている、と、この作品を聴くたびに思うのです。いくら老いても、強い精神力と前向き志向を常に絶やさず、最後まで自分の人生を歩んでいきたい。そして最後は前のめりで死んでいきたい。そう思うのです。
 
本作は、最後まで音楽家としての使命を全うしようとしたマリアーノの最晩年の演奏を刻銘に記録した作品です。すでに音に清明ささや艶やかさはありません。それどころか、濁って聴きにくい箇所も散見されます。ちょうど、老いていくに従い人間の声質も濁っていくように、マリアーノの音色も晩年は枯れたものに変化していきました。しかし、そこには技術的な衰えなど微塵も感じられません。本作を聴く限り、マリアーノの即興演奏家としての能力は最後まで枯渇することがなかった、と思われます。まさに超人的です。


全9曲で、そのうち4曲がスタンダード。1曲がピアノのジャン・クリストフ・ショレのオリジナル。そして残りの4曲がマリアーノのオリジナル、という構成。すべてがマリアーノの真骨頂が発揮されたバラードです。

バックを務めるのは、先日も紹介したスイスで活躍中の人気トリオ、Cholet - Kanzig - Papaux Trio ( 前項アリ-1, )  です。この鉄壁の伴奏陣が本作の魅力をより一層引き立てきます。完全に抑制された落ち着きのある伴奏で、三者間のパワー・バランスもお見事。完璧な伴奏を披露しています。

マリアーノのフラジオ域での泣きのフレーズに思わず胸が熱くなります。深い哀感が全編に横溢し、彼の人生そのものがリアルな音像となって、僕ら聴き手の眼前に投影されてくるかのようです。
 
本作は新譜ではありせんが、マリアーノの遺作となる新譜がEnja から発売されました。昨年録音されたライブ音源で盤題は 『 The Great Concert 』 といいます。まだ未購入ですが、ぜひ聴いてみたい作品です。

Charlie Mariano / Silver Blue  星1つ星1つ星1つ星1つ星半分
Enja 2008  TKCW-32139

Charlie Mariano  ( as )
Jean - Christophe Cholet  ( p )
Heiri Kanzig  ( b )
Marcel Papaux  ( ds )

この記事に含まれるタグ : ウエスト・コースト スイス 00s 四つ星半 

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2009/09/29 | Comment (7) | Trackback (0) | HOME | ↑ ページ先頭へ ↑ |

Lou Donaldson / Live : Fried Buzzard

   ↑  2009/09/07 (月)  カテゴリー: alto

lou donaldson fried buzzard







ルードナルドソン ( Lou Donaldson , 1926~ ) が東京ジャズ2009で来日し、昨日の夜の部に出演していましたね。

今年ははじめから東京ジャズのプログラムに惹かれるものがなかったので、観る予定はなかったのですが、ルードナルドソン だけは観るかどうか最後まで迷っていました。
結局、観にいかなかったですが、おそらく、る~さんを生で観られる最後のチャンスだっただろうなぁ。

やっぱり2006年に Blue Note 東京に来た時に観ておけばよかった、っと後悔しても後の祭り。

でも、やっぱり、ルードナルドソン みたいな真っ黒けのアーシーなジャズは、小さな箱で聴きたい。
5000人も収容できちゃうような巨大な空間では、ルーのあの黒い体臭が拡散しちゃって、雰囲気が台無しだよね。
おそらく、観たという記憶だけが残るだけで、感動はしないだろうな~と思ったから、行かなかったわけ。
 
本当は薄汚い怪しいオッサンがたむろするジャズ・クラブで、ルーさんの体臭を含んだ唾を浴びながら、ステージにかぶりついて観ていたい。この 『 Fried Buzzard 』 ( chessmates, 1965 ) を聴くたびにそう思のです。
 
このライブ・アルバムは凄いです。何がって観客が。観客の声援、拍手と演奏が一体となってたまらなくファンキー。
鼻を突くドギツイ体臭とカビ臭いホールの臭いがスピーカーから漂ってきそう。
 
この作品、あまり知られていないけど、僕個人的にはルーのベスト5に入るくらい好きです。

ラズウェル細木の『 ときめき JAZZ タイム 』 って、ジャズ・ファンなら知らない人はいないくらい有名なマンガですが、そのなかに ≪ W. E. Blues ≫ というマンガがあります。ウエスト・エンドにあるすすけたカフェでルードナルドソンのカルテットを聴く話ですが、やっぱりルーの音楽って大観衆は似合わないよなぁ、って思わせるような素敵な話です。

それにしても、最終日夜のマッコイ・タイナー&ジョン・スコフィールドのステージって、どんな演奏だったのだろう。僕の中でどうしても二人が意気投合してインプロバイズしている図式が浮かばないです。そういう意味ではちょっと興味がありましたが、どうせテレビ放映されるでしょう。その時を楽しみにしてます。

あと、大西順子さんだけでも観ておいた方がよかったかも。この前の Blue Note も見逃しちゃったし、いつでも観られると油断していると、また、突然の休業宣言しちゃうかもしれないし、ちょっと不安になってきた。今度は絶対観にいこう、っと。
 
Lou Donaldson / Live: Fried Buzzard  ( amazon )  星1つ星1つ星1つ星1つ
原盤 chessmates 1965   再発盤 GRP records GRP-859

Lou Donaldson  ( as )
Bill Hardman  ( tp )
Billy Gardner  ( org )
Warren Stephens  ( g )
Leo Morris ( Idris Muhammad ) ( ds )

lou donaldson ときめきジャズタイム 

 

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Toshiyuki Honda & Burning Waves / Boomerang

   ↑  2009/08/16 (日)  カテゴリー: alto
本田俊之 Boomerang 


≪ Boomerang ≫ composed by Toshiyuki Honda featuring Bobby Broom .

1981年、渡辺貞夫のツアーで来日したボビー・ブルームは、滞在中に本多俊之&バーニング・ウェイヴの録音に参加している。その参加作品がこの『 Boomerang 』 。タイトル曲でボビーのソロが聴かれるが、全体的には出番は少なめだ。本多俊之&バーニング・ウェイヴは当時のスクエアやカシオペアなどに比べるとポップ感が希薄で、かといってプレイヤーズのようなハードコアでもなく、なんだか中途半端な印象がある。ターゲットが曖昧な商品は売れないのは世の常で、彼らもフュージョンというタームが音楽界に定着する前に淘汰されていった、と記憶している。


実はこの作品は当時、エレクトリック・バードというレーベルから発売された。米国に負けない世界的にも通用するクロスオーバー・サウンドを 日本から発信する、というスローガンのもとに森園勝敏、増尾好秋、そして本多俊之らの作品を制作していた。プロデューサーはかの有名な川島重行氏であった。偶然にもそのころの作品が今月5日に 『 エレクトリック・バード ~ スーパー・フュージョン・セレクション 20 』 シリーズとして、紙ジャケ&SHMC-D 仕様 / 24bit マスタリング で再発されている。ただ、2800円というのはいくら高音質CDとはいえ、ちょっと高いかな。私の所有しているのは2006年にローヴィング・スピリッツから再発されたディスクで1980円。しかも中古で600円で購入したもの。

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Francesco Cafiso / Angelica

   ↑  2009/08/15 (土)  カテゴリー: alto
francesco cafiso_angelica




2005年にVenus からデビューしたときは、これは凄いアルト・サックス奏者が出てきたもんだ、とびっくり仰天したが、時の流れは実に早いものであれから4年近くも経ってしまった。デビュー当時16歳だったカフィーソも今では20歳。早熟とか神童とかいう形容詞が似つかわしくない程、立派なミュージシャンに成長した。

そんなカフィーソの新譜がイタリアのレーベル CAM JAZZ からリリースされた。CAM JAZZ からのリーダー作としては2006年リリースの『 Happy Time 』 に続く2作目となる。私個人としては、『 Happy Time 』は今までのところカフィーソの最高傑作と思っているので、今回の CAM JAZZ 産にもおのずと期待が膨らむ。

本題にはいる前に、彼の前作について少し触れておく。2006年 『 Happy Time 』 ( 前項あり ) をCAM JAZZ からリリースした後、彼は Venus からデビュー作 『 New York Lullaby 』 に続く第二弾、第三弾作品を立て続けにリリースした。詳細は省くが、この2作品がどうも印象が悪かった。

つまりは、相変わらずVenus 側がスタンダードばかりを演奏させているのでスリル感が全く生まれない退屈な演奏に終始しているのが致命的と言える。大方のジャズファンはそうした Venus の方向性に辟易しているはずだ。オーヴァー・プロデュースにより完全にミュージシャンの真価、個性をスポイルしているとしか言いようがない( もちろん、そのことがいい結果を生む場合もあるが ) 。

恐るべき技術力に裏付けられた完璧なまでの演奏能力には敬服せざるを得ないのだが、どうしても聴き手の心に訴える力に乏しいというか、機械的にスタンダードを吹いているだけのような白々しさが見え隠れして、共感できないのだ。カフィーソは Venus が提供する枠組みの中では、真価を発揮できない、そう思った。

そんなこともあり、今回の CAM JAZZ に更に期待しちゃうのだが・・・・。

実を言うと、本アルバムの第一印象は激しく物足りなかった。

本アルバムを制作にあたり彼が選んだ戦場はニューヨークだった。相手は現在ニューヨークで活躍中の新進気鋭のミュージシャン。つまり、ドラムのアダム・クルーズ、ベースのネン・ストリート、そしてピアノのアーロン・パークスの3人。このメンバーなら凄い作品が生まれるに違いない、と期待するのもわかっていただけるだろう。ついにカフィーソもダークで繊細な非4ビート路線に突き進むのか! と思いきや、冒頭曲で出てきた音はいきなり眠気を誘う超スロー・バラード。ビリー・ストレイホーンの ≪ A Flower Is A Lovesome Thing ≫ 。 アダム・クルーズはマレットを持ってノンビートでポコポコ叩いているし・・・。


2曲目からはそれなりに元気な演奏もみられるが、作品総体としては詩的でエモーショナルな静かな楽曲で占められている。既往の諸作品でみられたような息もつかせぬ高速ビバップ・フレーズはほとんど現れない。若さで押しまくる時期は過ぎた、という彼の意志の表れだろうか。まるで老境の域に達したかのような落ち着きはらった演奏に正直、当惑する。

また、アーロン・パークスの個性も生かし切れていない。これじゃアーロンでなくてもいいんじゃないか、って思う。他のメンバーにしてもほぼ同様なことが言える。


しかし、まあ、数回聴き込むうちにこの物足りなさは少しづつ払拭されていった。

カフィーソの静謐で叙情的なソロの中から時折顔を見せる情念みたいなもの。そういった感情は、完璧なまでのグリッサンド&リップ・ベンド、それから激しいファズ・トーン、さらには彼の今までのプレイではほとんど聴かれることのなかったアウト・スケールの音列などのイディオムを駆使して表現されるわけだが、その一文の隙もない完璧な演奏力にはあらためて敬服する。やっぱりこの人は、只物じゃない。




Official Web Site や Youtube にカフィーソの映像がたくさんアップされているのが、どれもライブパフォーマンスは素晴らしく観ごたえがある。アドリブ・ラインの自由度が高く、新鮮なフレーズが次々と飛び出してくるし、喉を傷めるんじゃないかと心配するくらい激しいファズトーンを聴かせ、昂揚感を煽る。私もプロムナード銀座2005で彼のライブを観ているが、あの時の感動は今も忘れられない。やっぱりカフィーソはライブがいい。切にライブ盤の発売を望む。

Francesco Cafiso / Angelica ( amazon )  星1つ星1つ星1つ
2009  CAM JAZZ  CAMJ 7820-2

Francesco Cafiso  ( as )
Aaron Parks  ( p )
Benn Street  ( b )
Adam Cruz  ( ds )

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2009/08/15 | Comment (0) | Trackback (1) | HOME | ↑ ページ先頭へ ↑ |

Pierrick Pedron / Deep In A Dream

   ↑  2009/05/06 (水)  カテゴリー: alto
Pierrick PEDRON deep in dream



引き続きピエリック・ペルドン の超お薦め盤を一枚。

MOONKS 本でも大河内善宏氏が絶賛されていた名盤の誉れ高き2006年の作品。

ブルックリンの Systems Two Recording Studio に乗り込み、マルグリュー・ミラーのピアノ・トリオをバックに饒舌流麗な語り口で圧倒的なパフォーマンスを繰り広げる。本作は徹頭徹尾、アンプラグドだ。フレーズの至る所にパーカーの遺伝子がものの見事に融解して、まさにパーカーの理想的な発展形の一人と言ってよいだろう。同世代の欧州圏のアルティストではイタリアのロザリオ・ジュリアーニに非常に似たテイストを持ってる。フィル・ウッズのファンなら100%満足できる内容だと思う。

この記事に含まれるタグ : フランス MOONKS 

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2009/05/06 | Comment (0) | Trackback (0) | HOME | ↑ ページ先頭へ ↑ |

Pierrick Pedron / Omry

   ↑  2009/05/06 (水)  カテゴリー: alto
pierrick pedron omry2


Moogoo


フランス人アルトサックス奏者、ピエリック・ペドロン ( Pierrick Pedron b.1969 ) の通算4作目となる最新作。日本ではあまり馴染みがないミュージシャンだが、本国ではかなり評価の高い。2000年のデビュー作 『 Cherokee 』 ( Elabeth ) は当時天才と騒がれた若きフランス人ピアニスト、バティスト・トロティニョン ( Baptiste Trotignon b.1974 ) が参加していたこともあり、日本でも話題になった。作品としては1996年にアラン・ジャン・マリーのサイドメンとして “ ラ・デファンス・ジャズ・コンサート” に参加したときの実況盤がデビューであり、意外に遅咲きのミュージシャンなのかもしれない。

ペドロンはフランスの独立系レーベル Nocturne の今や看板アーティストであり、前2作も同レーベルからリリースされていたが、今回は Plus Lion Music という新興レーベルからのリリースである。先日取り上げたティグラン・ハマシアンや、デヴィッド・エルマレク、ムタン・リユニオンなどの作品もこのレーベルの作品だ。

さて、肝心の内容だが、これがびっくり仰天!! エレクトリックなのだ。エリック・レニーニやローラン・コックがフェンダー・ローズ&ウーリッツァーを操り、クリス・デ・ポウがノイジー&スペイシーな電気音を発しているのには驚きを禁じ得ない。ペルドンさん、どうしちゃったの?と問いかけたくなる。今までの彼の活動からは想像できない方向性だ。音作りはどことなくNYコンテンポラリー系っぽくて、楽器こそ違え、クリスチャン・スコットやアーロン・パークスあたりを彷彿とさせるところがある。最初はドン引きしたが、しかし、繰り返し聴いているとそれほど悪くはない。ジャケットから連想されるようなクールで洗練された触感は意外に心地よい。来るべき夏を先取りした音かもしれない。


でもまあ熟聴すればするほど、彼の本質であるバピッシュな魂は随所に感じられるわけで、表面的なスタイルだけに耳を奪われてはいけない。大局的には過去の作品となんら変わっていない、のかもね。

と云う訳で、時代に則していろいろやりたいのはわかるし、やらなければならない大人の事情というものもあるのだろうけど、こういうエレクトロ指向はこれっきりにしてもらいたい、というのが偽らざる僕の気持ちだ。

Pierrick Pedron  /  Omry    星1つ星1つ星1つ
Plus Loin Music  PL4512

Pierrick Pedron  (as)
Laurent Coq  (p, fender whodes, wurlitzer)
Chris de Pauw  (g)
Vincent Artaud  (b)
Franck Agulhon  (ds)
Fabrice Moreau( ds)
Eric Legnini  (key)

この記事に含まれるタグ : フランス 三ツ星 

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2009/05/06 | Comment (2) | Trackback (0) | HOME | ↑ ページ先頭へ ↑ |

Sherman Irby / Work Song - Dear Cannonball -

   ↑  2009/01/14 (水)  カテゴリー: alto

Sherman Irby 

リンカーン・センター・ジャズ・オーケストラや近年のロイ・ハーグローヴやライアン・カイザーのバンド・メンバーとして日本でも徐々にその名を浸透させてきたアルト奏者Sherman Irby ( 1968年 アラバマ州生まれ ) の Birds Records 第一弾。通算では6枚目のリーダー作となる最新作です。

タイトルが何と驚くことに 『 Work Song – Dear Cannonball – 』 !!!   巨漢のアルティスト、だから ≪ キャノンボール・アダレイの再来 ≫ というキャッチコピーを付けて、でもってついでにキャノンボール作品集を作っちゃえという、あまりにも陳腐で乱暴な企画。なんで日本人が企画するとこうなっちゃうのでしょうね。

だって、今までのシャーマンのキャリアや彼の作品群を聴いてきて、全くと言っていいほど、キャノンボールのようなファンキー・グルーヴァーとしての側面をシャーマンに見出すことはできないのですから。

シャーマンは96年に『 Full Circle 』、98年に『 Big Mama’s Biscuits 』という2枚の作品を Blue Note に残し、2000年に自己レーベル Black Warrior Records を設立し、『 Black Warrior 』、『 Faith 』、『 Organ Starter 』という3作品を制作してきました。

前2作品は未聴ですが、Black Warrior の3作品を聴く限り、ファンキー・ジャズからは程遠く、非常にクールでストイックなコンテンポラリー系のジャズなのです。コンテンポラリーと云っても、ケニー・ギャレットなどのコンテンポラリー・ニューヨーク・アルト系よりはむしろ、スモールズ系というか、FSNT系というか、殆どアングラ界の住人のようなジャズを奏でていたわけです。

それがどういう訳か ≪キャノンボールの再来 ≫ と祭り上げられ、ナット・アダレイの代表曲ではあるけれど果てしなく野暮ったい ≪ Work Song ≫ なんかを演奏させられ、更ににはジャケットが網タイツですから、今頃、本国でシャーマンも赤面していることでしょう。

で、キャノンボール・トリビュート盤にはどんな曲が収録されているかというと、直接キャノンボールに関係している曲は≪ Work Song ≫、≪ Jive Samba ≫、そして≪ Bohemia After Dark ≫ の3曲だけという中途半端さ。≪ Walk Tall ≫ もなければ ≪ Sack O’ Woe ≫ もない。ましてや≪ Mercy Mercy Mercy≫ など入っていない。他の6曲はほとんど関係ない他人の曲。シャーマンのオリジナルなども一曲もない。なんだこれ。思わず倒れそうになったわい。

せめてキャノンボールに捧げるなら、トランペットとの2管で作ってもらいたかったし。

ベースがバスター・ウイリアムスで、ドラムがヴィクター・ルイス。もうこの人選ですでに終わっているね。

シャーマンのソロも自己レーベルでの演奏に比べたら激しさが全然見られす凡演。彼はロイ・ハーグローヴやライアン・カイザーと競演しているときは素晴らしい演奏をしているだけに、今回の Birds Records 盤は、かなり幻滅しました。これ、2800円もするんだよねぇ~。


Sherman Irby  /  Work Song - Dear Cannonball -   星1つ星1つ星1つ
2008  Birds Records  XQDJ-1010
Scerman Irby  ( as )
Larry Willis  ( p )
Buster Williams  ( b )
Victor Lewis  ( ds )

(注)上のimeem 内の4曲は 『 Work Song  』 収録の曲ではなく、彼の自己レーベル ,Black Warrior Records からリリースされた3枚の中からの選曲です。


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2009/01/14 | Comment (8) | Trackback (0) | HOME | ↑ ページ先頭へ ↑ |

Paolo Recchia 『 Introducing Paolo Recchia 』

   ↑  2008/04/13 (日)  カテゴリー: alto
Paolo Recchia  『 Introducing Paolo Recchia 』

日本でもイタリアン・ジャズが注目を浴びるようになって久しいですが、ここでまた魅力的な若手アルティストが登場しました。その名はPaolo Recchia (パオロ・レッチア)。まだ28才の若者です。≪ ステファノ・ディ・バティスタをはじめ、数多くの著名ミュージシャンから賞賛を集めるアルト&ソプラノ・サックス奏者 ≫と紹介されたからには、無類のイタリアン・ジャズ好きの僕としては、反応しないわけにはいきません。最近のユーロ高による欧州盤の高騰により、本作も3140円と高値で販売されていたため、しばらくは購入を躊躇していましたが、昨日思い切って買ってきちゃいました。

誰も(もちろん僕も)彼の経歴を知らないでしょうから、簡単にご紹介しておきます(source は彼のmyspace.com )。

1980年イタリア共和国ラティーヌ県フォンディに生まれたパオロ・レッチアは、10歳の時にサックスに興味を抱き、14歳で地元のオットリオ・レスピーギ音楽院に入学。最初はクラシック音楽を集中的に学び、程なくしてチャーリー・パーカーやマッシモ・ウルバニを聴いてジャズに傾倒していきました。ボブ・ミンツァー、リック・マーギッツァ、エンリコ・ピエラヌンツィ、エンリコ・ラヴァ、パオロ・フレスらなど、国内外の一流のミュージシャンを招いて、ローマのサン・ルイ( Saint Louis )音楽院で開催されたマスター・クラスにも参加しました。その後はビッグバンドの音楽を中心に様々なタイプの音楽活動を行いつつ、2003年には、マッシモ・ウルバニ・コンテストでシエナ・ジャズで学ぶための奨学金を獲得しています。一方でPMJO (Parco della Musica Jazz Orchestra) やIodice&Corvini Roma Jazz Ensamble Orchestraなど、数多くのプロジェクトに参加。2004年にはGiovani Talenti del Jazz Italiano国際コンテストで準優勝。さらにはJazz & Image フェスティバル主催のPalazzo Valentiniコンテストで見事優勝を果たしています。2005年にはサレルモで開かれたNational jazz music Contest of Baronissi でも準優勝を獲得しています。現在は地元フォンディの音楽学校Centro Formazione Musica で教鞭をとっているそうです。

バティスタはCDリーフレットの中で次のような惜しみない讃辞を送っています。(イタリア語なので正確な訳ではありません)

≪ 私(バティスタ)はここ数年、パオロを見てきましたが、そのサックスの技術と作曲能力の進歩には目を見張るものがあります。その優雅で敏捷性に富む表現力はずば抜けているし、サウンド、フレージング、どれをとっても気品に満ち溢れています。パオロはイタリア・ジャズ界の繁栄に貢献できる逸材であること間違いありません。≫

と、まあ、そっくりそのままバティスタ様にお返ししたいくらいの歯の浮くような讃辞でありますが、この手の新人のデビューに際しては必要不可欠な形式ですから、半分は差し引いて考えなければなりません。 実際、聴いてみるとバティスタが持ち上げるほど凄いとは思いませんでしたし(笑)。

全8曲で56分の録音と、ちょうどいいボリュームです。5曲が彼のオリジナルで、コルトレーンの ≪ Central Park West ≫ などもやっています。1曲目のオリジナル≪ Blues for Nik ≫ からBoogie Woogie ぽいリズムのブルースで、意外に Be-Bop Oriented なプレーヤーなのかな? と思いきや、2曲目では高速モーダルな現代風オリジナルで、熱いソロが炸裂します。特にピアノの Dado Moroni (ダド・モロニ)の主役を完全に食った激しいソロは圧巻です。

蛇足になりますが、来月、Blue Note Tokyo に Roberto Gatto Quintetの一員でダド・モロニが来日しますね。ぜひ観に行きたいと思ってます。

さて、パオロのドライで武骨な音色は、艶やかで伸びのあるバティスタの音色よりも、どちらかと言うと、ロザリオ・ジュリアーニに近いテイストを持っています。そして本作を聴き終えた後、久し振りにバティスタの『 Parker’s Mood 』を聴いたのですが、やはりその技術力の差は歴然たるものがあると思いました。やっぱりあの危険な香りを発散させたバティスタの音には敵いませんね。

ということで、コルトレーンのフレージングの修得度も高く、ソングライティング、サウンドメイキング、共に素晴らしく、非の打ちどころがないのですが、デビュー作にしては、どこか落ち着いた印象の仕上がりで、やや物足りないところがあります。がしかし、丁寧に作り込んだという彼の意志も随所に感じ取れるわけで、バティスタやカフィーゾを初めて聴いた時のような衝撃はないものの、イタリアン・ジャズの層の厚さを実感できる質の高い作品ではないでしょうか

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Paolo Recchia  『 Introducing Paolo Recchia 』  2008 viaventojazz VVJ 061
Paolo Recchia  ( as )
Dado Moroni  ( p )
Marco Loddo  ( b )
Nicola Angelucci  ( ds )

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2008/04/13 | Comment (4) | Trackback (1) | HOME | ↑ ページ先頭へ ↑ |
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