雨の日にはジャズを聴きながら90年代以降のジャズを気ままに綴っています。 旧ブログ 『 雨の日には JAZZ を聴きながら 』 からのデータ移行は終了しました。ジャズ以外にも、時々デジタル関連の物欲記事、最近ハマっているカメラの話題も少しアップしています。 

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Steve Khan / Parting Shot

   ↑  2011/08/13 (土)  カテゴリー: guitar
Steve Khan_Parting ShotSteve Khan / Parting Shot ( amazon.co.jp )
2011 Tone Center


Steve Khan (g), Anthony Jackson (b),Dennis Chambers (ds),Manolo Badrena ( perc, voice, on M-5,10), Marc Quiñones (perc),Bobby Allendes (perc),Rob Mounsey (key on M-9, orchestrations on M-2, 4, 6 7),Tatiana Parra (voice on M-6), Andrés Beeeuwsaert (voice on M-6).


1981年のスティーブ・カーンの『 Eyewittness 』 を当時リアルタイムで聴き、強い衝撃を受けた身として、今回の最新作は待望の一枚といえる。ベースにアンソニー・ジャクソン、ドラムスにデニス・チェンバース、そしてパーカションにマノロ・バドレナとくれば“ Eyewittness ”の復活か!! と色めき立たない方がどうかしている。正直、“ Eyewittness ” 以降、彼が目指したジャズ路線に対してはあまり好意的にはみていなかった。やっぱりカーンは『 Eyewittness 』に尽きる。でもこのCD、廃盤で入手困難なんだね。で、今新作だけど、いわば“ Eyewittness ”のラテンバージョンで、なかなか爽やか。良くも悪くも80年代のカーンよりも聴きやすいのだが、個人的にはやっぱり昔の“ Eyewittness ”のような興奮は得られないかな。ドラムがデニチェンでなく、スティーブ・ジョーダンだっからまだよかったのかもしれないけど。デニチェン、叩き過ぎでしょ。少なくともカーンはスカしたギターを弾く人だから、ドラマーはもう少し間をとって時間軸を刻まないと。それにしてもアンソニー・ジャクソンにこういうトゥンバオを弾かせると、メチャクチャ巧いなぁ。ミシェル・カミロとの演奏の時もそうだけど、こんなフレーズ、ノリは絶対真似できない。

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2011/08/13 | Comment (0) | Trackback (0) | HOME | ↑ ページ先頭へ ↑ |

Pat Metheny / Parallel Realities Live

   ↑  2011/08/09 (火)  カテゴリー: guitar
Pat Metheny_Parallel Realities LivePat Metheny / Parallel Realities Live ( amazon.co.jp )
1990 Jazz Door

Pat Metheny (guitar)
Jack DeJohnette (drums)
Herbie Hancock (keyboards)
Dave Holland (bass)



エントリーのタイトルはパット・メセニーの 『 Parallel Realities Live 』 と記しましたが、正確にはジャック・ディジョネットを中心としてハービ・ハンコック、デイヴ・ホランド、パット・メセニーらが集結して制作された4人名義のアルバムです。

1990年にこの4人で 『 Parallel Realities 』 というスタジオ盤を制作しましたが、そのサポート・ツアーとしての1990年、フィラデルフィアで開催された Mellon Jazz Festival でのライブ演奏を収録したのがこの 『 Parallel Realities Live 』と言う訳。( 同年、このバンドで来日、Live Under The Sky に出演している。)

ところが本作、発売しているのは決して良心的とはいえないドイツの怪しいブート屋 “ Jazz Door ” 。当然、元ネタがあるわけですが、その元ネタとなった音源が1991年に VideoArts Music からレーザーディスクとして発売された 『 ディジョネット、ハンコック、ホランド、メセニーイン・コンサート 』 という映像作品。

ブート屋って、誰かがオーディエンス録音したものをCD-Rに焼いてこっそり販売する業者かと思っているとそうでもないらしく、この Jazz Door などはかなり酷くて、テレビ放送されたもの、たとえば日本なら WOWOW 放映されたものや、本作のようにレーザーディスクで正規に発売された映像作品から堂々と音だけ吸い取って売っている、とんでもないやつらなんですよね。それらをこれまた堂々と店頭に並べて売っているタワーレコードも何考えているんだ!ってな感じですが。でもそれを喜んで買っている自分は・・・。まっ、良い音源は正規盤でもブート盤でもあるわけで(^^ゞ

このレーザーディスクは、のちの1999年にめでたくDVD化され、奇麗な音と映像で見られるようになっています。

ブートとはいってもレーザーディスクからじかに吸いだした音源なので、音質はなかなか良いです。粗悪なブートモノとは明らかに違います。

そうそう、このブートと全く同じものがパット・メセニーの単独名義に書き換えれら、ジャケットも変更されて 『 Flower Hour 』 (イタリアのブート?)というタイトルで流通していますので、ダブり買いしないよう注意が必要です。

僕はもともとこのレーザーディスクがとっても好きだったので、ブートとわかっていながら買いましたが、内容は凄く良いです。ジャック・ディジョネットの煽りが凄いです。キースのトリオで溜まりに溜まったストレスを発散しているかのように叩きまくっています。

Disc One:

1. Shadow Dance
2. Indigo Dreamscapes
3. 9 Over Reggai
4. Solar
5. Silver Hollow

Disc Two:
1. The Good Life
2. Blue
3. Eye Of The Hurricane
4. The Bat
5. Cantaloupe Island


2枚組ですが、スタジオ盤とは殆ど曲が重複していません。タイトルは同じでも両者の内容は全く別物と考えてよいでしょう。もちろん、ライブの演奏のほうが数倍デキが良いです。

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2011/08/09 | Comment (0) | Trackback (0) | HOME | ↑ ページ先頭へ ↑ |

Pat Metheny / What's It All About

   ↑  2011/08/02 (火)  カテゴリー: guitar
Pat Metheny_What's is All AboutPat Metheny / What's is All About ( amazon.co.jp )
2011 Nonesuch Records

Pat Metheny ( Baritone-g, 42 String-g, 6 String-g, Nylon String-g )

Recorded February 2011 in New York, NY


自動演奏楽器を駆使して彼一人で パット・メセニー・グループのサウンドを再現してしまった前代未聞の仰天プロジェクト 『 Orchestrion 』 ( 前項あり ) に続いて早くもリリースされた最新作は、一転してアコースティック・ソロ・ギターによるカヴァー集。なんという振幅の大きさ! これも無尽蔵のクリエイティビティーの成せる技なのだろうか。

パット・メセニーのファンなら、彼のギター・ソロ集と聞いて真っ先に2003年の『 One Quiet Night 』を思い出すことだろう。深夜に自身のホームスタジオに一人籠り、マイク一本で録音したアルバムで、ノラ・ジョーンズのヒット曲《Don't Know Why》や、キース・ジャレットの名曲《 My Song 》などが収録されてはいるものの、それ以外はほとんど自曲で固めた幾分内省的でストイックなアルバムだった。それに対して今回は、メセニーとしては初となるアルバム全曲カヴァーによる作品だ。

しかも収録曲はベンチャーズ、ビートルズ、サイモン&ガーファンクル、カーペンターズ、バート・バカラックなど、日本人でも知らない人はいないだろう馴染み深い名曲ばかり。そして、ある限られた世代(当然、僕もその世代ですが)には特に、胸に響く懐かしい思い出を想起させる曲たちが並んでいる。

収録曲のリストを見ただけでは、なんだかベタな選曲なや~、と肩を落とすファンも多いかもしれないが、ひとたびそのサウンドを聴けば、そんな落胆も払拭されるはず。流石は超一流ミュージシャンは違うもの。手垢にまみれ擦り切れた往年の名曲に新たな生命を吹き込むことに見事に成功している。

なんでも、本人によると、これらの懐メロは以前からコンサートの前のサウンドチェクの際に演奏していたのだが、周囲から反応もよく、いつかは一枚のアルバムにまとめたいと常々思っていたとのだとか。

Pat Metheny pikaso

『 One Quiet Night 』 同様、殆どの曲がバリトン・ギターがメインで録音されているが、曲によってはピカソ・ギター( 4本ネック、42弦のメセニー特注ギター )や通常の6弦ギター、ナイロン弦6弦ギターなども使用している。

メセニーが以前からコンサートなどでは弾いていたこのバリトンギターという楽器は、簡単に言えば、ギターとベースの中間のような楽器で、通常のギターのチューニングを1オクターブ下げたようなもの。なので、バリトンギターのノーマルなチューニングは《 E - A- D - G - B - E 》になるが、メセニーのチューニングはハーフ・ナッシュビル・チューニングというチューニングを使用している。これはノーマル・ギターのチューニングを全体に5度下げ、さらには3弦と4弦を1オクターブ上げるという変則チューニング。

Youtube の演奏風景などをみると、この1オクターブ高い3-4弦をメロディー用に割り振っているようだ。本人によると(下掲の Youtube のインタビュー参照 )、1-2弦をヴィオラ、3-4弦をバイオリン、そして5-6弦をチェロ、という、いわば弦楽三重奏のような捉え方でアレンジを考えたとか。ちなみにこのバリトンギター、ボディーも通常のギターよりも大きしい、スケール長も73.5cm と、レギュラースケールのギターよりも8cm ぐらい長く、かなり指が長くないと弾きこなせないだろう。

僕個人的には《 パット・メセニー・グループ 》 でのメセニーが一番好きなので、こういった企画モノはあまり好みではないはずなのだが、何度も繰り返し聞いているうちに、すっかり彼の世界に引き込まれてしまった。環境音楽と言ってはメセニーに失礼だが、深夜、家族な寝静まったあとに、ひとり読書を楽しむときなどのBGMとしては最高にはまる、いわば “ 状況音楽 ” 的に楽しめるサウンドだと感じた。

1. The Sound of Silence (Paul Simon)
2. Cherish (Terry Kirkman)
3. Alfie (Burt Bacharach & Hal David)
4. Pipeline (Bob Spickard & Brian Carman)
5. Garota de Ipanema (Antonio Carlos Jobim & Vinicius de Moraes)
6. Rainy Days and Mondays (Roger S. Nichols & Paul H. Williams)
7. That's the Way I've Always Heard It Should Be (Carly Simon & Jacob Brackman)
8. Slow Hot Wind (Henry Mancini & Normal Gimbel)
9. Betcha by Golly, Wow (Thomas Bell & Linda Creed)
10. And I Love Her (John Lennon & Paul McCartney)






ブログ 『 中年音楽狂日記 』 の中年音楽狂さんの記事 『 聞けば聞くほど味わいが増すPat Methenyのカヴァー・アルバム。 』 はこちらから。

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2011/08/02 | Comment (11) | Trackback (1) | HOME | ↑ ページ先頭へ ↑ |

Luis Salinas / Salinas

   ↑  2011/07/30 (土)  カテゴリー: guitar
Luis SalinasLuis Salinas / Salinas ( amazon.co.jp )
1996 GRP Records

Luis Salinas (g,vo)
Ricky Peterson (key)
Didi Gutman (key)
Paul Peterson (b)
Michael Bland (ds)
Sammy Figueroa (perc)


暑い日が続きますね。このところちょと涼しいかと思っていたら今日は久しぶりに猛暑日でした。朝の天気予報では最高気温25度、雨が降ったりやんだりの一日でしょう、なんて自信げに言っていたけど、雨なんか殆ど降らず、それどころか30度越えの暑さで、朝持って出かけた雨傘を日傘にして差したいくらいだったです。こんな日は流石にむさ苦しいジャズなんか聴く気がおきず、手にしたmp3プレーヤーの選曲は[ ジャンル→フュージョン ] へ無意識にスワイプしてたりします。

で、仕事帰りのメトロ銀座線(それにしても銀座線って一年中なんであんなにム~と暑いんだろう? ) に揺られながら聴いていたのがこのルイス・サリナス( Luis Salinas ) の 『 SALINAS 』。

夏になると必ず聴きたくなるアルバムってないですか? 僕の場合は、渡辺貞夫の 『 Elis 』 とか、ラーセン・フェイトン・バンドの 『 Full Moon 』 とか、アンリ・サルヴァドールの 『Chambre Avoc Vue 』 とか、カシオペアの『 Mint Jams 』 とか、森園勝敏の 『 4:17 p.m. 』 (早くCD出してくれ~) とか・・・、いろいろあるのですが、このルイス・サリナスも夏の定番アルバムとして、ず~と愛聴してきた座右の逸品です。

サリナス(あるいはサリーナス)と言っても日本ではあまり知られていないかもしれませんね。母国アルゼンチンでは絶大なる人気を得ているギタリストなのですが、何故か彼の情報は日本には届かないようです。

ルイス・サリナスは1957年、ブエノスアイレス生まれのギタリストです。聴いてすぐわかるようにメチャクチャ巧いですが、彼はこの技術を独学で習得したといいます。

ワールドワイドな本格的な活動は90年代に入ってからで、94年に 『 Salsalinas 』 でアルバムデビューを飾っています。そして、モントルー・ジャズ・フェスティバルをはじめ、多くのイベントに招かれ、そのキャリアを積んでいき、チック・コリア、ジョージベンソン、チューチョ・バルディス、スコット・ヘンダーソンなどから賞賛されるまでに実力をつけていきます。更にその業績が当時 GRPレコードの社長に就任したばかりのトミー・リピューマの目にとまり、1996年、晴れてGRP より本作 『 Salinas 』 でデビューを果たします。

トミー・リピューマとしては彼を第二のジョージ・ベンソンに育て上げたかったのかもしれませんが、残念ながら本作はヒットには至らず、GRP Records からの二作目は制作ざれず、サリナスは GRP をこの一作のみで去ることになります。しかしその後も多くのリーダー作をリリースし、客演作品も多く、母国では絶大なる人気を今でも得ています。

彼はエレクトリックとアコースティックの両刀使いです。ソリッドなエレキギターを手にするとフュージョン色の強い演奏をしますが、アコースティックギターを手にした時はトニーニョ・オルタやバーデン・パウエルのようなボッサ・スタイルで演奏します。ただ、トニーニョ・オルタやバーデン・パウエルよりは遥かにジャズ的なフレーズの組み立て方をします。

また、時々ヴォーカルも披露します。これがまた味があっていいのです。決して巧くはないのですが。ギターも巧いが歌も巧い。これが母国での人気の所以かもしれません。

爽快感のみならず、適度な哀愁を漂わせながら、軽快に淀みなく、そして、隅々いまで配慮された歌心を持って演奏されるソロには心底、惚れ惚れするのですが、少々残念なのは個性がやや希薄なことです。キャラが弱いんですね。よくわからんワザを多用して聴衆を煙に巻くようなことは一切しない正統的なスタイルなので、巧いんだけど匿名的な音楽に聞えてしまうところが惜しい点です。

上掲したサンプル音源はノリのよいラテン・フュージョンですが、他の曲にはアコースティックで優しい曲もたくさんあります。たまにはこんな南米音楽が生み出す独特の緩やかな時間感覚のなかで休日を過ごすのもいいものです。



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2011/07/30 | Comment (0) | Trackback (0) | HOME | ↑ ページ先頭へ ↑ |

Kevin Eubanks / Zen Food

   ↑  2010/12/03 (金)  カテゴリー: guitar
kevin eubanks_zen foodKevin Eubanks / Zen Food
( amazon.co.jp )
2010 Mac Avenue Records
 


Kevin Eubanks (el-g, ac-g)
Marvin "Smith" Smith (ds, per)
Bill Pierce (ts, ss)
Gerry Etkins (p, rhodes)
Rene Camacho (b)

さて、私は誰でしょう。

1) 伯父がかの有名なピアニスト、レイ・ブライアン。
2) 兄はトロンボーン奏者、弟はトランペット奏者。
3) セミ・ベジタリアンで動物愛護団体 PETA の主催する 『 世界で最もセクシーなベジタリアン 』 に選ばれた経歴をもつ。
4) アメリカNBC放送の人気トーク番組『 The Tonight Show with Jay Leno 』 の音楽監督を15年務めた。

正解はギタリストのケヴィン・ユーバンクス ( Kevin Eubanks, Philadelphia, 1957~ ) 。

「ほ~、そう言えばそんな人いたな~」と遠い目をする人はおそらく40歳代以降のジャズファンたと思うのですが、若いジャズファンは「誰、それ?」ってな感じでしょう。いずれにしても今ではケヴィン・ユーバンクスのことを語るジャズファンはほとんどいないんじゃないでしょうか。ただし、それは日本だけの話で、かたやアメリカでは子供からお年寄りまでみんなに知られた超有名なジャズ・ミュージシャンなのです。理由は上記(4)にもあるように、アメリカTV史上最古の長寿番組『ザ・トゥナイト・ショー』 の音楽監督を長年にわたり務めていたからです。

この番組は1954年に始まった深夜のトーク番組なのですが、歴代司会者が変わるたびにショー・バンドも入れ替わるというシステムで運営されてきました。というのも、ショー・バンドは単にBGMを演奏するだけに留まらない、番組全般の重要な役割を担っていました。特にバンド・マスターは司会者のジョークに対してセンス良く切り返したり、機転を利かせた即興フレーズで受け答えたり、とっさにジングルを入れた入りと、司会者の良き相棒( Sidekick ) として、阿吽の呼吸で番組を盛り上げられるミュージシャンでなければならないわけですね。だから司会者が替われば当然その相棒も替わるわけです。

四代目司会者であるジェイ・レノとユーバンクスが揃って番組に登場したのが1995年のこと。二人ともジョークの達人であり、相性も非常に良かったため、名コンビとして多くのファンを獲得していきました。しかし2009年夏に視聴率をめぐるゴタゴタがあり、ジェイ・レノは降板を余儀なくされます。そしてジェイ・レノは同じNBCで2009年9月から『 ザ・ジェイ・レノ・ショウ』を受け持つことになります。当然ユーバンクスも『 トゥナイト・ショー 』を降板し、新たにジェイ・レノの新番組で “ プライムタイム・バンド ” として活動を再スタートさせました。一方の『 トゥナイト・ショー 』は新しいホストとしてコナン・オブライエンという人気司会者を起用し番組をスタートさせました。しかしこれが思うように視聴率が伸びず、さらには『 ザ・ジェイ・レノ・ショウ』も苦戦を強いられるという悲惨な結果となったのでした。そして、いろいろとすったもんだの末、コナン・オブライエンはわずか7か月で番組を降板させられ、ジェイ・レノが再び古巣『 トゥナイト・ショー 』に戻りました。もちろんユーバンクスを引き連れて。

しかし、新たにスタートを切った新『 トゥナイト・ショー 』でしたが、ユーバンクスには以前よりも出番は少なく制限されていたようです。詳しい具体的な内容はわかりませんが、こちら( 『 The Tonight Show Band 』 のWIKI ) の記事には《Leno came back as host for a second tenure, bringing back Kevin Eubanks, who took a more limited role in Leno's second run as host. 》 とあります。とまあ、ドロドロとした利権争いの中、多分、ユーバンクスは「そろそろこのあたりが潮時かなぁ」ってかんじたのでしょうか。20010年に2月に自ら番組を降りることを表明。5月28日をもってユーバンクスがバンドリーダーを務めるショー・バンドは解散となったのでした。

ユーバンクスは、番組を降板することになった理由と今後の展望について次のように語っています。

Mr. Eubanks, 52, has said that it was a desire to refocus on music, rather than any problem with Mr. Leno or NBC,that motivated his decision to leave the show.“I want to play some music, and not just jazz,” he told The Philadelphia Inquirer recently. “Other genres too. It’s weird but I don’t consider myself just a jazz musician.” ( source: The New York Times )

よく耳にする定型的なお決まりの理由ですね。音楽に集中したい。まあ一介のジャズ・ミュージシャンとしては一生手に入れることのできないような破格のギャラを手にして十分資産を増やしたから、これからのは好きなジャズを演ってのんびり暮らそう、とでも考えたのでしょうか。心機一転、2010年9月には Mac Avenue Records と契約を果たし、11月には早くも新録をリリースしました。それが今回の 『 Zen Food ( 禅食) 』 です。ベジタリアンらしいタイトルですね。

ほんと久しぶりの新録ですよね。ユーバンクスといえば80年代の GRP時代のフュージョンと90年代のデイヴ・ホランドのカルテットに参加していたストイックなジャズをやっていた時代が個人的には印象に残っています。正直なところ、今世紀に入ってからは彼の名前を耳にする機会も全然なかったので、まさか自身のレーベル Insoul Music を立ち上げ、6枚もアルバムを制作しているとは思ってもいませんでした。その作品群は一枚も聴いていませんが、The New York Times に《 Eubanks has released six albums, largely unnoticed, on his own boutique label, InSoul. 》 とあるように、あまり出来はよくなかったようです。

以上のような経緯から想像するに、今回の新作は相当気合いが入っているだろうなって否応なしに思うわけですが、はたして予想通りになかなかの充実作品でした。テレビ業界でたっぷりと甘い汁を吸って堕落したユーバンクに一抹の不安はありましたが、一聴してそれが全くの杞憂であったことがわかりました。相変わらずよく指が動くこと。全くブランクを感じさせない素晴らしい演奏です。

というのもユーバンクスは数年前から、テレビ難組の仕事の合間を縫ってハリウッドの老舗ライブハウス Baked Potatoで定期的に出演し、ギターの腕を磨いていたようです。今回のレコーディング・メンバーで何度もギグを繰り返し、曲を練りあげて、トゥナイト・ショー出演中に既に彼のスタジオで録音も済ませておいたとのことです。前々から用意周到に準備されていたアルバムだったわけですね。( source: Jazz Corner )

メンバーを見てみると、“ Tonight Show Band ” から ドラムスのマーヴィン・スミッティ・スミスとキーボードのジェリー・エトキンスが参加。(マーヴィン・スミッティ・スミスもしばらく見ないと思っていたらこんなところで活躍していたんですね。)フロントはテナーのビル・ピアース(Bill Pierce )。この人も懐かしい人です。80年代にArt Blakey & Jazz Messengers 、フレディー・ハバード、トニー・ウイリアムスらのバンドに参加していた吹き手ですが、ユーバンクスも80年から81年にかけてArt Blakey & Jazz Messengers に参加していたことがあったので、もしかすると二人はその時に知り合っていたのかもしれません。この二人は、今世紀にはいってからも前述したユーバンクスの自己レーベル InSoul でずっと一緒にレコーディングしていたようですので、今回の参加は自然な成り行きだったのでしょう。因みに“ Tonight Show Band ” でテナーを吹いていたのはラルフ・ムーア ( Ralph Moore )。これまた超懐かしい吹き手です。みんな懐かしいけど、しっかりアメリカでは活躍していたわけです。なんだか嬉しいですね、こういうの。

収録曲はユーバンクスの自曲が9曲、エトキンスの自曲が1曲で計10曲。何処となくジョン・マクラフリンを彷彿とさせるテーマをもった緩急両面で構成されたフュージョン楽曲《 The Dancing Sea 》から、最後のスミスとの激しいデュオ曲《 Das It 》 まで、なかなかバラエティーに富んだ構成で楽しめます。超高速指弾きからしか生まれ得ない独得のアーティキュレーションがユーバンクスの醍醐味なのですが、80年代にくらべてさらにその技に磨きがかかったようで、まずはその進化に驚きました。昔は一度弾いた音をハンマリング・オンやプリング・オフで繋いでフレーズを作ることが殆どでした。特にアコギの時はその傾向が強かった。そのため、最初の一音をまるでベースのスラップのプルと同じように弦を引っ張って指盤に叩きつけるほど強く弾かなければならなかったのですが、そのアクセントの付け方が僕としてはどうも馴染めず好きになれなかったものです。しかしその部分は今回かなりなくなっていました。ようは指弾きする回数が増えたということです。

キーボードとの静かな対話がくりなすリリカル・デュオ《 Adoration 》、一風変わった組曲風の《 The Dirty Monk 》、グルービーなバラード《 G.G.》など、どれも洗練された都会的なサウンドです。80年代GRPサウンドの香りも残しつつ、《6/8》 のようにしっかり硬派な4ビートで気骨な姿勢も見せるなど、なかなか面白い選曲。

ユーバンクスは今回の再出発にあったって《 僕はジャズではない何か別なジャンルの音楽をやりたいんだ。僕は自分のことをジャズ・ミュージシャンだとは思ってないからね。》 とインタビューで答えていましたが、できあがった今作を聴く限り、思いっきりジャズしけますけどね、しかもちょっと時代遅れの。でもまあ、久しぶりにユーバンクの職人芸的指弾きを聴けて十分楽しめましたので、これはこれで “アリ” かなって思います。




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Chuck Loeb / My Shining Hour

   ↑  2010/11/18 (木)  カテゴリー: guitar
chuck loeb_my shining Hour
Chuck Loeb / My Shining Hour ( amazon.co.jp )
1989 Jazz City 


Chuck Loeb (g)
Makoto Ozone (p, synth)
John Patitucci (b)
Dave Weckl (ds)
Pat Rebillot (p)
Carmen Cuesta (vo)


1989年に Jazz Cityからリリースされたチャック・ローブのデビュー作。2/3ぐらいは4ビート系の純然たるジャズを演奏しています。チャックのこういうジャズが聴ける機会はその後、ほとんどなくなりましたので、極めて貴重な作品です。




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My Fav Song This Week

   ↑  2010/07/04 (日)  カテゴリー: guitar


Eric Gale 『 Blue Horizon 』( 1981 ) より 《 Blue Horizon 》

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Lino Brotto All Stars Sextet / Charo di Luna

   ↑  2010/05/11 (火)  カテゴリー: guitar
lino brotto
Lino Brotto / Chiaro Di Luna ( amzon )
2010 philology


Lino Brotto (elg,acg), Fabrizio Bosso (tp,flh), Robert Bonisolo(ts,ss), Bruno Cesselli (p,elp), Ares Tavolazzi (b), Massimo Manzi (ds)







イタリア人の新進気鋭のギタリスト、リノ・ブロット ( Lino Brotto ) のデビュー作。日本での知名度は皆無だろうが、彼が将来を嘱望された有能なミュージシャンであることは、1996年にサレルモで開催されたNational jazz music Contest of Baronissi で優勝し、さらには2004年にはマッシモ・ウルバニ賞を受賞という輝かしい経歴からも察しがつくであろう。

今作は一応ブロットのリーダー作ではあるが、“ All Star Sextet ” を標榜するだけあって、その構成メンバーが素晴らしい。フロントラインを飾るのは欧州トランペット界の頂点に君臨し続けるファブリツィオ・ボッソと、マックス・イオナータの旧師として知られるベテラン・テナー奏者のロベルト・ボニソーロ ( Robert Bonisolo, Niagara Falls, 1966~ ) の二人。ドラムにはボッソやレナート・セラーニらなどのバンドをはじめ数多くのセッションに参加している超売れっ子マッシモ・マンジ。ピアノのブルーノ・セッセリは初見だったがどうもブロットの恩師のようだ。

僕個人的にはテナーのロベルト・ボニソーロの名前に強く惹かれて購入に至った。このボニソーロを聴いたという方はほとんどいないと思うが、実はアントニオ・ファラオの『 Expose 』に参加し、豪快でキレ味鋭い名演を披露していた吹き手だ。 『 Expose 』では “ Robert ” の愛称である “ Bob ” でクレジットされているのでちょっと気付きにくいかもしれない。

その一枚の作品だけで僕の記憶にしっかり刻み込まれ素晴らしい吹き手だったが、その後、耳にする機会が全くなかった。突然の再会。昔、溜池山王駅で一度だけすれ違った超好みの美少女に、数年後に六本木のキャバクラで偶然再会したようなトキメキを感じた ( なんのこっちゃ! でも実話 ) 。

我が愛しきボニソーロは、全編にわたり知的かつ雄々しいソロを披露。『 Expose 』よりは感動薄ではあるが、しかしながらやっぱり巧い。彼は多分に漏れずコルトレーンに傾倒しているらしいが、印象としてはボブ・バーグや古いところではジョー・ヘンダーソンに近いテイストを持っている。重心が低く、説得力のあるフレーズを矢継ぎ早に連発する。彼はイタリア出身かと思っていたが、実はオンタリオ州南西部の都市ナイアガラフォールズ生まれのカナダ人である。バークリー音楽大学で学び、トミー・ドーシー・オーケストラやカーラ・ブレイのバンドでの活動を通して力をつけていった。ここ10年はイタリアに移住しダド・モロニのクインテットなどで活躍しているらしい。

ボッソについては今さら言うことはないが、彼も全ての曲で激しく吹きまくっているのでご安心を。ボッソの露出度がまだまだ低かった頃は “ ボッソ参加作品” な~んて客寄せパンダみたいな扱いをうけ、実際に買って聴いてみるとボッソは一曲ないしは二曲ぐらい吹いて終わりみたいな作品が数多くあった。しかし本作はその点大丈夫。しかし、何というか、ボッソの超絶技巧の高速フレーズを聴いていると、確かに凄いことは凄いのだが、《 スピードの快感 》って、繰り返し聴いていると慣れるもんだなぁ、とつくづく思ってしまう。ボッソのあの速さにこちらの耳が完全に慣れてしまい、当たり前のように享受している自分がいる。《 慣れ 》の次にやってくるのは 《 飽きる 》という感情だ。リスナーってホント身勝手なものだ

あ、そうそう、主役のリノ・ブロットを忘れるところだった。なにしろギタリストのリーダー作としては非常に珍しい編成で、どうしてもこちらの耳はフロントの管二人にいってしまい、なかなかギターに耳が回らない。何故こんな明らかに自分より目立ってしまうことが必至のメンバーを集めたのだろうか。おそらくまだまだ認知度の低いブロットを売り出すための戦略としてボッソらをあえて器用したほうが有利と判断したのだろう。きっとセカンドでは小編成でじっくり聴かせるアルバムを作るはずだ。ブロットのスタイルは乱暴に言いきってしまえばパット・メセニー系。バークリーでミック・グッドリックに師事したくらいだから然もありなん、ってな感じ。確かに巧くて惹かれるものを持っている。幼少期からクラシック・ギターを学んでいただけあって、アコースティック・ギターも見事な腕前だ。もう少し押し出しが強くてもよいと思うが。セカンドに期待する。



なお、“ Bonisolo ” で日本語検索すると拙ブログの古い記事 ( コメント ) が一ページ目ぐらいにインデックスされています。

この記事に含まれるタグ : イタリア 3.5point 

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2010/05/11 | Comment (4) | Trackback (1) | HOME | ↑ ページ先頭へ ↑ |

Bobby Broom / Clean Sweep ・Livin' For The Beat

   ↑  2010/04/06 (火)  カテゴリー: guitar

bobby broom livin' for the beat Bobby Broom /Clean Sweep ・ Livin' for the Beat  ( amazon )
2010 Expansion Records ( GRP原盤 1981&1984 )


Bobby Broom (g,b,drum programing), Terry Burrus (rhodes, e-p), Marcus Miller (b), Victor Bailey (b), Omar Hakim (ds), Dave Grusin (synth), etc.



1982年、この世にコンパクドディスクが登場して以来、LP時代のありとあらゆる音源がCD化されてきました。近年はかなりディープな領域までCD化が進んできた感がありますが、でもいまだにCD化されていないアルバムも意外に多かったりします。CD化されないがためにLPを処分できないでいるアルバムを誰しも何枚かあるんじゃないでしょうか。僕個人としてはメインストリームのジャズの分野よりもむしろ70年代から80年代のFusion / AOR の分野で再発してほしい作品が多くあります。

それでも最近、かねてから一日千秋の思いでCD化を待ち望んでいたジョン・クレマーの 『 Finesse 』 ( 前項あり ) やジェフ・ローバーの 『 The Jeff Lorber Fusion 』 ( 前項あり ) などが再発され、あらためて≪ 現存する全ての音源はいつかは必ずCD化される ≫ という思いを強めました。で、まだまだCD化してほしいアルバムはあるのですが、その中の一枚がこのたび突然、再発されました。とあるサイトで偶然見つけたのですが、その時はほんと、胸がじわ~と熱くなりました。こんなCDのことをアップしても誰も読んでくれそうにありませんが、ほんと嬉しいので、アップしちゃいました。

本作はギタリスト、ボビー・ブルーム ( Bobby Broom , NYC , 1961~ ) の81年のデビューアルバム 『 Clean Sweep 』 と84年のセカンドアルバム 『 Livin' For The Beat 』 をカップリングした 2 in 1CDです。CD化してくれるとすれば、おそらく米国の再発レーベル Wouned Bird あたりだろうと踏んでいたのですが、意外にも再発してくれたのは英国のDISCO / SOUL 系の再発専門レーベル Expansion Records でした。確かに、内容的には半分はBCM 系のサウンドですからね。なるほど納得。



ボビー・ブルームは、80年代初頭にフュージョン・ブームの勢いに乗りシーンに登場し、GRPからこの2枚のリーダー作をリリースするも期待通りのセールスが得られず契約を打ち切られ、シカゴに居を移したのが1985年のこと。70年代から80年代にかけてロリンズのバンドに長期に在籍し、また、レコーディングすらないものの87年頃にはマイルスのバンドに参加していたという輝かしい実績があるにも関わらず、当時はほとんど話題にのぼることはありませんでした。90年代には Criss Cross と契約しレコーディングを行うもやはり2作品を制作しましたがその後が続かず、同時期に Criss Cross から次々と作品を発表していたピーター・バーンスタインに大きく水をあけられたかたちで退散。結局シカゴを拠点に現在までライブハウスなどで地味に活動しているようです。

そんなわけで、本作は当時のフュージョン&ディスコ・ブームの波に乗って制作された下心見え見えのイロモノですので、真摯はジャズファンには決してお薦め致しません。

プロデュースはBCM界の売れっ子チーム、テッド・カリアー&デヴィッド・スプラッドリーとデイヴ・グルージン&ラリー・ローゼンの二組が半々づつ担当しています。

僕が特に愛してやまないのはセカンドの 『 Livin' For The Beat 』のほうで、その中でも≪ Let's Stay Together ≫ と ≪ Rubye ≫ の2曲はソフト&メローのブラコン寄りのギター・フュージョンで、お気に入りです。流石に Linn Drum やシンセの音には時代を感じずにはいられませんが、ギターソロのラインは惚れ惚れするほど美しいです。マイナー・ペンタトニック+♭5th を主軸に、コード分散的フレーズと大胆なクロマチックラインを織り交ぜながらソロを構築していく手法はジョージ・ベンソンそのものなのですが、彼の場合はそのベンソン・フレーズに加えて、グラント・グリーンっぽいニグロ臭も漂わせているところが彼独自の個性になっているんじゃないでしょうか。

当時はベンソンズ・チルドレンなんて揶揄はなかったけれど、いま聴くと、まさにベンソン直系のフォロアーらしいスタイルです。近年、日本人のジャズギタリストもかなりレベルが高くなってきましたが、どんなに日本人が巧く弾こうが、ボビー・ブルームのようなギターを弾けるミュージシャンは現れないんだろうなぁ、と思います。

ところで、このアルバムとの出会いは今は亡き城達也さんがナレーションと務めていたFM東京 ( 現:Tokyo FM ) の深夜の音楽番組『 ジェットストリーム 』でした。“ 遠い地平線が消えて、 ふかぶかとした夜の闇に心を休める時、はるか雲海の上を音もなく流れ去る気流は、 たゆみない宇宙の営みを告げています。~” 懐かしいですねぇ。提供はJALだったんですよね。このボビー・ブルームの曲≪ Rubye ≫ がラジオから流れだしたときの何とも言えない心地よさって今でも鮮明に覚えています。その時の番組でいっしょに流れたのが、マイケル・ブレッカーの参加しているマーク・グレイの『 Boogie Holet 』でした。そうえいばこれもまだCD化されていないんじゃないでしょうか。

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2010/04/06 | Comment (2) | Trackback (0) | HOME | ↑ ページ先頭へ ↑ |

Pat Metheny / Orchestrion ( 3 )

   ↑  2010/02/06 (土)  カテゴリー: guitar



Pat Metheny  /  Orchestrion ( 1 ) はこちら 。

Pat Metheny  /  Orchestrion ( 2 ) はこちら 。

前回からのつづき 。

さて、肝心の内容だが、これがあまりにも自然な演奏で、ひとたび聴きだすと、それがコンピュータ制御された≪ からくり音楽 ≫ であることをすっかり忘れてしまうほどだ。

圧巻は、立体的に繰り広げられるパーカッションやヴィブラフォン、マリンバの饗宴だ。あまりにも多重奏過ぎて、今、どんな楽器がどう響いているのか整理できないほど色々な音が詰まっている。理屈ではアクチュエータの数だけ音を重ねることができるのだから、それはもう千手観音ごとき音数である。しかし不思議と圧迫感はない。

音楽の主軸をパーカッションやヴィブラフォンなどの自動化しやすくMIDIデータとして扱いやすい打楽器に据えた点も、このプロジェクトを成功させた鍵であろう。そしてなによりも、自動化がもっとも難しいギターが、メセニーの本職だったことも幸いしている。

眼前に広がる音世界は、まぎれもなく聴き慣れたメセニーのそれであり、音楽的な妥協もなく、クオリティーの低下もみられない。そこが凄い。

どう凄いかと云うと、つまり、こういうことだ。 

前述したように、今回のプロジェクトは LUMER と Ragtime West という2社の自動演奏に関する技術力がなければ成しえなかった。それは間違いない。しかし、この2社が製作した楽器ロボットの奏でる音楽を実際に聴いてみると、驚くことにあまりにもチープでお粗末だ。

LUMER の制作した Guitarbot は実験レベルの楽器に留まっているし、Ragtime West の自動演奏ギターにしても工芸品の域を脱していない。にも関わらず、これらの楽器を聴いたメセニーは “ これは使える !! ” と判断した。そして実際、これらの不完全な道具を操り、ものの見事に PMGのサウンドを再現してしまった。その才能にただただ驚くばかりだ。

本作の音楽としての出来は普通かもしれない。しかし、こんな玩具のような楽器だけで、これほどのジャズを作り上げてしまうことを考えると、やはりメセニーは天才と言わざるを得ない気がする。

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2010/02/06 | Comment (0) | Trackback (0) | HOME | ↑ ページ先頭へ ↑ |

Pat Metheny / Orchestrion ( 2 )

   ↑  2010/02/06 (土)  カテゴリー: guitar
 



前回からのつづき。

Guitarbot は、たしかにMIDI ベースの楽器ロボットなのだが、その仕組みは意外に高度だ。

自らが発する音響信号をセンサーでシステムに取り込み、フィードバックさせることで正確な音程やリズムを制御し、複雑な音楽の再生を可能にしているのだ。

また、メセニーの今回のプロジェクトでは採用されていたかどうかは不明だが、このギターロボットは人間の奏でる即興演奏に即座に反応し、リアルタイムで自らも作曲しながらコラボレーションするという高度な技も備えている。どんなアルゴリズムで作動しているのか興味のあるところだ。

しかし、どんなに4本の Guitarbot が巧みな連携を図りながら高速で音楽を奏でようが、あくまでスライディング・フレットを採用している以上、本来のギターのサウンドには遠く及ばないことは、聴くまでもなく明らかである。それこそボトルネック・ギターか二胡か三味線のような音しか出せないわけで、メセニーをサポートするサイド・ギターの役割は到底演じられない。もちろんベース・パートを担うことも無理である。

そこで、メセニーが協力を仰いだのが Ragtime West というカリフォルニアの会社だった。同社はプレーヤー・ピアノをはじめ様々な自動演奏楽器を製造・販売しており、創業以来10,000セットもの楽器を世に送り出している。ディズニーランドをはじめとする多くのアミューズメント施設への技術提供も行っているという。

Ragtime West 社は、ロールを用いた昔ながらのプレイヤー・ピアノから、MIDI 制御の大掛かりなオーケストリオンまで、多種多様な自動楽器を手掛けているが、今回はその弦楽器に対する豊富なノウハウを提供することでプロジェクトに貢献している。

メセニーのオーケストリオン映像はYoutube で見ることができるが、その中に一瞬だけだがベースの演奏映像が映っている。

指盤上の各フレットごとに穴があけあれ、その穴を通りして後方から金属棒が差し込まれている。その棒の先端にはフェルトのついたブロックが装着されていて、ソレノイド・アクチュエータを介して棒が上下することでフレットを押さえる仕組みだ。一方、右手のピック部はカニの足のように4本のアームが弦上にまで伸びていて、これがソレノイドあるいはモーターを使用したアクチュエータで弦を弾く仕組みのようだ。

Pat metheny_automatic bass
Ragtime West 社のケン・コールキンズ氏 ( Ken Caulkins ) が、メセニーのプロジェクトには18種類の楽器を提供している、と語っているところをみると、おそらくギター類だけではなく、打楽器類もコールインズ氏の手によるもかもしれない。

いずれにしても、今回のプロジェクトはLEMUR とRagtime West という異なる2つのプラットフォームが存在しなければ達成できなかったと断言できよう。

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2010/02/06 | Comment (0) | Trackback (0) | HOME | ↑ ページ先頭へ ↑ |

Pat Metheny / Orchestrion ( 1 )

   ↑  2010/02/04 (木)  カテゴリー: guitar

pat metheny orchestrionPat Metheny / Orchestrion  ( amazon )
2010  Nonesuch


Pat Metheny ( g, p, key, marimba, vib, guitarbots, b, ds, cymbals, blown-bottle, bells, perc, )

 

 

 


 
『 Orchestrion 』 と題したパット・メセニーの待望のニュー・アルバムは、自動演奏楽器を駆使して彼一人で パット・メセニー・グループのサウンドを奏でてしまう、という前代未聞の仰天プロジェクトだ。

『 Orchestrion 』とは、19世紀末から20世紀初頭にかけて盛んに開発された、複数の自動楽器を用いたオーケストラ演奏装置の総称。ホテルのロビーや高級クラブなどで時折見かける自動演奏ピアノ(プレイヤー・ピアノ )も、その Orchestrion の大切な構成楽器である。この自動ピアノの分野ではYAMAHA のディスクラビア  ( Disklavier )  が有名だが、実は本作のなかでもこのディスクラビアが大活躍している。

今回の完全一人プロジェクトの構想の発端はメセニーの幼少期まで遡る。7~8歳のころ、祖父の家の地下室に置いてあったプレイヤー・ピアノに魅せられ、以後ずっとこの楽器に対する思いを暖めてきた。普通の人間なら、幼少期に抱いた夢など大人になると忘れてしまうか、あるいは厳しい現実の前に夢など諦めていくものだが、メセニーはそうでなかったようだ。

世界一のコンサート集客数を誇るジャズ・ミュージシャンとして富と名声を手に入れたメセニーは、子供のころの夢を実現するのに十分な資金力を手に入れていた。優秀なエンジニアとの数ヶ月に及ぶ研究の末、ついに誰も見たことのないとんでもない巨大な自動演奏システムを完成させたのだ。

もちろんそこには最先端のコンピューター・ミュージックの技術と、電子工学系の技術が応用されているわけだが、その技術の中でもソレノイド・テクノロジーの進歩と Guitar-bot と呼ばれる自動演奏ギターの開発が今回のプロジェクトを成功に導いた鍵となる技術だと考える。

ソレノイド・テクノロジーとは電気的エネルギーを機械的エネルギーに変換させる技術のこと。もともとはガレージの開閉器として考案されたが、現代社会ではさまざまな分野で利用されている。身近なところではどの家庭にもある全自動洗濯機の給排水電磁弁がそれである。ソレノイド技術を音楽に利用する際の最大のメリットは、反応時間が非常に短いため入力信号から実際に鍵盤や太鼓を叩くまでのタイムラグがほとんど無視できるくらい少ないということである。Youtube で演奏風景が観れるが、その中には2台のヴィブラフォンがセットされている。そこには1鍵盤に対して1マレットがソレノイド・アクチュエータ ( Actuator ) を介して装着されていて、MIDI信号に合わせて目にも留まらぬ速さで自動演奏しているのだ。このすばやい反応性はソレノイド技術なくしてなし得ないものだ。

guitarbot3 
もうひとつのプロジェクトの要が ギターロボット、Guitarbots だ。

実際のところ自動演奏楽器でオーケストラを組む際、ドラムやパーカッションなどの打楽器は自動化しやすいと思う。動きがシンプルなので、アクチュエータの構造も簡単なもので済む。ピアノやヴィブラフォンも一種の打楽器だから、これも簡単だろう。ピアノなどは前述したようにYAMAHA のディスクラビアを使用すればよいのだから。

一番の問題は弦楽器なのだ。1世紀前に Orchestrion が考案されたときもほとんどが鍵盤楽器と打楽器の組み合わせによる装置であり、弦楽器を組み入れたシステムは皆無だった。自動バイオリンが単体で開発されていたようで、こちらのYoutube で演奏風景を観ることができるが、おそらくそれが当時唯一の自動弦楽器だったのだろう。

このGuitarbot は、エリック・シンガー氏 ( Eric Singer ) が発明したギターロボットで、彼は現在、LEMUR ( League of Electronic Musical Urban Robots ) と呼ばれる自動演奏のためのロボットの開発チームを主宰している。 このなんとも奇妙な楽器だが、よく見ると4本のアルミ板にはそれぞれ1本づつギターの弦が張ってある。その弦の上をフレットが電動で上下にスライドすることで音程を変化させているようだ。そして、装置の下端に取り付けられた4枚ピック付きの立方体が回転することで弦をはじき、音が出る仕組みだ。原理は比較的簡単だが結構複雑な音楽を演奏することができるのには驚かされる。



 

LEMUR ( League of Electronic Musical Urban Robots )
ブルックリンに本部を置く自動演奏ロボットを研究開発する技術者および芸術家から成る非営利団体。ミュージシャン兼エンジニアであるエリック・シンガー氏により2000年に設立された。LEMUR は現在、ロックフェラー財団をはじめいくつかの文化財団からの助成により運営されている。

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2010/02/04 | Comment (8) | Trackback (0) | HOME | ↑ ページ先頭へ ↑ |

Pietro Condorelli with Francesco Nastro

   ↑  2010/01/17 (日)  カテゴリー: guitar

一昨日取り上げたイタリア人ピアニスト、フランチェスコ・ナストロ ( Francesco Nastro , Napoli , 1967~ ) の元気のイイ演奏が聴けるアルバムを紹介しておきます。ここでは同じイタリア人ギタリスト、ピエトロ・コンドレリ ( Pietro Condorelli, Milan , 1962~ ) との共演盤という視点で3枚アップしておきます。

二人の共演盤は計4枚あります。コンドレリのリーダー作にナストロが客演した 『 On My Browser 』 、『 Quasimodo 』 、『 Easy 』 の3枚と、その逆で、ナストロ作にコンドレリが客演した 『 A tempi alterni quintet 』 とで計4枚です。ただ、ナストロの1997年のデビュー作でもあるこの 『 A tempi alterni quintet 』 は残念なことに所有していません。

僕は決して廃盤に散財するようなマニアではないのですが、もしこの 『 A tempi alterni quintet 』 が手に入るなら、5,000円、いや6,000円 ( ちょっとセコイ )  ぐらい出してもいいくらいです。どなたか御持ちじゃないですか?

Pietro Condorelli_On my browser Pietro Condorelli  /  On My Browser    ( 独amazon )
1998 SOS ( Sound on Sound )  0010
星1つ星1つ星1つ星1つ 
Pietro Condorelli (g), Francesco Nastro (p), Vittorio Pepe (b), Pietro Iodice (ds)
Guest Musician : Franco Coppola (fl, as), Roberto Schiano (tb), Daniele Scannapieco (ss, ts), Leonardo La Peruta (as), Marco Sannini (tp)





Pietro Condorelli_quasimodo Pietro Condorelli / Quasimodo   ( amazon )
2000  Red Records 123289
星1つ星1つ星1つ星1つ
Pietro Condorelli (g), Fabrizio Bosso (tp, flh), Francesco Nastro (p), Pierto Ciancaglini (b), Pietro Iodice (ds)







Pietro Condorelli_easy Pietro Condorelli / Easy  ( amazon )
2005 Red Records 123307
星1つ星1つ星1つ星1つ
Fabrizio Bosso(tp,flh), Daniele Scannapieco(ts,as), Jerry Popolo(ts,as), Roberto Schiano(tb), Pietro Condorelli(g), Francesco Nastro(p), Pietro Ciancaglini(b), Pietro Iodice(ds)

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2010/01/17 | Comment (4) | Trackback (3) | HOME | ↑ ページ先頭へ ↑ |

Graham Dechter / Right on Time

   ↑  2009/12/21 (月)  カテゴリー: guitar
graham dechterGraham Dechter / Right on Time  ( amazon )
Cpri Records  CAPRI
星1つ星1つ星1つ星1つ

Graham Dechter ( g )
John Clayton ( b )
Jeff Hamilton ( ds )
Tamir Hendelman ( p )
Recorded November 2008




カリフォルニア州サンタモニカ出身の若干23歳の新人ギタリスト、グラハム・デクター ( Graham Dechter ) のデビュー作。彼は19歳のときにレイ・ブラウンやダイアナ・クラールとの共演で知られる西海岸を代表する巨匠ドラマー、ジェフ・ハミルトン ( Jeff Hamilton ,1953~ ) にスカウトされ、Clayton-Hamilton Jazz Orchestra に最年少で加入した逸材。

フルアコのクリーンでナチュラルな音色を生かしたウェス直系の正統派ギタリストだが、現代のギタリストで喩えるならピーター・バーンスタイン系だろうか。まだまだ若いにも関わらず堂々とした弾きっぷりで、かなり丁寧に音楽を仕上げていく余裕すら感じる。

と思いつつバイオグラフィーを覗いてみたら、やっぱりピーター・バーンスタインに習っていたようだ。それから西海岸の名手、ラリー・クーンスの薫陶も受けているらしく、はは~ん、なるほどね~と、うなずいてしまうくらい、クーンスの遺伝子を感じさせる奏法だ。
 
バックを務めるのは恩師のジェフ・ハミルトンとジョン・クレイトン、そしてイスラエル出身の馬鹿テク・ピアニスト、タミル・ヘンデルマンという、アメリカ西海岸の最強のリズム隊。

爽やかで温かみのある肌触り。スイングする駆動力も強く、これぞジャズの王道だと唸らせる。ジャズを聴く喜びを心地よく再認識させてくれる名盤である。

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2009/12/21 | Comment (2) | Trackback (2) | HOME | ↑ ページ先頭へ ↑ |

Kurt Rosenwinkel Standards Trio / Reflections

   ↑  2009/12/06 (日)  カテゴリー: guitar

kurt rosenwinkel_standard



現代のニューヨークは世界中から蝟集した有能な若きギタリストがひしめき合い、まさに百花繚乱の様相を呈している。ノルウェーからラージュ・ルンド、イスラエルからギラッド・ヘクセルマン、国内からもマイク・モレノ、ジョナサン・クライスバーグ、、マット・スティーブンス、ジュリアン・レイジなど、独自のロジックと感性を武器に才能溢れる若きミュージシャンがニューヨークを舞台に活躍している。そして彼らの多くが影響を受けたギタリストとして名前をあげるのがカート・ローゼンウィンケル ( Kart Rosenwinkel , 1970~ ) だ。

そんなコンテンポラリー・ジャズ・ギターのトレンド・リーダーとしての役割を担うカートの最新作がリリースされた。単独リーダー作品としては通算9作目となる今作は、デビュー作 『East Coast Love Affair』 以来14年ぶりとなるギター・トリオ編成によるバラード集。

脇を固めるのは、彼のバンドのレギュラー・ドラマーであるエリック・ハーランドと、ブランフォード・マルサリスのバンド等で活躍中のベーシスト、エリック・レヴィスのふたり。
 
“ Standards Trio ” と銘打ったこのトリオが演奏するスタンダードは、≪ You Go To My Head ≫、≪ You've Changed ≫、≪ More Than You Know ≫などの古いアメリカン・ソングだが、それ以外にもセロニアス・モンクの≪ Reflection ≫、≪ Ask Me Now ≫ やウェイン・ショーターの≪ Ana Maria ≫、≪ Fall ≫ なども演奏している。70年生まれのカートにとってはモンクやショーターの曲もスタンダードとして捉えているのだろう。
 
ギター・トリオによるバラード集ということで、たいへん静かで落ち着いた雰囲気の中、演奏は進行する。そのあたりは前作のヴィレッジ・バンガードの実況盤 『 Remedy 』 の熱い高揚感とは対極にある演奏だと言える。そのためどうしても地味な印象を拭いきれない。がしかし、熟聴しているうちに確かな余韻と奥行きは体感できるはずだ。楽器をやらないジャズ・ファンにはBGM的な聴き方もできる曲想が多いが、実際に楽器を扱う、あるいは扱ったことのあるファンなら、決して聴き流せない馬鹿テク技が随所に散りばめられていて思わず唸ってしまう。リラックスして何気に弾いているように見せかけて、実のところ、静かに暴れまくっているのだ!

ここで演奏されるスタンダードは、彼のオリジナル曲とは違い、調性がしっかりしていて、コードプログレッションのロジックもわかりやすい曲ばかりなのだが、それでも至る所にスーパー・インポーズを適応することでコードをミクロ化し、インサイドとアウトサイドをシームレスに行き来しながら独特の浮遊感を演出している。流石はカート。ありきたりのスタンダード解釈ではない訳だ。ヴォイシングの斬新さ、ドミナント7 でのスケーリングの多様性など学ぶべき技が詰まっている。

バラードとはいえ、随所でとんでもない速さのフレーズを披露している。しかもその殆どが指盤をホリゾンタールに超速で昇降するフレーズである。左手をストレッチしたまま、一秒間に5連付を3つぐらい軽々と引き倒してしまう。あ、これはシンメトリック・オーギュメントだな、とかコンディミだなとか聴いているとわかるが、あの速さで弾けるのは神技としか言いようがない。

そういう訳で、今作は一般的なジャズ・ファンからの反応は鈍いだろうが、カート・ファンからすると、サックスやピアノなどがない分、彼のテクニックを学ぶには絶好の教材になるはずだ。ギター・トリオ編成でのデビュー作  『East Coast Love Affair 』 の時は譜面が発売されたので、今回も譜面の発売を期待したい。
 
ところで、カート以降のコンテンポラリー系のギタリストたちを体系的に論考した理論書はほとんどみない。おそらく各人が独自のロジックを構築、発展させていく過程にあるからなのだろう。

カートに関しても前述した 『East Coast Love Affair』の譜面や、『 Deep Song 』のリード・シートおよびソロ譜面を掲載した『 カート・ローゼンウィンケル オリジナル曲集 』などが発売されているが、譜面を覗いただけでは彼のあの独特の浮遊するフレーズの秘密を解き明かすことは難しい。シンコー・ミュージックから発売された 『 Jazz Guitar Book 』 の23号で≪未来を担うメインストリーマー達 ≫ と題した特集が組まれていて、ニューヨーク周辺で活躍中のギタリストの特徴を解説しているし、また馬場考喜氏による≪ コンテンポラリー・ジャズ・ギター・メソッド≫ の解説が掲載されているが、十分なコンテンツ量とは言い難い。






  ブログ 『 中年音楽狂日記 Toshiya's Music Bar 』 の 中年音楽狂さんの記事はこちら
  ブログ 『ジャズCDの個人ページBlog 』 の 910サンの記事はこちら

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2009/12/06 | Comment (8) | Trackback (2) | HOME | ↑ ページ先頭へ ↑ |
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