雨の日にはジャズを聴きながら90年代以降のジャズを気ままに綴っています。 旧ブログ 『 雨の日には JAZZ を聴きながら 』 からのデータ移行は終了しました。ジャズ以外にも、時々デジタル関連の物欲記事、最近ハマっているカメラの話題も少しアップしています。 

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2011年 極私的愛聴盤ベスト20 (その参)

   ↑  2012/01/08 (日)  カテゴリー: Jazz
2011年ベスト25(3)

12) Prysm [ プリズム ] / Five: Live At Opera De Lyon ( amazon.co.jp ) ( 前項参照 )

約9年ぶりとなるプリズムの通算5作目となる最新作。プリズムはピエール・ド・ベスマン ( p ) 、クリストフ・ウォーレム ( b ) 、ベンジャミン・エノック ( ds ) の3人からなるフランス人ユニット。95年のセルフタイトルを冠した 『 Prysm 』 でデビューして以来、仏新興ジャズシーンの牽引役として人気を博したが、僕個人的にも欧州ジャズにのめり込むきっかけとなったバンドなので思い入れも強い。個々のメンバーもそれぞれ巧いのは確かなのだが、この3人がユニットを組むと、1+1+1 ≫ 3  となっちゃうわけで、とんでもないパワーを発揮することろがなんとも不思議なバンドだ。今回はゲスト・ミュージシャンとしてアルティストのロザリオ・ジュリアーニと、エリック・トラファズやミシェル・ベニタらとの共演で近年その知名度を上げてきているギタリスト、エマニュエル・コジャが参加しているが、本当はゲスト抜きで純粋にプリズム3人だけのサウンドが聴きたかった、というのが本心。

13) Antonio Farao / Domi ( amazon.co.jp )

アントニオ・ファラオ ( Antonio Farao, 1965~, Milano ) の3年ぶりとなる最新作。このところずっと CAM JAZZ に吹き込みを続けてきたファラオだが、今作は アルフィオ・オリリオやニコラ・フォルメルらの良質な作品をリリースしているフランスの新興レーベル、Cristal Records からの作品である点に興味が湧く。なにしろ、近年のCAM JAZZ作品、特に『 Encore 』以降の耽美的なイタリア回帰路線には少々物足りなさを感じていた僕としては、そろそろ『 Black Inside 』(1998)や『 Next Stories 』(2001)などのEnja作品で見せた徹頭徹尾シャープでモーダルな硬派路線に戻ってもらいたいと期待していたが、はたして。

タイトルの『 Domi 』とは息子のドミニク ( Dominique ) のことで、つまり本作は息子に捧げられたアルバムとなっている。全10曲すべてがファラオによる自曲。そのうち7曲はCAM JAZZ 作品群を踏襲するような優雅で気品に満ちて、それでいて甘酸っぱい切なさを孕んだような美曲で構成されている。残りの3曲がEnja作品群で見せたモーダルな楽曲で、ファラオの本領発揮といったところ。完璧です。僕個人的には余裕の5点満点。ファラオの格の違いを見せつけた愛すべき傑作ではないでしょうか。


14) Brad Mehldau / Live in Marciac ( amazon.co.jp )

年末にリリースされた Art of The Trio 時代のリイシュー・7枚組ボックス・セットが話題のブラッド・メルドー。Vol.1 からVol.5 まで、既に所有しているが、7枚目の未発表曲集聴きたさに正月に購入。今も聴きながらメルドーの音楽性の豊かさを改めて痛感しているところ。やっぱり Vol3 の 『Songs 』 が一番好きかな。それにしても昨年はメルドーのアタリ年だった。

ひとつはケヴィン・ヘイズとのデュオ作品『 Mordern Mosic 』。現代音楽とジャズの折衷みたいなサウンドなんだが、現代ジャズの最高峰に位置する二人が繰り広げる深淵な音世界は、神秘的かつ敬虔的ですらある。スティーヴ・ライヒの有名な《 Music for 18 MusiciansM 》 をアレンジした《 Except from Music for 18 MusiciansM 》などは度肝を抜かれた。あの限りなき創造性、飽くなき探求心はいったいどこから沸いてくるのだろう。スティーヴ・ライヒのややもすると退屈になりがちなミニマル音楽をここまで刺激的なストーリに仕上げられるなんて・・・。

そしてもうひとつが2006年録音のソロライブ作品『 Live in Marciac 』。こちらも前者に負けず劣らず素晴らしい作品だった。2時間近くもピアノのソロで観衆を惹きつけ魅了し続け、最後に最大級の拍手喝采を受けるとこいうこと。それはとりもなおさず、メルドーが天才であることの証左に他ならない。


15) Jeremy Pelt / Talented Mr. Pelt ( amazon.co.jp )

ジェレミー・ペルトのHigh Note からの第二弾にして最新作。メンバーは2007年から活動を共にしている現レギュラー・クインテット。すなわち、ジェレミー・ペルト、J.D. アレン、ダニー・グリセット、ドウェイン・バーノ、ジェラルド・クリーヴァーの5人。このメンバーでのレコーディングは本作で3作目となる。今月末には4作品目となるタイトル『 Soul 』がやはり High Note からリリース予定であり、そちらも今から楽しみ。アルバム全体に通底するダークなセンスは、60年代のマイルス黄金クインテットを彷彿とさせる。マイルスは60年代終盤、“革新性” という名のもとにエレクトロニクスを呑み込み、急激に肥大化していったが、もしも、マイルスが、ショーター、ハンコック、カーター、ウイリアムスらとともに、“ まっとう ” な緩やかな進化を遂げていたら、70年代にはきっとこんな音楽を演奏していたんじゃないかなぁ~、って思わず空想してまうほど、マイルスの音楽を強烈に感じさせる音だ。


16) Perico Sambeat / Baladas ( amazon MP3 download )

スペイン出身のアルト奏者、ペリコ・サンビートの最新作は全編バラードの意欲作。サンビートと言えばブラッド・メルドーやカート・ローゼンウィッケル、あるいはジャビエ・ベルシェなどとの共演盤などを聴く限り、けっこう現代的なロジックでウネウネ吹きまくるタイプだと思っていたので、本作のようなしっとりとロマンティックなアルバムを作るとは意外。でもこれがかなり心に沁みる作品で壺にはまった。バックを務めるベルナルド・サセッティ ( Bernardo Sassetti )( 前項あり )の繊細にして静謐な響きを湛えるピアノも絶品。

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2012/01/08 | Comment (3) | Trackback (0) | HOME | ↑ ページ先頭へ ↑ |

2011年 極私的愛聴盤ベスト20 (その弐)

   ↑  2012/01/05 (木)  カテゴリー: Jazz
2011年ベスト25 (2)

昨日の「 極私的愛聴盤2011 」 の続きです。

7) SFJAZZ Collective / Live 2010: 7th Annual Concert Tour ( 2011年6月16日アップ )

7年目を迎えた SF Jazz Colective の2010年のライブ盤。題目はホレス・シルバー。フロントがジョー・ロバーノとデイヴ・ダグラスが抜け、代わりにマーク・ターナーとアヴィシャイ・コーエンが加入。ピアノもリニー・ロスネスからエドワード・サイモンに交代。そして、一時期抜けていたヴィブラフォンのステフォン・ハリスが再加入し新編成となっている。この新バンドの方が遥かにサウンドに幅が出ているし、表現力も秀でているように思う。特に冒頭に配された《 Cape Verdean Blues 》 にみるステフォン・ハリスの独創的で緻密さに溢れたアレンジは素晴らしい。昨年の同メンバーによるライブ盤 『 Music of Stevie Wonder and New Compositions: Live in New York 2011 - Season 8 』 も昨年暮れにディスクユニオンなどで手に入るようになっているが、3枚組7,000円はちょっと御高いか。SF Jazz のサイトから購入すれば 35ドル( 2,700円 ) で購入できるし、それがメンドクサイなら、amazon.co.jp の mp3 download で 3,000円で購入できる。

続く4作品はいずれもビッグバンド作品。

8) Chris Potter & The DR Big Band / Transatlantic ( amazon.co.jp ) ( 2011年8月30日アップ )

クリス・ポッターの最新作はデンマーク放送ビッグバンド( Danish Radio Big Band )との共演盤。クリポタはこの共演のために全ての楽曲の作曲・編曲を手掛けている。しかも全曲書き下ろしというガチ本気モード !!  クリポタの演奏だから悪かろうはずがない、という先入観を排して真っさらな気持ちで聴いてみても、やっぱり、クリポタは凄い。壱音壱音の感情の乗せ方がお見事。旋律と対旋律が重層的に絡み合い、徐々に立体感とスケール感が増していき、ブラスの高揚感漲るトゥッティと共にクリポタのソロが爆発する・・・。ホント、最高ぅ~。


9) Stefano Bollani / Big Band! ( amazon.co.jp )

ステファノ・ボラーニの (たぶん) 初となるビッグバンド作品。お相手は NDR Big Band (北ドイツ放送協会ビッグバンド)。5曲すべてがボラーニの自曲だが、ビッグバンドの編曲に力点が置かれていて、ボラーニのソロはけっこう控えめ。その代わり一糸乱れぬ超絶技巧のビッグバンドのサウンドが素晴らしい。これぞ豪華絢爛な音の祭典だ。

10) Joachim Kuhn Trio & hr-Bigband / Out of the Desert Live at JazzFest Berlin ( amazon.co.jp )

ヨアヒム・キューンの最新作は、ドイツのフランクフルトに本部を置くヘッセン放送協会( Hessischer Rundfunk ) 専属のビッグバンド、HR Big Band との共演作品。HR Big Band は時にフランクフルト・ラジオ・ビッグバンド ( Frankfurt Radio Bigband ) と呼称されることがあるので混乱しやすいですが、どちらも同じバンドです。以前に拙ブログでご紹介したデイヴ・ダグラスの『 A Single Sky 』 の時は Frankfurt Radio Bigband の名前が使われていました。どういう理由かはわかりません。本作は正確には “ Joachim Kuhn Trio ” 名義ですが、ダニエル・ユメール、J.F. ジェニー・クラークとのあの超重量級名トリオではないことは言うまでもありません。今回のトリオはゲンブリとウードを演奏するモロッコ人ヴォーカリストのマジド・ベッカスと、スペイン人ドラマー兼タブラ奏者のラモン・ロペスからなるトリオです。

guimbri_player

ウードやタブラに比べてゲンブリ ( guembri ) は馴染みが薄い楽器ですが、このゲンブリとはモロッコの民族音楽であるグワーナ ( Gnawa ) で用いられる弦楽器です。箱型のボディーに円筒形のネックが突き刺さったような外見で、弦は3本。Youtube などで演奏を観る限り、オクターブがやっとの音域で、あまりソロやメロディーには不向きな楽器のようにみえます。どちらかと言うとベースギター的な使われ方が多いみたいです。簡単なリフを繰り返すリズム楽器、とも言えます。なんだかチープで怪しげな楽器で、誰でもベンベンと弾きならせそうではありますが、逆にピアノなどの完全に調律された西洋楽器と合わせるのは難しいんじゃないでしょうか。

キューンはこのトリオで2007年に『 Kalimba 』、2011年には『 Chalaba 』という作品をリリースしています。僕は『 Chalaba 』しか聴いていませんが、ゲンブリが意外に低音がしっかり出ていて、またキューンの左手が強靭なため、普通のピアノトリオを聴いているかのような聴きやすい作品でした。何度も聴きたくなる音ではありませんが、キューンのフリー指向に比べたら、このトリオによるエスニック指向のほうが数倍聴きやすいと思います。

閑話休題。本作は基本的には『 Chalaba 』と同じベクトル上にある作品だと思いますが、曲によってはキューン御得意のフリーに突入したりと、そのアヴァンギャルドでカオティックなスタイルは変わりありません。欧州屈指のヘビー級ピアニストであるキューンと、ドイツ屈指のビッグバンドのガチンコ勝負は圧巻です。怒濤の勢いで押しまくるアンサンブルに一人立ち向かう野獣のごときキューン。許す限りの大音量でその音圧を浴びれば、かなりのユーフォリアが得られるんじゃないでしょうか。


11) Trilok Gurtu with Simon Phillips + NDR Bigband / 21 Spices ( amazon.co.jp )


トリロク・グルトゥとサイモン・フィリップスの共同名義作品。バックを務めるのはWDR Bigband と並びドイツの名門ビッグバンドの一つである NDR Bigband 。本作は2010年5月にドイツのPaderbornで開催された Drums'n'Percussion Festival の企画のライブ音源+スタジオ音源から構成されている。全曲がグルトゥの過去の作品ですでに披露されている曲で、それをビッグバンド用にリアレンジしている。タイトルの『 21 Spices 』は、1995年リリースのグルトゥの作品『 Bad Habits Die Hard 』に収録されていた曲に由来するが、この “21” という数字は偶然にも本作に参加したミュージシャンの総数にもなっている。

メンバー的に興味深いのはベースのミシェル・アリボ (Michel Alibo) でしょうか。拙ブログでもたびたび登場するフランスのフュージョン・グループ、シクサン ( Sixun ) (前項参照 ) のメンバーです。ファウンダーはピアノのジャン=ピエール・コモ。ギターはルイ・ウィンスバーグ。ドラムスはウェザー・リポートにも参加していたパコ・セリ、ということで、メンバーが個々に大活躍ですが、アリボは他のメンバーに比べるとやや地味な存在です。ですが、本作ではけっこう存在感を見せつけていますのでご注目を。

トリロク・グルトゥはジョン・マクラフリンのバンドで叩いているのを昔見て度肝を抜かれ、その後のソロ作品を何枚か聴きましたが、あまりインパクトがなかったのが現実でしたが、本作は企画とメンバーの良さに助けられ、彼の作品の中では一番の愛聴盤になりそうです。

いっぽうのサイモン・フィリップスは、僕個人的には1980年代のジェフ・ベックとの演奏が脳裏に焼き付いていてるので、それに比べると最近の演奏はやや物足りない感じもしますが、それでもデジタルライクな正確無比な超絶技巧はやはり流石。昨年はリー・リトナーやマイク・スターンとブルーノート東京に出演したり、上原ひろみの新作に参加したり、はたまた嵐のレコーディングに参加したりと、日本に急接近しているフィリップスですが、30年前、ジェフ・ベックの『 There And Back 』を興奮して聴いていたときには、フィリップスの今日の八面六臂の大活躍はまったく想像できなかったなぁ。いずれにしてもヘビメタ~ポップス~フュージョン~ジャズ~ポップスと、世に存在するリズムというリズムはなんでも叩けちゃう、プロ中のプロには間違いありません。



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2012/01/05 | Comment (5) | Trackback (0) | HOME | ↑ ページ先頭へ ↑ |

2011年 極私的愛聴盤ベスト20

   ↑  2012/01/04 (水)  カテゴリー: Jazz
2011年ベスト25


恒例の 「極私的愛聴盤2011」 をまとてみました。本来なら年末にアップすべき記事ですが、例年になく今年はバタバタしちゃて、書けませんでした。昨年前半は東日本震災や原発問題などがあって、ジャズを聴く気分にもなれず、陰鬱な日々を過ごしてしまいました。ですので、昨年は新譜買いも例年に比べて極端に少なかったです。ジャズの新譜に限って言えば120~130枚ぐらいでした。でも、ほとんどハズレらいいハズレもなく、意外に豊作の一年だったのではないでしょうか。では、左上から右下に向かって簡単にコメント付けていきましょう。なお、20枚の順番は愛聴度や重要度とは無関係です。

まずは、今年一番の注目新人アルティスト、マリウス・ネセット ( Marius Neset ) のセカンド・アルバム 『 Golden Xplosion 』 から。

マリウス・ネセットは1986年、ノルウェー生まれの26才。2003年にコペンハーゲンの Rhythmic Music Conservatory に入学し、そこで奇才ジャンゴ・ベイツに師事。その後もベイツのビッグバンドのメンバーとして活躍する新人です。本作は彼の二作目になります。ジャンゴ・ベイツ好きの僕としては無条件で買いのアルバム。なにしろベイツもキーボードで参加していますから。完全に期待通りのベイツ遺伝子直系の吹き手です。不規則、無秩序で鋸歯状の音列が変拍子に乗って炸裂。今後も目が離なせません。

ルドレシュ・マハンサッパ ( Rudresh Mahanthappa ) の最新作 『 Samdhi 』もマリウス・ネセット同様、脳髄直撃の刺激的、攻撃的な凄盤でした。最新作と言っても録音は2008年とちょっと古い。

ご存じのようにルドレシュ・マハンサッパはインド系アメリカ人。ヴィジェイ・アイヤーと同じルーツですね。そしてふたりともエリート。ヴィジェイ・アイヤーは名門エール大学卒。対してマハンサッパは世界最高位のジャズ学科をもつノース・テキサス州立大学を卒業しています。それはそれとして、僕が初めてマハンサッパを聴いたのはヴィジェイ・アイヤーの 『 Blood Sutra 』 だから、もう5~6年になるだろうか。どうしてもインド人のジャズという良くも悪くもインド独得の音階やシタールやタブラが入った民族音楽をベースに作られているんだろうと勘繰ってしまうけど、マハンサッパにしろ、アイヤーにしろ、いままであまりインド人であることを意識させるような作風ではなかった。大体において、彼らは生まれも育ちもインドじゃないからね。でも今回は前作群に比べ、お香の匂いが鼻を突く感じが強いかもしれません。そう言えば、今回は触れませんが、アイヤーの新作 『 Tirtha 』 もいつになく中近東路線を強めた作品でしたよ。

でもって、マンサッパ繋がりで聴いてみたら凄く良かったのがパキスタン出身のギタリスト、レズ・アバシ ( Rez Abbasi ) のセカンド・アルバム『 Suno Suno 』。

メンバーのヴィジェイ・アイヤーやルドレシュ・マハンサッパの演奏もカッコいいし、アビシの捩れたアウト・フレーズ全開のソロも抜群にうまいし、なんだかんだいって、楽曲が最高。大きく括れば NYコンテンポラリー系、となるのだろうけど、明らかにニューヨークにあって彼らは新たなる潮流になろうとしている。

以上、ちょっとトンガリ系の重たいジャズを列挙しましたが、続く4枚はいずれも爽快なハードバップ作品です。

今年、実際に最も聴いたハードバップ作品はこのシーン・ジョーンズの最新作 『 No Need for Words 』 ( 前項あり )。

リーダー作としては6作品目となる。元 Lincoln Center Jazz Orchestra のメンバー。最近はウェインショーター、マーカスミラーらのバンドで活躍と、着実にその知名度を上げてきたジョーンズですが、日本ではいまひとつ盛り上がっていませんね。とっても巧いトランペッターなんですけどねぇ。拙ブログで大、大、大プッシュしておきましょう。ドラマーのオベッド・キャルベアも大暴れしてますから、ドラム好きにもマストアイテムでしょう。

ロシア生まれのトランペッター、アレックス・シピアギンの通算12作品目となる最新作 『 Destinations Unknown 』 ( 前項あり )は Criss Cross から。

この人も前述のシーン・ジョーンズと同様、日本での認知度は低いね。やっぱり国内盤がでないと駄目なんでしょうね。「マンデイ満ちるの旦那 」 と説明する大概のジャズファンは思いだす。シピアギン~ポッター~ビーニー の3管フロントラインは鉄壁。安定した高水準な作品。

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2012/01/04 | Comment (3) | Trackback (0) | HOME | ↑ ページ先頭へ ↑ |

2011年の個人的重大ニュース

   ↑  2012/01/03 (火)  カテゴリー: diary



明けましておめでとうございます。4か月もブログを放置しておきながら言うのも失礼な話ですが、本年もお付き合いの程、よろしくお願い致します。

新年のご挨拶の代りと言ってはなんですが、新年を迎えるにふさわしい爽やかで清々しいピアノの曲を7曲ほどアップしてみました。

僕ら家族は年末、お友達らと一緒に、新潟の六日町でスキーや雪遊びなどをして過ごしました。

31日の早朝。夜明けを待てずに目覚めてしまった僕はひとり宿の玄関先に立ち、音もなくしんしんと降り積もる雪を眺めていました。見渡す限りの白銀の世界。時折吹く風に宙高く舞い上がる粉雪。電線や木々に降り積もる雪。頬を打つう凛とした冷たい空気。東京では決して体験できない幻想的な世界を眺めていると、精神が研ぎ澄まされ、そして心が徐々に浄化されていくような心地よさを感じました。そして、ジャズのいくつかの美しいメロディーが頭の中で鳴りだしました。その時のメロディーが上にアップした曲たちです。


さて、本当なら昨年中にアップすべき内容ですが、「2011年の個人的重大ニュース」を記しておきたいと思います。あくまで「個人的」という条件付きですから、東日本大震災や福島原発事故のことは今回は触れません。今、日記をめくりながら思い起こしてみると、まあ、色々あるにはありますが、ここは思いきって嬉しいニュースと残念なニュースの二つだけ挙げておきましょう。

まずは嬉しいニュースから。

1)息子が私立小学校に合格した。
この一年間、週末の塾通いで個別指導から集団指導、毎月のようにある公開模擬試験、平日は受験に特化した体操教室や絵画教室、さらには話し方教室などなど。もちろん毎日の家庭学習も欠かさずやって、なんとか受験した3校からすべて合格をいただきました。もちろん、ずっと憧れていた第一志望の小学校に進学します。ほんと、よかった。僕自身も受験を何度も経験してきたわけですが、自分自身の受験よりも神経をすり減らしたような気がします。何しろ、相手は6歳の子供ですから。

我が家が私立小学校を受験することを決め、慌てて塾通いを始めたのが昨年の一月後半。息子が年中も終わりかけていた頃のこと。普通は私立を受験するなら準備は幼稚園の年少か、遅くても年中になったらすぐに始めるものらしいのですが、我が家はあまりにもスタートが遅すぎました。ですので、もうこの一年間は遅れを取り戻すのに無我夢中でした。一番大変だったのは妻だと思いますが、ラスト半年は僕も仕事以外は自分の持てるリソースを全て集中投入し、家族一丸となって受験に向けて頑張りました。僕は、都内の私立小学校の全ての過去問を購入し、各校の傾向を分析し、僕自らが受験する学校の出題傾向に即した問題を自作して息子に毎日解かせたりしました。まさに集中と選択の戦略で、ハンディキャップを克服していったように思います。傍から見ると子供もかわいそうだし、親も大変そうに映るかもしれませんが、でも実際は意外に楽しい作業でした。子供って教えれば教えるほど吸収していくし、知っている知識を応用して、未知の問題も解いていったりするものです。そんな子供の日々の成長を目の前で実感しながら勉強を教えられるのって、僕にとってもこの上ない喜びでした。模擬試験を受けるたびに成績が上がり、最後には第一志望の小学校からも判定Aをもらえるようになりましたが、でも、もし不合格に終わったとしても、この一年間の頑張りは将来、必ず芽を吹くであろうと思いながら教えていました。そして、家族三人がこれほどまでに一致団結して一つの目標に向かって頑張ることって、おそらく、これが最初で最後なんだろうなぁ、とも思います。

12月に入り、やっと受験から開放され、今はしばらく休んでいた水泳教室や英語教室を再開し、今までに増して喜んでそれらに通っています。妻は、入学してからの授業に備え、いくつかの数学教室を見学に行ったりしているみたいです。僕としてはこの時期ぐらいはのんびりさせてやってもいいのに、と思ったりするのですが、妻は僕より遥かに教育に厳しいようです。

この4か月間、ブログを一切、自分の中から消し去り、放置していたのも、こんなことがあったからなんですね。ということで、受験もひと段落ついたので、ジャズ聴きをギター弾きはそろそろ再開しようかなぁ。



ついで、かなり凹んだというか、憤慨したニュースは、
2)オリンパスの損失隠し問題で、オリンパス株が急落。大損した。

僕は絶対つぶれないであろう優良企業の株を数社、昔から持っています。具体的にポートフォリオを晒すことはここではできませんが、たとえば、僕は消化器の専門医ですので、日々、お世話になっている超音波や内視鏡、CT や MRI などを扱っている大手の企業、日立や東芝、オリンパスなどの株式を長期保有してきました。実情がある程度わかる分、買いやすい、っていう思いこみがあったんですね。本当は全然不透明だったのに。オリンパスの機材なんて、そりゃもう凄く優秀だし、病院に出入りしているオリンパス社員の方もみなさんいい人ばかりです。まさか、上層部があんなことをしているなんて、僕らはもちろん、社員の方々も寝耳に水だったはずです。忘れもしない10月14日。ネットで「英国人社長、マイケル・ウッドフォードが解任」というニュースがザラ場中に流れました。その瞬間、オリンパス株は派手にガラったのです。僕はあの数日間で小ベンツが一台クラッシュ大破するくらいの損失を出してしまったのです。



オリンパス暴落.



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Vince Mendoza / Night On Earth

   ↑  2011/09/18 (日)  カテゴリー: large ensemble
vince mendoza nights on earth_256
Vince Mendoza / Night On Earth ( amazon.co.jp )
2011 Ais

John Abercrombie, John Scofield, Peter Erskine, Louis Conte, Larry Goldings, Kenny Werner, Alan Pasqua, Fred Sherry, Bob Mintzer, Joe Lovano, Ambrose Akinmusire, Luciana Souza, Hector Del Curto, Tom Diakite, Nguyen Le, etc.

メトロポール・オーケストラの常任指揮者兼音楽監督をつとめる現代最高のアレンジャー、ヴィンス・メンドゥーサ ( Vince Mendoza ) の通算9作目となるリーダー作。

メンドゥーサは1961年11月17日、コネチカット州ノーウォークの生まれ。オハイオ州立大学で作曲法で学位を取得。卒業後はロサンゼルスに移り、スタジオミュージシャンやテレビ番組の音楽制作などで生計を立てる一方、80年代後半に、南カリフォルニア大学大学院に進学し作曲と指揮を学んでいる。ちょうどその頃、ピーター・アースキンと出会い、彼の作品『 Transition 』に楽曲を提供。そのことがきっかけとなり様々なジャズミュージシャンとの交流が始まった。交流のあるミュージシャンはジャズの分野に留まらず、ジョニ・ミッチェル、スティング、エルビス・コステロ、ビヨークなどなどロック / ポップス界のビッグネームのアルバムに参加し、絶大なる信頼を得てきた。

一方、メンドゥーサは自らもリーダー作をリリースしてきた。89年に晴れて 『 Vince Mendoza 』( 前項あり ) でデビューを飾り、その後も90年に 『 Start Here 』( 前項あり ) 、91年に 『 Instruction Inside 』( 前項あり ) と、立て続けにフュージョン系ビッグバンド作品をリリース。93年にはフラメンコ・ミュージシャンとドイツの WDRビッグバンドらとともに制作した『 Jazzpana 』、続く94年にはデイヴ・リーブマン、チャーリー・マリアーノ、グェン・レなど、豪華なソリストを迎えたWDRビッグバンド共演盤『 Sketch 』、そして97年にはロンドン交響楽団をバックにマイケル・ブレッカーやジョン・アーバクロンビーらがソロをとる壮大なる絵巻物語『 Epiphany 』をリリースし、特にストリングス・アレンジャーとしての名声を確固たるものとしていった。その後しばらくは他ミュージシャンのサポートに徹し、自身のリーダー作は発表しなかったメンドゥーサだったが、2005年には上記のようにメトロポール・オーケストラの常任指揮者兼音楽監督に就任し、2008年に待望のストリングスが入った約15人編成のアンサンブル作品『 Blauklang 』、2009年にはスペインの詩人兼劇作家のフェデリコ・ガルシア・ロルカを題材にしたメトロポール・オーケストラ演奏の 『 El Viento 』( 前項あり ) をリリース。

また、厳密にはメンドゥーサのリーダー作ではないが、2010年にジョン・スコフィールドをソリストとしたメトロポール・オーケストラ作品 『 54 』( 前項あり ) やジョー・ザビヌル追悼盤 『 Fast City 』( 前項あり ) などでも編曲&指揮している。

そして今新作は、今までのシンフォニックな大編成とは違い、主役はあくまでジャズ・ミュージシャンから成るコンボであり、ストリングスは味付け程度の役割。 いわば “ Symphonic Orchestra with solist ” から “ Jazz Combo with Strings ” に変わった感じ。

ストリングス・セクションとブラス・セクションが絡み合って壮大なドラマツルギーを演出するメトロポール・オーケストラ作品が好きな僕としては、今作はいまひとつスケール感に欠けるし、ロマンティックな物語を紐解いていくようなワクワク感も乏しいので、ちょっと残念。





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2011/09/18 | Comment (2) | Trackback (1) | HOME | ↑ ページ先頭へ ↑ |

McCoy Tyner & Jackie McLean / It's About Time

   ↑  2011/09/14 (水)  カテゴリー: piano
McCoy Tyner& Jackie Mclean_It's About Time McCoy Tyner& Jackie Mclean / It's About Time  ( amazon.co.jp )
1986 Blue Note

《 You Taught My Heart To Sing 》

McCoy Tyner (p) Jackie McLean (as) Jon Faddis (tp) Ron Carter (b) Marcus Miller (el-b) Al Foster (ds) Steve Thornton (per)
Recording : April 6,7,1985 NYC at Right Track Studios

1時間ほど前のこと。仕事帰りの地下鉄に揺られていたら、頭の中でふと鳴り始めたメロディー。しばらく思いだせなかったけど、ひと駅ほど電車が進むうちにやっと思い出した。このメロディー、それはマッコイ・タイナーの書いたバラード《 You Taught My Haert To Sing 》。邦題は無かったと思うけど、この曲の発売当時の1986年のころ、ラジオで誰か忘れたけどあるジャズ評論家が 《 心のままに歌えと教えた君に》 とか訳していたような気がする。

時々、訳もなく突然あたまの中で鳴りだし、気がつくと鼻歌うたっているようなメロディーってないですか?僕はよくあるんですよ。ただ、これだけ毎日にようにジャズを聴いていながら、鼻歌となって時折溢れ出してくるメロディーってジャズじゃないんですよ。歳がばれちゃいますが、子供の頃にテレビで流れていたいしだあゆみの ♪街の灯りがとてもきれいねヨコハマ~♪ の 《 ブルーライト・ヨコハマ 》 とか、吉田拓郎の ♪流れる雲を追いかけながら本当のことを話してみたい♪ の 《 明日に向かって走れ》なんていうのが定番だったりすのですが、ほんとジャズって鼻歌にならない。ジャズだと唯一《 All of Me 》 ぐらいかな。

そんなわけで急に 《 You Taught My Haert To Sing 》 を聴きたくなり、帰宅早々この曲が収められているアルバム『 It' s About Time 』を引っ張り出して聴いています。

1985年、ブルース・ランドヴァル総統のもと新たな一歩を踏み出した新生ブルーノート。レーベルの記念すべき第一弾作品はスタンリー・ジョーダンの『 Magic Touch 』。そして続く第二弾として発売されたのがこのマッコイ&ジャッキーの『 It's About Time 』だった。しかし、当時はそれなりに話題になりましたが最近は全く話題にのぼることがなくなった新生ブルーノートの初期の作品群。今でも人気の1500番台や4000盤台は廉価盤やらRVGリマスターやら、最新の話題といえばオリジナル盤を忠実に再現した『 プレミアム復刻シリーズ』など、手を変え品を変え次々と再プレスされる一方で、全く再発の気配すらない初期新生ブルーノートですが、中にはなかなか聴きごたえのある作品もあります。この『 It's About Time 』だって良い作品ですしね。ベースがマーカス・ミラーなんですが、この人、スラップ弾きが得意のように思われていますが、指弾きも凄く巧いんです。このバラード《 You Taught My Haert To Sing 》でのマーカスのラインは随所に洒落た小技が効いていて、惚れ惚れする演奏です。ベーシスト必聴でしょう。

例によって 僕の MediaMonkey のライブラリーでこの曲を検索してみましたら、他にも3曲みつかりました。



Eden Atwood_a night in the life_edited-1Eden Atwood / A Night in The Life ( amazon.co.jp )
1996 Concord Records


エデン・アトウッドが歌ってましたね。すっかり忘れていました。この人のコンコード時代のアルバムはどれもレア盤化していて、オークションで高値で取引されていました。僕はあまりこの人に愛着がなかったので、そのうちヤフオクで売り払ってしまおうと考えていたところ、5月にまとめて再発されちゃいました(T_T) 売り抜け失敗! この頃のアトウッドはいかにも日本人親父が好きそうな美人さんでしたね。歌声とビジュアルのギャップが僕はどうも馴染めませんが。



Dianne Reeves_I RememberDianne Reeves / I Remember ( amazon.co.jp )
1991 Blue Note Records

ダイアン・リーブスはマッコイ・タイナーのビッグバンド作品 『 Journey 』 ( 1991 Birdology ) に客演し、この曲を歌ってますが、ダイアン自身の作品でもマルグリュー・ミラーのピアノをバックに歌い上げています。流石に説得力ありますね。うまいです。






McCoy Tyner_RevelationsMcCoy Tyner / Revelations( amazon.co.jp )
1990 Blue Note Records

マッコイ自身もソロやトリオでレコーディングしているみたいですが、僕が持っているのはこのソロ作品だけ。マッコイって昔からモード一辺倒のような印象がありますが、それは間違った認識であると、こういう曲を聴くと思い知らされます。






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2011/09/14 | Comment (9) | Trackback (0) | HOME | ↑ ページ先頭へ ↑ |

Jacob Karlzon 3 / The Big Picture

   ↑  2011/09/10 (土)  カテゴリー: piano
jacob karlzon big pictureJacob Karlzon 3 / The Big Picture ( amazon.co.jp )
2011 Stunt Records


Jacob Karlzon (piano, Rhodes, organ, keyboards, programming)
Hans Andersson (bass)
Jonas Holgersson (drums, percussion)

スウェーデン出身のピアニスト、ヤコブ・カールゾン ( Jacob Karlzon , 1970~ ) の単独リーダー作としては通算7作目となる最新作。

2009年にリリースされた前作 『 Heat 』 ( 前項あり ) は、ベースのハンス・アンデルッソン、ドラムのヨナス・ホルガーソンから成るレギュラー・トリオ ( ヤコブ・カールゾン・3 ) に、曲によってはトランペットのピーター・アスプルンドやテナーのカール・マーティン・アルムクヴィストが参加したクインテット作品だったが、今回は前作フロントラインの2人が抜けた純然たるトリオ作品。

カールゾンはもともと歌手のヴィクトリア・トルストイのバンドやスウェーデンを代表するビッグバンド Tolvan Big Band などのピアニストとして腕を磨いてきたピアニストであり、キース・ジャレットやビル・エバンスらの系譜に属する、どちらかというと保守的なスタイルを持ち味としてきた弾き手だった。その眼光鋭いスキンヘッドの強面は e.s.t. の故エスビョルン・スヴェンソンを彷彿させるが、しかし、その奏でる音楽はとても対照的で、スヴェンソンに比べかなりコンベンショナルなジャズの伝統に根ざした音楽を創作してきた。ただ、自身の作品を重ねるごとに徐々にそのサウンドは進化し、近年はよりコンテンポラリーなものへと変化してきたようだ。

全8曲中6曲がカールゾンのオリジナル曲。前作では米国メタルバンド Korn の《Hollow Life》や映画 『 指輪物語 』のサントラ 《Gollum's Song》 などをカヴァしていたが、今回もU2 の《In God's Country》や映画『 フラッシュダンス』の主題歌でヒットしたマイケル・センベロの《 Maniac 》などを取り上げ、ロック世代にも幅広くアピールできる選曲となっている。

そして彼の選曲眼にみるポップ感覚は、今回はそのオリジナル曲にもみてとれる。つまり脱4ビート化を鮮明に打ち出した楽曲、シンプルで耳に馴染むメロディー、シンセサイザーやローズ、シーケンサーなどを使用したよりスケール感のある音場などなど、色々なギミックを忍ばせ、カラフルに描きあげた楽曲が並んでいる。

ピアノとベースの奏でる哀愁美漂うテーマから圧倒的な輝きを帯びて迫ってくる後半のソロへとドラマチックに展開するタイトル曲 M-1 《 The Big Picture 》から、しっとりとした聴感がいつまでも耳に残るピアノソロ M-8 《 At The End Of The Day 》まで、実にヴァラエティーに富む楽曲を楽しむことができる。

多分、ジャズ、スウェーデンの民謡、ロック、クラシックなどの様々な音楽性を内包した今回のカールゾンのサウンドは、今までカールゾンに興味のなかったジャズファン層にもウケるのではないだろうか。

2010年にはフランス・ジャズ界最高峰の名誉あるジャンゴ賞の 『 Contemporary Star of Jazz 』を受賞したり、またスウェーデン放送のジャズ批評家による 『 年間最優秀ミュージシャン 』 に選ばれるなど、今、もっとも勢いのあるスウェーデンを代表するピアニストに成長したカールゾン。エスビョルン・スヴェンソン亡き後のスウェーデンのジャズ界を背負って立つ逸材として今後さらなる注目を集めることだろう。そして、本作はそんな彼の新境地を拓した作品として、高く評価されるであろう。



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2011/09/10 | Comment (2) | Trackback (0) | HOME | ↑ ページ先頭へ ↑ |

Max Ionata / Dieci

   ↑  2011/09/02 (金)  カテゴリー: tenor
cover max ionataMax Ionata / Dieci ( amazon.co.jp )
2011 VVJ

Max Ionata (ts)
Luca Mannutza (p)
Nicola Muresu (b)
Nicola Angelucci (ds)
Fabrizio Bosso (tp,flh)


ダニエレ・スカナピエコと並び日本でも人気のイタリア人テナーサックス奏者マックス・イオナータ ( Max Ionata, 1972~ )の通算8作目となる最新作。

イタリアン・ジャズが日本のジャズ市場でも注目されるようになってから6~7年経つでしょうか。そのイタリアン・ジャズ・ブームの火付け役になったのが、ファブリツィオ・ボッソを中心として結成されたクインテット “ High Five ” だったわけですが、彼らが奏でるイタリア独得の哀愁美漂う現代のハードバップは、その後のイタリア・ジャズの雛型として機能し、多くのジャズファンを魅了しました。

2009年に Albore Jazz からリリースされたマックス・イオナータの 『 Inspiration 』 ( 前項あり ) は、そんな“ High Five ” 型に準じたイタリアらしい情熱と哀愁のせめぎ合いが見事に現出された、イオナータのキャリアを代表する素晴らしい作品として記憶に刻まれました。

さて、今新作はその『 Inspiration 』の録音前日に行われたセッションを収めた音源です。勿論メンバーも同じで、ルカ・マンヌッツァ (p) を含むレギュラー・カルテットに加え、ファブリツィオ・ボッソが3曲で客演しています。

ただし、『 Inspiration 』と『 Dieci 』とでは、だいぶ作風が異なります。前者がプリミティブな60年代ハード・バップを基調とした情熱的な演奏であったのに対して後者は、どちらかと言うとリリカルでメローな楽曲を取り上げた作品です。ですので一聴しただけだとどうしてもキャッチーで派手なメロディーが耳に残る前作『 Inspiration 』の方に軍配が上がりそうですが、今作『 Dieci 』も地味ながらもなかなか良いアルバムです。もちろんアドリブの質としては甲乙つけがたい出来です。

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2011/09/02 | Comment (3) | Trackback (0) | HOME | ↑ ページ先頭へ ↑ |

Chris Potter & The DR Big Band / Transatlantic

   ↑  2011/08/30 (火)  カテゴリー: large ensemble
Chris Potter & The DR Big BandChris Potter & The DR Big Band / Transatlantic ( amazon.co.jp )
2011 Red Dot Music

Chris Potter ( ts,ss,conductor ), Anders Gustafsson ( tp ), Christer Gustafsson ( tp ), Thomas Kjærgaar ( tp ), Mads la Cour ( tp ), Gerard Presencer ( tp ), Vincent Nilsson ( tb ), Steen Hansen ( tb ), Peter Jensen ( tb ), Jakob Munck ( tb ), Nicolai Schultz ( reed ), Peter Fuglsang ( reed ), Lars Møller ( reed ), Uffe Markussen ( reed ), Pelle Fridell ( reed ), Magnus Hjort ( p ), Kaspar Vadsholt ( b ), Søren Frost ( ds ), Per Gade ( g )



クリス・ポッターの最新作はデンマーク放送ビッグバンド( Danish Radio Big Band )との共演盤。

DR Big Band が世界初の政府支援のジャズ・ビッグバンドとして旗揚げされたのは1964年のこと。現在までに同楽団で指揮ならびにソリストとして客演したミュージシャンは100人を超え、誰もが認めるヨーッロッパを代表する名門バンドとして、ビッグバンド界に君臨しています。

そんな同楽団の歴史の中で、ビッグバンド・ファンならずとも思い出される出来事が2つあります。ひとつはサド=メル・オーケストラを辞めたサド・ジョーンズがその活動拠点をコペンハーゲンに移し、そこで同楽団のバンド・リーダーとして活躍したこと。そしてもうひとつは、1985年、コペンハーゲンのレオニ・ソンング音楽賞を受賞したマイルス・デイビスを招いて開催されたDRビッグバンド20周年記念コンサートの模様が、『 Aura 』という作品としてリリースされ、2つのグラミー賞を受賞したことです。

ところで、同楽団をDanish Radio Big Band ( DRBB ) と呼んだり、また、Danish Radio Jazz Orchestra ( DRJO ) と呼んだりと、統一されていないのを不思議に思われる方もいらっしゃるのではないでしょうか。実はこれは、バンド・マネージャーの交代に伴い2回、名称変更がなされたためなのです。

64年の発足当初は ビッグバンド ( DBBB ) という名称でした。しかし、92年にピーター・H・ハーセンがプロデュサー兼バンド・マネージャーに就任した際、それまでのメインストリーム系の既存の曲を演奏するビッグバンドから、今後は自己のオリジナル曲を演奏することに主眼を置くオーケストラとして活動していくことを強調するため、ジャズ・オーケストラ ( DRJO ) という名称に変更したのでした。

しかし、01年にロックやポップス業界での業績を高く評価されマネージャーに抜擢されたモルテン・ヴィルヘルムが、再び DRJO から DRBB に名称を戻したのでした。その裏には公的なバンドであってもある程度の収益を上げなければ経営存続できないという台所事情が関係していたようです。高踏的でアーティスティックなサウンドでは客が呼び込めない。より大衆にアピールする、分かりやすいビッグバンド・サウンドを奏でることが同楽団に課せられた課題だったのです。そのため、“ Jazz Orchestra ”ではなく“ Big Band ”と変更し、冬になるとせっせとクリスマス・コンサートの巡業を行い、往年のスイング・ジャズも演奏し、普段はジャズを聴かない人々にもホールに足を運んでもらうことに成功したのでした。それでも03年には同楽団への政府予算は削減されたようです。ますます営業に精を出さなければ存続が危うい、そんな苦境に立たされているのが現状のようです。

閑話休題。今作ではクリス・ポッターは単にソリストとして招聘されたのではありません。なんと彼が全ての楽曲の作曲・編曲を手掛けているのです。しかも全曲がこのコラボのために書き下ろした曲というのですから、クリポタ、超本気モードです。

対する DRBB もいつになく張り切っています。スコアがイイからでしょうかね。DRBB をちょっと見なおしました。 DRBB って上述したようにかなりの歴史があるにも関わらず近年は、オランダのJazz Orchestra Of The Concertgebouw やMetropole Orchestra、ベルギーのBrussels Jazz Orchestra、フランスのParis Jazz Big Band などなどの近隣諸国の新興勢力に押されっぱなしで、あまりいいところがなかったのですが、今回は汚名返上とも云ってよいであろう素晴らしいアンサンブルを聴かせてくれています。

欧州のビッグバンドは概して米国のトップミュージシャンをソリストとして招いて作品を作ることが多いのですが、その場合、ソリスト対ビッグバンドのバランスが崩れていて興ざめすることもしばしばあります。数の優位性からどうしてもビッグバンドの扇動的な大音響に圧倒され、ソリストが目立たなくなったり、かと思えば、ビッグバンドがソリストの引き立て役としてちょこっとアンサンブルで参加するだけのようなものもあったりと、意外にそのあたりのバランス感覚って難しかったりするのですが、今作ではクリポタとビッグバンドのサウンドがイイ感じで調和し、バランスもイイ塩梅で、非常に聴いていて安定感があります。旋律と対旋律が重層的に絡み合い、徐々に立体感とスケール感が増していき、ブラスの高揚感漲るトゥッティと共にクリポタのソロが爆発する・・・。ホント、気持ちええわ。もうちょっとスピード感のある曲が用意されていれば更によかったけど、でもまあ、十分に楽しませてもらいました。最高!!

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2011/08/30 | Comment (2) | Trackback (1) | HOME | ↑ ページ先頭へ ↑ |

Ben Williams / State of Art

   ↑  2011/08/29 (月)  カテゴリー: bass
Ben Williams_state of artBen Williams / State of Art ( amazon.co.jp )
2011 Concord Records

Ben Williams (b)
Gerald Clayton (p,key)
Matthew Stevens (g)
Marcus Strickland (ts,ss)
Jamire Williams (ds)
Etienne Charles (per)
Jaleel Shaw (as,ss on 6,7,10)
Christian Scott (tp on 3)


ニューヨーク界隈で今最も注目されている若手ベーシスト、ベン・ウィリアムスのデビューアルバム。

2009年のセロニアス・モンク・ジャズ・コンペティションで優勝したことを契機にコンコード・レコードと契約。この2年間にコンコード専属のミュージシャンであるステフォン・ハリスやジャッキー・テラソンらの作品に参加し認知度を上げてきた。

一方で、ベンの才能をいち早く見出したテナー・サックス奏者、マーカス・ストリックランドのバンドでも活躍。ベンの演奏は『 Idiosyncrasies 』( 2009 strick muzik )、『 Of Song 』( 2009 cross cross ) などで聴くことができるし、9月発売予定のストリックランドの新作『Triumph of the Heavy, Vol. 1& 2』 ( strick muzik )にも参加しているようだ。

メンバー的に目を引くのは、トランペッターのクリスチャン・スコットおよびその周辺人脈がこぞって参加していることだろうか。スコットのバンド・メンバーであるギターのマシュー・スティーヴンスやドラムのジャマイア・ウイリアムスが参加しているし、更にはスコットのブレインとして常に行動を共にしてきたプロデューサーのクリス・ダン ( Chris Dunn ) も顔を見せている。先日、拙ブログでも紹介したステフォン・ハリス、デイヴィッド・サンチェス、クリスチャン・スコットの『 Ninety Miles 』もクリスチャン・スコット&クリス・ダンによる制作であった。

収録曲は全11曲で約半数の5曲がベンの自曲であるが、それ以外の選曲がとても興味深い。マイケル・ジャクソンの《 ittle Suisie 》、ジェームス・ブラウンの《 Mr. Dynamite 》、スティービ-・ワンダーの《 Part-Time Lover 》 などのソウル系の名曲をカヴァしているかと思えば、ジャズ・スタンダードの《 Moonlight in Vermont 》 やウディ・ショウの《 Moontrane 》 なども取り上げている。彼の自曲である《 The Lee Morgan Story 》ではジョン・ロビンソンのラップを大々的にフューチャーし、ジャズ・ジャイアントへの敬意の念を表現している。

そんなわけでアルバム全体としては、あまりジャズ色が強くなく、少なくとも聴く前に想像していたNYコンテンポラリー系の作風ではなく、ソウル~フュージョン寄りの作品に仕上がっている。ちょうど、GRP あたりのフュージョンを、機材も楽器もジャズ用のものを用い、アンプラグドで演奏したらこんな感じになるかなぁ、みたいなサウンド。これはこれでカッコいいが、カヴァものはさておき、彼の自曲の訴求力という点ではいま一つの出来でしょうか。マーカス・ストリックランドもなんだか居心地悪そうな演奏で、物足りない部分もあるしね。

自分の大好き音をぜんぶ、古い素材も新しい素材も水平線上に並置し、それらを彼なりのフィルターを通して、キュレーションしてみせたらこんなになりました、みたいな、ベン君を知らないジャズファンにベン君をわかってもらうにはそれなりに意義のある作品ではあるかな。ちょっと詰め込み過ぎてフォーカスボケ気味なのは大目にみましょう。



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2011/08/29 | Comment (1) | Trackback (0) | HOME | ↑ ページ先頭へ ↑ |

Bugge Wesseltoft / Moving

   ↑  2011/08/28 (日)  カテゴリー: piano
Bugge Wesseltoft_MovingBugge Wesseltoft / Moving ( amazon.co.jp )
2001 Jazzland



Bugge Wesseltoft, grand piano, Fender Rhodes, synthesisers, samples, programming, voice;Marius Reksjo, double bass (track 1); Ingebrigt Flaten, double bass, acoustic bass (tracks 2 to 6);Anders Engen, drums; Jonas Lonna, vinyl, drum programming; Paolo Vinaccia, percussion, mixing; Hakon Kornstad, tenor saxophone (track 3)

ブッゲ・ヴェッセルトフトの諸作の中では比較的ジャズファンにも受け入れやすい2001年リリースのサード。個人的には一番のお気に入りです。深夜にヘッドフォンで聴いていると不思議と心が安らぎますよ。何か考えごとをするときなどにもBGMとしてよく聴きます。おすすめ。

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2011/08/28 | Comment (1) | Trackback (0) | HOME | ↑ ページ先頭へ ↑ |

Stefon Harris, David Sanchez, Christian Scott / Ninety Miles

   ↑  2011/08/25 (木)  カテゴリー: group
Ninety Miles Stefon Harris, David Sanchez, Christian ScottStefon Harris, David Sanchez, Christian Scott / Ninety Miles ( amazon.co.jp )
2011 Concord Pieante


Stefon Harris (Vib), David Sanchez (ts),  Christian Scott (tp), Rember Duharte (p), Harold Lopez-Nussa (p), Osmar Salazar (el-b), Yandy Martinez (b), Eduardo Barroetabena (ds), Ruy Adrian Lopez(ds), Edgar Martinez Ochoa (Congas)

ステフォン・ハリス、デヴィッド・サンチェス、クリスチャン・スコットの三人がキューバのハバナに赴き、現地の一流ミュージシャンと共演した作品。アルバムタイトルおよびプロジェクト名にもなっている “ Ninety Miles ” とは、ニューヨークからキューバまでのおおよその距離に由来している。

キューバ側からは、レンバー・デゥハーテとハロルド・ロペス・ヌッサという二人のピアニストが自己のレギュラーカルテットを引き連れて参加。

一応、ハリス、サンチェス、スコットの三人の共同名義だが、やはり筆頭に名前が挙がっているステフォン・ハリスが実質的なリーダーはなのだろうか。ニューヨーク生まれニューヨーク育ちの現代っ子ハリスが、アフロキューバンな音楽を一度やってみたかったのだろうか。賛同してくれる仲間を探していたことろ、プエルトリコ出身で自身のアルバムでもラテンな作品を多く発表しているデヴィッド・サンチェスと、ニューオーリンズ出身でカリビアン・ジャズにも造詣の深いクリスチャン・スコットに白羽の矢が立った、ということではないだろうか。因みにこの三人の共演は今回が初めて。

クリスチャン・スコットの故郷のニューオーリンズって、地理的にもカリブ海に近いため、ハイチ人やドミニカ人はもちろん、キューバ人も大勢住んでいるらしいです。だからスコットもスコットも自然にキューバの音楽に接しながら育ったとのこと。

僕はこのプロジェクトをみて真っ先に連想したサウンドが1997年にロイ・ハーグローブが制作した 『 Habana 』 という作品。あれはイラケレのチューチョ・ヴァルデスを招いて録音したアフロ・キューバン・ジャズの名盤で、同年のグラミー賞 ( Best Latin Jazz Performance ) に輝いた作品でした。そうそう、デヴィッド・サンチェスも参加していたんですよね。

その『 Habana 』 はハーグローブの作品のなかでもたいへんお気に入りなのですが、今回の 『 Ninety Miles 』 を上回るアフロ・キューバン・ジャズの名盤じゃないかと思います。

Ninety Miles Stefon Harris, David Sanchez, Christian Scott(3)

ハリスが統率しているせいか、アフロ・キューバン特有の土着性が比較的薄く、むしろ現代NYジャズにありそうなクールで複雑な構成を持った楽曲が大半を占めます。ハリスの自曲は9中3曲だけなのに、クレジットを見ないで聴いていると、どの曲もハリスの曲のように聴こえなくもない。そんな仕上がり。

お~~、カッコいい曲じゃね~か、と思い、クレジットを見ると、現地ミュージシャンの曲だったりするのです。このキューバ人ミュージシャンはめちゃくちゃ演奏力高いですよ。何しろゴンザロ・ルバルカバやパキート・デリベラらなどの超絶技巧馬鹿テクミュージシャンを輩出した国ですから、そのポテンシャルは相当なはず。

それから、感心したのがトランペットのクリスチャン・スコット。自身のリーダー作では、なにやら政治的、社会的メッセージを掲げた気難しい曲ばかりやっていて、個人的にはちょっと苦手だったのですが、この作品のでの吹きっぷりの良さには思わず膝を打ってしまいました。気分爽快、最高に気持ちのイイ音、出してます。そうこなくちゃ、スコット君!




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2011/08/25 | Comment (0) | Trackback (0) | HOME | ↑ ページ先頭へ ↑ |

Eric Alexander / Don't Follow the Crowd

   ↑  2011/08/23 (火)  カテゴリー: tenor
Eric Alexander_Don't Follow the Crowd Eric Alexander / Don't Follow the Crowd ( amazon.co.jp )
2011 Highnote

Eric Alexander (ts)
Harold Mabern (p)
Nat Reeves (b)
Joe Farnsworth (ds)


正統的かつ高度な技巧を備えた現代最高峰のテナー奏者、エリック・アレクサンダーのワン・ホーン・カルテットによる最新作。メンバーは、恩師ハロルド・メイバーンをはじめ、ナット・リーブス、ジョー・ファーンズワースと、いつものお馴染みの面々です。ですので、エリックが別段なんか面白いことを演ってくれるわけではありません。ただし今回は珍しいカヴァを披露していたの聴いてみたくなりました。なんとマイケル・ジャクソンの名バラード《 She’s Out of My Life 》や映画 『 ディア・ハンター』 のテーマ曲 《 Cavatina 》 などをカヴァしているのです。この2曲のサックスでのカヴァは聴いたことがありません。

内容はとてもイイです。選曲も意外性があってよい。エリックなんてアドリブはデビュー当時から完璧なのだから、そう簡単にスタイルが変わるわけでもなく、そうなると彼のアルバムを買う根拠は、その選曲の面白さぐらいしかないよね。僕個人的にはエリックのアルバムを買う理由の半分はハロルド・メイバーンの燻銀の華やかなソロ目当てなんですが。ハロルドのソロはいつ聴いても気分が高揚する。ハロルドのピアノ・トリオもそりゃイイんだけど、でもエリックの雄弁で長尺なソロの後で、ちょっと控えめに2~3コーラス奏でられるハロルドのソロが、これがいいんですよ。



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Dado Moroni / Live in Beverly Hills

   ↑  2011/08/22 (月)  カテゴリー: piano
dado moroni_live in beverly hillsDado Moroni / Live in Beverly Hills ( CD+DVD )
2011 Resonance Records

Dado Moroni (piano)
Marco Panascia (bass)
Peter Erskine (drums)

Live in Concert at the Rising Jazz Stars, Beverly Hills, CA April 10/11, 2010


イタリア出身の中堅ピアニスト、ダド・モロニ ( Dado Moroni, 1962~ ) の最新作はビヴァリーヒルズでの実況録音盤。

言わずと知れた超高級住宅地ビヴァリーヒルズでのライブということで、どんな豪華な会場かと思いきや、意外や意外、こじんまりしたごく普通の箱。それもそのはず、この録音が行われた会場は発売レーベルの Resonance Reocords がビヴァリーヒルズに所有するレコーディング・スタジオ。

2008年にローンチしたばかりのこの新興レーベルResonance Records は、ジャズ系新人を支援する非営利団体 Rising Jazz Stars Foundation が運営する独立レーベル。

会場となったこのレコーディング・スタジオは観客を入れてライブ録音もできるような設備を備えており、6台のHDカメラも設置されていて、音声だけではなく映像も同時に録画できるように設計されたスタジオです。ですので、今回のような CD+ DVD という販売形態が可能なのですね。

このレーベルからリリースされるアルバムはこのようなCD+ DVDの2枚組の作品が多く、Andreas Oberg やMike Garsonの新作もこのような形態で発売されています。また、ミュージシャンに対して最高級の環境を用意。録音機材、楽器にも配慮していていて、ピアノもファツィオーリ ( Faziori ) の中型グランドピアノを置いています。

ダト・モロニって豪快にスイングしたかと思うと、一転してイタリア気質を前面に押し出した哀愁抒情的ピアニズムも発揮したりと、変幻自在にそのスタイルを変えて演奏します。テクニックは抜群。とにかく体がデカイから指も長くて、スケール感が桁外れ。やっぱりピアニストはデカイほうが絶対的に有利ですね。ダト・モロニを以前青山ブルーノートで観ましたが、見上げるような大男で、なんだかおもちゃのピアノを弾いているかのような余裕で鍵盤を超高速で昇降しながらガンガンスイングしてました。ミケル・ボルストラップとかクリスチャン・ジェイコブなんかも大男ですが、みんな馬鹿テクですよね。

本作のメンバーはドラムスにピーター・アースキン、ベースにイタリア出身で現在はニューヨークで活躍するマルコ・パナシア。ピーター・アースキンはすっかりお爺ちゃんになってしまったので、あまり激しく叩くことはしませんが、時折見せるソロでの枯れ味抜群の歌心は惚れ惚れします。ベースのマルコ・パナシアって人、全然意識して聴いたことがなかったけど、かなり巧い人です。安定感もありますが、何と言ってもとっても奇麗に歌うソロをとります。ベースって楽器の構造上、なかなか歌うソロって弾けないものです。特にサムポジションではどうしても手癖で弾いてしまいたくなるものですが、彼のソロは一音も無駄もなく、全て歌の中でソロをとれるのです。あまりにも巧いのでネットで調べてみたら、エルダー・ジャンギロフやタミール・ヘンデルマンのアルバムに参加していました。実は既に耳にしていたわけですが、全く印象に残っていません。

選曲もモーダルなオリジナルからバップ系、哀愁感漂うシチリア民謡などなど、バラエティーでノリもよく終始一貫して楽しめます。DVDとCDは同じステージを納めたものですが、DVDのほうが2曲多く収録されています。上述したように6台のHDカメラで撮影し、編集も凝っているので映像作品としても文句なしに素晴らしい出来です。これで1,600円ですから、絶対お買い得。






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Eliane Elias / Light My Fire

   ↑  2011/08/20 (土)  カテゴリー: piano
Eliane Elias_Light My Fire Eliane Elias / Light My Fire ( amazon.co.jp )
2011 Concord Records

Gilberto Gil(g, vo)
Randy Brecker(tp)
Oscar Castro-Neves(g)
Marc Johnson(b)
Paulo Braga(ds)
Amanda Brecker(vo)
Marivaldo dos Santos(per)
Rafael Barata(ds)
Romero Lubambo(g)
Ross Traut(g)
Lawrence Feldman(fl)



ブラジル出身のピアニスト兼ボサノヴァシンガー、イリアーヌ・イリアスの最新作。古巣 Blue Note を離れ、 Concords に移籍第一弾としてリリースされた記念すべき作品。さて心機一転、どんなサウンドを聴かせてくれるかと期待したが、あまり変わり映えのしないいつものボサノヴァ作品です。

このところはボサノヴァ・アルバムとジャズ・アルバムを交互にリリースするのが恒例になりつつありますね。近年では2004年の『 Dreamer 』、2006年の『 Around The City 』、2009年の『 Bossa Nova Stories 』がボサノヴァ作品で、それらの作品の間に2005年の『 Sings & Plays 』、2008年の『 Something For You 』、2010年の『 Plays Live 』とリリースしています。

メンバー的には彼女のボサノヴァ作品には欠かせないギタリストのオスカー・カストロ・ネヴィス 、ドラマーのパウロ・ブラガはもちろんのこと、夫のマーク・ジョンソン、元夫のランディー・ブレッカー、さらには実娘のアマンダ・ブレッカーと、一般人には到底理解できない複雑な血縁者たちが総動員で参加しています。

そして今作のウリはなんといってもブラジル音楽界の巨匠、ジルベルト・ジルが全面的に出演していることですが、僕個人的にはこのジルベルト・ジルがあまり好みでないのでマイナスポイント。

楽曲的にはタイトルにもなっているドアーズの《 Light My Fire 》( 邦題:ハートに火をつけて ) 、スティービー・ワンダーの《 My Cherie Amour 》、ポール・デズモンドの《 Take Five 》 などをボサノヴァで演奏していますが、これも何だか重たい曲調、アレンジで、しかも英語なのでボサノヴァには不向きな曲ではないかと思います。そんなわけで出来は悪くはないが、おそらく引っ張り出して頻繁に聴くような作品にはならないだろうなぁ。

ボサノヴァ作品のなかではやっぱり2009年の『 Bossa Nova Stories 』が良かったなぁ。ストリングスが入っていてとっても優雅でそれでいて爽やかな作品だった。ダイアナ・クラールの諸作品に通じる質感も好感が持てた。2006年の『 Around The City 』もシンセや打ち込み風の都会的な作風で、ワークシャイあたりを彷彿とさせるいわばAORボサノヴァ風の洒落た作品で、夏になると聴きたくなる作品。

ボーカルの入らない彼女のボサノヴァ・ピアノが聴きたければ1990年の『Eliane Elias Plays Jobim 』もいい。

でもなんだかんだ言って、僕は彼女のジャズ・ピアノが好きだなぁ。昨年リリースされたライブ盤『 Play Live 』 などは凄く楽しかった。やっぱりこの人、ピアノがメチャクチャ巧いんだ、と改めて実感した秀作だった。


上掲のイリアーヌとは全く関係ないが(本当に)、先日、女優のジュリア・ロバーツ広告写真が、過度にエアブラシ修整されているとして、英広告基準局(ASA)から掲載禁止を言い渡されていましたね。( source: CNN.co.jp )

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