雨の日にはジャズを聴きながら90年代以降のジャズを気ままに綴っています。 旧ブログ 『 雨の日には JAZZ を聴きながら 』 からのデータ移行は終了しました。ジャズ以外にも、時々デジタル関連の物欲記事、最近ハマっているカメラの話題も少しアップしています。 

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Eumir Deodato / The Crossing

   ↑  2010/12/18 (土)  カテゴリー: fusion
deodato_The CrossingEumir Deodato / The Crossing
( amazon.co.jp )
2010 Expansion



Eumir Deodato (el-p), Rossana Nicolosi (b), Lino Nicolosi (g), Pino Nicolosi (key), Mimmo Campanale (ds), Marco Fadda (perc), Al Jarreau (vo), Dora Nicolosi (vo), Jimmy Helms (vo) , Jimmy Chambers (vo), William Upshaw( vo), John Tropea (g), Billy Cobham (ds), Airto Moreira (perc), Leonardo Govin (tb), Gianni Virone (ts, fl), Janier Isusi (tp), Chris Wakler (vo), J. Patrick Lundquist (vo), Joe Turano (vo)


1972年の『 Prelude 』(邦題:ツァラトゥストラはかく語りき) や1973年の『 Deodato 2 』( 邦題:ラプソディー・イン・ブルー ) などが日本でもヒットしたクロスオーバー時代の寵児、エウミール・デオダート ( Eumir Deodato, Rio de Janeiro, 1943~ ) の久しぶりの新作が突然リリースされました。僕個人的にはデオダートは完全に過去に人ですが、ただ、青春を共に過ごした初恋の女性のような存在で、すっかり忘れていいたけど名前を聴くと心の奥底がじんわり熱くなるようなミュージシャンです。

前に聴いたのがいつ頃のことなのかすぐには思い出せないくらい久しぶりに今回聴いたのですが、どのくらい久しぶりかというと、多分、1989年のアトランティック盤『 Somewhere Out THere 』以来だと思いますので、実に20年ぶりということになります。実は今回まで知らなかったのですが、ブログのお仲間さんである中年音楽狂さんの記事によると、2007年にトリオ編成でのライブ盤『 Ao Vivo No Rio 』がリリースされているようです。

デオダートは、90年代は自身のバンド活動はほとんど行っておらず、もっぱら他のアーティストのプロデュース業に励んでおり、Cool and The Gang や EW&F などのサポートではだいぶ懐が潤ったらしいです。2001年には15年ぶりにソロ活動を開始し、2002年の North Sea Jazz Festival に出演、2008年には31年ぶりの来日を果たし、コットンクラブでライブを行っています( 知らなかった!)。

現在イタリア在住のデオダートは、今作の制作にあたって優秀なイタリア人ミュージシャンを起用しています。プロデュースを担当しているのは、ビリー・コブハムの『 Drum'n Voice 』シリーズやトゥーツ・シールマンスの『 Live Takes 』、あるいはゲイリー・ハズバンドの『 The Things I See 』などのプロデュースなどで徐々に認知度を上げてきたイタリアの兄弟姉妹グループ、Novecento 。

Novecento はギターのリーノ、キーボードのピーノ、ベースのロサーナ ( 女性 ) のニコロッシ兄弟にボーカルのドーラカロフィグリオ( 女性 ) を加えて1984年に結成されたダンス・ユニットで、のちにボーカルのドーラとギターのリーノが結婚したため、完全なファミリー・バンドになっています。80年代から90年代にかけて、時流に乗ったユーロビート系の音楽を演奏していましたが、近年は自身のバンド活動よりもむしろ、他のアーティストのプロデュース業に活動の軸足を置いているようです。Nicolosi Production というレーベルを立ち上げ、さらにはミラノ市内に録音スタジオまで所有するという、なんだか凄い一族なんです。

ノヴェチェントはプロデュースだけに留まらず、楽曲の提供からアレンジ、そしてもちろん演奏までこなり、文字通りデオダートを全面的にバックアップしています。ゲスト陣も豪華で、アル・ジャロウをはじめ、CTI時代からの盟友であるジョン・トロペイ、アイアート・モレイア、そしてビリー・コブハムなどが参加。現在は欧州を拠点に活動しているビリー・コブハムはいいとしても、ニューヨーク在住のジョン・トロペイは一曲のソロのために渡伊したわけではないでしょうね、きっと。また、ジャズファンには馴染みがないかもしれませんが、ロンドンビートという英国で80~90年代に活躍したダンスポップ・グループがボーカルで参加しています。

デオダート~アル・ジャロウ~ノヴェチェント~ロンドンビート。一見、まったく脈絡のないミュージシャン達の邂逅のように思われますが、彼らの今までの音楽的変遷を俯瞰してみると実に面白い共通項が見えてきます。それはどのミュージシャンも90年代にR&B あるいはアーバン・コンテンポラリー系の音楽に傾倒していった、という事実です。

デオダートは80年代の『 Happy Hour 』『 Motion 』から前述した89年の『 Somewhere Out There 』にかけてブラコン 路線に宗旨替えしていって、ファンに愛想尽かされた経歴を持っています。アル・ジャロウも80年代のAOR / フュージョン系から90年には次第にR&B に趣向が変わっていき、『 Heaven and Earth 』ではついにグラミー賞の “ 最優秀R&Bボーカル賞 ” を獲得するまでに至ってます。ただ、この時期のアル・ジャロウはジャズ・ファンからはあまり評価されてはいませんが。ノヴェチェンコも今でこそジャズ系アーティストとの連携を深めていますが、90年代は今や恥ずかしR&B ダンスユニットとして名を馳せていたわけですし、同時期にイギリスではロンドンビートがブラコン系の楽曲《 I've Been Thinking About You 》をヒットさせたりしていたわけです。

そんなバックグラウンドを持つミュージシャンが集結してどんなサウンドが生まれるか、それはある程度予想できます。M-8《 Border Line 》のような曲では確かにCTI時代の懐かしいサウンドも聴かれますし、デオダートのお得意のローズ・サウンド ( とは言っても、実際に弾いているのはYAMAHA MOTIF で、ローズをシュミレートしていると思われますが) の健在ぶりをアピールしていますが、タイトル曲のM-3《 The Crossing 》はEW&F を彷彿とさせるヘヴィーでファンキーなリズム(アル・マッケイ風のカッティング・ギターが最高にカッコイイ!! ) にブラス・セクションが絡む楽曲です。総体としては、デオダートの光輝くCTI 時代と、不遇のWarner 時代の両面のサウンドを併せ持つ作品ではないでしょうか。音はHi-Fi でまさに現代の音ではありますが、曲想、作風はとっても懐かしい匂いを放っています。40~50代の僕らオッサンには大ウケ間違いなしのサウンドでしょうね。



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2010/12/18 | Comment (0) | Trackback (0) | HOME | ↑ ページ先頭へ ↑ |

Eumir Deodato / Love Island

   ↑  2010/12/16 (木)  カテゴリー: fusion
deodato_love islandEumir Deodato / Love Island
( amazon.co.jp )
1978 Warner


Eumir Deodato (phodes)
Larry Carlton (g)
George Benson (g)
Gordon Edwards (b)
Harvey Mason (ds)
Robert Popwell (b)



デオダート ( Eumir Deodato, Brazil, 1943~ ) の新作 『 The Crossing 』 が発売されましたね。70年代のCTI時代を彷彿とさせる原点回帰路線がオジサンたちの涙腺を思いっきり緩めることでしょう。超懐かしいローズの音色。もう山積している仕事の悩みなど忘れてしまうくらいにデオダートのメローなサウンドに酔いしれております。HMVのキャプションをみると、デオダートのようなサウンドを “メロウ・グルーヴ” と呼ぶんだそうな。確かにうまいネーミングだね。そんな感じがぴったりだ。アル・ジャロウも変にジャズをやろうとせず、こういうAOR/Fusion 系の歌を歌ったほうがカッコイイです。

ということで、今宵はその新譜ではなく、昔懐かし70年代のデオダートの傑作 『 Love Island 』 を引っ張り出して聴いています。初期のCTIもいいけど、この78年のワーナー移籍第一弾作品も超メローで、真夏の休暇にぴったりのリゾートソングが目白押しです。今年の正月は我が家はボルネオ島で過ごす予定ですが、iPod にデオダートをたくさん詰め込んで、プールサイドで果てしなくダレながら聴こうかと思いを巡らしている最中です。あ~、早く休みにならんかなぁ。




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2010/12/16 | Comment (16) | Trackback (0) | HOME | ↑ ページ先頭へ ↑ |

Fourplay / Let's Touch The Sky

   ↑  2010/11/18 (木)  カテゴリー: fusion
fourplay_Let's Touch The SkyFourplay / Let's Touch The Sky
( amazon.co.jp )
2010 Heads Up


Bob James (key)
Nathan East (b, vo)
Chuck Loeb (g)
Harvey Mason (ds, perc)
Ruben Studdard (vo)
Anita Baker (vo)


2010年2月15日、Fourplay のギターリスト、ラリー・カールトンが脱退し、後任としてチャック・ローブが加入する というアナウンスがあり、ファンを驚かせましたが、そのチャック・ローブ ( Chuck Loeb, NY, 1955~ )加入後初となるアルバムが Heads Up より発売になりました。ラリー・カールトンの脱退の理由は彼のオフィシャル・サイトに簡単にアップされていますが、なんでも 《 LC Leaves Fourplay to Pursue Solo Career and 335 Records Projects》 ということらしいです。名目上はそういうことになるでしょう。しかし結局のところ、ラリーと他のオリジナル・メンバートのと間の齟齬が最後まで埋まらなかったというのが真相なのではないかと。下衆の勘繰り過ぎでしょうかね。

Fourplay が結成されたのが1990年。翌年にセルフタイトルを冠したデビュー作『Fourplay』をリリース。当時のオリジナル・ギタリストはリー・リトナーだったのですが、3作品を制作したあと、多忙を理由に脱退。その後釜がラリー・カールトンだったわけですが、僕個人的にはどうしてもリー・リトナー在籍期のFourplay に愛着があります。ブルースにその音楽的バックボーンを持つラリー・カールトンよりも、ジャズのロジックをフュージョンにアダプトさせたようなリー・リロナーの方が単純に好きだということもありますが、やっぱりボブ・ジェームズ以下のメンバーのシルキーなエレガントさとは異質なものをラリー・カールトンには感じてしまう、ということも大きな理由です。要はラリー・カールトンはFourplayにマッチしないと思うわけです。そのあたりは彼自身も感じていたんじゃないかと思うのですが。

そんなわけで、この20年を振り返ってみると、やっぱり頻繁に聴いたのはデビュー作『Fourplay』から、三作目の『 Elixir 』ぐらいまでで、ラリーが加入後は徐々に聴かなくなってしまいました。

個人的にはもうFourplay のCDなんか買わないだろうなぁ、と思っていたところに冒頭のニュースが飛び込んできたので、驚きと同時に大変期待して購入してみました。チャック・ローブね~。確かにFourplay には適任ですよね。ざっとフュージョン/スムース・ジャズ界隈を見渡してもチャック・ローブ以外にFourplay のあのメンバーと互角に競演できる人材は思い浮かびません。思えばチャック・ローブとリー・リトナーって非常によく似たスタイルですし。そう言えば、チャック・ローブって2007年にHeads Up に移籍していたんですね。2007年の移籍当時から今回のシナリオってできあがっていたのでしょうか。

今回のチャック・ローブ新加入のニュースはネットではどのような反応があるんだろうと、先ほどから検索していたのですが、意外に彼の名前はジャズ・ファンには浸透していないようで、《誰、それ?》みたいな反応も多かったです。また先代のリー・リトナーやラリー・カールトンに比べて地味だとか言う意見もあり、少々驚きました。彼、かなり巧いギタリストだし、80年代から様々なジャンルで活躍してきた凄腕ギタリストなんですけどね。個人的には(なんか今日は個人的な意見がおおいなぁ)、彼の1989年のデビュー作『 My Shining Hour 』が思い出深い作品として今でも時たま聴くことがあります。増尾好秋氏の Jazz City レーベルからリリースされた一連のアルバムの中の一枚で、ここでチャック・ローブはジョン・パティトゥッチ、デイヴ・ウェックル、小曽根真らの好サポートを得て、美しいフォー・ビート・ジャズを演奏しています。はっきり言って隠れ名盤だと思います。残念ながらDMP 移籍後の二作目以降はすっかりライト・フュージョンに宗旨替えしてしまっていますが、当時はそれでも気に入ってよく聴いていました。今、あらためて当時の DMP盤を聴いてみると、最近のシャナキー ( Shanachie Records ) 盤と全然変わっていないんですよね。既に90年ごろには現在の彼のスタイル、音色は決まっていたんです。

チャック・ローブと言うとすぐにスムース・ジャズ系のギタリストと思われがちですが、実はもう一つの顔があります。知る人ぞ知るプログレ / フュージョン・バンド、メトロ ( Metro ) のギタリストとしての顔です。メトロは1994年にキーボーディストであるミッシェル・フォアマンと二人で創設したユニットで、ドラマーにウルフガング・ハフナーを起用、ベースは初代がアンソニー・ジャクソン、その後はビクター・ベイリー、ジェリー・ブルックス、メル・ブラウン、そしてウイル・リーとチェンジしながら現在も活動しているバンドです。現在までに6枚のCDをリリースしています。僕は3枚しか持ていないのであまり詳しいことはわかりませんが、後日、簡単にご紹介したいと思っています。まあ、チャック・ローブもミッシェル・フォアマンも普段はスタジオ・ワークばかりでストレスが溜まっているのを、このメトロで発散しているような感じがします。チャックの本当にやりたいことはスムース・ジャズではなくこっちなんではないかと想像します。

閑話休題。結論から言うと、今回のメンバーチェンジは正解だったと思います、多くのフォープレイのファンがチャック・ローブの演奏を聴いて満足しているはずです。特にリー・リトナーが在籍していた頃のフォープレイを聴きながら深夜の首都高湾岸線を女の子を助手席にドライブしていた世代にはタマラナイ仕様となっています。音作りは昔と殆ど代わり映えしません。

都会的洗練さを極限まで突き詰めた音。高度に成熟した感性だけが成し得る世界観。非の打ちどころがありません。そして、聴いていて当然ながらとっても心地よい。耳触りな音は一音たりとも発しない徹底したリスナーへの配慮が見られます。彼らのようにジャズファンの枠を超えて多くの一般的な音楽ファン、いわゆるライト層にまで訴求する音楽であるためには、決して耳触りな音を発して嫌われてはいけません。コア層を唸らせる前に、ライト層に嫌われないことが大切なのです。そして後者のほうが遥かに難しい。

しかしその難題を彼らは常にクリアしてきたのです。そうでなければ20年という永きにわたり存続できるはずがない。ただ単なるリスナーに媚を売るだけの迎合的スムースジャズであれば、市場原理によりとっくの昔に淘汰されていたはずです。

それからもうひとつ。彼らが20年もの間、ジャズファンから選好され、支持されてきた理由として、フォープレイの定型性を頑なに守り通してきたということがあるのではないでしょうか。デビュー以来、殆どスタイルを変えてこなかった彼らですが、それでもファンは飽きずにCDを買い続けました。しかしこれは逆説的な言い回しになりますが、スタイルが変わらないから飽きない、ともいえます。《 おいおい、この新作、また同じ感じじゃね~かよ~》 とぶつぶつ言いながらも頬が緩み、自然と幸せな気分になるような、、そんな魅力がフォープレイにはあるのでしょう。そこには《 前作と殆ど変らないけど、でもちょっとここが違うね 》 みたいな微妙な差異を感いとれる感性が必要ではあるのですが。


910さんのブログ『 ジャズCDの個人ページbog 』の関連記事『 Let's Touch The Sky / Fourplay 』

中年音楽狂さんのブログ『 中年音楽狂日記 』の関連記事『 Fourplay : メンバーチェンジの結果やいかに 』



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2010/11/18 | Comment (8) | Trackback (0) | HOME | ↑ ページ先頭へ ↑ |

《 My Fav Song This Week 》 victor wooten? marcus miller? no SCOTT AMBUSH!!!!

   ↑  2010/11/14 (日)  カテゴリー: fusion

Spyro Gyra 《 Down the Wire 》from Album 『 Down the Wire 』( 2009 Heads Up )



マーカス・ミラーのスラップはいつ聴いてもクールだなぁ〜。
なんだか更に腕上げてないか!?
おっ! スパイロ・ジャイラの新譜にゲスト出演か?

なーんて、予備知識なしにこれを聴くと思っちゃいますよね。でもこれ、マーカスではなく、スパイロ・ジャイラのリズムを20年に渡り支えてきた超絶技巧のベーシスト、スコット・アンブッシュ。ホントよくマーカスに似ています。しかもマーカスよりも巧い。1960年生まれだからマーカスよりも1歳年下。意外に歳食ってます。日本で全く話題に登らないのが不思議です。




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My Fav Song This Week

   ↑  2010/07/11 (日)  カテゴリー: fusion


Kim Pensyl 『 Pensyl Sketches #1 』 ( 1988 Optimism ) より 《 The Moroccan Junction 》

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2010/07/11 | Comment (0) | Trackback (0) | HOME | ↑ ページ先頭へ ↑ |

Jeff Lorber Fusion / Now Is The Time

   ↑  2010/07/04 (日)  カテゴリー: fusion
jeff lorber jusion_now is the time.jpg
Jeff Lorber Fusion / Now Is the Time ( amazon )
2010 Heads Up


Jeff Lorber (p,key), Jimmy Haslip (b), Eric Marienthal (as), Randy Brecker (tp), Paul Jackson Jr. (g), Vinnie Colaiuta (ds), Dave Weckl (ds), IreneB (vo), Alex Al (b), BS&T horns, etc.
Produced by Jeff Lorber, Bobby Colomby and Jimmy Haslip






いまやスムース・ジャズ界の頂点に君臨するキーボーディスト兼プロデューサーのジェフ・ローバー ( Jeff Lorber, Philadelphia, 1952~ ) の通算23作品目 ( コンピ3枚を含む ) となる最新作。

ジェフ・ローバーがデビューしたのは1977年。前年にはちょうど ジョージ・ベンソンの『 Breezin' 』 や Return To Forever の『 浪漫の騎士 』 がリリースされており、同年には Weather Report の傑作 『 Heavy Weather 』 がヒットしていた頃です。いわゆるクロスオーバーと呼ばれた音楽がジャズ界を席巻していた時代です。ジェフ・ローバーもそんな時流に乗りデビューしたわけですが、彼が他のミュージシャンとちょっと違っていたのは当時はまだ誰も使用しなかったフュージョンというタームを用い、自らのバンド名を Jeff Lorber Fusion と名乗ってしまったことです。

誰が最初にフュージョンという言葉を使ったのか不勉強でわかりませんが、僕が知る一番古いフュージョンはジェフの1977年のデビュー作です。もちろん、レトロスペクティブに当時を俯瞰した考察はたくさんあり、有名なのはマイルスの『Bitches Brew 』がフュージョンの原点だとか、いやいやそうじゃなくてウェス・モンゴメリーの『 The Day In The Life 』 がフュージョンの名にふさわしい最初の作品だとか、まあ、後からならなんでも言えるわけですが、そういう雑多な考察に紛れて、本当のフュージョンという言葉の起源が曖昧になってしまっているのが残念です。

ジェフがデビューした70年代後半というと、シンセサイザーで和音が出せた、というだけで驚いていた時代です。そんな時代にいち早くモーグオーバーハイムなどのアナログシンセを導入し、しかもそれらの機材を見事に自身の音楽に組み入れ独自の世界を築きあげてしまいました。もちろん鍵盤の腕前が一流であったからこそ成し得た訳です。R&Bのリズムを基調としながらも、都会的で機微に富んだメロディーラインは、彼の持つ独得のアーティキュレーションの魅力と相まって、僕らの耳にかなり新鮮に響いたものでした。

ジェフはJeff Lorber Fusion 名義で1981年の『 Galaxian 』 まで計5枚のアルバムをリリースしましたが、80年代に入ると、リスナーはより甘口のブラック・コンテンポラリー・ミュージックへの嗜好性を強めるようになり、そのBCM隆盛の流れの中でJLF は惜しくも解散してしまいます。ジェフは以後、ソロとして活動の場を広げていくのですが、自身もBCMの影響を強く受け、1986年にはキャリン・ホワイトをフューチャーした『 Private Passion 』 などでヒットを飛ばしています。また、ソロになってからはプロデューサーとしての手腕を買われ多くの新人アーティストの発掘に関わってきました。一方で、90年代以降は、よりソフィスティケイトされ、ポップで聴きやすいスムースジャズ・ブームの中でも中心的役割を演じており、名実ともに今やスムース・ジャズ界の頂点に君臨するアーティストにまで上り詰めました。

ただ最近ではそんなスムースジャズ一辺倒の作品作りに自ら飽きてきたのか、2007年の Blue Note 作品 『 He Had a Hat 』ではアコースティック・ジャズに接近した作品を作ったりしています。そしてついに今回の新作では、原点回帰とも言うべき JLF 時代の楽曲をセルフ・カヴァしたアルバムを制作してしまいました。

正規メンバーはジェフとジミー・ハスリップとエリック・マリエンサルの三人。ジミー・ハスリップは昔は単にイエロージャケットのベーシストとして認知されていただけですが、最近はいろんなところに顔を出し、ミュージシャンとしてではなくプロデューサーとしても活躍しているベーシストです。本作でも共同プロデューサーとして名を連ねています。

また、 BS&T の初代メンバーで、最近ではクリス・ボッティの一連のヒット作を手がけているプロデューサー、ボビー・コロンビーも、ジェフやジミー・ハスリップとともに共同プロデューサーとしてクレジットされているのが目を引きます。

収録曲は、《 Black Ice 》、《 Rain Dance》、《 Chinese Medicinals Herbs 》、《 Water Sign 》、《 Curtains 》など JLF時代の楽曲のリメイクと、ウェザー・リポート( ウェイン・ショーター作 ) の《 Mysterious Traveller 》、およびジェフの書き下ろし新曲からなる全11曲。

往年の名曲をリメイクしているのは非常に嬉しいのですが、ただ、《 Rain Dance》、《 Water Sign 》、《 Curtains 》の三曲ではオリジナルにはなかった女性ヴォーカルが挿入されているのが残念でなりません。仮にも JLF を標榜するならヴォーカルは入れない方が良かったのではないでしょうか。ヴォーカルが入ることでJLFというよりも80年代のデジタル・ポップ・フュージョンの色彩を帯びてしまっています。なんのための JLF 再結成なのでしょうか。

ついでに言うと、音があまりにも隙がなく、巧すぎて、JLF のあのざっくりしたラフなグルーブ感がスポイルされているのも残念。彼らの技術力の向上、デジタル機材の進歩によって、どんなにファンキーなフュージョンをやろうとしても結局はスムースな心地よいサウンドに帰着してしてしまう、という皮肉な結果に終わっているようです。ポール・ジャクソンJr. もヴィニー・カリウタもデイヴ・ウェックルも、みんな巧すぎるんだよね。

それこそ乱暴に言いきってしまえば、本気でJLFを再演したいなら、ニューヨークの街角にいるストリート・ミュージシャンをスカウトしてきて、機材は当時使用したヴィンテージ・シンセを引っ張り出してきて、ろくなリハーサルもなしに一発撮りすれば、あの頃の空気感がでるんじゃないだろうか。

 中年音楽狂さんの記事 『 祝復活,Jeff Lorber Fusion! 』 はこちら

(記事編集) http://jazzlab.blog67.fc2.com/blog-entry-1367.html

2010/07/04 | Comment (15) | Trackback (2) | HOME | ↑ ページ先頭へ ↑ |

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