雨の日にはジャズを聴きながら90年代以降のジャズを気ままに綴っています。 旧ブログ 『 雨の日には JAZZ を聴きながら 』 からのデータ移行は終了しました。ジャズ以外にも、時々デジタル関連の物欲記事、最近ハマっているカメラの話題も少しアップしています。 

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Dejan Terzic Underground / Diaspora

   ↑  2010/12/06 (月)  カテゴリー: drums
dejan terzic_diasporaDejan Terzic Underground / Diaspora
( amazon.co.jp )
2010 Enja Records



Chris Speed (ts, cl)
Brad Shepik (g)
Tino Derado (acc)
Henning Sieverts (b, cello)
Dejan Terzic (ds, perc)


アントニオ・ファラオやニルス・ワグラムとの共演、あるいはUGETSU や NDR Big Band への参加などで知られるボスニア ( 旧ユーゴスラビア ) 出身のドラマー、ヤン・テルツィク ( Dejan Terzic, 1970~ ) の通算5作目となる最新作。

1999年のファースト『 Four For One 』( Naxos ) や2002年のセカンド『 Coming Up 』( Double Moon ) ( 前項参照 ) を聴いて、かなり巧いドラマーだとは感じていましたが、何故かその後は記憶からすっかりこぼれ落ちてしまっていました。しかし僕が忘れている間にテルツィクは、“ Underground ” というバンドを結成し活動を続けていたようです。今作はその“ Underground ” 名義の3作品目となります。

この“ Underground ” は乱暴に言いきってしまうと、旧ユーゴスラビア人としての民族アイデンティティを今もう一度、音楽を通じて再確認しよう、という趣旨で発足したプロジェクトです。

今世紀に入った頃テルツィクは、旧ユーゴ出身の著名な映画監督エミール・クストリッツァ(Emir Kusturica ) の映画に強い影響を受け、自身の音楽を更なる高みに昇華するために、クレズマー音楽のリズムやメロディーについて模索し始めます。彼が観た映画というのはおそらくユーゴスラビアの50年に渡る紛争の歴史を寓話的に描いたカンヌ国際映画祭グランプリ作品『 Underground 』だったのでしょう。そこからこのプロジェクト名を引用したのだと思います。

まあそのあたりの民族間のアイデンティティ論争は、日本という単民族国家に生まれ、アイデンティティなどということを全く意識せずぼ~と生きてきた僕には理解しがたい問題なので、ここではばっさり割愛させていただくとして、じゃあ実際どんな音なの、ということになると、ざっくり言って即興パート入りのクレズマーと言えるんじゃないでしょうか。でも、そんなことはメンバーを見ればわかるよ、という方もいるでしょうね。何しろクリス・スピードとブラッド・シェピックというメンバー5人のうち2人がパチョーラ ( Pachora ) のメンバーですからね。

ジョン・ゾーンの MASADA ~ デイヴ・ダグラス ~ Tiny Bell Trio ~ ブラッド・シェピック ~ Pachora ~ Underground と、NY ダウンタウンと東欧を結ぶ人脈系譜が見えてきて、ニンマリ。

テルツィクが “ Underground ” を始動させたのが2002年。バルカン半島を中心に様々なフェスに出演し、2006年には“ Underground ”名義によるデビュー作『Underground』をリリース。当初はバルカンの民族音楽にジャズ的アレンジを加えて演奏したものがレパートリーの大半を占めていましたが、今作ではテルツィク自身が始めて曲を書いています。

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2010/12/06 | Comment (0) | Trackback (0) | HOME | ↑ ページ先頭へ ↑ |

Eric Harland / Voyager Live by Night

   ↑  2010/11/27 (土)  カテゴリー: drums
Eric Harland _voyagerEric Harland / Voyager
( amazon.co.jp )
2010 Space Time
 

Eric Harland (ds)
Walter Smith Ⅲ (ts)
Julian Lage (g)
Taylor Eigsti (p)
Harish Raghavan (b)
Recorded Live at Sunside Club, Paris
on Oct. 19-22, 2009

最近はiTunes Store限定での楽曲配信をするアーティストもかなり増えてきました。限定配信される楽曲のほとんどがCD化される予定のないライブ音源だったりするので、見つけると思わずポチっとしてしまいたくなりますよね。

先日もロバート・クラスパーの iTunes Store限定のライブ音源や、デイヴ・ホランドの自身のレーベル、Dare2所有の 『 Prime Direction 』 ツアー時のライブ音源(もちろんクリス・ポッター参加 ) など、偶然見つけて思わず購入してしまいまいました。

一方で、iTS 限定ではないけれど、まずは iTS で先行配信しておいてから、あとでCDを発売することもあります。iTSでのダウンロードされる数からCD販売したときの売り上げ数、利益率の計算ができ、CDプレス枚数なども調整もできるというメリットがあるのでしょう。

今回、エリック・ハーランドの初リーダー作 『 Voyager 』 が仏 Space Time Records から満を持してリリースされましたが、これも当初は2010年8月12日に iTS での配信のみで販売を開始されていた音源です。日本で初めてCD発売の情報が掲載されたのがおそらく10月19日の Disk Union のブログだと思うのですが、仏アマゾン ( Amazon.fr ) ではすでに9月24日に発売予定のアナウンスが掲載されていました。

本作が、 iTS限定発売だった音源がファンの強い要望によりCD化されたものなのか、あるいは、はじめからCD販売も予定されていた iTS先行販売なのか、どちらなのかはわかりません。しかし、iTS配信からCD販売まで6週間足らずだったことを考えると、たぶんはじめからCD発売する予定の作品だったのではと、僕は推測します。iTS配信が先行したのはただ単にレーベル側との交渉に手間取っただけではないでしょうか。

eric harland_001のコピー

閑話休題。現代NYジャズ・シーンの本流ど真ん中を疾走するドラマー、エリック・ハーランド ( Eric Harland, Texas, 1976~ ) 。限りなく自由なイマジネーションと無尽蔵のクリエイティビティから産み落とされる彼のドラミングは、生き馬の目を射抜くニューヨークにおいてもひときわ存在感があり、テレンス・ブランチャード、マッコイ・タイナーをはじめ数多くの一流ミュージシャンから重宝がられています。

そんなわけでサポート・メンバーとして超多忙な活動を続けていたこともあり、自身のリーダー作を創作する余裕がなかったのでしょう。90年代半ばから活動してきたハーランドにとっては遅すぎるデビュー作となりました。

今回の録音が行われたのは、パリのロンバール通りにあるSunside Club というライブハウス。アンドレ・チェカレリの名盤『 Live Sunside Session 』( 2008 , Cristal Records ) や、最近ではウォルター・スミス・三世の 『 Live in Paris 』( 2010, Space Time ) などもこのクラブでの実況盤でした。この通りには他にも Baiser sale (ベゼ・サレ)や Duc des Lombards(デュック・デ・ロンバール)など、ジャズを聴かせるクラブが点在しており、いわば “ パリのニューヨーク52番通り ” みたいなジャズ・ストリートです。

Taylor Eigsti_001

メンバーはテナーのウォルター・スミス・三世 ( Walter Smith III, Houston, 1980~ )、ギターのジュリアン・レイジ( Julian Lage, California, 1987~ )、ベースのハリシュ・ラジャン( Harish Raghavan, Illinois, 1982~ )、そしてエリックとは旧知の盟友であるテイラー・アイグスティ(Taylor Eigsti、California、1984~)の5人。ウォルター・スミス・三世以外の4人は、テイラー・アイグスティの旧作『 let It Come To You 』、『 Daylight at Midnight 』などで共演済み。エリック・ハーランドとウォルター・スミス・3世はスミス3世のデビュー作『 Casually Introducing 』と最新作『 III 』( 前項参照 ) で共演している仲。

収録曲はエリック・ハーランドの自曲が8曲、テイラー・アイグスティの自曲 《 Get Your Hopes Up 》とサム・リバースの 《 Cyclic Episode 》 で計10曲。最後に収録されているテイラー・アイグスティの自曲は18分30秒に及ぶ4部構成の組曲ですし、エリック・ハーランドの自曲も自身のドラムソロを挟みながら連続的に演奏されているので、一種の組曲風な仕上がりです。よって、総録音時間78分の作品ですが、大きな二つの組曲を聴いているような印象を受ける作品といえます。

Walter Smith III_001

冒頭曲 《 Treachery 》 は昨年話題を呼んだ The Monterey Quartet ( ホランド、ルバルカバ、ハーランド、ポッター ) の作品 『 Live at The 2007 Monterey Jazz Festival 』 ( 前項参照 ) でも演奏された疾走ネオ・バップ。ここでは The Monterey Quartet の演奏よりも早めのテンポで再演されてます。ポッターのソロと本作でのスミス三世のソロを聴き比べると大変面白いです。ふたりとも現代的で進歩的なロジックを身にまとったテナリストだと思っていましたが、こうして聴き比べると随分とフレーズの組み立て方が違うものです。どちらがイイ演奏かという問題ではありませんけどね。また欲情的でパワフルなハーランドのドラムも炸裂しますが、どちらかと言うと静かに暴れているような印象を受けます。それでも冒頭からライブならではの高揚感が味わえる素晴らしい演奏です。

テイラー・アイグスティの最新作『Daylight at Midnight 』やジュリアン・レイジのデビュー作『 Sounding Point 』などは個人的にはちょっと共感できないなぁ、と感じていたのですが、本作での二人は自身のリーダー作とは全く趣向を異にしたスタイルでガンガン弾きまくっていて爽快です。

僕はドラムの暴力的な爆音に打たれ、しばかれるのが大好きなので、曲間に入るドラムソロはむしろ楽しみなのですが、ドラムにあまり興味のないファンにはちょっと退屈するかもしれません。

Julian Lage_001

78分というCD規格いっぱいいっぱいの演奏でも、まったく飽きずに一気に聴き通せるのはやはり最後まで緊張感の糸が途切れない密度の高い演奏であるからに他なりません。ただ、残念なことに録音の品質がけっこう悪い。まるでオーディエンス録音されたブートレグを聴いているようです。昨年からシリーズが始まった Smalls でのライブ・シリーズと同じような音質で、まあ逆にライブならではの空気感がイイ感じにパッケージされているとも言えますが、でもここまで素晴らしい演奏だとやっぱり高音質で聴きたかったというのが正直な感想です。



 中年音楽狂さんのブログ『 中年音楽狂日記 』の関連記事『これは相当いい:Eric Harlandの初リーダー作







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2010/11/27 | Comment (6) | Trackback (1) | HOME | ↑ ページ先頭へ ↑ |

Nicola Angelucci / The first One

   ↑  2010/06/14 (月)  カテゴリー: drums
nicola angelucci.jpg
Nicola Angelucci / The first one ( HMV )
2010 Via Veneto Jazz

Nicola Angelucci (ds)
Sam Yahel ( org,p on M-2,7)
Jeremy Pelt (tp)
Kengo Nakamura (b on M-7,8)
Paolo Recchia (as,ss)
Roberto Tarenzi (p on M-1,4,6)
Francesco Puglisi (b on M-1,4,6)
Johannes Weidenmueller (b on M-2)


イタリア出身の売れっ子ドラマー、ニコラ・アンジェルッチ ( Nicola Angelucci, Abruzzo, 1979~ ) のデビュー作。アンジェルッチはフランチェスコ・カフィーソやステファノ・ディ・バティスタなどのサポート・メンバーとして腕を鳴らした精鋭で、最近では拙ブログでも取り上げたマックス・イオナータの 『 Inspiration 』 やルカ・マンヌッツァの 『 Longin' 』 などにも名を連ねていた。そう云えば、今作でもフロントラインを飾っているアルト奏者、パオロ・レッチア ( Paolo Recchia, Fondi, 1980~ ) のデビュー作 『 Introducing Paolo Recchia 』 でも叩いていたっけ。

アンジェルッチがロベルト・タレンツィ、パオロ・レッチアらを引き連れ訪米し、現地のサム・ヤエルやジェレミー・ペルトらと共演した一枚。中村健吾も2曲だけだがサポートしている。

《 If I Should Lose You 》 や《 I Mean You 》 以外はオリジナルで計8曲の構成。如何にもドラマーが作曲したようなリズム・チェンジで変化を持たせた楽曲が目を引く。勢いだけで突っ走るようなハードバップではなく、繊細で知的なネオ・ハードバップの作風。アンジェルッチは強い個性を見せるわけでもなく、最後列で淡々とリズムを刻んでいる。せっかくの記念すべきデビュー作なのだからもう少し暴れても良いと感じるが、そのあたりも含めて彼の個性なのだろう。フロントのレッチアとジェレミー・ペルトはなかなか聴かせるソロをとるが、録音の特性なのか、全体に軽くスカスカした印象を受ける。Schema あたりのクラブ・ユースをターゲットにしたような音作りなのかもしれない。

楽曲の弱さも考慮し、ちょっと辛めの三ツ星としたが、このへんのアルバムをどう取り扱ったらよいのかいつも悩む。悪くはないが、かといって繰り返し聴き込む気にもなれない。処分するのも惜しいが、多分、これから引っ張り出して聴くことはまずないだろう微妙な作品だ。




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2010/06/14 | Comment (0) | Trackback (0) | HOME | ↑ ページ先頭へ ↑ |

Stephane Huchard / African Tribute to Art Blakey

   ↑  2010/04/21 (水)  カテゴリー: drums
STEPHANE HUCHARD_AFRICAN TRIBUTE TO ART BLAKEYStephane Huchard / African Tribute to Art Blakey  
[ itunes store で試聴 ]
2008  such production 

Stéphane Huchard (ds) , Sylvain Beuf (ts ) , Alex Tassel (tp) ,   Pierre de Bethmann (p) , Diego Imbert (b) , Thomas Gueï (perc) ,  Baba Sissoko (perc)





前回取り上げたロザリオ・ジュリアーニの最新作 『 Lennie's Pennies 』 にも参加して、ハイセンスな極上のソロを披露していたピエール・ドゥ・ベスマン。そう云えばこんなアルバムにも名を連ねていたなぁ、と思いだして久しぶりに聴いているのが、フランスの人気ドラマー、ステファン・ウシャール ( Stephane Huchard ) が2008年にリリースした通算4作品目となる最新作 『 African Tribute to Art Blakey 』 です。

今までリリースされたウシャールの作品はすべてフュージョン系でした。しかも近未来的なデジタル・サウンドをふんだんに取り入れた独特のフュージョン ( 僕は勝手に、サイバーパンク・フュージョンと呼んでいます)でした。それが今作は一転してアート・ブレイキーへのトリビュート作品ということで、がらっと作風が変わってます。しかもブレイキーのアフロ・キューバン・ドラマーとしての側面に光を当てた企画ということで、文字通り泥臭い作品に仕上がっています。

ウシャールという太鼓屋は、一応はジャズ・ドラマーに分類されていますが、彼の参加作品を俯瞰してみると意外にジャズ意外のロックやポップスのアルバムに参加しているこことが多いのです。ジャズ作品に参加していても大体は4 ビート物ではありません。というわけで、今作のように4ビートで真正面からジャズに取り組んだ作品って、非常に珍しいのです。さらにはサポート・メンバーのピエール・ドゥ・ベスマンも素直に4ビートを弾くタイプじゃないピアニストですが、ここでは歌心満載の美フレーズを連発し、意外に4ビートもイケているんです。


曲構成は、ジャズ・メッセンジャーズのメンバー・オリジナルが中心で、ウシャールのオリジナルを2曲含む全12曲。今作を聴く前は、そのタイトルから、アート・ブレイキーの『 Orgy in Rhythm 』、『 The African Beat 』、『 Holiday for Skins 』あたり、いわゆるBlue Note のアフリカ三部作を連想していたのですが、そのあたりの楽曲は全くなし。ジャズ・メッセンジャーズのオリジナル・ヴァージョンを比較的忠実に再現したような2管フロントの演奏に、アフリカ出身の二人のパーカッション奏者がポリリズミックにリズムを装飾したような作風です。このパーカッション奏者は実に巧いのですが、曲によっては装飾過剰というか、ハッキリ言って、うるさくて、あまり好みではありません。

しかしながら、この種の音はクラブ・ジャズ世代の方々には意外にウケそうです。『 Jazz Next Standard 』( リットー・ミュージック ) という、クラブ世代のためのジャズ・ディスク・ガイド本がありますが、その中でもアート・ブレイキーの代表作として『 Orgy in Rhythm 』と『 Drum Suit 』が紹介されるくらい、アート・ブレイキーはアフロ・キューバン・ドラマーとして高い評価を得ているようです。

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2010/04/21 | Comment (0) | Trackback (0) | HOME | ↑ ページ先頭へ ↑ |

Lorenzo Tucci Quartet / Sweet Revelation

   ↑  2010/03/27 (土)  カテゴリー: drums
Lorenzo Tucci_sweet Revelation Lorenzo Tucci Quartet / Sweet Revelation  ( amazon )
2001 Philology W195.2
 

Lorenzo Tucci (ds)
Daniele Scannapieco (ts)
Pietro Lussu (p)
Dario Rosciglione (b)



High Five Quintet でお馴染みのイタリア人ドラマー、ロレンツォ・トゥッチ ( Lorenzo Tucci , 1967~ ) の2000年吹き込みのデビュー作。なかなか手に入らなかったアルバムですが、先日、たまたま amazon のマーケットプレイスで1枚在庫があるのをみつけ、即オーダー。やっと手に入れることができました。10年前の録音ですが、なんだかこの頃の方が、スカナピエコもトゥッチも翳りがあって魅力的だったな~。スカナピエコなんかジョーヘンみたいだし、トゥッチもエルビンみたく凄みがあった。かなり出来がイイ作品です。満足。

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2010/03/27 | Comment (10) | Trackback (1) | HOME | ↑ ページ先頭へ ↑ |

Georges Paczynski Trio / Presences

   ↑  2010/01/31 (日)  カテゴリー: drums

GEORGES PACZYNSKI_presences Georges Paczynski Trio / Presences ( amazon )
2009  King International  KKJ10

Georges Paczynski ( ds )
Armel Dupas ( p )
Joachim Govin ( b )






フランスのベテラン・ドラマー、ジョルジュ・パッチンスキー ( Georges Paczynski , 1943~ ) の通算4作品目となる最新作。パッチンスキーと云えば真っ先に思い出されるのが1996年リリースの 『 Lévin'song 』 です。

フランスの超マイナー・レーベル JPB Production からわずか800枚程しかプレスされなかったという希少性と、 Moonks の 『廃盤レア盤本』 に掲載されたという内容の信頼性が、ジャズ・マニアの購買意欲を刺激し、 『 Lévin'song 』 は中古市場で数万円で売買されていました。

しかし、2007年に澤野から再発されてしまったため、最近はかなり売買価格も落ち着いてきたようです。まあ、この 『廃盤レア盤本』 掲載の激レア盤も、最近はかなり再発が進んだので、中古市場の価格もだいぶ値崩れしているみたいです。それでもオリジナルのファースト・プレスCD (CDにオリジナルもリイシューもないとは思うのだけどね ) 盤は、まだまだ高い。

昨日、仕事で新宿に行った際、久しぶりにDisk Union に立ち寄ったのですが、この 『 Lévin'song 』 が三階の中古フロアで8,400円で売られていました。一階の新品売り場にはちゃんと2,500円の澤野盤が売られているにも関わらずです。

それはさておき、ご多分にもれず、僕も澤野から再発された際に買って聴いたのですが、正直あまり好みのジャズでなかったのですぐに売りに出してしまったと記憶してます。何といってもこの 『 Lévin'song 』 のウリは、録音直後に癌で急逝したジェニー・クラーク (  Jean-Francois Jenny-Clark , 1944~1998 ) の驚異的テクニックを駆使した独創的なベースラインなのですが、これがどうも肌に合わなかった。ただ単に巧いだけ。それだけ、ってな感じで、ぜんぜん心にに響いてこない。ピアノのジャン・クリストフ・レヴィンソン ( Jean-Christophe Levinson ) はクールに決めたエヴァンス風だったりして、結局、彼ら描く原風景は、三人とも全く別風景である気がして、バランス的にも良いとは云えない作品だったと思う ( 今は手許にないので記憶が曖昧ですが ) 。
 
この激レア盤  『 Lévin'song 』 以外では、1992年リリースのデビュー作 『 8 Years Old 』 も澤野から復刻されていますし、2006年には若きフランス人ピアニスト、ルノー・パリソー ( Renaud Palisseaux ) を迎えて新録盤 『 Generations 』( Art & Spectacles ) もリリースしています。

後者はジャズ批評誌主催の 『 ジャズオーディオ大賞 2007 金賞 』 を受賞している作品で、僕も聴いてみましたが、これも肌に合わずDU逝きになってしまいました。確かに録音は素晴らしかったと記憶してます。シンバルの音 ( パッチンスキーはもともと繊細な消え入るようなシンバリングを得意とします ) が鳥肌が立つくらい臨場感があるのですが、内容がちょっとつまらなかったですね。パッチンスキーのソロなんか、正直なところ眠い。繊細というよりも神経質で内省的な印象すら受けるし、妙に間をとった曲想で、リスナーとしては緊張感が維持できない感じかな。

まあ、「 音はイイに越したことはないけど、そこそこ良ければそれで満足 」 しちゃう僕には 『 ジャズオーディオ大賞 2007 金賞 』など、あまり意味を持たない訳です。

と云う訳で、買ったCD 2枚とも玉砕されてしまったので、さすがにもうパッチンスキーは買うのをやめようと思っていたのですが、先日、Youtube を見ていて偶然目にした下掲のライブ映像にいたく感心し、この新録盤 『 Presences 』 を買ってみました。はたして出来はすばらしく、このところひたすら愛聴しております。 
 
ピアニストが前作のルノー・パリソーからアルメル・デュパ (  Armel Dupas , Nantes , 1984~ ) に変更されています。このまだ20代半ばの若き俊英ピアニストがなかなか良いです。僕は初めて彼を聴きましたが、素晴らしく才能がる前途有望な音楽家であると感じました。

簡単に経歴を示すと、アルメル・デュパは 1984年、フランス西部の都市ナントの音楽一家生まれました。地元のジャズ・ミュージシャンと交流しながらキャリアを積み、18歳のときに地元のナント音楽院でディプロマを取得。本格的な音楽教育を受けるために2005年にはパリに移り、ヨーロッパ最高峰の音楽教育機関であるパリ国立高等音楽・舞踏学校 ( Conservatoire national supérieur de musique et de danse de Paris ) に入学しています。卒業後は有名無名の様々なミュージシャンと共演しており、その中には、ピエール・ドゥ・ベトマン、ヘンリ・テキシエ、ステファン・ベルモンド、ベンジャマン・エノック、クリストフ・ウォーレム、デヴィッド・リンクスなどなど、錚々たるミュージシャンの名前をみることができます。フランス語なので詳細はわかりませんが、クラシック・ピアノやヴォーカル!などもやっているようで、ジャンルに捉われるのを嫌い、ジャンルレスで活動域を広げていくタイプのようです。





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2010/01/31 | Comment (6) | Trackback (1) | HOME | ↑ ページ先頭へ ↑ |

Roberto Gatto Quintet / Remembering Shelly を聴く前に

   ↑  2010/01/27 (水)  カテゴリー: drums
shelly manne black hawk  shelly manne navy swing shelly manne boss sounds

イタリアン・ジャズドラマー界の重鎮ロベルト・ガット ( Roberto Gatto , Roma , 1958~ ) の最新作が Albore Jazz からリリースされました。

ガットは2006年にマイルス・デイヴィスへのオマージュを捧げたクインテット ( Tribute to Miles Davis '64-'68 ) を結成しフェスティバルに参加。『 Jazz Italiano Live 2006 』 シリーズでアルバムもリリースしていますね。フロントにダニエレ・スカナピエコとフラビオ・ボルトロを配したこのクインテットは、母国イタリアで好評を博し、2008年5月にはウンブリア・ジャズが提供する 『 Top Italian Jazz 』 の一環として来日も果たしています。僕も Blue Note Tokyo で彼らの演奏を聴いていますが、残念ながら観客も少なく、演奏もセッション風のやや単調なものでした。


さて、今作も前作のマイルス・トリビュートに続きオマージュ作品です。ターゲットとなったのは50年代のウエスト・コースト全盛期に活躍したドラマー、シェリー・マン ( Shelly Manne , NYC , 1920-1984 ) です。非常に洗練されていて知的で、いま聴いても全く古さを感じません。僕はそんなシェリー・マンのスタイルが今でも好きで、Contemporary の『 More Swinging Sounds 』 などは、年に数回引っ張り出して聴いている愛聴盤です。

なので、昨年暮れに本作のアナウンスがあったときからずっと発売を待ち望んでいた作品なのです。で、一昨日、やっと手に入れたのですが、これが、とにかく、イイのです。胸のすくような最高の出来です。Albore Jazz のカタログのなかでも傑出した作品ではないかと思っています。僕的にはガットよりも、フロントのマックス・イオナータとマルコ・タンブリーニ、それからピアノのルカ・マヌッツァの演奏に耳を奪われてしまいました。特にイオナータは絶好調です。彼自身のリーダー作よりも粋のいいアドリブを披露しているのではないでしょうか。

そんなわけで、この数日間、聴きまくっているのですが、シェリーマンの演奏した原曲をしばらく聴いていない間に随分忘れてしまっているようなので、この機会に原曲を聴いてみようと思い立ちました。まだこのCDを買っていない方は、原曲を聴いて予習してみてはいかがでしょうか。

ライナー・ノーツによると、今回のセッションは 『 Shelly Manne and His Men at Black Hawk 』 ( Contemporary ) のレパートリーをフィーチャーしているとのこと。そして、今回演奏する曲のうちいくつかは、録音すらされたこととのないもの らしい。

というわけで、久しぶりに 『 Shelly Manne and His Men at Black Hawk 』 を引っ張りだして聴いてみました。このブラック・ホークでのライブ音源は、Vol.1 から Vol.5 までの5枚あります。メンバーはジョー・ゴードン ( tp )、リッチー・カミューカ ( ts )、ヴィクター・フェルドマン( p )、モンティー・バドウィック ( b ) 、そしてシェリー・マンの5人。

ガットのこの新作に収められている楽曲は計7曲で、そのうち1曲だけがガットのオリジナルで、他の6曲すべてがシェリー・マンのレパートリーです。ただし 『 at Black Hawk 』 に収めされていた曲はこのうち ≪a gem from tiffany ≫、≪ nightingale ≫、≪ Cubu ≫ の3曲だけのようです ( たぶん )。残りの3曲はライナー・ノーツにもあるように “ 録音すらされたことのない ” 楽曲なのかなぁ~、と思っていたのですが、なんと、ちゃんと音源があったのです!!!

≪ the king swings ≫ と ≪ fan tan ≫ は、60年代にウエスト・コーストで放送されたラジオ・プログラ『 The Navy Swings 』 のために演奏された音源が残されています。アルバム名もプログラムと同じ 『 The Navy Swings 』 ( Studio West ) です。≪ the Breeze and I ≫ は『 The Navy Swings 』でも聴けますが、 『 Boss Sounds 』 ( Atlantic ) にも収録されています。

結局、すべて音源が残されていたのですね。ガットに教えてやろうかなぁ~。



ガットのアルバムと同じ曲順でプレイリストを作ってみました。

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2010/01/27 | Comment (10) | Trackback (0) | HOME | ↑ ページ先頭へ ↑ |

The Fred Knapp Trio / More Happy Jazz

   ↑  2010/01/22 (金)  カテゴリー: drums

Fred Knapp2
The Fred Knapp Trio / More Happy Jazz  ( amazon )
2009  Fred Knapp Music
星1つ星1つ星1つ星半分

Dave Proulx  ( p )
Dave Rosin  ( b )
Fred Knapp  ( ds )





ミシガン州で活躍するドラマー、フレッド・ナップ ( Fred Knapp, Rhode Island , 1974~ ) の2009年にリリースされた通算4作品目となる自主製作盤。ピアノを弾いているのはデイヴ・プルー ( Dave Proulx ) という長年一緒に活動しているらしいミュージシャンです。ナップは幼少期からピアノのトレーニングを受け、ウエスタン・ミシガン大学に入学後もピアノを専攻していたのですが、同時にビリー・ハートに師事しドラムを習得。そのことが契機となり、以後はドラマーに軸足を置いて活動を続けているようです。

今作は盤題が物語っているように、とっても幸福に満ちた作品です。頭をからっぽにして、ナップの奏でるシンバル・レガートに身を任せれば、ほ~ら、だんだんユーホリックになってくるでしょ~。

で、僕がこのアルバムが好きな最大の理由は、チック・コリア作の 《 The Loop 》 のカヴァが収められている点なのです。だから iPod で聴くのもほどんどこの一曲だけ。この《 The Loop 》っていう曲は、チックの名盤 『 Trio Music Live in Europe 』 の冒頭に収められている曲なのですが、超美曲であるにも関わらず、意外にカヴァが少ない。と云うか、ほとんどありません、僕が知る限りにおいて。

jim watson 僕の手持ちのCD の中で唯一 《 The Loop 》 のカヴァが聴けるのがイギリス人ピアニスト、ジム・ワトソン ( Jim Watson ) の 『 The Loop 』 というアルバムです。そのままタイトルになっています。こちらのほうがチックの雰囲気が出てますね。

The Jim Watson Trio / The Loop (  amazon )
2005  Reese Records










chick corea live in europe 
こちらが本家本元のチック・コリアの演奏。言葉では表現できないほどの無限の美しさを放っております。静謐にしてエレガント。こんな音世界を構築できるジャズ・ピアニストが他にいるでしょうか。
《 無尽蔵のクリエイティビティ 》というキーワードで検索、ソートすれば、チック・コリアは間違いなく最上位にインデックスされるでことでしょう。
こんな《 The Loop 》を聴いたあとにフレッド・ナップの《 The Loop 》を聴いちゃうと、激しく物足りなさを感じでしまうのは致し方ないでしょう。ま、僕個人的にはチック・コリアの最高傑作はこれかな。

Chick Corea / Trio Music, Live in Europe ( amazon )
1986  ECM


《 1月23日追記 》

adjapi さんから《 The Loop 》のカヴァ・ヴァージョンを教えていただきました。
ありがとうございました。

1) Chick Corea / The Trio ~ Live from The Country Club

2) Gary Burton / Whiz Kids




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2010/01/22 | Comment (6) | Trackback (0) | HOME | ↑ ページ先頭へ ↑ |

Giuseppe La Pusata Trio / Naissance

   ↑  2010/01/15 (金)  カテゴリー: drums
francesco nastro naissance Giuseppe La Pusata Trio / Naissance ( Tower Records )
2009  Itinera
星1つ星1つ星1つ星1つ

Giuseppe La Pusata  ( ds )
Aldo Vigorito ( b )
Francesco Nastro ( p )






リーダーのジュゼッペ・ラプサタ ( Guiseppe LaPusata ) はナポリを中心に活躍するドラマーですが、今盤のウリは何と言っても10年ほど前に瞬間風速的に話題になったイタリア人ピアニスト、フランチェスコ・ナストロ ( Francesco Nastro , Napoli , 1967~ ) が参加している点に尽きます。

誰しもがナストロと聞いて思い出す作品が、1998年にゲイリー・ピーコックとピーター・アースキンという巨匠らを迎えて制作された『 Trio Dialogues 』 と、2001年リリースの yvp盤 『 Heavy Feeling 』 だと思います。

前者はけっっこう評判が良かったように記憶します。しかしこれが長らく廃盤状態で入手が困難だった、と、とある販売店サイトに書かれていました。でもね、ときどき中古店で見かけたように記憶しているのですが・・・、しかも格安で。僕の記憶違いかな?

それはともかく、この入手困難盤『 Trio Dialogues 』もつい最近、ジャケットを差し替えてリイシューされました。ジャケ替えで再発、ということはよくあることですが、このことを知ったとき、瞬間的に寺島靖国氏のこの盤に対するコメントを思い出しました。

この顔はジャズの顔ではないなと思ったら、案の定ジャズじゃない。ジャズは顔でわかるのだ。しかし、ベースがゲイリー・ピーコックでそそられた。キース・ジャレット以外のトリオでピーコックを聴いてみたい。ベースとドラムしか用のない盤だった。聴くまいと思っても、ピアノが聴こえてつらい。こんなクラシックじみたピアノ、聴いていたら耳が腐る。 ( 寺島靖国 『 JAZZピアノ・トリオ名盤500 』 大和書房、2006、156頁 )


いやしくもジャズ評論家たる者、ミュージシャンの優劣を顔で判断しちゃいけないよなぁ。しかも『名盤500 』 と謳っておきながらこんなにボロ糞に叩かれちゃ、ナストロも立つ瀬がないだろうに。せめて、本書がイタリア語に翻訳されていないことを祈るばかりです。
 
再発盤を手掛けた担当者は、そんな寺島氏の暴言を知っていたわけではないでしょうが、再発盤では彼のポートレイトは綺麗なイラストに差し替えられています。

ナストロという人は、自身のリーダー作では兎に角、メロメロの悩殺美メロで攻めてくるわけですが、ひとたび他人のサポートにまわると、これはこれは激しく躍動するモーダル・スタイルに変身するジキルとハイドのような弾き手なんですね。寺島氏が残念なところは、彼のジキル博士の顔しか見ずに駄目だししてしまったとこと。本当は結構な暴れん坊さんです、ナストロは。

もし機会があったら、ピエトロ・コンドレッリ ( Pietro Condorelli )の 『Quasimodo 』( 2001 RED )や 『 Easy 』 ( 2005 RED )、それからサルヴァトーレ・トランキーニ ( Salvatore Tranchini )の 『 Faces 』(2004 RED) などを聴いてみてください。爆走型モード系ソロに、思わずのけ反ってしまいますよ。作品としても素晴らしい出来ですので、ぜひご一聴を。と云っても、欧州ファンには有名な盤ですのでご存じの方も多いでしょうが。

さて、今盤はジュゼッペ・ラプサタがリーダーではあるものの、実質的にはナストロがリーダーと考えて差し支えないでしょう。ベースはアルド・ヴィゴリート ( Aldo Vigorito ) というやはりナポリ出身のミュージシャンです。このヴィゴリートというベーシストは僕自身、今まで馴染みがなかったのですが、昨年暮れに愛聴盤コーナーで紹介させていただいたイタリア人ピアニスト、ヴィンセンツォ・デニス ( Vincenzo Danise ) の作品でも弾いていたことが判明しております。で、さらに、この三人、実は10年前のナストロの yvp 盤 『 Heavy Feeling 』 でも仲良く共演していました。たぶんこの10年間、地元ナポリでレギュラーを組んで地道に活動してきたのでしょうか。

疲れたので、明日に続く。

 《 1/16 追記 》

全8曲ですべてジュゼッペの自曲。ドラマーが書いた曲とは俄かに信じられないくらい美旋律に満ちています。

モード系変拍子がカッコイイ冒頭曲 ≪Danse d'un seul pied ≫からしてエキサイティングでございますよ。ちょっと耽美的ではありますが、昔のようなピッツァ臭さを完全に排したタイトル・バラード≪Naissance ≫ なんかも、とってもナイスでございます。

まあ、全体的には相変わらず抒情的な曲想なのですが、甘さ一辺倒にはならず、シュガー&スパイスのバランス感覚がとってもイイ感じです。

10年ほど前、日本で欧州抒情派ピアノが流行りはじめたころは、エバンスやキースの経年劣化版みたいな、あるいは粗悪コピー版みたいなピアニストが雨後のタケノコのごとく世に出てきましたよね。ややもするとナストロもそんな中の一人だとみるムキもありましたが、いやいやどうして、彼は地元ナポリで堅実にキャリアを積んできたようです。素晴らしいできです。

録音に関しても、ナストロのピアノの音がとっても柔らかく記録されているし、各楽器のバランスも抜群です。

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2010/01/15 | Comment (2) | Trackback (0) | HOME | ↑ ページ先頭へ ↑ |

Dana Hall / In The Light

   ↑  2009/12/27 (日)  カテゴリー: drums

dana hallDana Hall / Into the Light ( amazon )
2009  Origin Records 82547
星1つ星1つ星1つ星1つ星半分

Dana Hall ( ds )
Bruce Barth ( p )
Rodney Whitaker ( b )
Terell Stafford ( tp )
Tim Warfield, Jr ( ts )



とりあえず、簡単にメモを取っておく。


先日もヴァンガード・ジャズ・オーケストラで Blue Note Tokyo に来ていたトランペッター、テレル・スタッフォード ( Terell Stafford, Miami  ) 買いしたアルバム。主役はドラマーのダナ・ホール ( Dana Hall ) 。以前からテレルの作品にも参加していて、その激しい叩きっぷりに惚れ込んでいたが、今作は彼のデビュー作。

これがとんでもなく素晴らしい。うるさいドラマーはキライ、というジャズ・ファンには向かないが、トニー・ウイリアムス、ラルフ・ピーターソン、ジェフ・ワッツあたりが好物だというファンには絶対、共感が得られると思う。

テレルは今年になってからも、 VJO の同僚であるベテラン・アルティスト、ディック・オーツ ( Dick Oatts ) との共作『 Bridging The Gap 』 や、つい先日発売されたクリス・ポッターやスティーヴ・ウイルソンらとの共同名義での新作 『 Coming Together  』 でも素晴らしいソロを披露してた。





《 1月24日 追記 》

Lee さんから貴重な情報をいただきました。

Dana Hall は現在、シカゴのビッグバンド Chicago Yestet のメンバーとしても活動しているようです。

chicagoyestet_web
http://www.bright-moments.org/chicagoyestet/ ( 全曲試聴できます )



chicago yestet  
 Chicago Yestet / Jazz Is Politics?

2008年リリースの自主製作盤


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2009/12/27 | Comment (4) | Trackback (1) | HOME | ↑ ページ先頭へ ↑ |

Thomas Grimmonprez / Bleu

   ↑  2009/12/01 (火)  カテゴリー: drums

thomas grimmonprez



ジグ・ザグ・テリトワール ( Zig Zag Territoires ) は1997年に設立されたフランスの新興レーベル。もとはクラシック音楽専門の独立系レーベルとして発足したが、近年はジャズの新録もリリースするなど、精力的な活動を行っている。ただし、クラシック関連の作品はすでに150作品以上リリースされているが、ジャズのカタログ数は20作品足らずとまだまだ少ない。

そんな中でも昨年リリースされたロニー・リン・パターソン ( Ronnie Lynn Patterson , piano ) の 『 Freedom Flighters 』  は日本でも輸入盤ファンの間で人気となり、Zig Zag の認知度を一気に高めた名盤でだった。個人的にはこのロニー・リン・パターソンと、ジェレミー・テルノイ ( p ) の 『 BLOC 』 が魅力的な作品だったので、以来ずっと Zig Zag には好印象を抱いていた。

そして今回、そのZig Zag からそそられる新作がリリースされた。

フランス・ドラマー界の精鋭、トーマス・グリムモンプレズ ( Thomas Grimmonprez ) のリーダー作 『 Blue 』 がそれだ。本作は全編フェンダー・ローズを用いたトリオ編成という非常に珍しいフォーマットなのだが、そのローズを担当しているのが前述したジェレミー・テルノイなのだ。
 
トーマス・グリムモンプレズは、国が運営する国内最高の音楽教育機構、パリ国立高等音楽院 (  CNSM de Paris  : Conservatoire National Supe´rieur Musique et Dance de Paris ) でジャズ即興を学んでおり、Higher Diploma ( 中級ディプロマ ) も取得している。90年代からプロとしての活動を開始しているようだが、彼の経歴を見ると様々なトップ・ミュージシャンとの共演を通してキャリア・アップしてきたことが窺える。ヘンリ・テキシエ、ボボ・ステイン、ボヤン・Z、クロード・バルテレミー、マニュエル・ロシュマン、アルバート・マンゲルスドルフ、フランク・アヴィタブレ、デイッド・リンクス、ドミニク・ディ・ピアッツァ、ケニーワーナー、さらには Laurent Cugby Big Band や Paris Jazz Big Band にも参加歴があるようだ。要はどんなジャンルでも叩ける汎通性の高いオール・ラウンダーなのだろう。

僕個人的には、トーマスの名前を聞いて真っ先に思い出すのがトランペッターのニコラ・フォルメル ( Nicolas Folmer ) の 『 Fluide 』 ( 2006 Cristal Records ) での彼の演奏だ。この作品ではトーマスが8曲、ステファン・ウシャール ( Stephane Huchard ) が4曲叩いているのだが、トーマスは重鎮ウシャールに一歩も引けを取らない繊細で知的な素晴らしいドラミングを披露していた。この作品にはキラー・チューン ≪ Kaleidoscope ≫ がマスターテイクと別テイクが両方収録されているのだが、面白いことにマスターテイクはステファン・ウシャールが、別テイクはトーマスが叩いていて両者を聴き比べられるようになっている。


閑話休題。
さて、トーマスの今作だが、全編がローズ・トリオによる演奏ということで、どうしても地味な印象は拭いきれない。ジェレミー・テルノイは本来、壮大で深遠な世界感を音で表現するピアニストだが、今作ではどうしても小さくまとまり過ぎている印象だ。8曲すべてがトーマスのオリジナルだが、ややメロディーの押し出しが弱く、聴き終えたあとに、あれ、何を聴いていたんだっけ? と忘れてしまうくらい印象が薄かった、初めは。

ワン・コードの一発ものが意外に多く、そのことがさらに作品を単調なものとして印象付けてしまっているかもしれない。まあ、ワン・コードでのジェレミーのアドリブは流石に現代的であり、スケーリングは新鮮で、スーパーインポーズをふんだんに適応して絶妙なアウト感を演出している。本人もチック・コリアから影響を受けていると述べているように、マイルスバンド在籍時のチック・コリアを彷彿とさせるフレーズが随所に顔御出す。

一方、トーマスは一見派手ではないが、繊細で緻密なスネアワークが聴けば聴くほど素晴らしい。激しく煽る様なところは全くなく、常に冷静で余裕すら感じさせるプレイだ。こういうスタイルはセッション・ミュージシャンとしても重宝されるであろう。そのかわり演奏の温度感は徹底的に低く、質感はとってもインテリジェントでドライだ。

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2009/12/01 | Comment (0) | Trackback (0) | HOME | ↑ ページ先頭へ ↑ |

E.J. Strickland Quintet / In This Day

   ↑  2009/06/20 (土)  カテゴリー: drums
E.J. Strickland



Ravi Coltrane Quartet や双子の弟であるテナー・サックス奏者のマーカス・ストリックランド ( Marcus Strickland , Miami , 1979 ~ ) のバンドで活躍中のドラマー、 E.J. ストリックランド ( E.J. Strickland ) のデビュー作。リリース元はマーカス・ストリックランドが設立した自主レーベル Strick Muzik から。

メンバーは、ピアノが Ravi Coltrane Quartet で共演している中堅ピアニスト、ルイ・ペルドモ ( Luis Perdomo , Venezuela , 1971~ ) 、ベースがミゲル・ゼノンやデヴィッド・サンチェスとの共演で知られるハンス グラウィシニグ ( Hans Glawischnig , Austria , 1970~ ) 、フロント・ラインを構成するのは弟のマーカスとアルトのジャリール・ショウ ( Jaleel Shaw , Philadelphia , 1987 ~ ) の二人。ジャリール・ショウ  はMingas Big Band やRoy Hayns Quartet で活躍中の精鋭で、6月の初めにも後者のメンバーとして Blue Note Tokyo のステージでパフォーマンスを披露している。

ゲスト・ミュージシャンも豊富で、テナーのヨスバニー・テリーやギターのデヴィッド・ギルモア、コンガのペドロ・マルチネスの他、女性ヴォーカルやハープ、フルートなども曲により加わっている。なお、プロデューサーはラヴィ・コルトレーンが担当している。

全14曲すべてがE.J. のオリジナル曲。一曲目が始まった瞬間から圧倒的な演奏力に身も心も揺さぶられる。有機的で複雑なポリリズム。彼らは一体どのようなタイム感をもって演奏しているのだろか。譜面を覗いてみたい欲求が湧いてくる。

こいつは僕らより一本腕が多いんじゃないかと疑いたくなるような複雑なビートを刻みだすE.J. 。コンガのペドロ・マルチネスが加わった楽曲ではビートはより複雑化し解読不可能となる。コンガが導入されていると云ってもエスノ色はほとんど見られない。

エルビン・ジョーンズのマナーを自家薬籠中にして、さらに幾何学的処理を施したようなE.J. のドラミングにNY 新世代の息吹を感じずにはいられない。そこにはアヴァンギャルドな聴き手を煙に巻くギミックはみられない。あくまでジャズの正道に沿った礼儀正しい発展形の一つではないか。このあたりの感覚はエリック・ハーランドや最近メキメキと頭角を現してきているケンドリック・スコットらにも感じるものだ。

アンサンブル・パッセージにおけるマーカスとジャリールの美しいハーモニー・センスといい、飛翔するスリリングなソロといい、実にすばらしい。特に1,2,9曲目などの高速疾走する曲群には完全にやられた。またM-9 でのデヴィッド・ギルモアの浮遊系ギターも心地よい。ポエトリー・リーディングが絡むM-3, 7 は好みが分かれるところだが、厭味はない。
 
こういうのを聴くと、≪ジャズは伝統芸能ではない。モダン・アートなんだ。≫と、あらためて実感させられる。今もニューヨークのクラブのどこかで演奏されているんじゃないかと思わせるリアリティーがそこにはある。


E.J. Strickland Quintet / In This Day    星1つ星1つ星1つ星1つ
2008  Strick Muzik  SMK 003

E.J. Strickland ( dr )
Jabeel Shaw ( as )
Marcus Strickland ( ss&ts )
Luis Perdomo ( p )
Hans Glawischnig ( b )
Cheray O'Neal ( spoken word ) (track 3,7)
Charenee Wade ( vo ) (track 3)
Tia Fuller ( flute ) (track 12)
David Gilmore  ( g ) (track 9,13)
Brandee Younger  ( harp ) (track 13)
Pedro Martinez  ( congas ) (track 2,5,6,12) & ( djembe )(track 2)
Yosvanny Terry  ( ts , chekere , bell ) (track 6)

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2009/06/20 | Comment (0) | Trackback (0) | HOME | ↑ ページ先頭へ ↑ |

Vittorio Sicbaldi Four More Quintet / The Way

   ↑  2009/05/25 (月)  カテゴリー: drums
vittorio sicbaldi

豊田聡氏が主宰するイタリアン・ジャズに特化した国産新興レーベル、アルボーレ・ジャズ ( Albore Jazz ) から、待望の2管フロントラインのハードバップ作品が出ました。

リーダーのヴィットーリオ・シクバルディ ( Vittorio Sicbaldi ) はイタリア半島の西方に浮かぶサルデーニャ島出身のドラマーで、90年代からルカ・マンヌッツァらとともに活動を開始し、現在はミラノやペルボローニャを中心に活動しているようです。日本ではほとんど無名に近いミュージシャンですが、最近、Sound Hills から出たシモーネ・ダクロン ( Simone Daclon ) という若手ピアニストのサポートも務めていたので、ご存じの方もいらっしゃるでしょう。

フロントラインは、イデア6 でおなじみのアンディ・グラヴィッシュ ( Andy Gravish ) と、まったく無名ながらチャーリー・パーカー直系の素晴らしいアルティスト、ダニーロ・パラ ( Danilo Pala ) のふたり。ピアノはシクバルディの盟友で High Five Quintet のメンバーとしても有名なルカ・マンヌッツァ、という布陣。

全8曲ですべて50年代~60年代に書かれたハード・バップ・チューン。一曲目からソニー・クラークの ≪Melody For C ≫ で軽快に飛ばしていきます。この曲は ソニー・クラークの『 Leapin' and Lopin' 』 ( 1961 Blue Note ) のA面3曲目に収録されていた曲です。ここでは原曲を45回転で再生したような速いテンポで原曲に忠実に再現されています。このCDに収められている曲は、悪く言えば60年代ハード・バップをそっくりそのまま再現したようなノスタルジックな作風です。イタリアには今でもこんなハードバップが人気があるのでしょう。米国の60年代ハード・バップへの憧憬に端を発するイタリアン・ハード・バップは、本家がすっかり忘れ去ってしまったジャズ本来の熱気、スイング感、歌う喜びをいまだに持ち続けているのです。

古いジャズしか聴かないリスナーからすれば、「こんなの聴くくらいなら、往年のBlue Note を聴いた方がよっぽどイイね。」と叩かれるだろうし、ジャズに先進性を求めるリスナーからすれば、「こんなリバイバルを今更なんで聴くの。」とばっさり
裁断されそうな危うい立ち位置にある作品です。でも純粋に無条件で楽しいんですよね。たぶん、こういう解りやすいジャズが聴ける所って今、すごく減っていて、アーティストになりたがる頭でっかちなバークレー上がりのミュージシャンは佃煮にして売れるほどいれど、平易な語法で照れずに熱く語れるミュージシャンって少ないんですよね。

シクバルディのドラムは完全にオールド・スタイル。アルヴィン・クイーンがシクバルディの演奏テープを聴いてフィリー・ジョー・ジョーンズと間違えた、というエピソードがライナー・ノーツに書かれています。フィリーに似ていて巧いという意味なのでしょうが、裏を返せば、フィリーのように古いともとれなくもない。

個人的に最大の収穫はアルトのダニーロ・パラです。キャノンボール・アダレイやフィル・ウッズあたりを彷彿とさせる饒舌で艶やかな語り口が好感がもてます。彼のMySpace でいくつか音源が聴けます。このCDの音源も3曲試聴できますので興味のある方はどうぞ。

最後に上のジャケットを見てください。緑色の帯もわざと一緒にスキャンしたのですが、この帯の長さが変わっているでしょ。上端が通常の帯より3cm 程短いんですね。この写真じゃわかりませんが、裏ジャケも1cm程短くカットされているのです。なかなかシャレていて面白いですね。

Vittorio Sicbaldi Four More Quintet  /  The Way    星1つ星1つ星1つ星1つ
2009 Albore Jazz ALBCD 003

Andy Gravish ( tp )
Danilo Pala ( as )
Luca Mannutza ( p )
Nicola Muresu ( b )
Vittorio Sicbaldi ( ds )

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2009/05/25 | Comment (4) | Trackback (2) | HOME | ↑ ページ先頭へ ↑ |

Lorenzo Tucci / Touch

   ↑  2009/05/04 (月)  カテゴリー: drums
lorenzo tucci 

≪ Olhos Negros  ≫


≪ Please Don't Leave ≫


High Five Quintet やロザリオ・ジュリアーニのバンド,あるいはピエトロ・ルッソ、ピエトロ・シアンカグリーニリと組んだLTC などで活躍中のイタリアの人気ドラマー,ロレンツォ・トゥッチ( Lorenzo Tucci , Roma, Date of Birth: Unknown ) の『 Sweet Revelation 』 ( 2001 ) 、『 Drumonk 』 ( 2007 ) に続く通算3作目となる最新作。前作 『 Drumonk 』 ( 前項あり )  は、ファブリツィオ・ボッソ、ピエトロ・シアンカグリーニと組んだピアノレス・トリオによるモンク集であった。トランペット・トリオという特異的なフォーマットであったためやや取っつきにくい作品であったが、トゥッチの技術が遺憾なく発揮されており、何度聴いても味わい尽くせない素晴らしい作品だった。昨年発売されたLTC の『 A Different View 』 ( 前項あり )  も洗練された粋なハード・バップ作品で好盤だった。


さて、本作はトゥッチにとっては初めてのイタリアのクラブ・ジャズ・レーベル Schema からのリリースだ。参加ミュージシャンは、ファブリツィオ・ボッソ、ダニエレ・スカナピエコ、マックス・イオナータ、ジャンルーカ・ペトレラ、ルカ・マヌーッツァ、ピエトロ・ルッソ、そしてパオロ・レッチア ( 前項あり )  と、こうして名前だけ並べてみるととんでもなく強力なハードバップ合戦が繰り広げられるかと期待してしまうが、アリーチェ・リシャルディとウォルター・リッチという男女のヴォーカルが参加しているし、ニコラ・コンテもギターでクレジットされているあたりから、聴く前から大体の音が想像できてしまうかもしれない。

全12曲。トゥッチのオリジナル曲1曲以外はすべて他のミュージシャンの曲。Schema らしくほとんどが軽いラテン・ジャズ。フランシー・ボラン、サヒブ・シハブ、ジミー・ウッズ、ゲイリー・マクファーランド、そしてジョン・サーマンらの曲がスタイリッシュに蘇っている。こうしてみるとクラブ・ジャズ系のリスナーに人気が高いクラーク=ボラン・ビッグバンド関連の曲が多い。ジョン・サーマンの≪ Wintersong ≫ だってCBBBのレパートリーたった。サヒブ・シハブのラテン・ジャズの名曲≪ Please Don't Leave ≫ もウォルター・リッチのヴォーカルでカヴァーされているのも泣ける。これらの選曲はやはりクラブ・ジャズならではのもので、普通に米国系ジャズを聴いていたら一生耳にしない曲ばかりだ。

ボッソ以下の凄腕ミュージシャンも緩くバック・アンサンブルで参加するだけで、それほどソロらしいソロはとっていない。まあ、凄いことをやっていない時の彼らもたまにはいいもんだ。それにしてもボッソ=スカナピエコ=イオナータ=ペトレラ=レッッチア らが一列に並んでアンサブルしてるなんて、ヴィジュアルを想像しただけで鳥肌が立つでしょ。

BGMとして聴き流すことももちろん可能な軽薄さがいかにもイタリアのラウンジ・ユース的であり、好き嫌いが分かれるところだろう。

こんな作品を吊るしあげて、良し悪しを議論するなんて意味がない。天気のいい日にベランダでビールを飲みながら何も考えずに聴き流し聴き終えた後、あれ、何を聴いていたんだっけ? て、忘れてしまうくらいのいい加減な聴き方が許される好盤ではないかな。

Lorenzo Tucci  /  Touch     星1つ星1つ星1つ星1つ
2009  SCHEMA  SCCD 445

Lorenzo Tucci ( ds )
Luca Mannutza  ( p, arr )
Fabrizio Bosso  ( tp, flh )
Paolo Recchia  ( as )
Gianluca Petrella  ( tb )
Gianfranco Marchesi  ( tb )
Daniele Scannapieco  ( ts )
Max Ionata  ( ts )
Nicola Conte ( g )
Pietro Lussu  ( p )
Walter Ricci  ( vo )
Alice Ricciardi  ( vo )
Pietro Ciancaglini  ( b )
Luca Florian
 ( perc )




 Sahib Shihab  /  Summer Dawn ( 1963  Argo )  収録 ≪ Please Don't  Leave ≫


Lorenzo Tucci_hilmet  LTC 
LTC + Mark Turner   (  2005  V.V.J. )   前項あり
イタリアのヤングライオン LTC が米国コンテンポラリー・ジャズの先駆者、マーク・ターナーと共演した傑作。

この記事に含まれるタグ : イタリア 四つ星 クラブジャズ 

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2009/05/04 | Comment (4) | Trackback (0) | HOME | ↑ ページ先頭へ ↑ |

Jeff “Tain” Watts / Watts

   ↑  2009/04/14 (火)  カテゴリー: drums

jeff watts watts

これ、凄い。凄すぎ。ジェフ・ワッツ ( Jeff “Tain” Watts b.1960 Pittsburgh ) の通算6枚目、自己レーベル Dark Key Music からは前作『 Folk’s Songs 』に次ぐ2枚目となる新作です。すでに今年初めに発売になっている作品ですが、わたくし、ご存じのように体調不良のためこの2か月程、猟盤生活から遠ざかっていたので、これを買ったのもつい先日のこと。考えてみたらこの一週間、毎日の通勤で聴き惚れているけど、いまだに飽きる気配なしです。

とにかく、このバンドの演奏力は圧倒的。テレンス・ブランチャードとブランフォード・マルサリスという意外に今までなかったフロントラインが超強力で、そして“ 規則正しいリズムを打ち出し続ける ”というドラマー本来の義務をそっちのけで暴れまくるワッツを含め、重量級3人をボトムで支えるのがクリスチャン・マクブライド! という錚々たるメンバーです。一曲だけローレンス・フィールズという無名のピアニストがバラードで参加していますが、これまたリリカルで素敵です。

ワッツとブランフォードは1989年以来、20年近くも活動を共にしてきたので気心知れた盟友ですが、ワッツとブランチャードって共演したことあるのかな?あとで検索してみますが、あまり記憶にないなぁ。大体、ブランチャードをつい最近まで真剣に聴いたことがなかったし。近年、アーロン・パークスやケンドリック・スコットを聴くようになり、彼らがブランチャードのバンド出身であることを知り、あらためてブランチャードを聴きだしたのですが、これが凄くて、『 Bounce 』( 2003 ) や 『 Flow 』( 2005 ) なんかは非常にかっこよくてすっかり愛聴盤になっちゃいました。

あんまり吹きっぷりがいいもんだから、実際に生で聴いてみたくなり、先月 Blue Note のライブを観にいったくらいです。そう言えばブランチャードは2月に発表された51回グラミー賞で『 ベスト・ジャズ・インストゥルメンタル・ソロ賞 』を受賞しているんですね。いや~、凄いソロだったですよやっぱり、客席は悲しくなるくらいガラガラでしたが。

本作は全10曲ですが、M-9 と M-10 の曲間が45秒とられており、最後のM-10 ≪ Devil’s Ringtone ≫ は M-8 ≪ Devil’s Ringtone : The Movie ≫ のインスト・ヴァージョンであることを考えると、たぶんボーナス・トラック扱いなのでしょうね。

M-1 ≪ Return of the Jitney Man ≫ はブランフォードの新譜『 Metamorphosen 』でも聴けるアップテンポのモーダルな楽曲。いきなりワッツが強烈に煽る。ドラムのフィルイン( 俗名:おかず )とは本来はコーラスや小節の終りに使って、メンバーに現在位置を知らせる目的があるのだが、ワッツの演奏は全編“ おかず ”で構成されたような暴れぶりで、よくぞこんなリズムでフロントは自身を見失わないもんだと感心します。

M-2 ≪ Brekky with Drecky ≫ は文字通りマイケル・ブレッカーに捧げたB♭ブルース。この曲はブレッカーの大好きだったオーネット・コールマンの ≪ Turnaround ≫ ( 『 Tomorrow is The Question ! 』に収録。こちらで試聴できます。) をベースに作曲されたものです。面白いのはブルースの5小節~6小節、つまりE♭7 のところが16ビートに突然変わるんですね。しかもテンポも全然違うし。簡単にやってのけるけど、相当難易度高いワザではないかと。

M-3 ≪ Katrina James ≫ は軽快なファンク・チューン。2005年8月にアメリカ合衆国南東部を襲った大型のハリケーン Katrina で犠牲になった人々と、2006年に惜しくも亡くなられたファンク界の帝王ジェームス・ブラウンに捧げた曲らしい。まったく関連のない2つをひっくるめて1曲に仕上げてしまうのは、いかがなものか。

M-4 ≪ Owed ≫ は一転してブランフォードの美しいソプラノがフィーチャーされたバラード。この曲だけピアニストのローレンス・フィールズが参加している。このピアニスト、ワッツがセントルイスで見つけたまだ10代の新人らしいが、なかなか巧い。要チェック!

M-5 ≪Dancin’ 4 Chicken ≫ は、マクブライドとワッツのR&B で始まるが、実はこれがいわゆる“ False Start ”で、誰かの《 Watts! …All Right….Stand by…This is Dancin’ 4 Chicken…Take25 》という声が入り、次いでマクブライドのスインギーなボーイングによる超絶技巧のソロから、フロント2人が入り、デキシー風を経て高速4ビートに目まぐるしく変化していく、彼らにしかできないような複雑な曲。ブランチャードのラッパが火を噴く。それにしても本当に25テイクもとったのだろうか。

M-6 ≪ Wry Koln ≫ はワッツの渾身のドラムソロが大々的にフィーチャーされた曲。ワッツって、スネアを叩く数より、シンバルやタムを叩く数の方が圧倒的に多いんだね。音数の多さにおいては今のところ他の追従を許さないだろうね。もうすぐ50歳になるというのに、まったく衰えを感じさせず、現役感をキープし続けているのが凄いね。

M-7 ≪ Dinsle-Dangle ≫ は、どこかで聴いたことがあるようなメロディーだと思ったら、なんてことはないモンクの ≪ Trinkle, Trinkle≫ だった。ここではブランフォードが抜け、ブランチャードのソロが聴かれる。それにしてもブランチャードって巧いんだね。僕が初めて彼の演奏を聴いたのは81年だか82年だか忘れたけど、ジャズ・メッセンジャーズの一員として来日し、ウントン・マルサリスと二人で ≪ I Remember Clifford ≫ を演奏したときです。マルサリスが隣にいるから余計に緊張したのかもしれないけど、ハーフバルブの音が出なくて泣きそうな顔で演奏していたのを覚えています。あの時の情けない下手な印象がずーと僕の中にはあったから、まったくと言っていいほど、彼をフォローしてこなかった。2000年以降のアルバムは買い揃えたので、今度は90年代の彼の作品を収集しようと思っています。

M-8 ≪ Devil’ Ringtone: The Movie ≫ ( 悪魔の着信音 ) は、彼らの演奏をバックに電話での対話が展開するサントラ風の楽曲です。Mr W. ( 実はGeorge W. Bushを暗喩している )の代理人と名乗る Rome Phillips が、悪魔社のMr. Devlin ( 悪魔を暗喩している ) に電話をかけるところから話は始まります。

Mr.W ( Bush ) は現在苦境に立たされており、なんとかMr. Devlin のもつ悪魔的知恵、手法で助けてはくれないかと懇願する。しかしMr. Devlin ( 悪魔 )は、今までに十分な援助協力をしてやったはずだから、もう私のすべきことはない、と協力を拒否し、最後に 『 電話を切らずにこれを聴いてみたらどうだ 』、と言い放ち会話が終わる。そのあとに地獄からの叫び声(おそらくイラク戦争などで命を落とした人々の叫び声を表しているのだろう )が不気味に続き、演奏もそれに呼応するかのように激しさを増し、最後にMr. Devlinの笑い声で終わる。というブッシュ政権を痛烈に皮肉った風刺的会話なのですが、この曲は好き嫌いがはっきり分かれるでしょう。あまり音楽に社会批判や政治批判を持ち込むのは好きではないけど、僕は単純にこの会話の持つ英語独特のリズムが気に入ったので、個人的にはアリかなって思ってます。

それにしても、03年にグラミーを受賞した有名なカントリーのグループ、Dixie Chicks のリード・ボーカルの人が『 ブッシュ大統領がテキサス出身だなんて、恥ずかしく思う 』と言ったとかで大騒ぎになり、以来、ミュージシャンや芸能人がブッシュ政権を面と向かって批判することはタブーとされているだけに、こんな曲入れちゃって大丈夫なのかな?ってちょっと心配だけど、まあ、もうブッシュも過去の人になったわけだからイイのでしょうね。

M-9 ≪ M’buzai ≫ はワッツの短いドラムソロ。

ボーナス・トラックの M-10 ≪ Devil’ Ringtone ≫ は、M-8 ≪ Devil’ Ringtone: The Movie ≫ のインスト・ヴァージョンで、こちらがあるので何とか救われます。

ワッツのドラムって、一聴するとただ単にデタラメに叩きまくっているだけのように聞こえますが、実は野獣的凶暴性のそのうらに、ビートを極限までに細分化し、それをポリリズミックに再構築し提示していく繊細で知的な作業が見え隠れするので、やっぱり凄いもんだなぁ~といつも感心させられます。

本作は、可能な限り大音量で聴けば、相当のトリップ感を体感できると思います。エッジの効いたカッコイイNY ジャズが聴きたければ、絶対お勧めです。ちなみに Down Beat 誌 では堂々の四つ星を獲得していました。

Jeff “Tain” Watts  /  Watts  星1つ星1つ星1つ星1つ星半分



≪ Katrina James ≫

FC2スレッドテーマ : JAZZ (ジャンル : 音楽

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2009/04/14 | Comment (10) | Trackback (3) | HOME | ↑ ページ先頭へ ↑ |
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