雨の日にはジャズを聴きながら90年代以降のジャズを気ままに綴っています。 旧ブログ 『 雨の日には JAZZ を聴きながら 』 からのデータ移行は終了しました。ジャズ以外にも、時々デジタル関連の物欲記事、最近ハマっているカメラの話題も少しアップしています。 

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輸入盤 CD の厄介なシール

   ↑  2007/06/30 (土)  カテゴリー: 未分類
輸入盤 CD についているあのシュリンクやセキュリティーシールって、剥がすの大変ですよね。僕は購入するCD のほとんどが輸入盤なので、毎回煩わしい思いをしています。CD を買ったらすぐに帰りの車の中で聴きたいがため、車の中で爪を立てて必至に剥がそうとするのですが、仕事柄、爪は毎日きちんと切らないといけないため爪が立たないのです。以前、たばこを吸っていた頃は、ライターでシュリンクを軽く炙り、溶かして剥がしていたなんていう荒技もやってましたが。



そんな中、先日妻が街を歩いていてノベルティーグッズとしてこんな物を貰ってきました。一見してなんだかわからなかったのですが、よく見ると中にカッターナイフのようなものが入っています。ちなみに表面に書かれている「 Light Scribe 」というのがスポンサーのようです。お礼にリンク張っておきます。


向って左のほうにカッターナイフが刃が見えます。右の方にはスイッチが出ているのがわかりますかね~。


奥のスイッチが押されると、手前の穴から僅かだけナイフが出てくる仕組みです。使わない時はナイフが引っ込んでいて、安全なわけです。


刃が出ているところです。


こんな風にして使用します。シュリンクとセキュリティーシールが一度に切れますが、力の加減をしないとケースにまで刃跡が付いてしまいます。そのあたりを気にする方は使用できません。僕はそのあたり無頓着なもので、全然OKです。

こんな便利なグッズがあったとは全然知りませんでした。もしかして、これって常識?こんなノベルティーならいくらでも欲しいなぁ。
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2007/06/30 | Comment (4) | Trackback (0) | HOME | ↑ ページ先頭へ ↑ |

Avishai Cohen 『 As Is ... Live At The Blue Note 』

   ↑  2007/06/30 (土)  カテゴリー: 未分類

1997年、チック・コリアの“ Origin ”のレギュラーー・ベーシストに抜擢されたことで俄然、ニューヨーク・ジャズ・シーンの表舞台に登場してきたアヴィシャイ・コーエン。本作は彼の通算8作目となる新作です。

今回は初のライブ録音でしかもDVDとセットの二枚組。メンバーはピアノのサム・バーシュとドラムスのマーク・ジュリアーナという、いつものレギュラー・トリオを軸に、今回はサックスのジミー・グリーンとトランペットのディエゴ・ウルコフとが客演しています。客演組の二人は以前からコーエンの作品に参加しているので気心知れた仲間です。今回の作品は何と言っても映像付きというのが嬉しいですね。個人的にはアヴィシャイのビジュアルは既に観ているので、ジミー・グリーンの動画が観られることに興奮を覚えます。

さて、CDの方は全7曲。最後の ≪ Caravan ≫ 以外は全て旧作に収められていた彼のオリジナル曲。コーエン・ファンには馴染みの美曲揃いです。惜しむらくは彼の最高に美しいオリジナル曲≪ Madrid ≫ と≪ Calm ≫が収められていなかったこと。この2曲が含まれば彼のベスト盤と呼べる選曲になったはずです。

一方、DVDの方は全7曲で、その内4曲はCDに収められた曲と同曲、同バージョン。3曲にジミー・グリーンが参加していますが、ディエゴ・ウルコフは出てきません。

彼のオリジナル曲はどれも中近東のエスニック風味を程よく取り入れた哀愁美曲ぞろいです。確かな演奏技術に支えられた即興と、ユダヤ人(セファルディー)のDNAを色濃く受け継ぐ作曲能力が、非常に高い次元でバランスよく保たれている点が彼の魅力ではないでしょうか。人種の壁を越えて聴く者の胸にグッと迫るメロディー。やはり音楽の核になるのはメロディーなのだと再認識させられる楽曲が並んでいます。中近東的な旋律や様式を取り入れて創作されたジャズの作品は数あれど、ミステリアスでメランコリックな中東音階をこれほどまでに違和感なくジャズに浸透させることに成功したミュージシャンを僕は他に知りません。

ひとたびその作曲力から離れて彼の演奏力に目を向けても、非常に素晴らしいものがあります。リズムが驚異的に正確でどのどの音域でも音質に安定感があり、アドリブの組み立て方もうまく、フレーズも非常によく歌い、そしてタッチも強靭。そんな非の打ちどころがないそのテクニックを目の当たりにすると、人種的にも、楽器的にも成功することの極めて困難なニューヨーク・ジャズ・シーンで、確固たる地位を築きあげたのにも納得がいきます。

彼と同じくチック・コリアの門下生のジョン・パティトゥーチがあらゆる方面から引っ張りだこで人気を得ているのに対して、コーエンはほとんどスタジオ系の仕事はしていないようです。あまりにも個性が強すぎてサポート・ミュージシャンとして起用しにくいのだと思われますが、やはり個人的には金稼ぎにばかり走らず、自分の理想とするジャズを窮めていってもらいたいと切に願います。

本作は本当によいです。しかも安いです(HMV マルチバイキャンペーン価格 2592円)。自信を持って強くお薦めできる作品です。

Avishai Cohen  『 As Is ... Live At The Blue Note 』 2007年 Half Note Records 4531
Avishai Cohen  (b)
Sam Barsh  (kb melodica)
Mark Guilliana  (ds)
Diego Urcola  (tp)
Jimmy Greene  (ss)

コーエンの全8作品中、僕が大好きな3枚をセレクトしてみました。


Avishai Cohen  『 Continuo 』  2006年 Nocturne Records  NTCD393
レギュラー・ピアノ・トリオに Oud (ウード)奏者のエイモス・ホフマンが4曲で参加。ホフマンはコーエンとはイスラエル時代からの旧友で、ギターも弾きますがここではウードに専念しています。冒頭からコーエンのアルコとホフマンの中東音階(音階名はマカーム・ナワサルかな? C D Eb F# G Ab B C  )によるソロから始まりますが、驚かないように。意外に民族音楽臭さは希薄です(と感じているのは僕だけかも)。名曲 ≪ Calm ≫ 収録。


Avishai Cohen  『 Continuo 』  1998年 Strech Records  SCD-9015-2
Strech に吹き込んだ3作品、『 Continuo 』 、『 Devotion 』、『 Color 』 は僕の中ではごちゃまぜになっていて、どれも同系色の風合いを持った作品かな、って思いますが、その中でも僕が彼のファンになったきっかけでもある美曲≪ Madlid ≫が収められているこのデビュー作により愛着を感じます。


Avishai Cohen + The International Vamp Band  『 Unity 』  2001年 Strech Records  UCCJ-3009
コーエンがピアニストとしてのデビューを飾った作品という話題性はともかく、コーエンの理想郷が明確に提示された完成度の高い作品かと、思います。3管フロントを配したコーエン流のジャズメッセンジャーズ解釈がここに表現されています。

Avishai Cohen  『 At Home 』 についてはこちらに書いています。よろしければご覧ください。



関連記事

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2007/06/30 | Comment (4) | Trackback (0) | HOME | ↑ ページ先頭へ ↑ |

Avishai Cohen / As Is ... Live At The Blue Note

   ↑  2007/06/30 (土)  カテゴリー: bass
Avishai Cohen  『 As Is ... Live At The Blue Note 』
1997年、チック・コリアの“ Origin ”のレギュラーー・ベーシストに抜擢されたことで俄然、ニューヨーク・ジャズ・シーンの表舞台に登場してきたアヴィシャイ・コーエン。本作は彼の通算8作目となる新作です。

今回は初のライブ録音でしかもDVDとセットの二枚組。メンバーはピアノのサム・バーシュとドラムスのマーク・ジュリアーナという、いつものレギュラー・トリオを軸に、今回はサックスのジミー・グリーンとトランペットのディエゴ・ウルコフとが客演しています。客演組の二人は以前からコーエンの作品に参加しているので気心知れた仲間です。今回の作品は何と言っても映像付きというのが嬉しいですね。個人的にはアヴィシャイのビジュアルは既に観ているので、ジミー・グリーンの動画が観られることに興奮を覚えます。

さて、CDの方は全7曲。最後の ≪ Caravan ≫ 以外は全て旧作に収められていた彼のオリジナル曲。コーエン・ファンには馴染みの美曲揃いです。惜しむらくは彼の最高に美しいオリジナル曲≪ Madrid ≫ と≪ Calm ≫が収められていなかったこと。この2曲が含まれば彼のベスト盤と呼べる選曲になったはずです。

一方、DVDの方は全7曲で、その内4曲はCDに収められた曲と同曲、同バージョン。3曲にジミー・グリーンが参加していますが、ディエゴ・ウルコフは出てきません。

彼のオリジナル曲はどれも中近東のエスニック風味を程よく取り入れた哀愁美曲ぞろいです。確かな演奏技術に支えられた即興と、ユダヤ人(セファルディー)のDNAを色濃く受け継ぐ作曲能力が、非常に高い次元でバランスよく保たれている点が彼の魅力ではないでしょうか。人種の壁を越えて聴く者の胸にグッと迫るメロディー。やはり音楽の核になるのはメロディーなのだと再認識させられる楽曲が並んでいます。中近東的な旋律や様式を取り入れて創作されたジャズの作品は数あれど、ミステリアスでメランコリックな中東音階をこれほどまでに違和感なくジャズに浸透させることに成功したミュージシャンを僕は他に知りません。

ひとたびその作曲力から離れて彼の演奏力に目を向けても、非常に素晴らしいものがあります。リズムが驚異的に正確でどのどの音域でも音質に安定感があり、アドリブの組み立て方もうまく、フレーズも非常によく歌い、そしてタッチも強靭。そんな非の打ちどころがないそのテクニックを目の当たりにすると、人種的にも、楽器的にも成功することの極めて困難なニューヨーク・ジャズ・シーンで、確固たる地位を築きあげたのにも納得がいきます。

彼と同じくチック・コリアの門下生のジョン・パティトゥーチがあらゆる方面から引っ張りだこで人気を得ているのに対して、コーエンはほとんどスタジオ系の仕事はしていないようです。あまりにも個性が強すぎてサポート・ミュージシャンとして起用しにくいのだと思われますが、やはり個人的には金稼ぎにばかり走らず、自分の理想とするジャズを窮めていってもらいたいと切に願います。

本作は本当によいです。しかも安いです(HMV マルチバイキャンペーン価格 2592円)。自信を持って強くお薦めできる作品です。

Avishai Cohen  『 As Is ... Live At The Blue Note 』 2007年 Half Note Records 4531
Avishai Cohen  (b)
Sam Barsh  (kb melodica)
Mark Guilliana  (ds)
Diego Urcola  (tp)
Jimmy Greene  (ss)

コーエンの全8作品中、僕が大好きな3枚をセレクトしてみました。


Avishai Cohen  『 Continuo 』  2006年 Nocturne Records  NTCD393
レギュラー・ピアノ・トリオに Oud (ウード)奏者のエイモス・ホフマンが4曲で参加。ホフマンはコーエンとはイスラエル時代からの旧友で、ギターも弾きますがここではウードに専念しています。冒頭からコーエンのアルコとホフマンの中東音階(音階名はマカーム・ナワサルかな? C D Eb F# G Ab B C  )によるソロから始まりますが、驚かないように。意外に民族音楽臭さは希薄です(と感じているのは僕だけかも)。名曲 ≪ Calm ≫ 収録。


Avishai Cohen  『 Continuo 』  1998年 Strech Records  SCD-9015-2
Strech に吹き込んだ3作品、『 Continuo 』 、『 Devotion 』、『 Color 』 は僕の中ではごちゃまぜになっていて、どれも同系色の風合いを持った作品かな、って思いますが、その中でも僕が彼のファンになったきっかけでもある美曲≪ Madlid ≫が収められているこのデビュー作により愛着を感じます。


Avishai Cohen + The International Vamp Band  『 Unity 』  2001年 Strech Records  UCCJ-3009
コーエンがピアニストとしてのデビューを飾った作品という話題性はともかく、コーエンの理想郷が明確に提示された完成度の高い作品かと、思います。3管フロントを配したコーエン流のジャズメッセンジャーズ解釈がここに表現されています。

Avishai Cohen  『 At Home 』 についてはこちらに書いています。よろしければご覧ください。



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2007/06/30 | Comment (0) | Trackback (0) | HOME | ↑ ページ先頭へ ↑ |

Pippo Matino 『 Essential Team 』

   ↑  2007/06/26 (火)  カテゴリー: 未分類

イタリア人ベーシスト,ピッポ・マティーノの13年ぶりの新作です。1993年の初リーダー作『 Bassa Tensione 』(前項あり)は,彼が尊敬して止まないジャコへの傾倒ぶりがかなり明確に表出した,ベース・ファン必聴の隠れ名盤でした。「ジャコそっくり大賞」という企画があれば,間違いなく優勝であろうと思われるその分かりやすい模倣は,「そこまで真似るか~」と苦笑いしてしまう程でした。

今でもたまに棚から取り出しては懐かし思いで聴くことがありますが,すっかり僕の中では過去の人になっていました。この13年の間,フラビオ・ボルトロの『 Road Runner 』(1999 Blue Note)で耳にした意外,まったく消息不明でしたので,突然の新作リリースが飛び込んできて、吃驚仰天しました。

で,慌てて彼のOffical Websiteを覗いてみたのですが,共演者リストにはファブリツィオ・ボッソをはじめ,数多くの有名ミュージシャンが名を連ねていて,イタリア・ジャズ界に確固たる足跡を築き上げていたことを初めて知りました。

さて,今回の新作は“ Essential Team ”という彼がリーダーをつとめるプロジェクト・チームでの録音です。ドラムのクラウディオ・ロマーノ,サックスのジュリオ・マティーノ,トロンボーンのロベルト・スキアーノからなるバンドで,これにゲストでステファノ・ディ・バティスタらが参加しています。ちなみにバティスタが客演しているのは全13曲中3曲だけです。

最初に聴いたときは,兎に角,エフェクター類を多用してベース音を弄くりすぎている,という印象を強く感じました。そして、デジパック仕様の中ジャケを広げてみると,そこには自慢げに何やら2個のエフェクターを持つマティーノの姿が。よく見るとそのエフェクターは AKAI の Head Rush と(たぶん) UniBass でした。

AKAI の Head Rush といえは,目立ちたがりのベースマン御用達のサンプラーです。須藤満をはじめ,結構使用しているプロも多いAKAIの傑作エフェクターですが,マティーノはこの Head Rush のループ機能を使用し,サウンド・オン・サウンドでリフを作成,その上に乗ってソロをとる手法で録音しています。早い話が,昔,ジャコがジョニ・ミッチェルの『 Shadows and Light 』でラックに納められた2台のデジタル・ディレイをいじりながらベース・ソロを演奏したでしょ。あれと同じことを今では小さなこの Head Rush 1台でできてしまうという優れものなわけです。

UniBass の方はピッチシフターですが,4度あるいは5度の音を重ねて出力できる,いわばパワーコード機能も付いているのが売りです。さらにディストーションも付いているので,完全にベースでギターのようなサウンドが出せるので,ライブなどではギターリスト並みに目立つことも可能な便利なエフェクターです(あまり使い過ぎるとギターリストに嫌われます)。

そんなわけで,あまりにも便利な機械が簡単に手に入るものだから,節操ないベーシスト達はこれらを駆使してギタリストの存在意義をも揺るがす派手なパフォーマンスをしでかす訳で,僕はあまり感心しないのですが。ベースはあくまで「生音」で勝負しなきゃね。

閑話休題。マティーノの巧さは更に磨きがかかり,マスターであるジャコを軽く飛び越え,完全に自分のスタイルを築き上げているのですが,あまりにも作り込み過ぎて,昔のようなスリル感はなくなり,よく出来ているけどやや退屈な作品になってしまっています。(でも決して出来が悪いわけではありません。)

それにしても,ザビヌル作曲の《 Night Passage 》では、原曲を遥かに凌ぐ独創的なリフをそれも超高速で繰り広げており,ジャコの遺伝子を色濃く受け継ぎながらも,さらに進化し,前人未到の領域に登りつめよとする強い精神を感じずにはいられません。

時々,ジャコが今でも生きていたらどんなジャズを演奏していたのだろ~,と想像することがあります。もしかすると,こんなジャズもジャコの発展型のひとつとして存在していた可能性があったのかもしれません。
関連記事

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2007/06/26 | Comment (0) | Trackback (0) | HOME | ↑ ページ先頭へ ↑ |

Pippo Matino 『 Essential Team 』

   ↑  2007/06/26 (火)  カテゴリー: bass
Pippo Matino  『 Essential Team 』
イタリア人ベーシスト,ピッポ・マティーノの13年ぶりの新作です。1993年の初リーダー作『 Bassa Tensione 』(前項あり)は,彼が尊敬して止まないジャコへの傾倒ぶりがかなり明確に表出した,ベース・ファン必聴の隠れ名盤でした。「ジャコそっくり大賞」という企画があれば,間違いなく優勝であろうと思われるその分かりやすい模倣は,「そこまで真似るか~」と苦笑いしてしまう程でした。

今でもたまに棚から取り出しては懐かし思いで聴くことがありますが,すっかり僕の中では過去の人になっていました。この13年の間,フラビオ・ボルトロの『 Road Runner 』(1999 Blue Note)で耳にした意外,まったく消息不明でしたので,突然の新作リリースが飛び込んできて、吃驚仰天しました。

で,慌てて彼のOffical Websiteを覗いてみたのですが,共演者リストにはファブリツィオ・ボッソをはじめ,数多くの有名ミュージシャンが名を連ねていて,イタリア・ジャズ界に確固たる足跡を築き上げていたことを初めて知りました。

さて,今回の新作は“ Essential Team ”という彼がリーダーをつとめるプロジェクト・チームでの録音です。ドラムのクラウディオ・ロマーノ,サックスのジュリオ・マティーノ,トロンボーンのロベルト・スキアーノからなるバンドで,これにゲストでステファノ・ディ・バティスタらが参加しています。ちなみにバティスタが客演しているのは全13曲中3曲だけです。

最初に聴いたときは,兎に角,エフェクター類を多用してベース音を弄くりすぎている,という印象を強く感じました。そして、デジパック仕様の中ジャケを広げてみると,そこには自慢げに何やら2個のエフェクターを持つマティーノの姿が。よく見るとそのエフェクターは AKAI の Head Rush と(たぶん) UniBass でした。

AKAI の Head Rush といえは,目立ちたがりのベースマン御用達のサンプラーです。須藤満をはじめ,結構使用しているプロも多いAKAIの傑作エフェクターですが,マティーノはこの Head Rush のループ機能を使用し,サウンド・オン・サウンドでリフを作成,その上に乗ってソロをとる手法で録音しています。早い話が,昔,ジャコがジョニ・ミッチェルの『 Shadows and Light 』でラックに納められた2台のデジタル・ディレイをいじりながらベース・ソロを演奏したでしょ。あれと同じことを今では小さなこの Head Rush 1台でできてしまうという優れものなわけです。

UniBass の方はピッチシフターですが,4度あるいは5度の音を重ねて出力できる,いわばパワーコード機能も付いているのが売りです。さらにディストーションも付いているので,完全にベースでギターのようなサウンドが出せるので,ライブなどではギターリスト並みに目立つことも可能な便利なエフェクターです(あまり使い過ぎるとギターリストに嫌われます)。

そんなわけで,あまりにも便利な機械が簡単に手に入るものだから,節操ないベーシスト達はこれらを駆使してギタリストの存在意義をも揺るがす派手なパフォーマンスをしでかす訳で,僕はあまり感心しないのですが。ベースはあくまで「生音」で勝負しなきゃね。

閑話休題。マティーノの巧さは更に磨きがかかり,マスターであるジャコを軽く飛び越え,完全に自分のスタイルを築き上げているのですが,あまりにも作り込み過ぎて,昔のようなスリル感はなくなり,よく出来ているけどやや退屈な作品になってしまっています。(でも決して出来が悪いわけではありません。)

それにしても,ザビヌル作曲の《 Night Passage 》では、原曲を遥かに凌ぐ独創的なリフをそれも超高速で繰り広げており,ジャコの遺伝子を色濃く受け継ぎながらも,さらに進化し,前人未到の領域に登りつめよとする強い精神を感じずにはいられません。

時々,ジャコが今でも生きていたらどんなジャズを演奏していたのだろ~,と想像することがあります。もしかすると,こんなジャズもジャコの発展型のひとつとして存在していた可能性があったのかもしれません。
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2007/06/26 | Comment (0) | Trackback (0) | HOME | ↑ ページ先頭へ ↑ |

Dave Douglas 『 Witness 』

   ↑  2007/06/25 (月)  カテゴリー: 未分類

デイヴ・ダグラスのアヴァンギャルド系作品の中でも出色のクオリティーを誇る2001年の『 Witness 』は、僕のまさに愛聴盤中の愛聴盤。

“ Parallel Worlds ”のエリック・フリードランダー(cello)、マーク・フェルドマン(violin)、ドリュー・グレス(b)、マイケル・サリン(ds)らと、“ Dave Douglas Sextet ”のクリス・スピード(cl, ts)、ジョシュア・ローズマン(tb)が邂逅したような編成で、これにイクエ・モリ(perc)やトム・ウェイツ(詩の朗読)が参加するといった趣向の作品です。

大編成でのアンサンブルですが、意外に混沌とした中にも緻密な構成が仕込まれていて、作品全体で一つの物語を綴っているかのような、壮大でスケール感があり、変拍子も織り交ぜ、何処となくピンク・フロイドやキング・クリムゾンのようなダーク系のプログレッシブ・ロックにも通じる作風です。

ところで本作の制作には、かなり政治的な背景が絡んでいるようです。

『 事の始まりは、ユーゴスラビア国境近くを列車に乗って旅をしている時に起きた。私は新聞のあまりにも酷い記事にうんざりしていたんだ。それは、NATO軍によるユーゴスラビア空爆の最中、アメリカの武器製造メーカーが莫大な外貨を稼いでいるという記事だった。そこからそれ程遠くない場所で、50万人もの難民が泥濘の荒野でテント生活を余儀なくされていたのだ。その一方では戦争により莫大な利益を手にいれている者もいた。貧困の難民生活を免れ、熱心な聴衆の前で連日演奏活動ができることに私は感謝した。しかし、目の前で現に起きている忌まわしい権力と金の濫用を決してひとごとのように割り切って考えることができなかったのも事実さ。人は金によって判断を誤るものだからね。』

『 非暴力的な言論の場で、あるいは時には自らの危険も顧みず暴力によって抵抗する芸術家や活動家を讃えるためにこの作品を創作した。今、我々の名のもとに、そして我々の金を使って何がこの世界で起きているのか、それをしっかり見極める責任があるのだ。きちんと世界の惨事を意識してみることこそ、この狂気を回避する手がかりになるのではないだろうか。』
             2001年 デイヴ・ダグラス 

もちろんこのような政治的背景を知らなくても本作の魅力は十分楽しめるはすです。

それにしてもこの音楽は一体なんなのか? どのジャンルにもカテゴライズされることを拒絶するかのような強烈な音世界。マイケル・サリンのグルーブが渦巻く破壊的なドラミング。ダグラスのあまりにも奔放に宙を舞うフレーズ。混沌とした音の断片が収束し、やがて再び拡散していく。気が付くと全く異次元の世界に連れさらわれてしまっている自分がそこにいる。

ふー、疲れた。でもまた聴きたい。
鳥肌がたつような不思議なこの世界は嵌ると非常に,,,怖い。
関連記事

(記事編集) http://jazzlab.blog67.fc2.com/blog-entry-1041.html

2007/06/25 | Comment (0) | Trackback (0) | HOME | ↑ ページ先頭へ ↑ |

Dave Douglas 『 Witness 』

   ↑  2007/06/25 (月)  カテゴリー: trumpet
Dave Douglas  『 Witness 』
デイヴ・ダグラスのアヴァンギャルド系作品の中でも出色のクオリティーを誇る2001年の『 Witness 』は、僕のまさに愛聴盤中の愛聴盤。

“ Parallel Worlds ”のエリック・フリードランダー(cello)、マーク・フェルドマン(violin)、ドリュー・グレス(b)、マイケル・サリン(ds)らと、“ Dave Douglas Sextet ”のクリス・スピード(cl, ts)、ジョシュア・ローズマン(tb)が邂逅したような編成で、これにイクエ・モリ(perc)やトム・ウェイツ(詩の朗読)が参加するといった趣向の作品です。

大編成でのアンサンブルですが、意外に混沌とした中にも緻密な構成が仕込まれていて、作品全体で一つの物語を綴っているかのような、壮大でスケール感があり、変拍子も織り交ぜ、何処となくピンク・フロイドやキング・クリムゾンのようなダーク系のプログレッシブ・ロックにも通じる作風です。

ところで本作の制作には、かなり政治的な背景が絡んでいるようです。

『 事の始まりは、ユーゴスラビア国境近くを列車に乗って旅をしている時に起きた。私は新聞のあまりにも酷い記事にうんざりしていたんだ。それは、NATO軍によるユーゴスラビア空爆の最中、アメリカの武器製造メーカーが莫大な外貨を稼いでいるという記事だった。そこからそれ程遠くない場所で、50万人もの難民が泥濘の荒野でテント生活を余儀なくされていたのだ。その一方では戦争により莫大な利益を手にいれている者もいた。貧困の難民生活を免れ、熱心な聴衆の前で連日演奏活動ができることに私は感謝した。しかし、目の前で現に起きている忌まわしい権力と金の濫用を決してひとごとのように割り切って考えることができなかったのも事実さ。人は金によって判断を誤るものだからね。』

『 非暴力的な言論の場で、あるいは時には自らの危険も顧みず暴力によって抵抗する芸術家や活動家を讃えるためにこの作品を創作した。今、我々の名のもとに、そして我々の金を使って何がこの世界で起きているのか、それをしっかり見極める責任があるのだ。きちんと世界の惨事を意識してみることこそ、この狂気を回避する手がかりになるのではないだろうか。』
             2001年 デイヴ・ダグラス 

もちろんこのような政治的背景を知らなくても本作の魅力は十分楽しめるはすです。

それにしてもこの音楽は一体なんなのか? どのジャンルにもカテゴライズされることを拒絶するかのような強烈な音世界。マイケル・サリンのグルーブが渦巻く破壊的なドラミング。ダグラスのあまりにも奔放に宙を舞うフレーズ。混沌とした音の断片が収束し、やがて再び拡散していく。気が付くと全く異次元の世界に連れさらわれてしまっている自分がそこにいる。

ふー、疲れた。でもまた聴きたい。
鳥肌がたつような不思議なこの世界は嵌ると非常に,,,怖い。
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2007/06/25 | Comment (0) | Trackback (0) | HOME | ↑ ページ先頭へ ↑ |

Dave Douglas 『 A Thousand Evenings 』

   ↑  2007/06/24 (日)  カテゴリー: 未分類

「ダウンビート誌ジャズ批評家投票四冠に輝く、注目のトランペッター、本邦デビュー作」。

これが2000年に本作の国内盤がリリースされた際のキャッチコピーです。まるで新人若手ミュージシャンを世に紹介するかのような讃辞ですが、実際にはダグラスはすでにそれまでに15枚程のリーダー作を発表してきていたのですから、いかに日本への紹介が遅れていたかが窺えます。(正確には1998年にDIWから『 Moving Portrait 』をリリースしていましたから、本作の「本邦デビュー作」は「本邦メジャーデビュー作」の誤りです。)

ダグラスは1994年のデビュー作『 Parallel Worlds 』以来、かなりのハイスピードでアルバムを発表してきましたが、いずれもマイナー・レーベルからのリリースでした。そんなダグラスは1999年、初のメジャー・レコード会社RCAと契約を交わし、結果的に2004年までの約5年間の間に矢継ぎ早に計7枚の作品を同レーベルから発表したのでした。本作は『 Soul On Soul 』に続くRCA第二弾で、“ Charms of The Night Sky ”というバンドとしての第二作目にあたる作品です。

この“ Charms of The Night Sky ”はダグラスのトランペットに、マーク・フェルドマンのヴァイオリン、ガイ・クルーセヴィックのアコーディオン、それにゴレッグ・コーエンのベースを加えた個性的な変則カルテットで、ダグラスがガイ・クルーセヴィックのソロ・コンサートを聴いてこのバンドの発足を思いついたようです。ダグラスの多彩な創作活動は、メインストリーム系とアヴァンギャルド系に大別できますが、本作はもちろん後者に分類される活動です。前述した“ Nomad ”や“ The Tinny Bell Trio ”、それに(近日中に紹介しますが)“ Parallel Worlds ”などのユニットとほぼ同じ括りで語ることのできるバンドだと思います。ただ、他のアヴァンギャルド系のバンドよりはあまり民族音楽の色彩が薄いかもしれません。中近東音楽あるいはバルカン音楽的要素はやや影を潜め、バンド編成的にもクラシカルな香りが漂う作品です。泣く子も黙るニューヨーク・アンダーグラウンド・シーンの鬼才、マーク・フェルドマンとガイ・クルーセヴィックの圧倒的な即興力には普段あまりこの手の音楽を聴かない僕も心を揺さぶられました。

こんなことを言うと彼に失礼かもしれませんが、ダグラスは無類の“ トリビュート好き ”で、今迄にも“ Dave Douglas Sextet ”で、ブッカー・リトル、ウエイン・ショーター、それにメリー・ルー・ウイリアムスらのトリビュート作品を世に送り出しています。それ以外にも『 The Infinite 』は(彼は否定していますが)マイルス・トリビュート的要素が強いし、『 Moving Portrait 』はジョニ・ミッチェルの音楽に刺激を受けて創作された作品です。本作『 A Thousand Evenings 』でもジャッキー・バイヤードに捧げた組曲や、デイヴ・タラスというユダヤ系アメリカ人のクラリネット奏者へ捧げた組曲などを演奏しています。また、007の主題歌≪ Goldfinger ≫なども織り交ぜ、ユーモアのセンスのあるところも披露したりと、相変わらず“ 思いつくまま、自由に”ジャズを創作するその姿勢には感心させられます。

ただまあ、このあたりのセンスが好き嫌いの別れるところなのでしょうね。このユニットは、現在活動は休止状態ですが、ここで生み出されたアイディアは、後の“ Nomad ”に引き継がれることになります。

Dave Douglas  『 A Thousand Evenings 』 2000年 RCA BVCJ31024
Dave Douglas  (tp)
Mark Feldman  (violin)
Guy Klucevsek  (accordion)
Greg Cohen  (b)

     
Dave Douglas  『 Charms of The Night Sky 』  1998年  Winter & Winter 910015-2
“ Charms of The Night Sky ”名義のファースト。こちらの方が静寂感、静謐感が漂い、“ 夜空の不思議 ”にぴったりで、愛聴度が高いです。深夜おそくに聴いていると、魂が宙を浮遊し、夜空の闇に吸い込まれて行ってしまうような、そんな不思議な感覚に浸れます。

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2007/06/24 | Comment (0) | Trackback (0) | HOME | ↑ ページ先頭へ ↑ |

Dave Douglas 『 A Thousand Evenings 』

   ↑  2007/06/24 (日)  カテゴリー: trumpet
Dave Douglas  『 A Thousand Evenings 』
「ダウンビート誌ジャズ批評家投票四冠に輝く、注目のトランペッター、本邦デビュー作」。

これが2000年に本作の国内盤がリリースされた際のキャッチコピーです。まるで新人若手ミュージシャンを世に紹介するかのような讃辞ですが、実際にはダグラスはすでにそれまでに15枚程のリーダー作を発表してきていたのですから、いかに日本への紹介が遅れていたかが窺えます。(正確には1998年にDIWから『 Moving Portrait 』をリリースしていましたから、本作の「本邦デビュー作」は「本邦メジャーデビュー作」の誤りです。)

ダグラスは1994年のデビュー作『 Parallel Worlds 』以来、かなりのハイスピードでアルバムを発表してきましたが、いずれもマイナー・レーベルからのリリースでした。そんなダグラスは1999年、初のメジャー・レコード会社RCAと契約を交わし、結果的に2004年までの約5年間の間に矢継ぎ早に計7枚の作品を同レーベルから発表したのでした。本作は『 Soul On Soul 』に続くRCA第二弾で、“ Charms of The Night Sky ”というバンドとしての第二作目にあたる作品です。

この“ Charms of The Night Sky ”はダグラスのトランペットに、マーク・フェルドマンのヴァイオリン、ガイ・クルーセヴィックのアコーディオン、それにゴレッグ・コーエンのベースを加えた個性的な変則カルテットで、ダグラスがガイ・クルーセヴィックのソロ・コンサートを聴いてこのバンドの発足を思いついたようです。ダグラスの多彩な創作活動は、メインストリーム系とアヴァンギャルド系に大別できますが、本作はもちろん後者に分類される活動です。前述した“ Nomad ”や“ The Tinny Bell Trio ”、それに(近日中に紹介しますが)“ Parallel Worlds ”などのユニットとほぼ同じ括りで語ることのできるバンドだと思います。ただ、他のアヴァンギャルド系のバンドよりはあまり民族音楽の色彩が薄いかもしれません。中近東音楽あるいはバルカン音楽的要素はやや影を潜め、バンド編成的にもクラシカルな香りが漂う作品です。泣く子も黙るニューヨーク・アンダーグラウンド・シーンの鬼才、マーク・フェルドマンとガイ・クルーセヴィックの圧倒的な即興力には普段あまりこの手の音楽を聴かない僕も心を揺さぶられました。

こんなことを言うと彼に失礼かもしれませんが、ダグラスは無類の“ トリビュート好き ”で、今迄にも“ Dave Douglas Sextet ”で、ブッカー・リトル、ウエイン・ショーター、それにメリー・ルー・ウイリアムスらのトリビュート作品を世に送り出しています。それ以外にも『 The Infinite 』は(彼は否定していますが)マイルス・トリビュート的要素が強いし、『 Moving Portrait 』はジョニ・ミッチェルの音楽に刺激を受けて創作された作品です。本作『 A Thousand Evenings 』でもジャッキー・バイヤードに捧げた組曲や、デイヴ・タラスというユダヤ系アメリカ人のクラリネット奏者へ捧げた組曲などを演奏しています。また、007の主題歌≪ Goldfinger ≫なども織り交ぜ、ユーモアのセンスのあるところも披露したりと、相変わらず“ 思いつくまま、自由に”ジャズを創作するその姿勢には感心させられます。

ただまあ、このあたりのセンスが好き嫌いの別れるところなのでしょうね。このユニットは、現在活動は休止状態ですが、ここで生み出されたアイディアは、後の“ Nomad ”に引き継がれることになります。

Dave Douglas 『 A Thousand Evenings 』 2000年 RCA BVCJ31024
Dave Douglas (tp)
Mark Feldman (violin)
Guy Klucevsek (accordion)
Greg Cohen (b)

     
Dave Douglas 『 Charms of The Night Sky 』  1998年 Winter & Winter 910015-2
“ Charms of The Night Sky ”名義のファースト。こちらの方が静寂感、静謐感が漂い、“ 夜空の不思議 ”にぴったりで、愛聴度が高いです。深夜おそくに聴いていると、魂が宙を浮遊し、夜空の闇に吸い込まれて行ってしまうような、そんな不思議な感覚に浸れます。
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2007/06/24 | Comment (0) | Trackback (0) | HOME | ↑ ページ先頭へ ↑ |

Dave Douglas' Tinny Bell Trio 『 Constellations 』

   ↑  2007/06/20 (水)  カテゴリー: 未分類

デイヴ・ダグラス,ブラッド・シェピック(g),ジム・ブラック(ds)からなるベースレスの変則トリオ・ユニット“ The Tinny Bell Trio ”は現在までに計4枚の作品を残していますが,本作は1995年の第2作目。

1991年に結成されたこのトリオは,元々はダグラスがアコーディオン奏者のナビラ・シュワブと組んで演奏していた東欧民族音楽をベースに更にジャズ・アレンジを施して発展させようとしたユニットです。はじめは毎週金曜日にニューヨークのソーホー(SOHO)にある“ Bell Café ”のギクっていたようですが,徐々に東欧民族音楽に彼ら即興/ジャズ手法を融合させていき,オリジナリティーに溢れる独自の音世界を築き上げていったのでした。

本作は1994年の初ヨーロッパ・ツアー直後に録音されたもので,この時期にはかなり音楽的に自由なスタイルに変化していて,有名なフランスの吟遊詩人ジョルジュ・ブラッサンスやロマン派の作曲家ロベルト・シューマン,さらにはハービー・ニコルスの曲まで題材に取り上げています。M-4《 Taking Sides 》は,ユーゴスラビア内戦で虐殺された犠牲者に捧げた曲です。

セルビアのブラスバンド,ブルガリアやマケドニアのアンサンブルにインスパイアされた楽曲,ということですが,使用される音,スケール,モードは確かに東欧・バルカン系ではありますが,それほど民族音楽臭さはありません。あくまで自分達の即興/ジャズのための素材に東欧音楽を用いているといった感じです。ベースレスではありますが,ブラッド・シェピックの低音弦の使い方が巧いため,意外に重心の軽さは感じません。シェピックはポール・モチアンのエレクトリック・バンド( Paul Motian and The E.B.B.B.)に参加していましたが,正直,カート・ローゼンウィッケルの影に隠れて,あまり印象に残っていませんが,ここではかなり鋭角的で斬新なアドリブを披露していて爽快です。ジム・ブラックはやや大人しめかもしれません。でも流石に巧いです。

このバンドも混沌とした騒音炸裂のフリー・ジャズかと思いきや,意外や意外,全体にダグラスの緻密なスコアが冴え渡る丁寧な仕上がりのエキゾチック・ジャズでした。

Dave Douglas' Tinny Bell Trio 『 Constellations 』 1995 hatOLOGY 542
Dave Douglas (tp)
Blad Shepik (g)
Jim Black (ds)
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2007/06/20 | Comment (3) | Trackback (0) | HOME | ↑ ページ先頭へ ↑ |

Dave Douglas' Tinny Bell Trio 『 Constellations 』

   ↑  2007/06/20 (水)  カテゴリー: trumpet
Dave Douglas' Tinny Bell Trio  『 Constellations 』
デイヴ・ダグラス,ブラッド・シェピック(g),ジム・ブラック(ds)からなるベースレスの変則トリオ・ユニット“ The Tinny Bell Trio ”は現在までに計4枚の作品を残していますが,本作は1995年の第2作目。

1991年に結成されたこのトリオは,元々はダグラスがアコーディオン奏者のナビラ・シュワブと組んで演奏していた東欧民族音楽をベースに更にジャズ・アレンジを施して発展させようとしたユニットです。はじめは毎週金曜日にニューヨークのソーホー(SOHO)にある“ Bell Café ”のギクっていたようですが,徐々に東欧民族音楽に彼ら即興/ジャズ手法を融合させていき,オリジナリティーに溢れる独自の音世界を築き上げていったのでした。

本作は1994年の初ヨーロッパ・ツアー直後に録音されたもので,この時期にはかなり音楽的に自由なスタイルに変化していて,有名なフランスの吟遊詩人ジョルジュ・ブラッサンスやロマン派の作曲家ロベルト・シューマン,さらにはハービー・ニコルスの曲まで題材に取り上げています。M-4《 Taking Sides 》は,ユーゴスラビア内戦で虐殺された犠牲者に捧げた曲です。

セルビアのブラスバンド,ブルガリアやマケドニアのアンサンブルにインスパイアされた楽曲,ということですが,使用される音,スケール,モードは確かに東欧・バルカン系ではありますが,それほど民族音楽臭さはありません。あくまで自分達の即興/ジャズのための素材に東欧音楽を用いているといった感じです。ベースレスではありますが,ブラッド・シェピックの低音弦の使い方が巧いため,意外に重心の軽さは感じません。シェピックはポール・モチアンのエレクトリック・バンド( Paul Motian and The E.B.B.B.)に参加していましたが,正直,カート・ローゼンウィッケルの影に隠れて,あまり印象に残っていませんが,ここではかなり鋭角的で斬新なアドリブを披露していて爽快です。ジム・ブラックはやや大人しめかもしれません。でも流石に巧いです。

このバンドも混沌とした騒音炸裂のフリー・ジャズかと思いきや,意外や意外,全体にダグラスの緻密なスコアが冴え渡る丁寧な仕上がりのエキゾチック・ジャズでした。

Dave Douglas' Tinny Bell Trio 『 Constellations 』 1995 hatOLOGY 542
Dave Douglas (tp)
Blad Shepik (g)
Jim Black (ds)
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2007/06/20 | Comment (0) | Trackback (0) | HOME | ↑ ページ先頭へ ↑ |

Dave Douglas 『 Mountain Passages 』

   ↑  2007/06/18 (月)  カテゴリー: 未分類

昨日につづき,デイヴ・ダグラスのお話を。

彼のOfficial Website からcurrent projects / working bandを覗いてみると,現在,3つのプロジェクトが現在進行中であることがわかります。まずはメインの活動部隊である “ Dave Douglas Quintet ”であり,次いでエレクトリック・バンドの“ Keystone ”。そして最後が“ NOMAD ”というユニットでの活動です。前2者は既述してありますので,今日は最後の“ NOMAD ”のお話をしましょう。

“ NOMAD ”はダグラスを中心として,マイケル・ムーア(as, cl, basscl),ペギー・リー(cello),マーカス・ロジャス(tuba),デュラン・ファン・デル・シフ(ds)から成る5tetで,見ての通り独特の楽器編成のバンドです。過去にもバイオリン,アコーディオンを組み入れた“ Charms of The Night Sky ”やチェロ,バイオリンなどのストリングス・グループ “ Parallel Worlds ”など,意表をつく編成でファンを楽しませてきたダグラスですが,今回の“ NOMAD ”もかなり変態的であります。

ところで,イタリア・アルプスにあるドロミテ山脈という美しい石灰岩石からなる山塊をご存知でしょうか。そのドロミ山脈で毎年,登山をしながら山頂でパフォーマンスを楽しむ『 The Sound of Dolomites 』というフェスティバルが開催されているのですが,2003年にそのフェスティバルの主催者からダグラス側に演奏の依頼があったのでした。しかしその音楽の条件というのが「高度9000~12000 フィートの山岳で演奏できる音楽」だったのです。

ダグラスは三日三晩寝ずに思案したかどうかは分かりませんが,山頂に人力で運べるくらいの大きさを持った楽器であること。それから当然電力を必要としない楽器であること。などの条件から上記のような奇妙な編成となったのでした。

メンバーの顔ぶれから,Free Jazz を連想してしまうかもしれませんが,確かに部分的には Semi-Free と呼べるスペースも用意されていますが,全体的にはしっかり総譜された音楽であり,僕のようなフリー嫌いでもその美旋律を十分楽しめます。

どんな類の音楽なのか?と聞かれると非常に表現が難しいのですが,解説に“ A recording of thier local Ladino music ”と記されているように,セファルディー(スペイン系ユダヤ人)音楽にインスパイアされて書かれたジャズのようです。そんな民族音楽をベースに,Post-Bop やNY underground の手法を織り交ぜ,摩訶不思議な音空間を演出しています。山の精霊に対する畏敬の念。厳粛な祈りと瞑想の世界。山で命を落とした者達への哀悼歌,そして挽歌。と思うと今度は狂喜乱舞の酒色の祭典。諧謔味のある語り口でダグラスが舞い,そして静かに幕が下りる。

本作は実はライブではありません。山岳ライブの翌年の2004年にスタジオで録音されたものです。まあ,当然と言えば当然で,山頂まで録音機材を運ぶことも困難であったろうし,第一,高山病も発症しかねない高地で録音に耐えられるような演奏など出来なかったのではないでしょうか。流石のダグラスも長いパッセージを一息で吹ききることなど無理だったのでしょう。。
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2007/06/18 | Comment (0) | Trackback (0) | HOME | ↑ ページ先頭へ ↑ |

Dave Douglas 『 Mountain Passages 』

   ↑  2007/06/18 (月)  カテゴリー: 未分類
Dave Douglas  『 Mountain Passages 』
昨日につづき,デイヴ・ダグラスのお話を。

彼のOfficial Website からcurrent projects / working bandを覗いてみると,現在,3つのプロジェクトが現在進行中であることがわかります。まずはメインの活動部隊である “ Dave Douglas Quintet ”であり,次いでエレクトリック・バンドの“ Keystone ”。そして最後が“ NOMAD ”というユニットでの活動です。前2者は既述してありますので,今日は最後の“ NOMAD ”のお話をしましょう。

“ NOMAD ”はダグラスを中心として,マイケル・ムーア(as, cl, basscl),ペギー・リー(cello),マーカス・ロジャス(tuba),デュラン・ファン・デル・シフ(ds)から成る5tetで,見ての通り独特の楽器編成のバンドです。過去にもバイオリン,アコーディオンを組み入れた“ Charms of The Night Sky ”やチェロ,バイオリンなどのストリングス・グループ “ Parallel Worlds ”など,意表をつく編成でファンを楽しませてきたダグラスですが,今回の“ NOMAD ”もかなり変態的であります。

ところで,イタリア・アルプスにあるドロミテ山脈という美しい石灰岩石からなる山塊をご存知でしょうか。そのドロミ山脈で毎年,登山をしながら山頂でパフォーマンスを楽しむ『 The Sound of Dolomites 』というフェスティバルが開催されているのですが,2003年にそのフェスティバルの主催者からダグラス側に演奏の依頼があったのでした。しかしその音楽の条件というのが「高度9000~12000 フィートの山岳で演奏できる音楽」だったのです。

ダグラスは三日三晩寝ずに思案したかどうかは分かりませんが,山頂に人力で運べるくらいの大きさを持った楽器であること。それから当然電力を必要としない楽器であること。などの条件から上記のような奇妙な編成となったのでした。

メンバーの顔ぶれから,Free Jazz を連想してしまうかもしれませんが,確かに部分的には Semi-Free と呼べるスペースも用意されていますが,全体的にはしっかり総譜された音楽であり,僕のようなフリー嫌いでもその美旋律を十分楽しめます。

どんな類の音楽なのか?と聞かれると非常に表現が難しいのですが,解説に“ A recording of thier local Ladino music ”と記されているように,セファルディー(スペイン系ユダヤ人)音楽にインスパイアされて書かれたジャズのようです。そんな民族音楽をベースに,Post-Bop やNY underground の手法を織り交ぜ,摩訶不思議な音空間を演出しています。山の精霊に対する畏敬の念。厳粛な祈りと瞑想の世界。山で命を落とした者達への哀悼歌,そして挽歌。と思うと今度は狂喜乱舞の酒色の祭典。諧謔味のある語り口でダグラスが舞い,そして静かに幕が下りる。

本作は実はライブではありません。山岳ライブの翌年の2004年にスタジオで録音されたものです。まあ,当然と言えば当然で,山頂まで録音機材を運ぶことも困難であったろうし,第一,高山病も発症しかねない高地で録音に耐えられるような演奏など出来なかったのではないでしょうか。流石のダグラスも長いパッセージを一息で吹ききることなど無理だったのでしょう。。
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2007/06/18 | Comment (0) | Trackback (0) | HOME | ↑ ページ先頭へ ↑ |

Dave Douglas 『 Meaning and Mystery 』

   ↑  2007/06/17 (日)  カテゴリー: 未分類

Dave Douglas Quintet としては 『 The Infinite 』 (2002 bluebird), 『 Strange Liberation 』 (2004 bluebird) に続く通算3作目となるニュー・アルバム。録音は2006年2月とちょっと古く,彼のOfficial Websiteでもだいぶ以前から掲載されていたので今更新作でもないのですが,僕が購入したのがつい先日のこと。Disk Union の新譜コーナーで面置きされていていたので,もしかすると日本に入ってきたのは最近のことなのかもしれません。

ところで,本国ではグラミー賞のノミネートやダウンビート誌での「Trumpet player of the year 」をはじめ,数多くの受賞暦を有するデイブ・ダクラスでありますが,一方の日本ではいまだ知名度は低く,また,フリー・ジャズのトランペッターとして誤解して扱われることも多く,なかなか正当な評価が日本では得られていないミュージシャンであります。

そう言う僕もダグラスに対しては,ジョン・ゾーンの“MASADA”での活動が本業,といった誤った認識をずっと持ってました。そもそも僕はジョン・ゾーンに対してもかなり偏見を持ってましたので。なにしろ始めてジョン・ゾーンを聴いたのがあの『 COBRA 』で,そのジョン・ゾーンのバンドで名をはせたダグラスって,やっぱり尖がった変り者だろうと勝手に思い込んでいたのです。MASADAがフリー・ジャズではなく,クレズマー音楽をゾーンのフィルターを通して再構成した素晴らしく緻密な正真正銘のジャズ,であると知ったのは結構最近の事です。

というわけで,ダグラスが日本で人気がないのは,フリー系のミュージシャンという誤認識の部分が大きいと思うのですが,もうひとつの理由に,そのあまりにも多彩な音楽形態が故,ひとつにカテゴライズできない不可解な活動にも起因するのではないでしょうか。

彼のWebsiteからそのProjectを覗いてみると,リーダーだけでもなんと10以上ものProjectを現在までに遂行していることが分かります。完全な即興活動から民族音楽風なもの,アヴァンギャルド系,あるいはエレクトリックなどなど。最近では-特にトランペッターに多いと思いますが-アコースティックとエレクトリックなProjectを同時進行させるヴァーサタイルなアーティストは珍しくありませんが,こんなに多方面の音楽活動を精力的におこなっている人っていませんよね。

で,それじゃ,いったい彼の現在の主軸活動はどこにあるのか,というと,やっぱり今回取り上げた作品もその中のひとつですが,Dave Douglas Quintet ではないでしょうか。これはユリ・ケイン(p),ジェームス・ジナス(b),クラリス・ペン(ds)という不動のリズム隊に,2管フロントという,ダグラスにしては最もオーソドックスなフォーマットで活動を行っているProject です。ダグラスの相棒は初代がクリス・ポッターでしたが,2005年には現在ブルックリン系では最も勢いのあるドニー・マッキャスリンが後任の座についています。アルバム・ベースではこの2人ですが,ツアーでは一時期リック・マーギッツァが参加したこともあります。そのマーギッツァ参加の2002年の未発表集が最近発売になっています(未聴)。

マーギッツァ参加のライブ盤 『 Live at the Bimhuis 』の試聴はこちら
また,その頃のライブ映像もYouTubeにありますよ。こちらで。

このProjectの特徴としては,鬼才ユリ・ケインが一切ピアノを弾かずにローズだけに専念している,という点です。ダグラスとユリ・ケインの付き合いは長く,ダグラスが90年代初頭にデビューして以来,ずっと競演してきた良き理解者であるのですが,そのケインと1994年に結成し,現在までに3枚の作品を発表してきた“ Sextet ” では,ケインは完全にアコースティック・ピアノを弾いていました。個人的にはその頃の方が好きですし,作品としても最近の “ Quintet ” の作品群よりも出来が良いと思います。( Sextet については後日にお話します。) ただこの Quintet もなかなかカッコよくて,現在ジャズの軌道からは外れたところで必死に磁場に抵抗し新しい音楽を模索する姿が浮かんでくるような,そんなプログレッシブなジャズです。現在までの3作品はどれも甲乙付けがたい出来ですが,個人的にはビル・フリーゼルが客演した 『 Strange Liberation 』が好きです。

ところで,早くもダグラスの最新作の情報が入ってきています。2006年12月にニューヨークのライブハウス 「 The Jazz Standard 」で6日間に渡り行われた現行メンバーでのギグから選曲された2枚組みCDです。発売は7月31日のようです。もともとは6日間,計12セットの演奏を全部録音し,インターネットでMP3で配信販売している音源で,このたびファンからの強い要望もありCD化に踏み切ったとのこと。ぜひとも輸入していただき手に入れたい作品です。

この 『 Live at The Jazz Standard 』 の試聴はこちら

     
Dave Douglas Quintet   『 The Infinite 』 (2002 bluebird)
2000年に結成されたQuintetの第一弾作品。本作は2003年のグラミー賞,「 Best Instrumental Jazz Album 」部門にノミネートされました。(前項あり「2007年3月6日」)

     
Dave Douglas Quintet   『 Strange Liberation 』 (2004 bluebird)
ビル・フリーゼルが客演した Quintet の第二弾。ビルフリのキャラ濃すぎて,まるでビルフリのリーダー作かと錯覚してしまいそうな作品です。


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2007/06/17 | Comment (2) | Trackback (0) | HOME | ↑ ページ先頭へ ↑ |

Dave Douglas / Meaning and Mystery

   ↑  2007/06/17 (日)  カテゴリー: trumpet
Dave Douglas  『 Meaning and Mystery 』

Dave Douglas Quintet としては 『 The Infinite 』 (2002 bluebird), 『 Strange Liberation 』 (2004 bluebird) に続く通算3作目となるニュー・アルバム。録音は2006年2月とちょっと古く,彼のOfficial Websiteでもだいぶ以前から掲載されていたので今更新作でもないのですが,僕が購入したのがつい先日のこと。Disk Union の新譜コーナーで面置きされていていたので,もしかすると日本に入ってきたのは最近のことなのかもしれません。

ところで,本国ではグラミー賞のノミネートやダウンビート誌での「Trumpet player of the year 」をはじめ,数多くの受賞暦を有するデイブ・ダクラスでありますが,一方の日本ではいまだ知名度は低く,また,フリー・ジャズのトランペッターとして誤解して扱われることも多く,なかなか正当な評価が日本では得られていないミュージシャンであります。

そう言う僕もダグラスに対しては,ジョン・ゾーンの“MASADA”での活動が本業,といった誤った認識をずっと持ってました。そもそも僕はジョン・ゾーンに対してもかなり偏見を持ってましたので。なにしろ始めてジョン・ゾーンを聴いたのがあの『 COBRA 』で,そのジョン・ゾーンのバンドで名をはせたダグラスって,やっぱり尖がった変り者だろうと勝手に思い込んでいたのです。MASADAがフリー・ジャズではなく,クレズマー音楽をゾーンのフィルターを通して再構成した素晴らしく緻密な正真正銘のジャズ,であると知ったのは結構最近の事です。

というわけで,ダグラスが日本で人気がないのは,フリー系のミュージシャンという誤認識の部分が大きいと思うのですが,もうひとつの理由に,そのあまりにも多彩な音楽形態が故,ひとつにカテゴライズできない不可解な活動にも起因するのではないでしょうか。

彼のWebsiteからそのProjectを覗いてみると,リーダーだけでもなんと10以上ものProjectを現在までに遂行していることが分かります。完全な即興活動から民族音楽風なもの,アヴァンギャルド系,あるいはエレクトリックなどなど。最近では-特にトランペッターに多いと思いますが-アコースティックとエレクトリックなProjectを同時進行させるヴァーサタイルなアーティストは珍しくありませんが,こんなに多方面の音楽活動を精力的におこなっている人っていませんよね。

で,それじゃ,いったい彼の現在の主軸活動はどこにあるのか,というと,やっぱり今回取り上げた作品もその中のひとつですが,Dave Douglas Quintet ではないでしょうか。これはユリ・ケイン(p),ジェームス・ジナス(b),クラリス・ペン(ds)という不動のリズム隊に,2管フロントという,ダグラスにしては最もオーソドックスなフォーマットで活動を行っているProject です。ダグラスの相棒は初代がクリス・ポッターでしたが,2005年には現在ブルックリン系では最も勢いのあるドニー・マッキャスリンが後任の座についています。アルバム・ベースではこの2人ですが,ツアーでは一時期リック・マーギッツァが参加したこともあります。そのマーギッツァ参加の2002年の未発表集が最近発売になっています(未聴)。

マーギッツァ参加のライブ盤 『 Live at the Bimhuis 』の試聴はこちら
また,その頃のライブ映像もYouTubeにありますよ。こちらで。

このProjectの特徴としては,鬼才ユリ・ケインが一切ピアノを弾かずにローズだけに専念している,という点です。ダグラスとユリ・ケインの付き合いは長く,ダグラスが90年代初頭にデビューして以来,ずっと競演してきた良き理解者であるのですが,そのケインと1994年に結成し,現在までに3枚の作品を発表してきた“ Sextet ” では,ケインは完全にアコースティック・ピアノを弾いていました。個人的にはその頃の方が好きですし,作品としても最近の “ Quintet ” の作品群よりも出来が良いと思います。( Sextet については後日にお話します。) ただこの Quintet もなかなかカッコよくて,現在ジャズの軌道からは外れたところで必死に磁場に抵抗し新しい音楽を模索する姿が浮かんでくるような,そんなプログレッシブなジャズです。現在までの3作品はどれも甲乙付けがたい出来ですが,個人的にはビル・フリーゼルが客演した 『 Strange Liberation 』が好きです。

ところで,早くもダグラスの最新作の情報が入ってきています。2006年12月にニューヨークのライブハウス 「 The Jazz Standard 」で6日間に渡り行われた現行メンバーでのギグから選曲された2枚組みCDです。発売は7月31日のようです。もともとは6日間,計12セットの演奏を全部録音し,インターネットでMP3で配信販売している音源で,このたびファンからの強い要望もありCD化に踏み切ったとのこと。ぜひとも輸入していただき手に入れたい作品です。

この 『 Live at The Jazz Standard 』 の試聴はこちら

     
Dave Douglas Quintet   『 The Infinite 』 (2002 bluebird)
2000年に結成されたQuintetの第一弾作品。本作は2003年のグラミー賞,「 Best Instrumental Jazz Album 」部門にノミネートされました。(前項あり「2007年3月6日」)

     
Dave Douglas Quintet   『 Strange Liberation 』 (2004 bluebird)
ビル・フリーゼルが客演した Quintet の第二弾。ビルフリのキャラ濃すぎて,まるでビルフリのリーダー作かと錯覚してしまいそうな作品です。


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2007/06/17 | Comment (0) | Trackback (0) | HOME | ↑ ページ先頭へ ↑ |

Andre Ceccarelli 『 Golden Land 』 (2)

   ↑  2007/06/12 (火)  カテゴリー: 未分類
昨日の続きです。
             
Andre Ceccarelli  『 Carte Blanche 』  2004 Dreyfus
スタジオ録音盤と(おそらく)ライブ盤からなる2枚組。おそらくと書いたのは,実はライブ盤(CD2 Jam Session One)のディスクを購入早々紛失してしまい聴いていないのです。どこか別のアーティストのCDケースの中に紛れこんでしまったらしいのです。何時かはひょっこり出てくるだろうと待つこと早3年。いまだに発見できず。中古店では1000yen で買える処分品扱いのCDなので,一層のこと再購入しようかとも思いますが,根が貧乏性なものでなかなか2枚目に手が出ません。

さて,本作はチェカレリの豊富な人脈を生かした集大成的作品です。マクラフリン,ラグレーン,バティスタ,リュック,ボルトロ,トロティニョン,そしてピエラヌンツィーらが参加してのヴァラエティー豊かな楽曲が並んだ “ & Friends ” 的作品です。荘厳な世界感のピエラヌンツィーの《 Le Songe D'une Valse 》。どこか牧歌的で暖かいメロディーを紡ぐシルヴァン・リュックの《 Pour Suite 》。ポップな語法でジャズをアレンジするトロティニョンの《 Pop Song 》,などなど。どれも瑞々しい輝きをもった珠玉の小品で,聴き終えたあと,もう一回繰り返し聴きたくなるような素晴らし作品です。

                         
Andre Ceccarelli  Trio  『 Avenue Des Diables Blues 』   2005 Dreyfus
ビレリー・ラグレーンとジョーイ・デフランチェスコとのトリオ編成。三者の超絶技巧ぶりが遺憾なく発揮された快作です。個人的にはノラ・ジョーンズのM-9 《 Sunrise》が大好きですぅ。ボサノバ・リズムに乗せて繰り広げられる爽やかなラグレーンとデフランチェスコのソロが絶品。この路線で一枚,作ってほしいな~。
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2007/06/12 | Comment (2) | Trackback (0) | HOME | ↑ ページ先頭へ ↑ |

Andre Ceccarelli 『 Golden Land 』 (2)

   ↑  2007/06/12 (火)  カテゴリー: drums
昨日の続きです。
             
Andre Ceccarelli 『 Carte Blanche 』 2004 Dreyfus
スタジオ録音盤と(おそらく)ライブ盤からなる2枚組。おそらくと書いたのは,実はライブ盤(CD2 Jam Session One)のディスクを購入早々紛失してしまい聴いていないのです。どこか別のアーティストのCDケースの中に紛れこんでしまったらしいのです。何時かはひょっこり出てくるだろうと待つこと早3年。いまだに発見できず。中古店では1000yen で買える処分品扱いのCDなので,一層のこと再購入しようかとも思いますが,根が貧乏性なものでなかなか2枚目に手が出ません。

さて,本作はチェカレリの豊富な人脈を生かした集大成的作品です。マクラフリン,ラグレーン,バティスタ,リュック,ボルトロ,トロティニョン,そしてピエラヌンツィーらが参加してのヴァラエティー豊かな楽曲が並んだ “ & Friends ” 的作品です。荘厳な世界感のピエラヌンツィーの《 Le Songe D'une Valse 》。どこか牧歌的で暖かいメロディーを紡ぐシルヴァン・リュックの《 Pour Suite 》。ポップな語法でジャズをアレンジするトロティニョンの《 Pop Song 》,などなど。どれも瑞々しい輝きをもった珠玉の小品で,聴き終えたあと,もう一回繰り返し聴きたくなるような素晴らし作品です。


Andre Ceccarelli Trio 『 Avenue Des Diables Blues 』 2005 Dreyfus
ビレリー・ラグレーンとジョーイ・デフランチェスコとのトリオ編成。三者の超絶技巧ぶりが遺憾なく発揮された快作です。個人的にはノラ・ジョーンズのM-9 《 Sunrise》が大好きですぅ。ボサノバ・リズムに乗せて繰り広げられる爽やかなラグレーンとデフランチェスコのソロが絶品。この路線で一枚,作ってほしいな~。
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2007/06/12 | Comment (0) | Trackback (0) | HOME | ↑ ページ先頭へ ↑ |

Andre Ceccarelli 『 Golden Land 』 (1)

   ↑  2007/06/11 (月)  カテゴリー: 未分類

仏ジャズ・ドラマー界の重鎮,アンドレ・チェカレリが,前作『 Avenue Des Diables Blues 』から2年ぶりのとなる新作を発表しました。今回は今が旬のデヴィッド・エルマレク(ts)を加えての4tet 編成です。しかもエンリコ・ピエラヌンツィ(p)とハイン・ファン・デ・ゲイン(b)が脇を固め,否応なしに期待が膨らむ編成です。全11曲でエルマレク以外の3人のオリジナルが大半を占める選曲です。タイトル曲の《 Golden Land 》 はチェカレリとバティスト・トロティニョンの共作です。さて,肝心の内容ですが,正直なところ何度か聴いていたのですが,あまり印象に残らない作品なのです。決して出来が悪いわけではないのですが,何と言うか,元気がないというか,妙に落ち着いているんです。チェカレリのリーダー作と言えど,やっぱりその作品のカラーを決めるのはピアノの音だったりするわけで,やはり全体にピエラヌンツィー色が濃厚な仕上がりなのですね。エルマレクもそれほどキャラ濃くないし,全体を牽引するほどの力量がないので,どうしてもピエラヌンツィーのノーブルなサウンド・カラーに染められてしまったような印象を受けます。繰り返しますが,決して駄作ではないのですが,今までのチェカレリのリーダー作を聴いてきた耳にはどうも物足りない,そう感じてしまうのです。ところで,チェカレリの新作の記事を書くにあたり,過去の彼の作品を引っぱり出してきたのですが,僕の手許には新作を除いて下記の計5枚のリーダー作がありました。1994  Ceccarelli Trio  『 3 Around The 4 』  ( verve )1995  Andre Ceccarelli  『 From The Heart 』  ( verve )1997  Andre Ceccarelli  Quartet  『 West Side Story 』  ( BMG France )2004  Andre Ceccarelli  『 Carte Blanche 』  ( Dreyfus )2005 Andre Ceccarelli  Trio  『 Avenue Des Diables Blues 』   ( Dreyfus )上記以外にも1999年に BMG France に吹き込まれた 『 61:32 』 が存在することは確認できてます(ジャズ批評 No111 特集「ジャズ・ドラム」 p37 に掲載)。というわけで,今回の新作についてはあまり書くことが見当たらないので,久しぶりに旧作でも聴き直してみましょう。             Ceccarelli Trio  『 3 Around The 4 』  1994 verveThierry Eliez (ティエリー・エリス)( p, org, vo ),Jean=Marc・Jafet (ジャン=マルク・ジャフェ)( b )とのトリオ。全曲ビートルズのカヴァーです。個人的にはビートルズのカヴァー集は嫌いなのですが,本作は程よい原曲の解体加減とお洒落なリハーモナイズの妙技でなかなか良いです。ジャン=マルク・ジャフェとチェカ爺は,Sylvain Luc (シルヴィアン・リュック)と組んで,SUDというユニットを起こしていますね。ティエリー・エリスはあまり馴染みがないかもしれませんが,かなりの凄腕です。ディーディーの作品によく顔を出してます。ディーディーのDVD 『 Live at North Sea Jazz 』にも登場していました。派手なジャケットを着込んで,お茶目なパフォーマーぶりを発揮していました。整った顔立ちでカッコイイと思いましたが,最後の挨拶でメンバー横一線に並んだ際,身長がディーディーの肩ほどしかなく,丁度,チェカ爺と同じくらい(160cmぐらいか?)しかないので,妙に親近感が沸きましたよ~。             Andre Ceccarelli  『 From The Heart 』   1995 verveSylvain Beuf (シルヴィアン・ビュフ)(ts),Jean=Michel Pilc (p),Thomas Bramerie (トーマス・ブラメリー)との4tetを基本編成とした作品。地味なジャケットで忘れがちな作品ですが,これが,凄いのです。臨界点ギリギリのテンションで,激しくお互いを揺さぶりながら曲が進行します。全体にモーダルな楽曲が大半で,ビュフやピルグの鬼気迫るプレイにチェカ爺も刺激され,今にも倒れそうなくらい激しくスティックを叩きつけます。いや~,こんなチェカ爺を聴いちゃうと今度の新作は聴けないなぁ~。中古店ではよく見かける作品です。しかも投売り価格です。DUでは何と525円! 昨日,茶水のDUで在庫確認済みです。僕の中では最高傑作です。きっぱり。             Andre Ceccarelli  Quartet  『 West Side Story 』 1997  BMG Franceこれはメンバーが最強です。シルヴィアン・ビュフ,アントニオ・ファラオ,そしてレミ・ヴィジョーロですから,悪かろうはずがありません。やっぱりチェカ爺はピルクやファラオのような若き先鋭ミュージシャンとやっている方が生き生きしてます。ビュフとの相性も良いし。ビュフって音が肉厚で太くて,フレーズも適度に現代的でイイ感じです。僕は2001年にnaiveからリリースされた『 Soul Note 』が好きです。痺れる~。                      ~ つづく ~

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Andre Ceccarelli 『 Golden Land 』 (1)

   ↑  2007/06/11 (月)  カテゴリー: drums
Andre Ceccarelli  『 Golden Land 』 (1)

仏ジャズ・ドラマー界の重鎮,アンドレ・チェカレリが,前作『 Avenue Des Diables Blues 』から2年ぶりのとなる新作を発表しました。今回は今が旬のデヴィッド・エルマレク(ts)を加えての4tet 編成です。しかもエンリコ・ピエラヌンツィ(p)とハイン・ファン・デ・ゲイン(b)が脇を固め,否応なしに期待が膨らむ編成です。全11曲でエルマレク以外の3人のオリジナルが大半を占める選曲です。タイトル曲の《 Golden Land 》 はチェカレリとバティスト・トロティニョンの共作です。さて,肝心の内容ですが,正直なところ何度か聴いていたのですが,あまり印象に残らない作品なのです。決して出来が悪いわけではないのですが,何と言うか,元気がないというか,妙に落ち着いているんです。チェカレリのリーダー作と言えど,やっぱりその作品のカラーを決めるのはピアノの音だったりするわけで,やはり全体にピエラヌンツィー色が濃厚な仕上がりなのですね。エルマレクもそれほどキャラ濃くないし,全体を牽引するほどの力量がないので,どうしてもピエラヌンツィーのノーブルなサウンド・カラーに染められてしまったような印象を受けます。繰り返しますが,決して駄作ではないのですが,今までのチェカレリのリーダー作を聴いてきた耳にはどうも物足りない,そう感じてしまうのです。ところで,チェカレリの新作の記事を書くにあたり,過去の彼の作品を引っぱり出してきたのですが,僕の手許には新作を除いて下記の計5枚のリーダー作がありました。1994 Ceccarelli Trio 『 3 Around The 4 』 ( verve )1995 Andre Ceccarelli 『 From The Heart 』 ( verve )1997 Andre Ceccarelli Quartet 『 West Side Story 』 ( BMG France )2004 Andre Ceccarelli 『 Carte Blanche 』 ( Dreyfus )2005 Andre Ceccarelli Trio 『 Avenue Des Diables Blues 』 ( Dreyfus )上記以外にも1999年に BMG France に吹き込まれた 『 61:32 』 が存在することは確認できてます(ジャズ批評 No111 特集「ジャズ・ドラム」 p37 に掲載)。というわけで,今回の新作についてはあまり書くことが見当たらないので,久しぶりに旧作でも聴き直してみましょう。             Ceccarelli Trio 『 3 Around The 4 』 1994 verveThierry Eliez (ティエリー・エリス)( p, org, vo ),Jean=Marc・Jafet (ジャン=マルク・ジャフェ)( b )とのトリオ。全曲ビートルズのカヴァーです。個人的にはビートルズのカヴァー集は嫌いなのですが,本作は程よい原曲の解体加減とお洒落なリハーモナイズの妙技でなかなか良いです。ジャン=マルク・ジャフェとチェカ爺は,Sylvain Luc (シルヴィアン・リュック)と組んで,SUDというユニットを起こしていますね。ティエリー・エリスはあまり馴染みがないかもしれませんが,かなりの凄腕です。ディーディーの作品によく顔を出してます。ディーディーのDVD 『 Live at North Sea Jazz 』にも登場していました。派手なジャケットを着込んで,お茶目なパフォーマーぶりを発揮していました。整った顔立ちでカッコイイと思いましたが,最後の挨拶でメンバー横一線に並んだ際,身長がディーディーの肩ほどしかなく,丁度,チェカ爺と同じくらい(160cmぐらいか?)しかないので,妙に親近感が沸きましたよ~。             Andre Ceccarelli 『 From The Heart 』   1995 verveSylvain Beuf (シルヴィアン・ビュフ)(ts),Jean=Michel Pilc (p),Thomas Bramerie (トーマス・ブラメリー)との4tetを基本編成とした作品。地味なジャケットで忘れがちな作品ですが,これが,凄いのです。臨界点ギリギリのテンションで,激しくお互いを揺さぶりながら曲が進行します。全体にモーダルな楽曲が大半で,ビュフやピルグの鬼気迫るプレイにチェカ爺も刺激され,今にも倒れそうなくらい激しくスティックを叩きつけます。いや~,こんなチェカ爺を聴いちゃうと今度の新作は聴けないなぁ~。中古店ではよく見かける作品です。しかも投売り価格です。DUでは何と525円! 昨日,茶水のDUで在庫確認済みです。僕の中では最高傑作です。きっぱり。             Andre Ceccarelli Quartet 『 West Side Story 』 1997 BMG Franceこれはメンバーが最強です。シルヴィアン・ビュフ,アントニオ・ファラオ,そしてレミ・ヴィジョーロですから,悪かろうはずがありません。やっぱりチェカ爺はピルクやファラオのような若き先鋭ミュージシャンとやっている方が生き生きしてます。ビュフとの相性も良いし。ビュフって音が肉厚で太くて,フレーズも適度に現代的でイイ感じです。僕は2001年にnaiveからリリースされた『 Soul Note 』が好きです。痺れる~。                      ~ つづく ~

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Lorenzo Tucci 『 Drumonk 』

   ↑  2007/06/04 (月)  カテゴリー: 未分類

High Five Quintet やロザリオ・ジュリアーニのバンド,あるいはピエトロ・ルッソ&シアンカグリーニと組んだLTC などで活躍中のイタリアの人気ドラマー,ロレンツォ・トゥッチの新作がリリースされました。しかも,ファブリツィオ・ボッソも参加!とくれば本来なら大喜びしたいところですが,何と今回は,ピアノレスのトランペット・トリオという特異なフォーマットなのです。あまり有難くない編成ではありますが,まあ,メロディー楽器であるピアノがいない分,ボッソの頑張りが期待できるわけで,物は考えようです。

ところで,サックス・トリオは比較的よくある編成ですが,一方のトランペット・トリオってなかなか無いですよね。ぱっと頭に浮かぶのはアヴィシャイ・コーエンの『 The Trumpet Player 』ぐらいです。やはりトランペット・トリオで録音するとなると,演奏者も普段よりも緊張感があるのか,このコーエンの作品などは素晴らしい出来の良さでしたが。

まあ,トランペット・トリオやサックス・トリオの作品を好んで買っていく方は,ピアノがいないのでいつもよりも耳コピーしやすいぞ~と喜んでいる勉強中のアマチュア・ドラマーやベーシストぐらいで,ほとんどの方は敬遠されているんじゃないでしょうか。

言い忘れていましたが,本作,テーマがセロニアス・モンクです。トランペット・トリオというハンディーを背負っているばかりか,モンクという一部の熱狂的ファン以外はあまり好ましく思っていないであろう人物をテーマし据えたものだから,更にセールス的には不利な条件を満たしているのです。

で,内容はモンクがテーマである以上,楽曲の面白さを前面にアピールした三者協調型の編曲,曲想で,過激な格闘戦はほとんどみられません。編成上,ボッソのソロは確かに多いのですが,ある一定の領域からはみ出すことなく,予定調和に終始しているとも言えるでしょう。

結果的にあまり僕自身,繰り返して聴きこんでいません。管+ベース+ドラムという編成は,演奏者はおそらく楽しく演じているのしょうが,その面白さが聴き手に伝わりにくいのではないでしょうか。あらためて特異フォーマットの難しさを知った作品でした。

Lorenzo Tucci 『 Drumonk 』 2007年 VVJ 060
Lorenzo Tucci (ds)
Fabrizio Bosso (tp)
Pietro Ciancaglini (b)
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Lorenzo Tucci 『 Drumonk 』

   ↑  2007/06/04 (月)  カテゴリー: drums
Lorenzo Tucci_drumonk 

High Five Quintet やロザリオ・ジュリアーニのバンド,あるいはピエトロ・ルッソ&シアンカグリーニと組んだLTC などで活躍中のイタリアの人気ドラマー,ロレンツォ・トゥッチの新作がリリースされました。しかも,ファブリツィオ・ボッソも参加!とくれば本来なら大喜びしたいところですが,何と今回は,ピアノレスのトランペット・トリオという特異なフォーマットなのです。あまり有難くない編成ではありますが,まあ,メロディー楽器であるピアノがいない分,ボッソの頑張りが期待できるわけで,物は考えようです。

ところで,サックス・トリオは比較的よくある編成ですが,一方のトランペット・トリオってなかなか無いですよね。ぱっと頭に浮かぶのはアヴィシャイ・コーエンの『 The Trumpet Player 』ぐらいです。やはりトランペット・トリオで録音するとなると,演奏者も普段よりも緊張感があるのか,このコーエンの作品などは素晴らしい出来の良さでしたが。

まあ,トランペット・トリオやサックス・トリオの作品を好んで買っていく方は,ピアノがいないのでいつもよりも耳コピーしやすいぞ~と喜んでいる勉強中のアマチュア・ドラマーやベーシストぐらいで,ほとんどの方は敬遠されているんじゃないでしょうか。

言い忘れていましたが,本作,テーマがセロニアス・モンクです。トランペット・トリオというハンディーを背負っているばかりか,モンクという一部の熱狂的ファン以外はあまり好ましく思っていないであろう人物をテーマし据えたものだから,更にセールス的には不利な条件を満たしているのです。

で,内容はモンクがテーマである以上,楽曲の面白さを前面にアピールした三者協調型の編曲,曲想で,過激な格闘戦はほとんどみられません。編成上,ボッソのソロは確かに多いのですが,ある一定の領域からはみ出すことなく,予定調和に終始しているとも言えるでしょう。

結果的にあまり僕自身,繰り返して聴きこんでいません。管+ベース+ドラムという編成は,演奏者はおそらく楽しく演じているのしょうが,その面白さが聴き手に伝わりにくいのではないでしょうか。あらためて特異フォーマットの難しさを知った作品でした。

Lorenzo Tucci 『 Drumonk 』 2007年 VVJ 060
Lorenzo Tucci (ds)
Fabrizio Bosso (tp)
Pietro Ciancaglini (b)
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Danilo Rea 『 Romantica 』

   ↑  2007/06/03 (日)  カテゴリー: 未分類

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Enzo Pietropaoli 『 Stolen Songs 』

   ↑  2007/06/02 (土)  カテゴリー: 未分類

Doctor 3 のエンゾ・ピエトロパオリとダニーロ・レアは同じ1975年のデビューで,しかも,当時からいっしょに Trio Di Roma を結成し活動を共にしていました。一方,エンゾ・ピエトロパオリとファブリツィオ・スフェラは80年代にはエンリコ・ピエラヌンツィと組んでSpace Jazz Trio として活躍していました。そんなわけでピエトロパオリを架け橋として3人が意気投合しDoctor 3 が結成されたのだろうと,勝手に想像するのですが。

ピエトロパオリは現在までに計4枚のリーダー作を制作しています。僕が所有しているのは1998年の『 Stolen Songs 』だけですので,あまり確信めいたことは言えないのですが,この作品は完全な Rock / Pops のカヴァー集で,1曲たりともジャズのスタンダードを取り上げていません。ヴォーカリストにイタリア屈指の技巧歌唱派女性,Maria Pia De Vito (マリア・ピア・デヴィト)を招き,自身もエレキベースを多用し,往年の名曲をポップに演奏しています。

Sex Pistols の《 Holidays In The Sun 》にはじまり,Anita Baker, Prince, The Doors, Elton John, James Taylor, Stevie Wonder, U2, Dionne Warwick, The Beatles, そして Joni Michell などを,ジャズへのアレンジを一切施すことなく,ポップにカヴァーしているのです。

Spece Jazz trio で見せるクラシック音楽に根ざした高貴で格調高いピエトロパオリとは別人のようなスタイルで唖然とします。僕も最初聴いた時はあまりにもポップ過ぎて,かなり長い間放置しておいた作品です。

しかし,ここ1~2年,久しぶりに聴いてみるとこれが意外に心地よいわです。デヴィト(正直なところよく知らない人です)の翳りと透明感の共存するような何とも言えない肌触り。なかなかイイ感じです。ピエトロパオリのエレキはフレットレスで,ちょうどミック・カーンを大人しくしたような感じですかね。一方,ギターのBattista Lena (バティスタ・レナ)はスティーブ・カーンやビル・フリーゼル似ですかね。特に1曲目の《 Holidays In The Sun 》でのギター,ベース,ドラムの12秒のイントロは,スティーブ・カーンがアンソニー・ジャクソン,スティーブ・ジョーダンと組んで制作した『 Eyewitness 』(1981)のサウンドにそっくりで吃驚です。

まあ,いつも聴きたいような作品ではありませんが,ピエトロパオリの守備範囲の広さを知るには絶好の作品かと思います。

余談ですが,昔は“ Pietropaolo ” と表記されていたのに,最近は “ Pietropaoli ” となっていますね。理由はわかりませんが。
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Doctor 3  『 Blue 』

   ↑  2007/06/02 (土)  カテゴリー: 未分類

2001年の『 Bambini forever 』( VVJ 035 )以来6年ぶりとなる Doctor 3 の新作 『 Blue 』( VVJ 059 )が発売されました。

前作が Lennon / McCartney の曲やアメリカン・スタンダード,それにカンツォーネなどをごった煮メドレー化にした組曲編成の作品で,ダニーロ・レアの稀代の才能を持ってはじめて作り上げることのできる高度な構築美に感心されられた作品でした。ただ,時より挿入されるアニメのナレーション風の声には閉口してしまいました。音楽の方は良かったのですが,どうしてもあの奇声が耳に焼きつき離れず,個人的にはいまひとつの作品でした。ですから今回の新作も前作を踏襲する路線だったらどうしようと,やや不安はありましたが,すっかり自然消滅,あるいは解散していたと思っていた Doctor 3 の新作だけに,思わす買ってしまいました。

今更説明不要とは思いますが,Doctor 3 とはダニーロ・レア(p),エンゾ・ピエトロパオリ(b),ファブリツィオ・スフェラ(ds)からなるトリオ・ユニットで,90年代後半から現在まで2枚組みライブ盤を含め,計4作品を制作してきました。本作が5作品目となるのでしょう。おそらく。おそらくと申しましたのは,正式な Doctor 3 のディスコグラフィーを見つけられていないからです。ダニーロ・レアのOfficial HP も無いみたいだし。

それはともかくとして,陽気で聴き様によっては人を食ったような前作に対して今回の新作は,全編バラードの落ち着いた耽美的な作風で登場です。デビュー当時から一貫して彼らの中に流れるポップス・カルチャーへの憧憬は今回も健在です。ダミアン・ライス,ジェームス・テイラーらの曲を2曲づつ取り上げ,さらに『 アラバマ物語 』,『 シンドラーのリスト 』のテーマ曲,そしてカンツォーネやカンタウトーレ(フランチェスコ・デ・グレゴーリ)の曲も挟みこみ,バラードながらも終始飽きさせない構成で楽しめます。

そしてなんといても1曲目のバート・バカラックの名曲《 close to you 》が素晴らしい。ゆったりと一音一音を丁寧に弾き綴っていき,美しく,繊細で,エモーショナル。こんな沁み入る《 close to you 》は聴いたことがありません。

もしかすると,ピアノを美しく響かせることのかけては,ピエラヌンツィやボラーニよりももしかすると一枚上手かもしれません。このところ,睡眠導入音楽として我が家では活躍中の本作。真剣にオーディオの前で対峙して聴くのにも,また,BGMとして聴くにも最適な秀作です。

【訂正】
ピエトロパオリを調べていたら,Doctor3のディスコグラフィーが分かりました。前作は2001年の『 Bambini forever 』ではなく,2003年の『 Winter Tales 』でした。

1998 Doctor 3 "The Tales Of Doctor 3" (VVJ)
1999 Doctor 3 "The Songs Remain The Same" (VVJ)
2001 Doctor 3 "Bambini Forever" (VVJ)
2001 Doctor 3 "Live And More" (VVJ)
2003 Doctor 3 "Winter Tales" (VVJ)
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2007/06/02 | Comment (7) | Trackback (1) | HOME | ↑ ページ先頭へ ↑ |
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