雨の日にはジャズを聴きながら90年代以降のジャズを気ままに綴っています。 旧ブログ 『 雨の日には JAZZ を聴きながら 』 からのデータ移行は終了しました。ジャズ以外にも、時々デジタル関連の物欲記事、最近ハマっているカメラの話題も少しアップしています。 

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土曜深夜のジャズ日記

   ↑  2009/01/31 (土)  カテゴリー: diary
christian scott photo     昨夜、Blue Note Tokyo で行われたクリスチャン・スコットのライブを観てきました。まだまだ日本での知名度は低いからお客の入りは悪いだろうと思っていたら、意外にも満席状態だったのでますは驚きました。 
    実は今日、友人から聴いたのですが、1月中旬に Blue Note のメンバーにはメールで無料招待券の通知があったそうです。え~、そんなの知らないよ~と思い、慌てて ( と云っても今更なのですが ) メールチェックしてみましたが、やっぱりそんな通知メールはありませんでした。僕がライブの予約を入れたのは年初めだったから、既に予約を入れてあるメンバーには招待券のメールを出さなかったのですね。 
    どうみてもBlue Note のメンバーじゃないと思われる年配のご婦人もいたので、おそらく 『 ○○カード会員ご優待 』 とか、関係各所への優待券配布などもあったに違いありませんね。なんだか釈然としない気持ちでいっぱいです。いくら人気のないアーティストのライブだからと云って、優待券やタダ券をばらまくのはよくないでしょ。アーティストにとっても失礼だし。

kawashima tetsuro aika と云う訳で、今日は気を取り直して、仕事帰りにTokyo TUC に川嶋哲郎カルテットを観に行ってきました。『 ご招待券 』を利用して。川嶋さんに関して云えば、90年代の原=大坂クインテット以来のファンなので、何だかんだと10回近くはライブを観ていますが、最近はサックス・ソロでの完全フリー・ライブや、デュオでのライブなどが多くて、正直なところあまり聴かなくなっていました。最後に聴いたのが4、5年前に大坂さんのトリオ(オルガン入り)だったような。兎に角、あまりコンベンショナルなフォーマットで演奏しなくなってしまったので、ちょっと疎遠になっていました。それが昨年の11月に久しぶりのワン・ホーン・カルテットでの作品『 哀歌 』をリリースされ、その発売記念ライブ・ツアーを行っているとのことで、タダ、、、でなくて招待券を頂いたこともあり久しぶりにあの雄々しい骨太テナーを浴びに行ってきました。川嶋はソロもイイけど、やっぱりカルテットで聴きたい。これが僕の本音です。今回のアルバム制作に合わせて組まれたメンバーは、今売り出し中の新進気鋭の若手ミュージシャンで、ピアノの田中信正さんはそれなりに歳を食っていそうですが、ベースの安田幸司さんとドラムの長谷川学さんは30歳前後ぐらいじゃないでしょうか。とっても若い。なかなかアグレッシヴで迫力のある演奏で楽しませてもらいました。アルバムの出来も素晴らしく、特にタイトル曲の ≪AIKA ≫ と、M-3 ≪ VEGA ≫ が僕の琴線に触れる名曲でした。 
 川嶋哲郎クインテット / 哀歌 星1つ 星1つ  星1つ  星1つ  
                                      kawashima teturo emotion
川嶋哲郎カルテットと云えば、個人的には、石井彰 ( p )、安ヵ川大樹 ( b )、力武誠 ( ds ) らと組んで2000年頃から制作した『 My Soul 』や『 Emotion 』あたりが好きですね。このカルテットはメンバーも最高で大好きだったのですが、いつの間にか自然消滅しちゃったのかな? 本当はこのメンバーでもう一度聴きたい。結局、川嶋さんの作品群の中での一番の愛聴盤は、 『 Emotion 』 あたりになっちゃいますね。結構バラード系の曲が多くて、深夜に酒を啜りながら聴くと、とっても、心に沁みます。でもね、川嶋さんの良さって、絶対ライブなんですよね。CDで聴くと何だかお行儀よくこじんまりした音に聴こえ、いま一つ凄味が伝わってこないんです。




richard whiteman grooveyard
さて、全く脈絡ありませんが、最近買ったけれども未開封だったアルバムを先程から聴いていますので、ちょっとご紹介。まずはカナダのピアニスト、リチャード・ホワイトマンの『 Grooveyard 』。寺島靖国氏も何かで褒めてましたね。今どき珍しいよくスイングする王道ピアニストです。こういうジャズに理屈は不要。いつの時代にも通用する定番スタイルでしょうね。前から欲しかったのですが、DUがやっと再入荷してくれました。
Richard Whiteman Trio / Grooveyard 星1つ 星1つ 星1つ








joris roelofs
オランダ人アルティスト、ヨリス・ルーロス( b. 1984 ) のデビュー作です。 55 records から発売になりましたが、原盤は material records で既に輸入盤でも手に入ります。ちなみに僕は国内盤を先日買いました。彼はVienna Jazz orchestra や Jazz Orchestra of The Concertogebouw などに参加している新進気鋭の吹き手でですが、残念なことに昨年の JOC の来日公演には来ませんでした。本作はヨリスがNYCに出向いて、現地のアーロン・ゴールドバーグ、マット・ペンマン、アリ・ホーニックらと競演した作品です。これだけのメンバーですから当然、NYコンテンポラリー系のジャズで、メンバー各人もとっても良い演奏でサポートしているので、全体として非常に完成度の高い作品に仕上がっています。55 records の審美眼によって選び抜かれた作品は、どれも素晴らしですね。流石です。
Joris Roelofs / Introducing Joris Roelofs 星1つ星1つ星1つ星1つ
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2009/01/31 | Comment (2) | Trackback (0) | HOME | ↑ ページ先頭へ ↑ |

Tingvall Trio / Norr

   ↑  2009/01/28 (水)  カテゴリー: group
tingvall trio Norr

スウェーデンで活躍中の若手ピアノ・トリオ Tingvall Trio  の第二弾。

2006年にリリースされたデビュー・アルバム 『 Skagerrak 』 は輸入盤店を中心にヒットし、多くの北欧ジャズ・ファンを興奮させました。もちろん僕も興奮したファンの一人です。僕が初めて聴いたのは昨年の夏頃で乗り遅れてしまったのですが、でも以来、mp3プレーヤーに入れておいて頻繁に愛聴してきました。本来なら 『 2008年極私的愛聴盤20選 』 に入れたかったのですが、昨年の時点で新譜ではなかったので選定しなかった作品です。

ピアニストのマーティン・ティングヴァルは、北欧ならではのヒンヤリした繊細さを持ちながらも、ポップで耳に馴染みやすいメロディーを創造できる技巧派です。オリジナル曲もバラエティーに富んでいて、現代ジャズ市場で売れるための必須要素である作曲能力も既に十分備わっています。

ところで、彼の奏でるピアノの旋律に、今は亡きエスビョルン・スヴェンソンの幻影を見た人も多いのではないでしょうか。 エスビョルン・スヴェンソン亡きあと、彼の精神を受け継ぐものはティングヴァルしかいない!と、僕も期待をよせています。また、ピアニストとしての資質としても二人には共通点が多いようにも感じます。

さて、今回の最新作ですが、全12曲 ( 最後の1曲は隠しトラック ) で、全てティングヴァルのオリジナル曲です。そして前作よりもポップ色を強調した作風になっているのが特徴で、繊細かつロマンチックな曲から、重厚な8ビートを刻むアグレッシヴな曲まで、色彩感は豊かです。このあたりは、クラシックの英才教育を受ける一方でロックやポップスを聴いて育った若い世代が作るジャズ・メロディーの特徴と云えるでしょう。あまりにも分かりやすい楽曲が多いのでもしかすると飽きやすいかもしれません。前作と本作、どちらが好きかは人によって違うでしょうね。僕は前作の方が好みですが。でも本作も誰に薦めても恥ずかしくない素晴らし作品です。

Tingvall Trio  /  Norr         星1つ星1つ星1つ星1つ
2008   Skip Records  SKP 9077-2  

Martin Tingvall  ( p )
Omar Rodringuez  ( b )
Jorgen Spiegel  ( ds )


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2009/01/28 | Comment (7) | Trackback (2) | HOME | ↑ ページ先頭へ ↑ |

# Myriam Alter 『 Reminiscence

   ↑  2009/01/27 (火)  カテゴリー: 未分類
≪ Belgian Jazz Vol.3 ≫

ベルギー出身の女性作曲家兼ピアニストであるMyriam Alter (ミリアム・アルター)の94年のデビュー作『 Reminiscence 』。B.Sharp原盤のジャケットは車中で眠るミリアムのモノクロ写真でしたが、04年に澤野から復刻された際、上のようにジャケットが変更されています。Gino Lattuca (ジノ・ラトゥカ)(tp)とBen Sluijs (as&ts)をフロントに据えたクインテット編成で、哀愁味溢れるヨーロピアン・ハード・バップを展開しています。ジャズに必要な要素とは、美しい(そして哀愁ある)メロディー、リズム、そして即興の醍醐味を味わえる胸のすくような各人のソロであるわけですが、ここに登場するメンバーは全員ハッキリ言って決して腕の立つミュージシャンではありません。後述しますが、特にミリアム・アルターは生粋のジャズ・ピアニストではないため、お世辞にも巧いとは言えないピアニストです。がしかし、彼女の曲は聴き手の心を惹きつける魅力に満ち溢れています。ジャズが、インタープレイやソロがいま一つでも、メロディーやリズムが魅力的であれば、立派に成立する音楽であることを確認させられる秀作であると思います。これほどメロディーの求心力というものを体感できる作品も珍しい。

ミリアムは、8歳の時にクラシック・ピアノのレッスンを始めるも15歳で断念せざるを得ませんでした。そしてブリュッセル大学では心理学で学位を取得しました。卒業後は広告会社に7年間務めるもその後ダンス・スクールを起業しましたが、それも7年で辞めて音楽の道に進むことを決心。アメリカ人サックス奏者John Ruocco 、アメリカ人ピアニスト Denis Luxionらなどに師事。そんな中、オランダ人ベーシスト兼 Challenge オーナーでもある Hein Van De Geyn (ハイン・ファン・デ・ゲイン)に惚れられ、彼のプロデュースのもと、本作でのデビューに至ったという異色の経歴の持ち主です。

彼女の現在までのリーダー作は以下の5作品。

1. 『 Reminiscence 』 1994年 B.Sharp (本作)
2. 『 Silent Walk 』 1996年 Challenge
3. 『 Alter Ego 』 1999年 Intuition
4. 『 If 』 2002年 Enja
5. 『 Where Is There 』 2007年 Enja

僕が所有しているのは本作以外には、国内盤で出た3) 『 Alter Ego 』だけです。ハイン・ファン・デ・ゲインと共にニューヨークに渡り、ケニー・ワーナーをはじめ、ジョーイ・バロン、ビリー・ドリューズ、ロン・マイルス、マーク・ジョンソンという、強力メンバーと録音されたもので、世界進出を目論む彼女の意欲作でした。当然、デビュー作より数段クオリティーも高くて素晴らしい出来です。アヴァター・スタジオ&ジョー・ファーラで録音も最高です。アルバム全体に漂うエスニックの香り。そのあたりがセファルディー系ユダヤ人である彼女の最大の魅力なのですが、しかしあまりにもエスニック度が高く、好き嫌いの別れる内容かもしれません。そして、この第三作以降、彼女はピアニストとしての自分に見切りをつけ、コンポーザーに徹して作品を制作しています。つい先日発売になったばかりの最新作『 Where Is There 』では、アントニオ・カルロス・ジョビンのグループでの活動で有名なブラジル人チェリスト Jaques Morelenbaum (ジャキス・モレレンバウム)と、ミリアムの師匠でもあるジョン・ロッコがクラリネットで参加している民族音楽色を更に強めた作品です(こちらで試聴できます)。

ミリアムの卓越したメロディー・センスが光るBlue Note 4000番台のリー・モーガン作品を彷彿させるB級哀愁ハード・バップ。本作は時々、中古店で澤野商品としては破格の安値で見かけることがあります。ピアノ・トリオ中心のラインナップを揃える澤野商会の作品の中ではあまり人気がないのでしょうが、意外に出来がイイので見つけたら拾っておいても損はないと思いますよ。


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2009/01/27 | Comment (1) | Trackback (0) | HOME | ↑ ページ先頭へ ↑ |

Nikoletta Szoke / A Song For You

   ↑  2009/01/27 (火)  カテゴリー: vocal
nikoletta szoke

ハンガリー生まれの女性ジャズ・シンガー、Nikoletta Szoke ニコレッタ・セーケ ( b. 1983 ) の澤野工房デビュー盤。澤野工房のボーカル作品としては Marielle Koeman の『 Between You & Me 』に次いで2作目となるのでしょうか。自信はないけど。いずれにしても珍しいことです。兎に角、バックがロバート・ラカトシュのトリオが担当していることが本作の最大のウリですね。近年の澤野作品の中では、トヌー・ナイソーと、このロバート・ラカトシュを知ったことが個人的には大いなる収穫だったので、その流れでこの作品も当然買いました。

全13曲。スタンダードを中心に選曲していますが、レオン・ラッセルの ≪ A Song For You ≫、ビリー・ジョエルの ≪ Just The Way You Are ≫、それからバカラックの ≪ The Look Of Love ≫ なども織り交ぜています。

彼女の容姿とポップスの選曲から、もしかすると“ 色モノ ”っぽい雰囲気かと思いましたが、意外に透明感と清潔感が漂う上品な歌声です。曲によってはちょっぴりハスキー系に声変わりします。個人的には強く心惹かれる歌声ではありませんが、邪魔にはならない声質でしょう。声量もあまりありそうには聴こえません。スキャットにも挑戦していますが、スリル感は皆無です。ただ、彼女はジブシー音楽家の名門一族の出ですが、正式に音楽を学び始めたのが18歳と非常に遅く、現在22歳ということですから、まだジャズを歌い出して4年弱なのです。現在の彼女に完成形を求めるのは酷というものです。

ただ、ノラ・ジョーンズの登場以来、雨後の筍のごとく現れるポップ・ジャズシンガー路線とは違い、しっかりジャズを歌っていこうとする気持ちが何となく伝わってくるところが頼もしく感じられます。これからに期待大ですね。

あくまでロバート・ラカトシュを聴くための作品としてとらえればかなりイイ線いっている作品ではないかと。ぴったり寄り添い、決して主役を邪魔することなく美旋律をもってサポートするラカトシュは、今までにないほど、繊細かつ優雅で、ただただ美しい。

本作以外にも実は 『 Golden Earrings 』  という自主製作盤があり、すでにHMVで入手可能のようです。彼女の My Space でも試聴できます。


Nikoletta Szoke  /  A Song For You    星1つ星1つ星1つ星半分
2009   Atellier Sawano  AS085
Nikoletta Szoke  ( vo )
Robert Lakatos  ( p )
Thomas Stabenow  ( b )
Klaus Weiss  ( ds )
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2009/01/27 | Comment (4) | Trackback (1) | HOME | ↑ ページ先頭へ ↑ |

Charles Tolliver Big Band @ Tokyo TUC

   ↑  2009/01/25 (日)  カテゴリー: live report
charles tolliver big band090124@tokyoTUC !

charles tolliver big band090124@tokyoTUC !!!

Tokyo TUC は都内のライブハウスでは一番好きな箱です。

まず、食事をしながらライブを聴くといった“ ながら聴き ”のお客は皆無で、純粋にジャズを聴きにやってくるファンしかいないのが良いところです。大体、店内奥のカウンターに並んで注文できるものといったら、ビールと簡単なツマミやピザ、せいぜいカレーぐらいで、値の張る食事など用意していません。まあ、店自体が小さく、テーブル席がほんのわずかしかないため、席についてゆっくり食べられないというのが実情のようですが。

それから、店内が終日禁煙であるというのも嬉しいです。B♭ や NARU なんかも好きなライブハウスなのですが、なにしろタバコの臭いがきつくて長時間座っていられないのがつらい。特に NARU などは換気扇の効きが悪いのか、1 stageが終わるころには頭痛がひどくなり、いい演奏でも最後まで聴き通せないので、ホント、何とかしてほしいものです。

さて、そんなお気に入りのTUCでの今年初のライブは35年ぶりの来日となるチャールズ・トリヴァー・ビッグ・バンドです。トリヴァーはとっくに昔に現役引退してしまっているのかと思いきや、2007年に突如、Blue Note からビッグバンド作品 『 With Love 』 をリリースし、今回、なんと73年の来日以来、35年ぶりとなる再来日を果たしました。トリヴァーと云えば、個人的には60年代のジャッキー・マクリーンとの共演盤や70年代前半の STRATA-EAST 時代が印象的ですが、正直なところ、その後の活動は全く知りませんでした。第一線から退いたのか、それとも単に売れなかったから日本まで情報が届かなかったのかは分かりませんが、とにかく、すっかり過去の人になっていました。今回、その空白の30年間について知りたいと思い、トリヴァーの web site を覗いてみたのですが、 Biography にもその時期のことが記載されていないのです。一体、空白の30年に何があったのでしょうか?謎です。

僕が観たのは1月24日(土)の3時30分からの 1st stage 。当然満員となるかと思いきや、意外にも空席が目立つ客入りでした。こんなに素晴らしいライブなのに客が疎らと云うのは本当にもったいなく、悲しい話なのですが、そこがまた超マイノリティーのジャズの面白さでもあります。

まずはジャズ評論家である児山紀芳氏の挨拶から始まりました。「 35年ほど前にNYに出向き、その頃ロフトで活躍していたルーファス・リード、ビリー・ハーパー、チャ-ルズ・トリヴァー、スタンリー・カウエルにインタビューし、スイングジャーナルを通じて初めて新進気鋭の彼らを日本に紹介したのが、この私です。」 というお話でした。児山氏のお話のあとにメンバーがステージに登場。トリヴァーは黒の革ジャケットにベレー帽というファッションで最後にステージにあがり、「 郵便貯金ホールのライブ以来、35年と1か月ぶりの来日になりますね~。」とボソボソと簡単に挨拶して演奏に入りました。   

一曲目は、STRATA-EAST の第一弾『 Music Inc. 』に収められていた6/8拍子のモーダルな楽曲 ≪ On The Nile ≫。その後の演奏曲は下記の通りです。それぞれの曲が長尺なため、実質70分の演奏で4曲だけでした。2曲目の ≪ Right Now ≫ と4曲目の ≪‘Round Midnight ≫ は最新作『 With Love 』に収められていました。3曲目 の ≪ Emperor March ≫ は、数年前にテレビ番組で観た皇帝ペンギンのドキュメンタリー番組に感化されて書いた曲だと、そんなことを言ってました。

メンバー的にはテナーのビリー・ハーパー、ビル・サクストン、アルトのブルース・ウイリアムスあたりがお目当でした。ビル・サクストンは84年の『 Beneath The Surface 』が印象的だった極太テナーマンですが、意外にもクラリネット、フルート、ソプラノとマルチリード奏者ぶりを発揮していたのには驚きました。でもソロがなかったのがちょっと残念ではありました。そのかわりビリー・ハーパーは長いソロパートが用意されていて、往年のシャープなフレーズは健在で、見た目も若々しく、笑顔が素敵なナイスガイでした。

ブルース・ウイリアムスは知らない方も多いと思いますが、個人的にはトランペッターのラッセル・ガンの作品などでよくウネる捻じれたフレーズをブリブリ吹きまくっているので好感を持って聴いていましたが、やっぱり生で観ても巧かった。先日アップしたシャーマン・アービーといい、ジャスティン・ロビンソンといいい、このブルース・ウイリアムスといい、NYCには若手の素晴らしいアルティストが沢山いますね。

そうそう、このブルース・ウイリアムスとトロンボーンのジェイソン・ジャクソンは、昨年、ロイ・ハーグローブ・ビッグ・バンドのメンバーとしても来日してますね。いわば職人ミュージシャンです。

当日、メンバー紹介されるまで気が付かなかったのですが、 4th トランペッターとしてデヴィッド・ウェイスがいました。先日、拙ブログでフレディ・ハバードの晩年の話をしましたが、その晩年のフレディを公私ともに支えたのがこのデヴィッド・ウェイスというトランペッターだったのです。
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2009/01/25 | Comment (2) | Trackback (0) | HOME | ↑ ページ先頭へ ↑ |

Charles Tolliver = Stanley Cowell / MUsic Inc.

   ↑  2009/01/24 (土)  カテゴリー: group
music inc

今日はTokyo TUC でチャールズ・トリヴァー・ビッグ・バンドのライブが行われます。まさか日本でCTBBが観られるとは思っていなかったので夢のようです。しかもスタンリー・カウエルも一緒ですから、70年代に“ Black Jazz ”や“ Strata East ” で青春を過ごした方々にはまさに“ Music Inc. ”の73年の来日を想起させる夢の再来日ということになります。これでセシル・マクビーも来られれば最高だったのですが、ちょっと残念ではあります。

チャールズ・トリヴァーなどを聴きにくるファンは、おそらく僕ら40代以降の中年オヤジばかりでしょうから、TUCの狭い地下の穴蔵は、総勢16人が発散する二グロ臭と、おやじファンの加齢臭が混じりあい、嗅覚的にも大興奮の、それはもう熱いライブが繰り広げられることでしょう。

今でこそ、クラブ・ジャズ方面の方々が “ Spiritual Jazz ”と声高らかに叫んでいるので、その名は世に知れ渡っていますが、Spiritual Blackness の黒い系譜は、もとをただせば“ Strata East ”などの諸作品に端を発していたわけですよね。

昔はLPで“ Black Jazz ”や“ Strata East ”などを買い集めた時期もありましたが、その多くは今では実家の倉庫で静かに眠っている状態です。結構入手困難で、高価だったように記憶してますが。最近はクラブジャズのおかげもあって、“ Strata East ”が数多く再発されてきているので簡単に音源が聴けるようになりましね。5年ほど前に買ったこの『 Music Inc. 』 なども、CDで買いましたが、音も格段に向上していて驚きました。

と云う訳で、これから仕事で静岡行きますが、用事を済ませたら急いでとんぼ返りして、TUC に直行します。MP3 プレーヤーには『 Music Inc. 』とBlue Note から2007年に出た『 With Love 』、それからスタンリー・カウエルの『 Musa 』を入れて、行ってきます。


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2009/01/24 | Comment (0) | Trackback (0) | HOME | ↑ ページ先頭へ ↑ |

Premature baby !?

   ↑  2009/01/21 (水)  カテゴリー: daily

fatal US


Wow. It's amazing !! At 32 week pregnancy, the ultrasonography reveals the male fetus with a trumpet in his hand .



全然どうでもいいことだけど、

ライブ観戦予定 (  2009. Jan ~ Mar )

1)  Charles Tolliver Big Band  (  24 Jan  at Tokyo TUC  )
2)  CHristian Scott  (  30 Jan  at Blue Note Tokyo  )
3)  Chick Corea & John McLaughlin  (  5 Feb  at Blue Note Tokyo  )
4)  Brad Mehldau Trio  (  3 Mar  in Suntory Hall  )
5)  Giovanni Mirabassi Trio  (  23 Mar  at Blue Note Tokyo  )
6)  Giovanni Mirabassi Solo  (  29 Mar  in Triphony Hall  )

一番の楽しみはチャールズ・トリヴァーのビッグバンド。徹頭徹尾アナログ志向の、切れ味鋭くない!?ハードバップ・ビッグバンドを最前列で浴びてきます。ビリー・ハーパー、ビル・サクストン、スタンリー・カウエルなど、昔大好きだったアイドル達が目の前で見れるのです。今からワクワクしちゃいます。当日は静岡で学会なのですが、急いで新幹線で戻ってきて、そのままTUCに突入予定です。

それにしてもチック・コリア&ジョン・マクラフリンの1時間、1ステージのチャージ料金が13.000円というのは高いなぁ。

3月にはダニー・グリセットも Body&Soul  と Pit  Inn に来るのですが、どうしようか迷ってます。それから、4月にはジョシュア・レッドマンも来るんですよね。また日本人だからと手抜きするんじゃないかな~、心配だな~、どうしようかな~。

 


 

Charles Tolliver Big Band Live at POLI Jazz Festival 2004
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2009/01/21 | Comment (2) | Trackback (0) | HOME | ↑ ページ先頭へ ↑ |

Robert Lakatos / Marmosets

   ↑  2009/01/20 (火)  カテゴリー: piano
Robert Lakatos marmosets

ハンガリーはブタペスト生まれのピアニスト、ロバート・ラカトシュ( b. 1975 )の澤野工房からの最新作。

今までに 『 So In Love 』 ( 2005 )、『 Never Let Me Go 』 ( 2007 )、『 You And The Night And The Music 』 ( 2008 ) と、3枚のトリオ作品を澤野工房から出してきましたが、今回は初のソロ作品です。ピアノ・ソロと云うだけで、あまり食指が動かない方もいるかと思いますが、これはホントにロマンチックで心温まる作品です。澤野工房のピアノ・ソロ作品と云えば、ジョヴァンニ・ミラバッシの 『 Avanti ! 』 が有名ですが、本作はそれすら凌駕する傑作ではないかと、ちょっと、思っています。

ピアノ・ソロというフォーマットで聴き手に感動を与えるには、相当の演奏技術がないと難しいと思うのですが、ラカトシュはクラシック・ピアノの確かな演奏力を持って、難なくその難題をクリアしています。左手が奏でる優雅な分散和音を背景に、右手が哀切なメロディーを継ぐんでいく。一音一音の透明度が高く、圧倒的な輝きを帯びて迫ってくる。なんとも魅力的なピアニストです。これから大化けする可能性だってあるかもしれない。

ここ数年、ジャズのマーケットではレア盤&廃盤ブームで、特にピアノ作品には新旧問わず人気があり、名前も聴いたことのないようなピアニストの作品が目ん玉飛び出るような高値で取引されています。でも、実際に大枚を叩いて買ってみたらトホホな作品だった、なんてことも多いはず。そんなことで後悔するくらいなら、ほら、手の届く国内盤にだって素晴らしい作品はあるんですよ。特にジャズ業界初の ISO9001認証取得した澤野工房 (嘘) の作品ならどれも高水準。やはり、何処の馬の骨だか分からないレア盤を買うよりは、澤野工房の審美眼によって選び抜かれた作品を買っていった方が何倍もお得なはずです。

そんな訳で、年末から飽きもせず毎晩聴いています。特に 『 寝しなの一枚 』 として愛聴しています。まさに極上の入眠導入剤です。

先日、やはり澤野工房からハンガリー人歌手、Nikoletta Szoke ( ニコレッタ・セーケ ) のデビュー作がリリースされましたが、そこでもラカトシュがバックを務めています。ラカトシュ買いで購入しましたが、ヴォーカルのセーケも清潔感のあるチャーミングが歌声で、もちろん歌唱力も抜群で、とってもイイ感じです。近日中にそちらもアップします。

Robert Lakatos  /  Marmosets  星1つ星1つ星1つ星1つ
2008  Atelier Sawano  AS078
Robert Lakatos   ( p )

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2009/01/20 | Comment (0) | Trackback (0) | HOME | ↑ ページ先頭へ ↑ |

Joshua Redman / Compass

   ↑  2009/01/19 (月)  カテゴリー: tenor

joshia redman compass

ソニー・ロリンズの 『 Way Out West 』 にインスピレートされて制作した2007年の『 Back East 』以来、2年ぶりとなる通算11作目のジョシュア・レッドマンの最新作。

前作はピアノレスのサックス・トリオ作品でしたが、今回はそのスタイルを発展拡大させた作品のようです。メンバーはドラマーにグレゴリー・ハッチンソンとブライアン・ブレイド、ベースにラリー・グレナディアとリューベン・ロジャーズと、現在の最も魅力的なコンテンポラリー系の凄腕を招聘しました。これだけ見ると、コンベンショナルなサックス・トリオを2セット組んだ作品かと思いますが、実は、[ ベース×2、ドラム×1 ] で2曲、[ ベース×2、ドラム×2 ] で5曲を演奏しています。そこが本作のユニークな点です。

僕はこの “ Double – trio ”と呼ばれる編成をみて、かなりカオス的音世界が繰り広げられるのではと内心ワクワクしていたのですが、実際には然に非ず。それどころか静的な楽曲が大半を占めていて、全体の印象はかなり地味です。前作の 『 Way Out West 』 の方が遥かに元気が良かった。それから、ぼーとして聴いているとベーシストが2人、ドラマーが2人いるとは気がつかないかもしれません。それくらいリズム・セクションがおとなしいのです。

ところで、ジョシュアの Official Web Site によると、今回の作品のアルバム・コンセプトを思いついたのは2007年の 『 Back East 』 発売に合わせて行われたサポート・ツアーの時だったそうです。はじめは固定の3人のメンバーによるグループ・サウンドを目指していたのですが、長いツアーをしているうちに幾度となく異なるリズム・セクションと演奏する機会があったそうです。そんな時にふと 「 このリズム・セクションをミックスしたら面白い効果が得られるんじゃないか!」 と思いついたそうです。

そんな思いつきから始まった“ Double – trio ”ですが、ジョシュア自身も最初は5人で演奏したらグチャグチャになって収拾がつかなくなるんじゃないかと不安だったようです。各メンバーも同じ思いであったに違いありません。 だから、思いっきり叩きまくる、弾きまくることによる無秩序な混沌さを回避するために、お互いが相手の出かたをうかがう様な冷静な表現方法をとったのではないでしょうか。そこからはスリリングなインタープレイが生まれるはずはありません。

おそらく、これから発売されるジャズ雑誌などでは、本作も高い評価を受けるのでしょうが、個人的にはあまり良い作品だとは思えませんでした。コマーシャリズムに流されずに、リスナーに媚を売らず、サックス・トリオにおける即興演奏の可能性を極点まで推し進めようとするジョシュアの強い意志には敬服しますが、あまりパーソナルな趣向に偏りすぎるのもいかがなものかと思います。

リューベン・ロジャーズ=グレゴリー・ハッチンソンがバックを務めた 『 Passage of Time 』 やサム・ヤエル=ブライアン・ブレイドとのエラスティック・バンド名儀の  『 Momentum 』 など、僕は今でも聴き惚れているほどなのですが、考えてみれば前作  『 Back East 』 などは発売当時に何度か聴いただけで、そのあとは全く聴いていませんでした。この最新作もおそらくCD棚にずーと眠りっぱなしになりそうです。

Joshua Redman  /  Compass     星1つ星1つ星1つ
2008  Nonesuch   510844-2
Joshua Redman  ( ts )
Larry Grenadier  ( b )
Reuben Rogers  ( b )
Brian Blade  ( ds )
Gregory Hutchinson  ( ds )

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Terje Gewelt / Oslo

   ↑  2009/01/17 (土)  カテゴリー: bass
terje gewelt oslo

ノルウェーのジャズレーベルResonant Music の主催者でもあるベーシストTerje Gewelt ( テリエ・ゲヴェルト ) は、Christian Jcob (クリスチャン・ジェイコブ)とのデュオ三部作や、Dag Arnesen ( ダグ・アーネセン ) との共演盤を通じて、日本でもコアなファンの間で非常に人気があります。そんな彼の最新作が発売になりました。今回は何と Enrico Pieranunzi ( エンリコ・ピエラヌンツィ ) を迎えてのトリオ作品と云うのですから驚きです。二人の接点って今までなかったのではと思ったら、92年にオスロで共演していたようですね。その時エンリコの演奏に惚れこんだテリエは、以来、ずっと共演盤の制作を熱望していたようですが、今回その夢がついにかなったという訳です。ドラムはラーシュ・ヤンソンやボボ・ステイン、それから西山瞳さんともやっているスウェーデン人 Anders Kjellberg ( アンダーシュ・シュルベリ ) です。

正直なところ、一聴しただけでは心に響かなかったのですが、数回聴いているうちにその静かな抒情性に徐々に魅かれていきました。一発で打ちのめされなかった理由は、エンリコの抑制的な演奏スタイルのためです。もし、ブラインド・ホールド・テストをしたら、ピアノを言い当てられる人って少ないんじゃないでしょうか。それくらい本作でのエンリコは優しく静かな表情を湛えています。ちょうど2006年に Cam Jazz に吹き込んだ 『 Ballads 』 に近似した印象を受けます。テリエの音楽的意匠を理解した上でのこのような演奏スタイルの調整をすかさず行うあたりは、やはりエンリコの天才的演奏能力の成せる技でしょう。

全12曲で、M-9 からM-11 は3人共作の組曲編成になっています。そのほかはテリエのオリジナルが6曲、エンリコのオリジナルが3曲。耳に馴染みやすいキャッチーなメロディーを持つ楽曲や、派手なリフで引っ張っていくようなアレンジものが少ない分、何回聴いても聴き飽きない適度の分かりにくさがあります。本来の持ち味であるノーブル性を抑えた優しい表情のエンリコと、厳寒の地ノルウェーで培われた温かいメロディー感覚を持つテリエの音楽性が巧く混ざり合い、ジェイコブとの ≪ 奇跡の三部作 ≫ に迫る高い完成度を持った作品に仕上がっています。

また、エンリコに対する “ 洗練された欧州リリシズムの極致 ”という一般的なイメージとはまた違った彼の内面が表出した作品としても面白いのではないでしょうか。僕は結構、適度に力が抜けた優しいエンリコが好きです。    

ただ一言だけ苦言を呈するなら、楽曲の流れからすると、フリー・フォームに近い組曲は収録する必要がなかったように思うのですが、いかがでしょうか。



Terje Gewelt  /  Oslo      星1つ星1つ星1つ星1つ
2009  Resonant Music  RM21-2
Terje Gewelt   ( b )
Enrico Pieranunzi   ( p )
Anders Kjellberg   ( ds )




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2009/01/17 | Comment (18) | Trackback (5) | HOME | ↑ ページ先頭へ ↑ |

Laura Zakian / About Love

   ↑  2009/01/15 (木)  カテゴリー: vocal

Laura Zakian

≪ 今夜はこんなの聴いています ≫

英国人女性ジャズ・ヴォーカルと云えば、15年ほど前に Claire Martin ( クレア・マーティン ) の 『 The Waiting Game 』 を聴いて以来の彼女のファンなのですが、最近では Tina May  ( ティナ・メイ ) などにも愛着が湧き、彼女の作品を収集しています。

で、ティナ・メイと云えば33 Records で、このレーベルは、英国きっての良質なジャズ・ヴォーカル作品をカタログに多数所有しているのですが、昨年、33 Records のweb site を覗いていたら昔(といっても5年ほど前)によく聴いていた Laura Zakian  (  ローラ・ザキアン )  の新譜がこのレーベルから出ていたので欲しいなぁ~と思っていたら、直輸入盤として日本でも簡単に手に入るようになったので喜んで買ってきました。

彼女は英国生まれではありますが、マンハッタン音楽院でナンシー・マラノに師事し、その後はイタリアを中心に活動していたようです。今はおそらく母国に戻っていると思われます。

本作は、2000年の 『 Nobody Else But Me 』、2003年の 『 Just One of Those Things 』 に続く第三弾で、初の33 Records からのリリースとなります。

歌唱技巧的に優れているとかではないのですが、清潔感があり涼しげな語り口で、聴き心地がとってもよいのです。興味のある方は下の imeem で聴いてみてください。では、おやすみなさい。




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2009/01/15 | Comment (2) | Trackback (0) | HOME | ↑ ページ先頭へ ↑ |

Sherman Irby / Work Song - Dear Cannonball -

   ↑  2009/01/14 (水)  カテゴリー: alto

Sherman Irby 

リンカーン・センター・ジャズ・オーケストラや近年のロイ・ハーグローヴやライアン・カイザーのバンド・メンバーとして日本でも徐々にその名を浸透させてきたアルト奏者Sherman Irby ( 1968年 アラバマ州生まれ ) の Birds Records 第一弾。通算では6枚目のリーダー作となる最新作です。

タイトルが何と驚くことに 『 Work Song – Dear Cannonball – 』 !!!   巨漢のアルティスト、だから ≪ キャノンボール・アダレイの再来 ≫ というキャッチコピーを付けて、でもってついでにキャノンボール作品集を作っちゃえという、あまりにも陳腐で乱暴な企画。なんで日本人が企画するとこうなっちゃうのでしょうね。

だって、今までのシャーマンのキャリアや彼の作品群を聴いてきて、全くと言っていいほど、キャノンボールのようなファンキー・グルーヴァーとしての側面をシャーマンに見出すことはできないのですから。

シャーマンは96年に『 Full Circle 』、98年に『 Big Mama’s Biscuits 』という2枚の作品を Blue Note に残し、2000年に自己レーベル Black Warrior Records を設立し、『 Black Warrior 』、『 Faith 』、『 Organ Starter 』という3作品を制作してきました。

前2作品は未聴ですが、Black Warrior の3作品を聴く限り、ファンキー・ジャズからは程遠く、非常にクールでストイックなコンテンポラリー系のジャズなのです。コンテンポラリーと云っても、ケニー・ギャレットなどのコンテンポラリー・ニューヨーク・アルト系よりはむしろ、スモールズ系というか、FSNT系というか、殆どアングラ界の住人のようなジャズを奏でていたわけです。

それがどういう訳か ≪キャノンボールの再来 ≫ と祭り上げられ、ナット・アダレイの代表曲ではあるけれど果てしなく野暮ったい ≪ Work Song ≫ なんかを演奏させられ、更ににはジャケットが網タイツですから、今頃、本国でシャーマンも赤面していることでしょう。

で、キャノンボール・トリビュート盤にはどんな曲が収録されているかというと、直接キャノンボールに関係している曲は≪ Work Song ≫、≪ Jive Samba ≫、そして≪ Bohemia After Dark ≫ の3曲だけという中途半端さ。≪ Walk Tall ≫ もなければ ≪ Sack O’ Woe ≫ もない。ましてや≪ Mercy Mercy Mercy≫ など入っていない。他の6曲はほとんど関係ない他人の曲。シャーマンのオリジナルなども一曲もない。なんだこれ。思わず倒れそうになったわい。

せめてキャノンボールに捧げるなら、トランペットとの2管で作ってもらいたかったし。

ベースがバスター・ウイリアムスで、ドラムがヴィクター・ルイス。もうこの人選ですでに終わっているね。

シャーマンのソロも自己レーベルでの演奏に比べたら激しさが全然見られす凡演。彼はロイ・ハーグローヴやライアン・カイザーと競演しているときは素晴らしい演奏をしているだけに、今回の Birds Records 盤は、かなり幻滅しました。これ、2800円もするんだよねぇ~。


Sherman Irby  /  Work Song - Dear Cannonball -   星1つ星1つ星1つ
2008  Birds Records  XQDJ-1010
Scerman Irby  ( as )
Larry Willis  ( p )
Buster Williams  ( b )
Victor Lewis  ( ds )

(注)上のimeem 内の4曲は 『 Work Song  』 収録の曲ではなく、彼の自己レーベル ,Black Warrior Records からリリースされた3枚の中からの選曲です。


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2009/01/14 | Comment (8) | Trackback (0) | HOME | ↑ ページ先頭へ ↑ |

Manhattan Jazz Quintet / V.S.O.P.

   ↑  2009/01/12 (月)  カテゴリー: group

MJQ VSOP

昨年暮れに、お正月休暇用に20枚ほど新作CDを買い込んだのですが、懐かしさのあまりついカゴに入れてしまったManhattan Jazz Quintet ( 以下 MJQ )が予想外に良作でしたので、今日はそのお話をちょっとしてみましよう。

70年代に一世風靡したフュージョン・ブームも77年のV.S.O.P. クインテットの結成を契機に下火となっていきます。79年の“ Live Under The Sky ” いわゆる 『 雨の田園コロシアム 』 がメインストリーム復権の象徴的イヴェントであったわけですが、80年代に入り、ウイントン・マルサリスが 「ジャズの伝承」 をスローガンに、ジャズの表舞台に颯爽と登場してくると、アコースティック・ジャズ志向の流れは加速化していきます。そんな新伝承派の活躍で沸きかえるジャズ・シーンを背景に結成されたのが鬼才アレンジャー、デヴィッド・マシューズをリーダーとするMJQ だったのです。

スイング・ジャーナル誌と当時キング・レコードにいた川島重行氏の発案で結成されたMJQは、84年の 『 Manhattan Jazz Quintet 』 ( King Record ) でデビューします。マルサリスがジャズの伝統と遺産を発展継承することで、ジャズを芸術の域まで昇華させようと試みたのに対して MJQ には、あくまで大衆音楽としてのジャズを分かりやすい語法でより幅広い層へ拡大浸透させようという目論みがありました。

マルサリスの芸術家志向 ( 後には教育者志向、更には文化人志向へと発展 ) に対するアンチテーゼとも受け取れるこの企画は、当時、評論家の間でも賛否両論がありましたが、蓋を開けてみるとなんと15万枚!も売れに売れ、同アルバムはその年のジャズ・ディスク大賞金賞を受賞したのでした。

ご多分に漏れずこの僕も初期の MJQはよく聴きました。デビュー作は、僕が籍を置いていた軽音楽部の部員もほとんど持っていたと記憶しています。今ではそれほど珍しくありませんが、当時あのスティーブ・ガッドが4ビートを叩いているということで大いに興奮したものです。

第三作目の『 My Funny Valentine 』( 1986 King ) でベースがチャーネット・モフェットからはエディ・ゴメスに交代したのですが、その直後( 直前?)のピットインでの記録 『 Live at Pit Inn 』( 1986 King ) は、個人的には特に愛着のある作品です。当時の風潮として、あまり大きな声で「 MJQ好き!」とは言えませんでしたが、単純に爽快感のある心地よいサウンドに心底痺れたものです。

その後もしばらくはリアル・タイムで聴いていたのですが、徐々に新鮮味が薄れてきたこともあり80年代末には自然と聴かなくなってしまいました。

さて、MJQのデビューから早いもので24年。この最新作が通算27作品目となります。ひとつの企画が四半世紀も続いていること自体、驚異的なことです。この期間に川島重行氏の移動に合わせて、発売元もKing Records ~ Sweet Basil ~ VIDEOARTS ~ Birds Records と変わっていきました。

最新作はBirds Records 移籍第一弾で、『 V.S.O.P. 』というタイトルが示すとおり、新たなスタートを記念して第二期メンバーであったエディ・ゴメスとスティーブ・ガッドを迎えて制作されました。僕が一番思い入れの強かった時期のメンバーです。まあ、それが約15年ぶりにMJQを聴こうと思った動機でもあります。

Birds Records は 2007年7月に株式会社 Office M2 が、プロデューサーに川島重行氏を招き、「 流行に流されない上質なジャズの素晴らしさを知る大人の為のレーベル 」をテーマに設立した新興レーベルです。川島氏は King Records 時代に Blue Note や CTI の編成を手掛け、1984年に自身によるMJQの企画が大当たりし、更には1988年にギル・エバンス& マンディ・ナイト・オーケストラのライブ作品『 Bud & Bird 』でグラミー賞を受賞し、一躍有名になった音楽プロデューサー界の重鎮です。氏は木全信氏や原哲夫氏らと同様、名プロデューサーであり、かつエロジャケ好きでもあります。流石にアマンダ・ブレッカーのジャケットだけは彼女の脚を使う訳にはいかなかったものの、今までリリースされた作品は全て脚ジャケ!という徹底ぶり。そう云えば、ライアン・カイザーの 『 The Sidewinder 』 ( 2003 ) や 『 Donna Lee 』 ( 2004 ) などの脚ジャケ作品も川島氏がVIDEOATRS在籍時代に制作した作品でしたね。その頃から脚がお好きだったようです。

閑話休題。本作はスイングジャーナル誌上でMJQに演奏してほしい曲を募り、リクエスト結果上位25曲の中から選曲された企画作品です。第一位は ≪ 枯葉 ≫、第二位は ≪ My Funny Valentine ≫ で、そのまま採用されています。

( まあ、こういう企画に投票しちゃうジャズファンというものが世の中に大勢いること自体、僕にはちょっと信じられないのですが、まあ、そこは百歩譲って良しとしましょう。 でも、その一票に≪ 枯葉 ≫ と書いてしまうファンが多いことには正直、がっかりします。)

そのほかにはマイルスのマラソン・セッションからのメドレーもやってます。個人的には ≪ Some Skunk Funk ≫ が気にいっています。縦にノリながらスイングするという奇妙さを持ちつつ、下手がやると救いようのないダサい演奏になるところを、彼らならではの演奏力で立派にジャズとして成立させるあたりは、やはり流石ではあります。

基本的に80年代に聴いた彼らの演奏と変わってはいませんが、録音テクノロジーの進歩により、発せられる音は音抜けもよく鮮度が高く、素晴らしい録音です。オンマイク、高レベルである点は最近の流行りですが、Venus のような低音を不自然にブーストしたような加工は目立たず、比較的重心の軽い癖のない録音です。エディ・ゴメスのベースも変にアンプリファイされた感じはなく自然な感じで中央に定位し、ガッドのドラムも生々しくて、目を閉じるとブラシュが僕の頭面を擦っているかのような極至近感覚が味わえます。確かに何らノイエスのある作品ではありませんが、音楽としての気持ちよさは体感できるなかなかの秀作ではないかと思います。



Manhattan Jazz Quintet / V.S.O.P.   星1つ 星1つ 星1つ 星1つ
2008 Birds Records XQDJ-1009

David Matthews ( p, arr )
Lew Soloff ( tp )
Andy Snitzer ( ts )
Eddie Gomez ( b )
Steve Godd ( ds )

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# Manhattan Jazz Quintet

   ↑  2009/01/12 (月)  カテゴリー: group
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Disney Sea 怖~い写真

   ↑  2009/01/10 (土)  カテゴリー: daily
Disney Sea shinnrei 

今週月曜日に家族で東京ディズニーシー に行った際、マーメイド・ラグーンにあるトリトンズ・キングダムで何気なく撮った写真ですが、家に帰ってよく見たら写真中央に怖いものが映っているんですよ。わかります?

拡大してみましょう。Disney Sea shinnrei2 クリックしてね。
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Giovanni Mirabassi / Out Of Track

   ↑  2009/01/10 (土)  カテゴリー: piano
Giovanni Mirabassi out of track 

2008年はミラバッシ・ファンにとっては忙しい年でした。

1月にニュー・トリオによる第一弾 『 Terra Furiosa 』 を発売するや否や、3月に同メンバーで来日。そして12月にはVIDEOARTS に鞍替えして 『 Out Of Track 』 をリリースと、日本のマーケットを標的としたツアー&新作ラッシュ攻撃でしたからね。

僕はもちろんミラバッシ大好き派なのですが、流石に Atelier Sawano からこれだけ量産されると最近はやや食傷ぎみで、しかもアコーディオンやサックスとの共演作品など、あまり食指が伸びない編成もあったりして、このところミラバッシにはとんとご無沙汰でした。

じゃあ普段はミラバッシの何を聴いているかと云えば、デビュー作の 『 Architectures 』、ソロの 『 Avanti ! 』、そしてアトリエ澤野のライブ会場のみで販売されている 『 Live@Mokkiri-Ya 』 の3枚を好んで聴いているのですが、特に 『 Live@Mokkiri-Ya 』 は滅茶苦茶好きです。一曲目 が ≪ El Pueblo Unido Jamas Sera Vencido ≫  で、二曲目が  ≪ Le Cant Des Partisans ≫  ですからね。この流れは名盤 『 Avanti ! 』 と同じで、ソロがトリオになっただけの違い。この出だしの2曲だけで涙腺が緩みっぱなしです。2004年11月25日、この選曲でライブが観られた観客はホント羨ましい。  こんな素晴らしライブ音源が、店頭で売られていないなんてもったいない話です。ぜひ、店頭でも買えるようにしてくださいね、澤野さん。

一方、『 Avanti ! 』 は革命歌や反戦歌をジャズの文脈に溶かしこんだ実に味わい深い作品で、ミラバッシの代表作であるということは衆目の一致するところでしょう。過去10年間に世に出た数多のピアノ・ソロ作品の中では出色の出来だと思います。住宅事情が許す限りの大音量で通して聴いたときの充実感は筆舌に尽くし難い。あまりソロ・ピアノは好きではありませんが、これだけは別です。

と云う訳で、ミラバッシはこの3枚だけで完結しちゃってもいいかなって思ったりするのですが、最新作は古巣 Atelier Sawano からVIDEOARTS に移ったこともあり、また、ミラバッシとしてはほとんど初の試みであろうジャズ・スタンダードに焦点を当てたカヴァー集ということなので、久しぶりに買ってみました。

メンバーは前作 『 Terra Furiosa 』 同様、ベースが Gianluca Renzi ( ジャンルカ・レンジ )、ドラムスが Leon Parker ( レオン・パーカー )。レオン・パーカーとは意外な感じがしますね。昔はジャッキ・テラソンのサポートなどで名を馳せていましたが、最近は全くその消息が不明でしたから。知らない間に欧州に渡っていたのですね。シンプルかつ変則的なセットで丁寧に叩き、シンバル・レガートだけで観客を魅了するような職人タイプの叩き屋、というイメージを僕は持っていました。あまり音数が多くないので、個人的にはあまりタイプではありませんですが、玄人受けする名手です。

全12曲で、≪ Dear Old Stockholm ≫、≪ Alone Together ≫、≪ Just One of Those Things ≫ などのジャズ・スタンダードや、コルトレーンの ≪ Impressions ≫、エンリコ・モリコーネが作曲した 『 死刑台のエレベータ 』 のテーマ曲 ≪ Here’s to You≫ などと、ミラバッシのオリジナル曲4曲を演奏しています。

M-5 ≪ Le Cant Des Partisans ≫( パルチザンの歌 )は彼の十八番で人気の曲です。ピアノ・ソロで『 Avanti ! 』に収められたのが初演でしたが、トリオでは前述したライブ会場限定発売の『 Live@Mokkiri-Ya 』でしか聴くことのできなかった名曲です。また、敬愛するエンリコ・ピエラヌンツィへのオマージュ ≪ Pieranunzi ≫ という曲も披露しています。

美しい抒情性とイマジネーション豊かな即興感覚を持ち合わせたミラバッシの天才的な演奏能力にはただただ驚愕するばかりですが、今回はやや演奏のトーンが低めです。今までは圧倒的なテクニックを顕示、誇示するような演奏が無きにしも非ずだったのですが、本作では抑制的とも云える演奏が目立ちます。ドラムスがルイ・ムタンからレオン・パーカーに代わったことも関係あるのかもしれませんし、題材がスタンダードである点も影響しているのかもしれませんが、なかなかこれはそれでイイ感じです。音楽的な気持ち良さの質量は変わりませんが、何となくベクトルの向きは変わったような、そんな感じです。一音一音の粒立ちも今まで以上に美しくなったような。

と云う訳で、久しぶりのミラバッシ体験でしたが、やっぱりこの人は他の欧州抒情派ピアニストとは完全に一線を画した特異な存在なんだなぁ~と、あらためて実感しました。

giovanni mirabassi blue note 
3月に来日します。僕は3月23日のBlue Note と3月29日のすみだトリフォニーでのソロ・ライブを両方観に行く予定です。

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Michel Petrucciani の死因について考える

   ↑  2009/01/07 (水)  カテゴリー: piano
michel petrucciani both worlds

ミッシェル・ペトルチアーニはなぜ肺炎で死ななければならなかったのか!

これが今日のテーマです。

まずは本題に入る前に、ペトルチアーニの先天性の骨の病気である骨形成不全症Osteogenesis Imperfecta: OI )について簡単に説明しておきます。

この病気は、1型コラーゲンの質的異常および量的異常から骨にまつわる様々な症状が生じる難病で、 一般的には常染色体優性遺伝 ( 時に劣性遺伝の場合もある )と言われています が、遺伝的素因を持たない遺伝子の突然変異から生じることもあります。

臨床症状としては、

  1) 青色強膜
  2) 脊椎湾曲症
  3) 樽状胸郭
  4) 三角顔面
  5) 難聴
  6) 低身長
  7) 多発骨折
  8) 脆弱な歯牙
  9) 四肢の関節の不安定と筋肉の成長不良
10) 呼吸器障害
11) コラーゲン形成障害

などがあげられます。

そして、これらの症状の出現数や重症度によってタイプ1からタイプ4まで分類されています。(  詳しく知りた方はこちらのサイトを参照してください。ただし英文です。)

青色強膜とは、白眼の部分が青や紫に変色していることです。あらためてペトルチアーニのジャケット写真を見てみると、ほとんどの写真がモノトーンや横顔、あるいは遠景からの姿であるため、青色強膜があるかどうかははっきりしません。もしかすると青色強膜を隠すためのジャケットデザインなのかもしれません。 (  僕は2回、ライブでペトルチアーニを観てますが、遠目ではわかりませんでした )

また、ペトルチアーニに脊椎側湾症が認められたかどうかも外見でははっきりしませんが、ビール樽のような体幹を示す樽状胸郭という OI の特徴は、彼の写真からはっきりと見て取ることができます。当然、低身長や三角顔貌などの特徴もみられます。

以上にようにOIの特徴をいくつか認めることができるのですが、ここで興味深い事は、典型的なOIの特徴である難聴や四肢の筋力低下などはペトルチアーニには出現しなかったという事です。ここがOIでありながらピアニスト、ミッシェル・ペトルチアーニとして大成できた最大のポイントなのです。

神様はペトルチアーニにOIという難病を背負わせましたが、ピアニストとしての生きていけるようにと、聴力と腕の筋力は残しておいてくれたのです。まさにピアノを弾くためだけにこの世に生まれた神童と言われる所以なのです。

しかし、そんなある意味幸運な彼でも、重篤な合併症の一つである呼吸器疾患は免れ得なかったのです。


ところで前述したように OI は、軽症から重症に至るまで、タイプ1→タイプ4→タイプ3→タイプ2 と、4タイプに分類されています。

タイプ2が出生時か幼少期に死亡する重症型で、タイプ1や4は生命予後が良好なタイプです。ペトルチアーニは主治医から<20歳まで生きれるかどうか>と言われていたという事実から考えると、おそらくタイプ3であったと考えられます。このタイプは運が悪いと成人前に死亡し、運が良いと中年まで生きれるというバリエーションがあります。そしてその最大の死因は胸椎変形や胸郭変形の進行による呼吸不全なのです。

晩年の作品「Both Worlds」のジャケットを見ると、いわゆる「ビール樽胸郭」という異常(胸郭の前後径が横径より大きい)な胸の形が分かると思います。しかも、若いときより20kg近く体重が増加し、かなり呼吸機能が低下していたと考えられます。「ビール樽胸郭」は喫煙者に多く見られる肺気腫(COPD)でも認められる特徴で、呼吸時に胸郭の動きが制限されて十分な換気がなされず、気道感染も起こしやすいといわれています。

このようにいつ呼吸不全に陥ってもおかしくない状態であったにもかかわらず、ペトルチアーニは1999年当時、既に生活の拠点をニューヨークに移しており、その凍りつくようなニューヨークの冬を過ごしていたのです。当然のように風邪をひいたのではないでしょうか。一般人ならなんでもない風邪もOI であるペトルチアーニいとっては死に直結する重大な病なのです。OI の患者さんは咳きをしても肋骨が折れてしまうほど骨が脆いのです。もしかするとペトルチアーニも咳をしているうちに ( 多発 ) 肋骨骨折を起こし、呼吸自体も弱くなってしまったのではないでしょうか。

そして、マンハッタンのBeth Israel Hospitalに入院して抗生剤などの薬物治療を受けたに違いありません。しかし、肋骨骨折のため痰も出せず、深呼吸もできず、徐々に細菌が肺にたまり(肺炎)、痰が肺の奥にたまり(無気肺)、呼吸不全に陥っていったと想像されます。そこで主治医達は呼吸不全の治療ために、肺の中にチューブを挿入(挿管)し、人工呼吸器管理を行おうとしたかもしれません。しかし、挿管自体が「ビール樽胸郭」の患者には非常に困難な処置なのです。もしうまく挿管できたとしても肺気腫様の「ビール樽胸郭」の患者の呼吸器管理は困難を極めます。そしてついに万策尽きて、1999年1月6日、極寒のニューヨークで帰らぬ人となったのです。

生まれ故郷の南仏の町でピアノを弾いていたらもっと長生きできたかもしれません。しかし、未知の世界へ向う彼の好奇心はフランスに留まることを許さなかったのです。Owl レーベルを捨て、Blue Note での仕事を選んだのです。

「毎瞬々々の、今に生きていたいんだ。誰にも次の瞬間のこと、明日のことなど分からない。今に生命を燃やし、今を喜びで満たすことしか、人生にはないのではないか。」
                        ミッシェル・ペトルチアーニ


以上は、2005年8月17日と18日に 『 ペトルチアーニは何故肺炎で死ななければならなかったのか 』 というタイトルでアップしたテキストに加筆訂正したものです。

ペトルチアーニが亡くなったのは、ちょうど10年前の1月6日でした。
月日が経つのは実に早いものです。

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Freddie Hubbard / Live at the Northsea Jazz Festival, 1980

   ↑  2009/01/06 (火)  カテゴリー: trumpet
Freddie hubbard northsea 

フレディ・ハバードは70年にCTIと契約し、同レーベル第一弾として701月録音されたのが名盤『 Red Clay 』。その後、『 Straight Life ( 7011月録音 ) 、『 First Light ( 719月録音 ) 、『 Polar AC ( 714月録音 ) 、『 Sky Dive ( 7210月録音 ) 、『 In Concert Vol.1 & Vol.2 ( 733月録音 ) 、『 Keep Your Soul Together ( 7310月録音 ) の計8枚のリーダー作と『 The Baddest Hubbard 』という1枚のコンピレーションを制作し、いずれもヒットし商業的成功を収めましたが、74年に同レーベルを去っています。

そして
74年からはCBS ( Columbia ) と契約し80年までの間に10枚近くのリーダー作を吹きみますが、80年には今度は Pablo に移籍ししたのです。Pablo にはわずか2年という短期間ではありますが、それまでのフュージョンやソウル系のコマーシャルな音楽を離れ、アコースティックで4 ビート志向の作品を制作し、メインストリーマーとしての本来のフレディらしい姿を見せてくれました。77年に結成されたV.S.O.P. への加入もメインストリーム復帰の大きな契機になったのかもしれません。

さて、その
Pablo 期には80年のノースシー・ジャズ・フェスティバルでのライブ盤 『 Live at Northsea Jazz Festival, 1980 ( 80年録音 ) 、ハロルド・ランドを加えたクインテットでの『 Born To Be Blue ( 81年録音 ) 、そしてオスカー・ピーターソンのカルテットと競演した『 Face To Face ( 82年録音 ) 3枚を制作しましたが、いずれもあまり人気がある作品ではないものの、なかなか充実した演奏を聴くことのできる好盤ぞろいです。

特に僕が大好きなのが最初の『
Live at Northsea Jazz Festival, 1980 』です。フロントはジャズ・メッセンジャーズで活躍したテナー奏者の David Schnitter (デヴィッド・シュニッターとの2管で、ピアノは Billy Childs ( ビリー・チャイルズ )、ベースが Larry Klein ラリー・クレインです。録音当時2223歳だった若き日のビリー・チャイルズの演奏 (この頃から滅茶苦茶巧い!) も貴重ですし、今ではマデリン・ペルーやティル・ブレナーらをヒットさせた凄腕プロデューサーとしての肩書きの方が有名になってしまったラリー・クレインのベースもさらに貴重かもしれません。ラリー・クレインはジョニ・ミッチェルの元夫君で、ボサノヴァ/ジャズ・シンガー、Luciana Souza (ルシアナ・ソーザ)の現在の夫君ですね。

と云う訳で、意外に聴かれることのない
80年代以降のフレディの作品群の隠れた名盤ではないかと思い、取り上げてみました。


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Freddie Hubbard / On The Real Side

   ↑  2009/01/04 (日)  カテゴリー: trumpet
freddie hubbard on the real side

惜しくも昨年12月29日に逝去されたフレディ・ハバードの遺作 『 On The Real Side 』 です。今年の6月頃に発売になっていたようですが、僕は訃報を知った昨日、急遽買ってきました。名義は “ Freddie Hubbard & The New Jazz Composers Octet ” となっており、実質上のリーダーはフレディではなく、オクテットのリーダーであり曲のほとんどをアレンジしているDavid Weiss ( デヴィッド・ヴァイス )というトランペッターのようです。後述しますが、このデヴィッド・ヴァイスという人が晩年のフレディを励まし、現役復帰を支えた人物です。オクテットのメンバーもデヴィッド・ヴァイスのバンド・メンバーおよびその周辺ミュージシャンで構成されています。

まずは、Bill Milkowski ( 注1 ) のライナーノーツにフレディの病気について書かれていますので、少しだけ触れておきます。
(  病気に関する部分だけ簡単に抄訳しておきます。)

連日のギグとスタジオ・ワークという超人的なスケジュールを何十年にもわたり続けていたため、ついに彼は口唇を痛めてしまうのです。それは1992年のことでした。上唇の中央部が破裂し、やがて感染を起こしてしまったのです。病院で生検( 病変部の一部を切除し病理組織学的検索を行うこと )を行い、悪性ではないことは判明しますが、フレディは上唇の一部を失ったため、ひりひりと痛みが強く、もはや以前のような瞬発力がある鋭いフレーズを自由に吹くことができなくなってしまったのです。
その後、失望したフレディは全てを諦め、現役を引退し印税生活をしていこうと考えていました。しかしそこにアレンジャーもこなす若きトランペッター、デヴィッド・ヴァイスが現れ、フレディを激励し現役続行を促しました。デヴィッドは“ The New Jazz Composers Octet ”という企画でもう一度演奏しないかとフレディに持ち掛けました。そしてついに2001年に『 New Colors 』 という作品でその夢は現実化しました。( 今回の『 On The Real Side 』 はその続編にあたります。)

現在、口唇の痛みもさることながら、他にもいくつか身体上の問題をフレディは抱えています。彼は最近、頚椎症( 脊髄症 or 神経根症 )の手術を受けています。また、肺の腫瘍( 癌ではないらしい )の摘出手術も受けており、さらに数年前から鬱血性心不全で治療を受けています。

今までの情報だと、唇の怪我で吹けなくなったようだとの事でしたが、頚椎症(手のしびれ) や肺の腫瘍摘出術( 術後肺活量の低下 )などによるダメージもトランペット吹きには大きな障害になったのでしょうかね。大体、唇って非常に原始的な臓器で、再生力が強く、少しぐらいの切除で後遺症が残ることなどないんですよ。唇だけの問題ではなかったのでは、というのが僕の勝手な推測です。

さて、本作の話に戻りましよう。メンバーは下記の通りジミー・グリーン、マイロン・ウォルデン、クレイグ・ハンディをはじめ、実力派ぞろいの凄いメンバーを擁しています。このメンバーですから、アンサンブルもかなりへヴィーで重心が低いです。

収録曲は全部で7曲。内6曲がフレディの比較的新しいオリジナル曲で、タイトル曲である ≪ On The Real Side ≫ だけが書き下ろしの新曲です。昨日お話した78年録音のCBS盤『 Super blue 』に収められていたカッコいい4ビートの曲 ≪ Theme for Kareem ≫ と ≪ Take It To Ozone ≫ がここで再演されているのが非常にうれしいですね。

Large Ensemble という形体により、フレディにかかる負担はかなり軽減されています。まあ、そこがヴァイスの狙いなのでしょうが。フレディはフリューゲルホーンのみを使用しています。7曲中6曲でフレディはソロをとっていますが、非常に痛々しい演奏です。フレーズは続かず、ハイ・ノートも音程ボロボロだし、音色も全然・・・と、聴いていると胸が締め付けられるような悲惨な内容です。こんな演奏しかできなくなっていることはヴァイスだってそれこそ一番知っていたはずなのに、なんでそこまでしてフレディを復帰させたかったのか? 不思議でなりません。

全体的には往年のフレディの名曲のアレンジ物が聴けて嬉しいし、アレンジもカッコよく、意外に繰り返し聴きたくなる内容でした。

Freddie Hubbard  /  On The Real Side   2008年 Times Square Records FQT-CD-1810
Freddie Hubbard  ( flu )
David Weiss  ( tp )
Myron Walden  ( as )
Jimmy Greene ( ts, ss )
Steve Davis  ( tb )
Norbert Stachel  ( bs, fl )
Xavier Davis  ( p )
Dwayne Bruno  ( b )
E.J. Strickland  ( ds )
Craig Handy  ( ts, fl ) ( 2,3,5 )
Russell Malone  ( g )  ( 4 )

( 注1 )  Bill Milkowski :  ビル・ミルコウスキ  Jazz Times Magazine のレギュラー寄稿者であり、『 ジャコ・パストリアスの肖像 』 ( 原書名 : The Extraordinary and Tragic Life of Jaco Pastorius ) の著者。


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2009/01/04 | Comment (0) | Trackback (0) | HOME | ↑ ページ先頭へ ↑ |

訃報 : Freddie Hubbard

   ↑  2009/01/03 (土)  カテゴリー: trumpet

  Freddie Hubbard の飾ってあるリビング 003

すでに皆さんはご存じなのかもしれませんが、12月29日にFreddie Hubbard ( フレディ・ハバード ) がカリフォルニア州の病院で、心臓発作による合併症で死去されました。享年70歳でした。先ほど中年音楽狂さんのブログを訪問して初めてフレディの訃報を知りました。年末の朝日新聞をめくってみたら12月31日の訃報欄にもしっかり載っていました。

クリフォード・ブラウンの後を継ぐ天才として華々しくデビューし、Blue Note や CTI などを中心に数多くの記録を残すとともに、ハービー・ハンコックの『 処女航海 』やエリック・ドルフィーの『 Out to Lunch 』など、他ミュージシャンの名盤で見事なソロを披露し、多くのジャズ・ファンを魅了しました。しかし、80年代に入ると体調不良が報じられ、90年代にはトランペッターの生命線でもある口唇を痛め、音楽活動から退いていました。

テクニック的には他のどんなトランペッターよりもずば抜けて秀でていたのに、いまひとつ評価が定まらないまま経済的にも肉体的にも不遇の晩年を送っていたようです。マイルスも彼を高く評価していて、VSPOの結成の時にもマイルスは自分のトラにフレディを指名したのは有名な話ですが、「フレディは練習しすぎ」だとか「フレディは巧いだけだ」とかマイルスが言ったとか言わないとかで、マイルス信者の多い日本では以来、フレディへの不当な先入観が浸透してしまったことは非常に残念でなりません。

個人的にはドナルド・バードやリー・モーガンとともに最も好きなトランペッターです。今でもその気持ちは変わりませんが、なにしろ現在進行形のジャズを聴くことに夢中になりすぎて最近はほとんどフレディを聴くこともなくなりました。こんな機会にあらためて聴き返すのも失礼な話ですが、とっても懐かしい愛聴盤を数枚引っ張り出してきたので、今日は一日、フレディ漬けで行こうかと思ってます。

あらためてフレディのご冥福をお祈りいたします。 

Freddie Hubbard LP 001のコピー  
Freddie Hubbard  /  Feady for Freddie   Blue Note BLP-4085  
1961 年8月録音

フレディのリーダー作の中では一番好きなのが本作です。60年から61年にかけて、Blue note に立て続けに4枚のリーダー作を吹きこんだフレディーですが、本作はその最終作品。ウェイン・ショーターとの初顔合わせの作品という意味でも貴重な作品です。本作直後にフレディはジャズ・メッセンジャーズに加入することとなります。この頃はまだまだメロディアスでコーダルなフレディが聴かれます。曲もイイし、文句なしのの傑作ハード・バップ作品だと思います。

freddie hubbard live morganのコピー
Freddie Hubbard  /  The Night of The Cookers   Vol.1 & Vol.2  Blue Note  BLP 4207, 4208
1965年4月録音

フレディ・ハバードとリー・モーガンのガチンコ・バトルが聴かれる唯一の作品。沸点超えの壮絶バトルが永遠と繰り広げられるマニア必聴の作品。Vol.1 と Vo.2 の2枚があり、それぞれ1面1曲のライブならではの長尺曲が並んでいます。こうして二人を比べると、フレディの方が巧いのがわかりますね。特にハイノートではリー・モーガンがやや苦しげに吹くのに対して、フレディは楽々と余裕の吹きっぷりです。だからといってリー・モーガンが負け、と云う訳ではないのですけどね。この頃になるとフレディは随分モーダルなアプローチが増えてきてます。リー・モーガンがその点でフレディに追いつくのはもう少し後になってからのことです。フレディとリーが録音ベースで共演したのは、本作の一年前にジャズ・メッセンジャーズの作品で 『 The Gorden Boy 』 という Colpix から出た異色作品というのがありますが、あちらは共演はしているもののバトルはありませんから、本当の二人のバトルが記録されているのは本作だけではないでしょうか。兎に角、荒削りながら凄い熱気です。観客も大盛り上がりで最高のライブ作品だと思います。

freddie hubbard braking pointのコピー
Freddie Hubbard  /  Breaking Point   Blue Note  BLP-4172  
1964年5月録音

フレディは60年に『 Open sesame 』でBlue note から鮮烈なデビューを果たしてから、たった Half Decade の間にオーネット・コールマンの『 Free jazz 』やエリック・ドルフィーの『 Out to Lunch で彼らと競演する一方で、ジャズ・メッセンジャーズに加入し、ウェイン・ショーターからモードを吸収したりすることで急速に進化していったのです。本作は『 Out to Lunch 』録音の3ヶ月後、コルトレーンの『 Ascension 』参加の13か月前の録音です。タイトル曲 Breaking Pont で見せるアウト・フレージングで鋭く迫る前衛的なフレディがいるかと思えば、M-3 Blue Frenzy のようなオーソドックスでファンキーなワルツ物も演奏したりと、両者が混在した不思議なムードをもった作品です。ピアノのロニー・マシューズも時にウイントン・ケリーなったり、時にセシル・テイラーになったりと、とっても器用に引き分けていて面白いです。

Freddie Hubbard CTI first light 
Freddie Hubbard  /  First Light    CTI  K20P 6816    1971年9月録音

70年代に入るとフレディは世間のフュージョン・ブームの波に乗りCTIと契約を交わし、次々とイージー・リスニング的な軽めのフュージョン作品を連発していきました。
おそらく僕らより古い世代のジャズ・ファンは CTICBS のフレディに否定的な方が多いと思いますが、僕など80年代に入ってからジャズを聴きはじめ、最初に買ったLPCTIに吹き込まれたミルト・ジャクソンの『 Sunflower ( フレディ参加 ) だったりするくらいですから、全然フュージョン・フレディに違和感はありません。ただ、今となって彼の音楽人生を俯瞰してみた場合、やはり70年のCTI契約が彼の凋落の第一歩であったことは否めません。やっぱりフレディにはフュージョンは向かなかったのでしょうね。これは技術的に不向きだったということではありません。むしろフレディの音色、フレージングは誰よりもフュージョンに向いていたと思うのです。彼はデビュー当時から16分音符や32分音符連打のパッセージをかなりイーブンに吹く人でした。リー・モーガンやドナルド・バードがカッコいいけどもフレディよりもイモっぽく感じるのは、彼らがイーブンではなく、いわゆる3連中抜き(付点)でジャズ独特のグルーブ感、スイング感を演出していたからです。その点、フレディは跳ねずに猛スピードで音階を上昇下降していたのでより洗練された印象を受けたものです。ですが、フレディは根っからのトランペッター一筋の人で、決してグループ・サウンドやグループ・エクスプレッションに気配りしたり、あるいは、時代を先読みして新しい独自のサウンドを創作していくといった先見性も持ち合わせていませんでした。器用だったから人真似は上手でしたけどね。岩波洋三氏がこんなことを言っていました。「 フュージョンで成功した人はみんな頭がとびきりイイ知的な人ばかりだ。マイルス、クインシー、ザヴィヌル、グルージン、ボブ・ジェームスみんなそうではないか。どだいフレディには向かない。 」

本作はフレディのCTI3作目にあたる作品です。CTI時代の最優秀作品は 『 Red Clay 』 であることは衆目の一致するところですが、それ以外ではこの 『 First Light 』
 がなかなかよくできた作品です。編曲にドン・セベスキーが担当しているので例の “あの” 音です。

Freddie Hubbard CBS super blue 
Freddie Hubbard  /  Super Blue  CBS  JC35386   1978年

CTIからCBSに移籍してフレディはフュージョンから更にはヴォーカルを加えたファンク色の強い作品を制作していくことになります。この頃の作品はお世辞にも良いとは言えませんが、ただこの『 Super Blue 』だけは結構好きで今でもLPで(たぶんCD化されていない)( 注1) 手元に置いてあります。両面3曲づつなのですが、両面とも3曲目が滅茶苦茶カッコいいモーダル4ビート物で、それだけで本作の価値ありです。ジャック・ディジョネットが本気で叩いていますし、他のメンバーもディジョネットに煽られ素晴らし演奏をしています。全曲が4ビートで構成されていたらきっと名盤化されていただろうと思うと非常に惜しい作品です。2008年11月に何故かCBS時代の『 Love Connection 』だけがSME からリイシューされました。おそらくCBS時代のフレディの原盤権はソニーが今でも持っているのでしょうから、今回のフレディの死去に伴い他の作品も今後再発されるかもしれませんね。

注1 :中年音楽狂さんから教えていただいた情報によりますと、Mosaic Contemporary からCD 化されていました。
http://www.mosaiccontemporary.com/prodinfo.asp?number=HUBBF19
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2009/01/03 | Comment (6) | Trackback (0) | HOME | ↑ ページ先頭へ ↑ |

Rigmor Gustafsson / The Early Years

   ↑  2009/01/01 (木)  カテゴリー: vocal
Regmor Gustafsson The Early years blog 01 

明けましておめでとうございます。
本年ものんびり更新、気まぐれな話題で書き綴っていこうと思っていますので、
どうかよろしくお付き合いのほどを。
 
さて、妻と子供はスーパーに買い物に出かけてしまい、家に残されたわたくしは今日も部屋の大掃除継続中。愛犬のカノンはソファーで幸せそうに居眠り中。
でもってBGMでかかっているのは数日前に発売されたばかりの Rigmor Gustafsson ( リグモア・グスタフソン )の 『 The Early Years 』

グスタフソンはスウェーデン人歌手で、96年にデビュー作をリリースして以来、確実に実績を積み上げ、2002年には ACT と契約し、その後は同レーベルからコンスタントにアルバムをリリースしているのですが、本作は彼女がACT契約前に籍を置いていた PROPHONE に残した3枚のCD、『 In The Light of Day 』( 1996 ) 、『 Plan #46 』( 1998 ) 、『 Live 』( 2000 )をセットにしたボックスもの。

ACT作品は全部持っていたけど、PROPHONE は(こうなった以上は嬉しいことに)一枚も持ってなかったのですぐさま購入。今日の早朝からリピートで聴きこんでいる次第です。もったないので今日は 『 In The Light of Day 』 だけ!と決めてかけているんですけどね。やっぱり気持ちいいですね、この声質。おしつけがましくもないし、媚びるわけでもない、色気で丸めこもうという下心も皆無だし、なんというか自然なんだけど心にちゃんと届く声です。
 
 
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