雨の日にはジャズを聴きながら90年代以降のジャズを気ままに綴っています。 旧ブログ 『 雨の日には JAZZ を聴きながら 』 からのデータ移行は終了しました。ジャズ以外にも、時々デジタル関連の物欲記事、最近ハマっているカメラの話題も少しアップしています。 

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Stewy Von Wattenwyl Generations Trio featuring Eric Alexander / Live at Marians

   ↑  2009/04/29 (水)  カテゴリー: piano
Stewy Von Wattenwyl _live at Marians 

Moments Notice


スイス人ピアニストと言ってまず頭に浮かぶのはやはりフィル・ウッズらとの共演で知られるジョルジュ・グルンツあたりだろうか。ちょっと欧州ジャズをかじった方ならティエリー・ラングを思い浮かべるかもしれない。そして、今日取り上げるステューイ・フォン・ワッテンウィル ( Stewy Von Wattenwyl b. 1961 ) も最近耳にする機会が増えたスイス出身の名ピアニストだ。

日本では2002年に P.J.L がスイスの独立系レーベル Brambus に残したステューイの3作品 『 Live and Elsewhere 』、『 To The Point 』、『 Cookin Live 』 を国内同時発売したことで注目されるようになった。また、「 幻のCD 廃盤・レア盤 掘り起こしコレクション 」 ( 2005 マガジンランド ) に 『 Icarus' Flight 』 ( 1992 TBC ) が 掲載されたことで廃盤マニアの間でも話題になったこともある。

ステューイは、欧州独特の叙情的センスと米国ポスト・モダン流儀を兼ね備えたヴァーサタイルなプレーヤーで、特別なことや気負った音作りをするわけではないが、とても洗練された印象を受ける。

余談だが、 P.J.Lはステューイを日本に紹介した翌年から、Europian Jazz Piano Collection と題して杉田宏樹氏監修のもとエリック・レニーニ、チャールズ・ルース、イヴァン・パドゥアら、多くのピアニストの作品を国内リリースし、現在の欧州ジャズ・ブームの口火をきっている。

そのステューイの最新作が B.J.L ( BounDEE Jazz Library ) より発売された。彼は2003年にエリック・アレクサンダー (Eric Alexander b.1968 ) と『 Live at Bird's Eye 』 ( Roving Spirits ) というライブ盤を制作しているが、今回もエリックを招聘しての実況録音盤だ。前作は熱気にあふれる名演が聴かれた秀作で、ステューイもそのおかげでだいぶ評価を上げたと思う。本新作にもいやがおうにも期待が高まる。

会場はスイスのベルン ( Berne ) にあるライブハウス “ マリアンズ ” 。録音は2008年1月。全8曲ですべて他のアーティストの曲を演奏している。とは云うものの、8曲中3曲がブルースなのが個人的にはちょっと不満だ。M-1 ≪ Fried Pies ≫ はウェス・モンゴメリー作だが、これはFのマイナーブルース。 M-6 ≪ Sonnymoon For Two ≫ はソニー・ロリンズ作だが、これはスローなB♭ブルース。そして最後M-8 ≪ Stan's Shuffle ≫ はスタンレイ・タレンタイン作だが、これもGのブルースである。ライブなのでブルースが入るのは仕方はないが、いくらなんでも3曲は多くないか。まあ、そういう意味では非常にリラックスしたセッション風なノリなのだ。

個人的にはエリックを聴くのは久しぶりだ。以前はCDが出るたびに買って聴いていたが、最近は滅多に買わなくなった。しかも某国内レーベルから出る作品はバラードばかりで聴く気になれない。Criss Cross のころのように、ブリブリ豪快に吹きまくってほしいものだ。その点で言うとやっぱりエリックはライブが最高ということになる。3年前にCotton Club で彼を観て、その確信を更に強めた。スタジオに籠ってバラード作品を作るエリックにはあまり魅力は感じない。One For All も好きだが、、こちらも最近はややマンネリし食傷気味だし、早くライブ盤がでないかなぁ~と心待ちにしていたので、今回の作品はとてもうれしい。なにしろエリックの最高傑作は今はなき原宿のライブハウス “ キーノート ” での1999年の実況盤 『 The Live at The Keynote 』だと思っているくらいなので。

で、そのエリックだがやはり凄い。かっこいい。威風堂々たる直立不動の姿勢で一心不乱に吹きまくる彼の姿が目に浮かぶ。ライブならではのザックリ感も心地よい。そして肝心のステューイだが、やはり美味しいところはエリックに持って行かれ、やや分が悪いのは致し方ない。しかし随所にマッコイ風の切れ味鋭いモーダルなフレーズを織り交ぜながら目の覚めるようなソロを聴かせてくれる。ただ、こう言っちゃもともこもないが、ステューイはピアノ・トリオの方が好きだ。エリックにしたってカルテットを組むならやはりピアノはハロルド・メイバーンが最高だと思う。

 Stewy Von Wattenwyl Generations Trio featuring Eric Alexander  /  Live at Marians
星1つ星1つ星1つ
2009  B.J.L.  DDCB 13008

Stewy von Wattenwyl  ( p )
Reggie Johnson  ( b )
Kevin Chesham  ( ds )
Eric Alexander  ( ts )
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2009/04/29 | Comment (7) | Trackback (3) | HOME | ↑ ページ先頭へ ↑ |

Peter Weniger / Sing Yourself A Dream

   ↑  2009/04/28 (火)  カテゴリー: tenor
peter weniger

O Grande Amor


ハンブルグ生まれのテナー・サックス奏者、ピーター・ウェニガー ( Peter Weniger b.1964 ) の通算10作目となる最新作。個人的にはウェガニーの作品を聴くのは2003年の 『 Legal Paradizer 』 以来6年ぶり。ドイツの地方放送局であるNDR、WDR、SWR などの専属ビッグバンドの作品を聴いていると時々名前を見かけるので気にはなっていたが、唯一の所有CD 『 Legal Paradizer 』 がチープなフュージョン作品であまり良い印象がなかったので今までフォローしてこなかった。でも、今回の新作は以前から活動を共にしているピアニスト、ヒューベルト・ヌッス ( Hubert Nuss b. 1964 ) も参加しているので買ってみた。ヒューベルト・ヌッス ( 前項あり ) は97年のデビュー作 『 The Shimmering Colours of The Stained Glass 』 を聴いて以来のファンだ。彼はメシアンのハーモニー言語をジャズで実践していることで有名らしい。

ピーター・ウェニガーの略歴を記しておく。1984年に地元のハンブルグ音楽院を卒業し、コローニュ音楽院に進学。1992年に同大学を首席で卒業している。1988年にはトンガー音楽大会で優勝。翌年にはチェコで開催されたカロヴィヴァリ音楽祭で最優秀ソリスト賞を受賞している。さらに1996年にはサウス・ウエスト・ドイツ放送SWF (German TV-Broadcasting Station)  のジャズ賞も獲得している。1999年には、ベルリン芸術院の教授に就任。近年は教育者としての活動も精力的に行っている。

さて、本作の内容だが、これが全編と通して繊細かつ静的な楽曲で構成されたアルバムで、幾分内省的な面も垣間みられる。以前からスタン・ゲッツに近似した独特の音色であったが、今回はさらにゲッツ的なクールで繊細な音つくりに徹している。ほとんどが彼のオリジナルで、柔らかに静かに情景を描いて行くような楽曲なのだが、ジョビンの ≪ Ohla Maria ≫ と≪ O Grande Amor ≫ が挿入されているのが良いアクセントになっている。ヒューベルト・ヌッスは自身のリーダー作で見せる複雑なハーモニーは影をひそめ、比較的オーソドックスなリリカルな奏法で終始していて、やや肩透かしを食らった感じだ。

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2009/04/28 | Comment (0) | Trackback (0) | HOME | ↑ ページ先頭へ ↑ |

Tierney Sutton / Desire

   ↑  2009/04/26 (日)  カテゴリー: vocal
tierney sutton_desire

≪ It's All Right With Me ≫



昨日、妻のパソコン用のグラフィック・ボードを買いに秋葉原に行ったついでに、石丸電気SOFT3館に寄ってみたのですが、6階の輸入盤売り場の品揃えが以前に比べてだいぶ変わっていて驚きました。

輸入盤売り場と言っても、ここはDisk Union などの他の輸入盤店と違い、売りたい主力商品は新譜ではなく、廃盤やレア盤です。例の「レア盤」本や、ネットオークションで高値取引されている希少盤を新品で仕入れて、信じがたい値段で販売するというシステムを採用しているようです。

本当にプレス数が少なくて貴重な作品ならまだしも、半年前にはDisk Unionや通販ショップで普通に売られていて、最近は見かけなくなったなあ、と思われるCDにまで3500円とかの値札を付けて売っているのです。仕入れたCDを、他店の在庫が枯渇するのを待ってから「廃盤」シールを張って売り出しているのではないかと、下衆の勘繰りを入れたくなります。

それにしてもDisk Unionでも仕入れられないレア盤をどういうルートで仕入れているんでしょうね。たまにフロアで商品の陳列などをしている青いメガネをかけた顎鬚を生やした60代ぐらいの男性がバイヤーなのでしょうか。気になります。

それはさておき、フロア中央を占拠する廃盤コーナーの約半分が、なんと女性ヴォーカルコーナーに代わっているのです。エレベーターから降りたら、面置きされている何れ劣らぬ美しい白人女性が一斉に私の方を見つめているわけです。これには圧倒されます。

例のレア盤本に掲載された作品も最近は再プレスされるものも多く、実際買ってみるとトホホな作品もあったりして、レア盤廃盤神話も陰りが見えてきました。まさかと思われるブツまで再発されるもんだから、こうなると高いカネを払って買っても、その直後に再発!! なんてリスクもあるわけで、レア盤市場も崩壊しつつあるのではないでしょか。そんな背景もあり、石丸のバイヤーさんも 「次は美女ヴォーカルだ!!! 」 と次なる一手を仕掛けてきたわけですね、たぶん。

そんなわけで、ジャズ市場の一角を担うまでに成長したジャズ・ヴォーカル部門ですが、美人で聴きやすいヴォーカリストは佃煮にして売れるほど沢山いれど、本当に巧いと感じる歌手はダイアン・リーブス、カサンドラ・ウイルソン、ディー・ディー・ブリッジウォーターらなど数人で、そう多くはありません。

そんな中、今回通算8作目となるリーダー作を発表したアメリカ人歌手、ティアニー・サットン ( Tierney Sutton b.1963 ) も本格派の大変巧い歌手の一人として忘れてはならない存在です。

彼女は1998年のCDデビュー当時から現在まで一貫してクリスチャン・ジェイコブのトリオと一緒に活動してきましたし、クリスチャン・ジェイコブの作品にも客演してきました。もともとはアメリカ中西部のウィスコンシン州生まれでありながら、当時ジャック・シェルドン・ビッグバンドのピアニストだったクリスチャン・ジェイコブに惚れ込み、彼と仕事がしたいがために90年代にわざわざロサンゼルスに移り住んできたという経緯があるようです。現在彼女は 活動の拠点をロサンゼルスに置き、またUniversity of Southern California で教鞭をとる教育者としても活躍しています。

余談ながら、フランス生まれのクリスチャン・ジェイコブは、もともとバークリー音楽大学で教鞭をとっていましたが、メイナード・ファーガソンの娘と結婚したため、それを契機に西海岸に移住したらしいです。先日取り上げた南博氏の著書の中に記されていました。

彼女の歌声は極めて繊細でクールです。音程はデジタル機材のように正確です。そしてまるで器楽を操るかのような技巧的フレーズで聴き手を虜にします。

また、楽曲のアレンジの斬新さもまた彼女の魅力の一つです。これはクリスチャン・ジェイコブの力に依るところが大きいと思われます。手垢まみれのスタンダードに意表を突くアレンジを施したり、今までヴォーカルを乗せられなかったインストの楽曲をヴォーカル物に仕立てたりと、ややもするとジャズの中でも見下されていたヴォーカルというものを器楽的レベルまで昇華させることのできる才能が窺がうことができます。

ただ、エンターテインメントという観点からするとちょっと微妙だし、疲れたときに聴きたくなるような癒し系のボーカルでもありません。容姿も(たぶん彼女自身は自信があるのでしょうが)これまた微妙だし、そのあたりが日本のオヤジ・ヴォーカル・ファンにはいま一つ人気が出ない要因なのでしょうね
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2009/04/26 | Comment (0) | Trackback (0) | HOME | ↑ ページ先頭へ ↑ |

Daniele Scannapieco - Max Ionata / Tenor Legacy

   ↑  2009/04/25 (土)  カテゴリー: tenor
max ionata daniele scannapieco

≪ Rainy Day ≫


High Five のメンバーとして既に日本では(特に女性に)人気のダニエレ・スカナピエコ ( ts )と、実力はありがならも露出度が低めのため日本では今までほとんど無名に近かったマックス・イオナータ ( ts ) の共演作品が遂にイタリアの新興レーベル PICANTO RECORDS より発売されました。

ダニエレ・スカナピエコはもともと大好きで、以前から彼のリーダー作やHighFive 関連は収集していたのですが、一方のマックス・イオナータは全くノー・マークでした。たた、相互リンクさせていただいているブログ『 rhoida DIARY 』 の rhodia さんが、よく騒いで  取り上げていたので、名前だけは知っていたのですが、つい最近まで聴いたことがなかったのです。でも、つい最近になり、何気なく買った Pietro Lomuscio Trio の 『 Standard Suite in Bb Major 』 でマックスが吹いていて、それが物凄く良くて感心しちゃって、本作が発売されるのを一日千秋の思いで待っていました。

バックを務めるのはリューベン・ロジャーズ ( b ) とクラレンス・ペン ( ds ) という米国の超売れっ子ミュージシャンを起用。ピアノレス編成ということで、もしかしてダニエレもマックスもコンテンポラリー系に宗旨替え!?  と、不安になったけど、そんな懸念も杞憂に終わりました。二人とも正統派ハードバッパー然とした雄々しい吹きっぷりで、実に爽快。

マックスは別段難解なフレーズを吹くでもなく、朗々と歌うタイプのようですね。ジョー・ヘンダーソンやズート・シムズあたりを彷彿とさせる吹き手です。テナーってやっぱり木管楽器なんだなぁ~って、改めて思い知らされる倍音をたっぷり含んだ柔らかい音色で、心に沁みわたりますね。いや~実に気持ちがいい。


Daniele Scannapieco - Max Ionata  /  Tenor Legacy  
   星1つ星1つ星1つ星1つ
 2009  PICANTO RECORDS   PIC014

Daniele Scannapieco  ( ts )
Max Ionata  ( ts )
Reuben Rogers  ( b )
Clarence Penn  ( ds )

MAx Ionata  の Official Site はこちら

    

    


こうして聴いてみると、なんだかダニエレよりマックスの方が上手くないか?
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2009/04/25 | Comment (10) | Trackback (4) | HOME | ↑ ページ先頭へ ↑ |

Tigran Hamasyan / Red Hail

   ↑  2009/04/24 (金)  カテゴリー: piano

tigran hamasyan redhail

≪ Part1: Serpentine ≫


アルメニア共和国出身のピアニスト、ティグラン・ハマシャン( b. 1987 ) の前作 『 New Era 』 以来2年ぶり、通算3作目となる新作。2006 年のセロニアス・モンク・コンペティションで優勝という輝かしい経歴をもつハマシャンは、現在はロサンゼルスで活動しているが、最近はそのロサンゼルスの先鋭ミュージシャンと “ Aratta Rebirth” というバンドを結成し活動しているらしい。本作はその “ Aratta Rebirth” 名義のデビュー作である。

バンドの構成は、ピアノ・トリオを基本にして、ヴォーカルやサックス、それにギターが入ったりする。透明感のある美しい声を聴かせる女性ヴォーカルの Areni Agbabian はおそらくアルメニア出身だと思われる。

全12曲で、そのうち3曲はアルメニアのフォーク・ソングで、Areni Agbabian のボーカルをフィーチャーしたエスノ志向の楽曲だが、そのほかはハマシャンのオリジナルである。

内容だが、これが完全にプログレッシブ・ロックの領域に足を突っ込んでしまったかのような作風でびっくりした。変拍子とキメの連続で、かなり大胆なプログレ的展開を見せる曲もあれば、ハードでヘヴィなエレクトリック・ギターがリフを刻むヘヴィメタ調の曲もあり....と、デビュー作からファンの私としては、かなり驚ろかされた。

そう言えば、前作 『 New Era 』 でもM-4 ≪ Aparani Par ≫ のようなプログレッシブ・ロック色の強い曲もやっていたなぁ~と、思い出し、その意味ではまんざら突飛な展開でもないのかと改めて思い直している。大体ハマシャンは、3才の時にはレッド・ツェッペリン、ディープ・パープル、ビートルズ、クイーン、ルイ・アームストロングらをすでに弾き語りしていたというんだから、4ビートだけを弾いていることに満足するはずがないし、また、4ビートだけに拘泥する必要もないのだ。彼が生まれたときにはすでに世の中にはDX7のサウンドがあふれ、バド・パウエルとジョン・ロードを同じ水平線上に見ながら練習してきたわけだし。

まあ、驚いたには驚いたが、それは ≪彼がこんなのをやっちゃうの!?≫ という意味での驚きで、サウンドは特別驚くほどのものではない。個人的には本作を聴いて、King Krimson の今世紀に入ってからの作品、たとえば 『 Level Five 』 とか『 The Power of Believe 』 あたりの、いわゆる “ ヌーヴォ・メタル” を連想した。

こういうニッチなジャズは好き嫌いが分かれるところだが、個人的には好きな部類の音楽だ。ただ、この種の音楽は、繰り返し聴いていると疲れるし、飽きるね。

Tigran Hamasyan  /  Red Hail   星1つ星1つ星1つ星1つ
2009  Plus Loin Music  PL4510

Tigran Hamasyan  (  p, Fender rhodes, keyboard, synth )
Ben Wendel ( sax, bassoon, melodica )
Areni Agbabian ( voice )
Charles Altura ( g )
Sam Minaie ( b, el-b )
Nate Wood ( ds )

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2009/04/24 | Comment (8) | Trackback (2) | HOME | ↑ ページ先頭へ ↑ |

南 博 / 鍵盤上の U.S.A.

   ↑  2009/04/23 (木)  カテゴリー: book
minami hirosi USA 
 


ジャズピアニスト南博氏の文筆家デビュー作 『 白鍵と黒鍵の間に 』 は、小岩のキャバレーでヌード演歌の歌伴をしていた高校時代から、世の中がバブル景気で浮かれていた80年代後半の銀座で、高級クラブのバンドマンとして気鬱な日々を送っていた頃までを描いた自伝エッセイだった。本新作はその続編である。

「いくら大枚の金をもらっている身としても、結局、金よりも大切な何かを失うことになってしまう。」
「金をためてアメリカへ留学しよう。」

ギャラは破格でもクラブの歌伴として生きていくことに疑問を感じた南は、本物のジャズへの憧れを抱き、ボストンのバークリー音楽院に留学を果たした。今回の物語はそこから始まる。

はじめは言葉や人種の壁に阻まれ、なかなか思うようにことが運ばない。孤独感に苛まれ、来る場所を間違ったのではないかと一時は後悔もする。しかし南は様々な苦境を乗り越えながら米国で生きていく。

日本人を見下す不遜で意地の悪い教師によるアンサンブル授業。

譜面もよめないような田舎出身のティーンエイジャーに交じってのイヤー・トレーニング。

ひとつひとつのエピソードが実に面白い。僕らジャズ・ファンにとってバークレーは、最高級の設備と教師陣を提供するジャズの超エリート学校、というイメージがあるが、実際にはそうでもないことがこのエッセイを読み進めるうちにわかってくる。練習用のピアノだって調律されていないボロボロの代物だったりするのだ。

しかし、世界中から我こそは、とバークレーめがけて集まってくるプレーヤーのレベルは言うまでもなく非常に高い。授業後の自由時間を利用して夜な夜な行われるセッションを通じて南は、≪ セッションをすることが、バークリーの最大のメリット ≫ であることに気づいていく。

「その当時でさえ、バークリーの音楽理論を日本で勉強することは、不可能なことではなかった。ただ、世界中から集まってきたアメリカ人を含むセッションの場、これは、東京にいたのでは一億円カネを積んでも得られない環境であると思った。」

さらに学内のセッションに飽き足らなくなった南は、ロックスベリーというヤバい黒人街にあるクラブでのセッションにのめり込んでいく。ボストン訛りの汚いスラングが飛び交う黒人達の中に交じり、彼は貪欲に本物のジャズのテクニックやスピリットを学んでいった。その姿勢は非常に貪欲だ。そう、貪欲にチャンスをものにしていかなければ生きていけない。それがアメリカのルールだ。黒板に向かい、静かに授業を受けていただけではいくらバークリーに留学してもプロとしての職にはありつけないのだ。

そして、バークリーから吸収できるものはなんでも吸収してしまおうとする貪欲なその探求心、向上心は、ついにはクリスチャン・ジェイコブやスティーブ・キューンといった大物ミュージシャンの個人指導をも可能にする。この章はクリスチャン・ジェイコブやスティーブ・キューンの大ファンである僕にとっては非常に魅力的で貴重な話でいっぱいだった。彼らの人間性や人柄などのインサイドな情報は、ジャズの専門雑誌などをいくら読んでいても得られないものだから。

定職につかぬまま、宙ぶらりんな状態でボストン界隈で音楽活動を続けていた1994年、何気なく応募したグリーンカードの抽選で幸運にも当選し、アメリカの永住権を得る。永住権を得るということは、つまりは税金を払う義務が生じたということだ。日本に帰るか、それともこのままアメリカで生きていくかの決断を迫られる。

「銀座のナイトクラブでピアノを弾いて、大枚のカネを稼ぎ、それを元手にボストンのバークリー音楽大学に留学し、卒業後、ビザのことを気にしなくても、このアメリカという国にリーガルに住める権利を得た。僕の人生にしては大ヒットじゃないか。( 中略 ) いずれにしせよ、ボストンでずっとピアノの練習をしているわけにもいかないし、日本に帰ったところで、何か大きなことが待っているわけでもないし。加えて、あれだけ銀座で稼いだカネも、さすがに底をつきはじめていた。仕事を探すにしても、ボストンよりニューヨークの方が見つけやすいのではないか。とにかく今行かないと、後で後悔するんじゃないか。」

アメリカに来て既に4年の月日が流れようとしていた。南はトランク2個に荷物をまとて、ルームメイトの日本人女性、アヤちゃんとヨシちゃんに見送られニューヨークに旅立った。本作はここで終るが、一作目の 『 白鍵と黒鍵の間に 』 を読み終えたときと同様、はやく続き( 『 ジャズピアニスト・エレジー ニューヨーク編 』 ) が読みたくなる結末である。ただ、南氏の経歴を見る限り、その後ほどなくして活動の拠点を日本に移しているようだ。
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2009/04/23 | Comment (14) | Trackback (0) | HOME | ↑ ページ先頭へ ↑ |

Vincent Mascart / Circum

   ↑  2009/04/21 (火)  カテゴリー: tenor
vincent mascart

≪ Loose Shippings ≫


昼過ぎに渋谷に行く。ついでに久し振りに渋谷メアリージェーンに寄り、たらこパスタのランチをいただきながらウェザー・リポートの 『 Sweetnighter 』 を聴かせてもらう。『 Heavy Weather 』 や『 Black marcket 』 ではなく 『 Sweetnighter 』 をチョイスするあたりがいかにもメアリージェーンらしいなぁ、と思いつつ帰り際に玄関脇にディスプレイされてある新入荷CDを見たら、最近僕が頻繁に聴いているヴィンセント・マスカールの 『 Circum 』 があった。

ヴィンセント・マスカールはフランス人テナーサックス奏者。クロード・バルテレミーがOrchestre National de Jazz 音楽監督に就いていた2002年から2004年に同バンドのメンバーで活躍していたくらいだから、それなりに本国では認知されているミュージシャンなのだろう。ONJ の歴史の中でもバルテレミー期は大好きだけど、このヴィンセントという吹き手は全く知らなかった。

では何故買ったかというと、完全にピアノのジャン・クリストフ・ショレ ( Jean-Christophe Cholet ) 買いだ。昨年ショレが Cholet - Kanzig - Papaux Trio で出した『 Beyond The Circle 』 は素晴らしい作品で拙ブログの 『 2008年極私的愛聴盤 』 でも取り上げた作品だ。また、アルフィオ・オリリオやニコラ・フォルメルらの良質な作品をリリースしているフランスの新興レーベル、Cristal Records からの作品である点も購買欲をそそられた。

彼についてGoogle 検索しても英文の記事は全くヒットせず、わずかに検索しえた情報もフランス語でお手上げ。年齢はもちろん、出生地、活動歴など、すべて分からず状態。

本作は、その編成が変則的なので購入には勇気がいる。ヴィンセント・マーカスのサックス、ジェフロア・タミシエのトランペット、ジャン・クリストフ・ショレのピアノまでは良い。問題はドラムスの代わりにタンバリン奏者のカルロ・リッツォ、ベースの代わりにチューバ奏者のジョナサン・サースが参加している点だ。しかも時折、不気味で妖艶なベニャ・アチアリのヴォイスが加わり、なんとも表現できない怪しい音空間を作り出している。

ヴォイスのベニャ・アチアリはスペインのバス口地方の民謡歌手であるが、ヴォイス・インプロヴァイザーとして世界的に有名 ( らしい )。フランス語で朗読している曲もあるが、やはりフランス語のリズム、抑揚はジャズのグルーヴとは相容れないものがあると思う。

ジョナサン・サースは1961年ニューヨーク生まれの黒人で、世界的にも有名な金管アンサンブル集団 “ Art of Brass Vienna ” のメンバーでもある。

そして瞠目すべきはタンバリンを操るイタリア人、カルロ・リッツォだ。「タンバリンでドラム・サウンドを作るミュージシャン」としてその界では有名らしい。これは凄い。タンバリンを幼稚園のお遊戯会やカラオケの盛り上げ役でしか見たことない方はぜひこの映像を見て、従来のタンバリンの概念を覆す驚異のテクニックに腰を抜かしていただきたい。

    

    

このタンバリンはスナッピーが付いていてピッチが変えられ、また鈴の音をミュートする機能もついているようだね。右手の高速連打はドリル奏法と呼ばれているらしいが、ちょうどヴィクター・ウッテンのスラップの動きに似ていないか。

内容的には、EGEA サウンドを彷彿とさせる地中海音楽的要素と、中近東や北アフリカあたりのエスニカルなルーツ・オリエンテッドな要素がいい塩梅にブレンドされた心地よいサウンドなのだが、前述したように、如何ともしがたいヴォイスがその心地よさを遮るのが残念だ。

時折見せる諧謔味を帯びたユーモラスで遊び心溢れるメロディはいかにもフランス的で思わず頬が緩む。まるで極彩色の万華鏡を覗いているかのような娯楽性に富む作品だが、やはりこの領域の作品は好き嫌いがあるので万人に薦められるわけではない。がしかし、時勢に迎合したありきたりのジャズでは満足できない、飽くなき未踏の音楽世界への探求心を持ったリスナーの心にはきっと響くサウンドだと思う。

Vincent Mascart  /  Circum   星1つ星1つ星1つ星半分
2008  Cristal Records  CR128

Vincent Mascart  ( ts )
Geoffroy Tamisier  ( tp )
Jean=Christophe Cholet  ( p )
Carlo Rizzo  ( tambourins )
Jon Sass  ( tuba )
Benat Achiary  ( voice )
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2009/04/21 | Comment (3) | Trackback (0) | HOME | ↑ ページ先頭へ ↑ |

Routine Jazz Quintet / Routine Jazz Quintet

   ↑  2009/04/19 (日)  カテゴリー: group

routin jazz quintet 2  

≪ Book's Bossa ≫


今日は朝からとても天気が良かったので、家族でドライブがてら東京都と千葉県の境にある三郷公園に遊びに行ってきました。アスレチック遊具が豊富で子供たちに非常に人気があり、またドッグランが園内に併設されているので我が家のように犬愛好家にも人気があります。

小合溜(こあいため)を挟んで東京都側には水元公園があり、見渡す限り木々の緑は冴えわたり、時折吹く南風は木々のの香りを運んできます。小合溜には水鳥たちがのんびり日向ぼっこをしています。パン屑を水際にまいてやると近くに寄ってくる水鳥もいます。草の上に寝転がり、青い空を眺めながら冷えたビールで喉をうるおすと、もうそこは僕だけの楽園です。遠くで子供と妻がフリスビーで遊んでいます。

そんな爽やかな風薫る日には、ムショウに2管ハードバップが聴きたくなります。この Routin Jazz Quintet のファーストも、今日、iPod に流し込んで公園に持ち込んでいった一枚です。期せずして、ジャケットがまさに今日体験した風景そのものなので、取り上げてみました。Routin Jazz Quintet はクラブ DJ の小林径氏がプロデュースしたバンドで、本作はそのデビュー作で、2007年に録音されています。昨年10月には第二弾が発売になっていますが、そちらはまだ未聴です。

≪ 海外のクラブ・ジャズを代表する Schema, Dejavu, Ricky-Tick, etc... に対する東京からの解答。 クラブ・ジャズがジャズを超えた!≫ .......らしいです。僕にはよくわかりませんが、どの角度から見ても MORO JAZZ ですが。

≪ クラブ・ジャズからの解答 ≫などという、かっこいい音楽ではなくて、単なる60年代ハードバップの再演にしか聞こえないんです、僕には。取り上げている楽曲にしたってジミー・ヒース、ウォルター・ブッカー、タビー・ヘイズ、ハロルド・メイバーン、etc .... と、他人の曲ばかりでオリジナルは一曲もないですし。

ただ、逆説的な言い回しになりますが、古いジャズを今、演るところがとっても新鮮で、新しい、と思うわけで、決して嫌いではありません。むしろ好きです。気難しいモードを永遠と吹き鳴らし、観客を雲に巻くようなジャズよりはよっぽど愛着がわきます。

小川径氏や須永辰緒氏などのトップ DJ は、半端じゃなくジャズを聴きまくっているから、それまで殆ど日の当たらなかった美旋律麗歌を、重箱の隅をつつきながら探し出してくる才能というか、根性がありますよね。「ほら、こんなの見つけちゃったけど、けっこうイケるでしょ」的なジャズ・マニアの極形が、彼らのような気がします。基本的には僕も同族ですけどね。

そんなわけでこの作品、よく聴いているのですが、あまり大声で「好きだー!」と言うと白い目で見られそうなので、今まで取り上げませんでしたが、なかなか素敵ですよ。

メンバーは、日本人ジャズに疎い僕には全くの不知な方々ばかりなのですが、Google検索してみたところ、トランペットの類家心平さんは1976年青森県生まれで、海上自衛隊あがりのミュージシャン。一方、テナーの浜崎航さんは長崎県生まれで、名古屋市立大学医学部を卒業し、医師免許も取得しているという変わった経歴の持ち主のようです。

そうそう、一般の方は、医学部を出た人はみんな医者になると思っているでしょうが、実際には学年に一人や二人は必ず医者にならずに別の世界に進んでいく人がいるものです。

Routine jazz Quintet  /  Routine jazz Quintet   星1つ星1つ星1つ星1つ

類家心平 (tp)
浜崎航 (ts, ss)
中村新史 (p, key)
高道晴久 (b)
紺野智之 (ds)
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2009/04/19 | Comment (5) | Trackback (0) | HOME | ↑ ページ先頭へ ↑ |

Enrico Pieranunzi / Dream Dance

   ↑  2009/04/16 (木)  カテゴリー: piano

enrico pieranunzi_dream dance

≪ Castle of Solitude ≫



エンリコ・ピエラヌンツィ( Enrico Pieranunzi : b.1949 ) の活動の主軸であるマーク・ジョンソン( Marc Johnson : b.1955 ) とジョーイ・バロン( Joey Baron : b.1955 ) によるトリオの最新作が Cam Jazz より発売されました。このトリオが結成されたのが1984年。そして同年 『 New Land 』 ( Timeless ) をリリースし、1986年には傑作 『 Deep Down 』 を世に送り出しています。その後約10年程のブランクがあったものの、1997年には今は亡き Alfa Jazz に 『 The Chant of Time 』 を吹き込み、そのあたりから日本でも注目されるようになりました。2000年にCam Jazz が設立されてからは同レーベルにコンスタントに作品を制作しています。そして本作は彼らの Cam Jazz 第7作目となるわけですね。

それにしても彼らの交友関係は25年にもなるんですね。このトリオの結成された2年後には、ピエラヌンツィは地元のミュージシャンであるエンゾ・ピエトロパオリ ( b )、ファブリツィオ・スフェラ ( ds ) らと Space Jazz Trio を結成しています。が、パーマネント・バンドとしての活動を意識してトリオ名までつけたのに、その後ドラムとベースのメンバーチェンジが相次ぎ、2003年の『 One Lone Star 』 を最後にその活動は途絶えています。そんなことを考えてみても、ピエラヌンツィ=ジョンション=バロンの相互信頼感がいかに強固なものだったかが想像できます。

さて、今回の作品ですが、ディスクをトレーに入れる前にまずはその美しい装丁に見惚れてしまいます。Super Jewel Box という、もともとは米国のDVD用にPhilips とPolygrum 社が開発した豪華なCDケースをCam Jazz は以前から採用していましたが(初期のCam Jazz は普通のケースだった)、最近はさらにジャケットを含むブックレットがすべてコーティングされたツルツル紙で、なんだか指紋を付けるのも憚れるような高級感を醸し出していています。その上今回はジャケットと同デザインのシールまで封入されていて、無駄なような気もしますが、とっても所有欲を満たしてくれる装丁です。

本作は、例によってピエラヌンツィのオリジナル9曲構成で、収録時間49分と短めです。Cam Jazz における彼の作品は、音楽的にも音質的にも甘い作品ばかりで、いま一つ物足りなかったのですが、本最新作はだいぶ骨っぽくなって聴きごたえがあります。サウンドの質感もより硬質です。

フリーっぽい展開をみせるM-1。凛と張り詰めた余韻がたたまらなく美しいバラード M-3。マーク・ジョンソンの素晴らしソロが印象的な哀愁ラテン・ナンバーM-4。ノーブルでエレガントな香りを放つワルツ M-5 。まさにエンリコ芸術の真骨頂ともいうべき陰影深き静謐な音世界が繰り広げられる M-6 ・・・と、曲調が多彩で、しかも捨て曲なし。

どの曲も瑞々しい輝きをもった珠玉のナンバーばかりで、50分足らずの短い時間の中に、彼らの孤高の世界がぎっしり詰まっています。これはエンリコ・ファンならずとも必携・必聴の大名盤です。家宝になること間違いなし!!!

Enrico Pieranunzi  /  Dream Dance      星1つ星1つ星1つ星1つ星1つ
Enrico Pieranunzi  ( p )
Marc Johnson  ( b )
Joey Baron  ( ds )

Enrico Pieranunzi  Trio ( Pieranunzi , Johnson, Baron ) 
による過去の Cam Jazz 作品

PLAY MORRICONE
PLAY MORRICONE 2
CURRENT CONDITIONS
LIVE IN JAPAN  ( イチオシ!)
BALLADS
AS NEVER BEFORE
 
↑ 全曲フル・バージョンで試聴できます。

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2009/04/16 | Comment (20) | Trackback (3) | HOME | ↑ ページ先頭へ ↑ |

Jeff “Tain” Watts / Watts

   ↑  2009/04/14 (火)  カテゴリー: drums

jeff watts watts

これ、凄い。凄すぎ。ジェフ・ワッツ ( Jeff “Tain” Watts b.1960 Pittsburgh ) の通算6枚目、自己レーベル Dark Key Music からは前作『 Folk’s Songs 』に次ぐ2枚目となる新作です。すでに今年初めに発売になっている作品ですが、わたくし、ご存じのように体調不良のためこの2か月程、猟盤生活から遠ざかっていたので、これを買ったのもつい先日のこと。考えてみたらこの一週間、毎日の通勤で聴き惚れているけど、いまだに飽きる気配なしです。

とにかく、このバンドの演奏力は圧倒的。テレンス・ブランチャードとブランフォード・マルサリスという意外に今までなかったフロントラインが超強力で、そして“ 規則正しいリズムを打ち出し続ける ”というドラマー本来の義務をそっちのけで暴れまくるワッツを含め、重量級3人をボトムで支えるのがクリスチャン・マクブライド! という錚々たるメンバーです。一曲だけローレンス・フィールズという無名のピアニストがバラードで参加していますが、これまたリリカルで素敵です。

ワッツとブランフォードは1989年以来、20年近くも活動を共にしてきたので気心知れた盟友ですが、ワッツとブランチャードって共演したことあるのかな?あとで検索してみますが、あまり記憶にないなぁ。大体、ブランチャードをつい最近まで真剣に聴いたことがなかったし。近年、アーロン・パークスやケンドリック・スコットを聴くようになり、彼らがブランチャードのバンド出身であることを知り、あらためてブランチャードを聴きだしたのですが、これが凄くて、『 Bounce 』( 2003 ) や 『 Flow 』( 2005 ) なんかは非常にかっこよくてすっかり愛聴盤になっちゃいました。

あんまり吹きっぷりがいいもんだから、実際に生で聴いてみたくなり、先月 Blue Note のライブを観にいったくらいです。そう言えばブランチャードは2月に発表された51回グラミー賞で『 ベスト・ジャズ・インストゥルメンタル・ソロ賞 』を受賞しているんですね。いや~、凄いソロだったですよやっぱり、客席は悲しくなるくらいガラガラでしたが。

本作は全10曲ですが、M-9 と M-10 の曲間が45秒とられており、最後のM-10 ≪ Devil’s Ringtone ≫ は M-8 ≪ Devil’s Ringtone : The Movie ≫ のインスト・ヴァージョンであることを考えると、たぶんボーナス・トラック扱いなのでしょうね。

M-1 ≪ Return of the Jitney Man ≫ はブランフォードの新譜『 Metamorphosen 』でも聴けるアップテンポのモーダルな楽曲。いきなりワッツが強烈に煽る。ドラムのフィルイン( 俗名:おかず )とは本来はコーラスや小節の終りに使って、メンバーに現在位置を知らせる目的があるのだが、ワッツの演奏は全編“ おかず ”で構成されたような暴れぶりで、よくぞこんなリズムでフロントは自身を見失わないもんだと感心します。

M-2 ≪ Brekky with Drecky ≫ は文字通りマイケル・ブレッカーに捧げたB♭ブルース。この曲はブレッカーの大好きだったオーネット・コールマンの ≪ Turnaround ≫ ( 『 Tomorrow is The Question ! 』に収録。こちらで試聴できます。) をベースに作曲されたものです。面白いのはブルースの5小節~6小節、つまりE♭7 のところが16ビートに突然変わるんですね。しかもテンポも全然違うし。簡単にやってのけるけど、相当難易度高いワザではないかと。

M-3 ≪ Katrina James ≫ は軽快なファンク・チューン。2005年8月にアメリカ合衆国南東部を襲った大型のハリケーン Katrina で犠牲になった人々と、2006年に惜しくも亡くなられたファンク界の帝王ジェームス・ブラウンに捧げた曲らしい。まったく関連のない2つをひっくるめて1曲に仕上げてしまうのは、いかがなものか。

M-4 ≪ Owed ≫ は一転してブランフォードの美しいソプラノがフィーチャーされたバラード。この曲だけピアニストのローレンス・フィールズが参加している。このピアニスト、ワッツがセントルイスで見つけたまだ10代の新人らしいが、なかなか巧い。要チェック!

M-5 ≪Dancin’ 4 Chicken ≫ は、マクブライドとワッツのR&B で始まるが、実はこれがいわゆる“ False Start ”で、誰かの《 Watts! …All Right….Stand by…This is Dancin’ 4 Chicken…Take25 》という声が入り、次いでマクブライドのスインギーなボーイングによる超絶技巧のソロから、フロント2人が入り、デキシー風を経て高速4ビートに目まぐるしく変化していく、彼らにしかできないような複雑な曲。ブランチャードのラッパが火を噴く。それにしても本当に25テイクもとったのだろうか。

M-6 ≪ Wry Koln ≫ はワッツの渾身のドラムソロが大々的にフィーチャーされた曲。ワッツって、スネアを叩く数より、シンバルやタムを叩く数の方が圧倒的に多いんだね。音数の多さにおいては今のところ他の追従を許さないだろうね。もうすぐ50歳になるというのに、まったく衰えを感じさせず、現役感をキープし続けているのが凄いね。

M-7 ≪ Dinsle-Dangle ≫ は、どこかで聴いたことがあるようなメロディーだと思ったら、なんてことはないモンクの ≪ Trinkle, Trinkle≫ だった。ここではブランフォードが抜け、ブランチャードのソロが聴かれる。それにしてもブランチャードって巧いんだね。僕が初めて彼の演奏を聴いたのは81年だか82年だか忘れたけど、ジャズ・メッセンジャーズの一員として来日し、ウントン・マルサリスと二人で ≪ I Remember Clifford ≫ を演奏したときです。マルサリスが隣にいるから余計に緊張したのかもしれないけど、ハーフバルブの音が出なくて泣きそうな顔で演奏していたのを覚えています。あの時の情けない下手な印象がずーと僕の中にはあったから、まったくと言っていいほど、彼をフォローしてこなかった。2000年以降のアルバムは買い揃えたので、今度は90年代の彼の作品を収集しようと思っています。

M-8 ≪ Devil’ Ringtone: The Movie ≫ ( 悪魔の着信音 ) は、彼らの演奏をバックに電話での対話が展開するサントラ風の楽曲です。Mr W. ( 実はGeorge W. Bushを暗喩している )の代理人と名乗る Rome Phillips が、悪魔社のMr. Devlin ( 悪魔を暗喩している ) に電話をかけるところから話は始まります。

Mr.W ( Bush ) は現在苦境に立たされており、なんとかMr. Devlin のもつ悪魔的知恵、手法で助けてはくれないかと懇願する。しかしMr. Devlin ( 悪魔 )は、今までに十分な援助協力をしてやったはずだから、もう私のすべきことはない、と協力を拒否し、最後に 『 電話を切らずにこれを聴いてみたらどうだ 』、と言い放ち会話が終わる。そのあとに地獄からの叫び声(おそらくイラク戦争などで命を落とした人々の叫び声を表しているのだろう )が不気味に続き、演奏もそれに呼応するかのように激しさを増し、最後にMr. Devlinの笑い声で終わる。というブッシュ政権を痛烈に皮肉った風刺的会話なのですが、この曲は好き嫌いがはっきり分かれるでしょう。あまり音楽に社会批判や政治批判を持ち込むのは好きではないけど、僕は単純にこの会話の持つ英語独特のリズムが気に入ったので、個人的にはアリかなって思ってます。

それにしても、03年にグラミーを受賞した有名なカントリーのグループ、Dixie Chicks のリード・ボーカルの人が『 ブッシュ大統領がテキサス出身だなんて、恥ずかしく思う 』と言ったとかで大騒ぎになり、以来、ミュージシャンや芸能人がブッシュ政権を面と向かって批判することはタブーとされているだけに、こんな曲入れちゃって大丈夫なのかな?ってちょっと心配だけど、まあ、もうブッシュも過去の人になったわけだからイイのでしょうね。

M-9 ≪ M’buzai ≫ はワッツの短いドラムソロ。

ボーナス・トラックの M-10 ≪ Devil’ Ringtone ≫ は、M-8 ≪ Devil’ Ringtone: The Movie ≫ のインスト・ヴァージョンで、こちらがあるので何とか救われます。

ワッツのドラムって、一聴するとただ単にデタラメに叩きまくっているだけのように聞こえますが、実は野獣的凶暴性のそのうらに、ビートを極限までに細分化し、それをポリリズミックに再構築し提示していく繊細で知的な作業が見え隠れするので、やっぱり凄いもんだなぁ~といつも感心させられます。

本作は、可能な限り大音量で聴けば、相当のトリップ感を体感できると思います。エッジの効いたカッコイイNY ジャズが聴きたければ、絶対お勧めです。ちなみに Down Beat 誌 では堂々の四つ星を獲得していました。

Jeff “Tain” Watts  /  Watts  星1つ星1つ星1つ星1つ星半分



≪ Katrina James ≫

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2009/04/14 | Comment (10) | Trackback (3) | HOME | ↑ ページ先頭へ ↑ |

Diana Krall / Quiet Nights

   ↑  2009/04/09 (木)  カテゴリー: vocal

diana krall _quiet night 

≪ ジャズではない、“ジャズっぽい”のが今、いちばん新しい音楽のかたち ≫ というキャッチコピーでユニバーサル・ミュージックが提案している音楽カテゴリが ≪Jazzy not Jazz≫  ....なんだそうです。昨夜帰宅して朝日新聞を広げてみたら、紙面下半分を使った大々的なユニバーサルの広告が掲載されていました。

紹介されていたのはメロディ・ガルドー、マデリン・ペルー、ダイアナ・クラールの女性ジャズ・ボーカリスト3人。可哀そうに彼女らはジャズではない音楽に無理やりカテゴライズされてしまったわけです。まあ最近のCDセールス不調に喘ぐレコード産業界ですから、ひとりでも多くのリスナーにCDを買ってもらおうと必死です。Jazz では見向きもしない若者もjazzyとくれば飛びついてくれるとふんでいるのでしょう。

確かにjazzyというタームは若者世代には浸透しているようで、「チョーヤベ。これチョー、ジャジージャン!! 」と言っているかどうかはオヤジの私にはわかりませんが、クラブミュージック領域にいては使用頻度の非常に高いキーワードになっているようです。

ただし今のクラブミュージック世代の若い方々が jazzy というタームを用いるときは、本来の  ≪ ジャズ風、ジャズ的 ≫  という意味とはだいぶ違ったニュアンスを含んでいるようです。サックスがテーマをちらっと吹いて見せたり、ローズがバッキングしていたりすると、これがjazzy という形容詞で括られてしまうし、本来の意味にはない ≪ 落ち着いた、ムーディー ≫ な曲もみんなjazzy になってしまうようです。

確かに若い世代の音楽好きの間には、ジャズは難解で敷居の高いオヤジの音楽といった先入観というか固定概念みたいのが昔から蔓延していましたから、こういう機会にジャズにまつわる誤解が払拭され、多くの音楽ファンの手元にジャズが届けられればいいな~って思っています。

そんなわけで、今日はjazz not jazz の一人、ダイアナ・クラールの新譜を聴いています。本作は2006年リリースの 『 From This Moment On 』 に続く通算12枚目となる初のボサノヴァ作品です。メンバーもアンソニー・ウイルソン他、いつものレギュラーメンバーだし、プロデューサーもトミー・リピューマ、エンジニアもアル・シュミットなので変わり映えしない構成だけど、今回はストリングスアレンジにクラウス・オガーマンを起用しているのが個人的にはとっても嬉しかったりする。リピューマ=シュミット=オガーマンの組み合わせは2001年のグラミー受賞作品 『 Look of Love 』 以来8年ぶり。そういえばあの『 Look of Love 』でもボサノヴァ調のアレンジが随所に見られたっけ。

ボーナス曲2曲を含む全12曲で、ジョビンの≪イパネマ≫や≪Quiet night ≫ 、バカラックの≪Walk on By ≫ などを含んでいます。ピアノはいつものように彼女自身が弾いているけど、近年の作品の中では比較的彼女のピアノ・スペースが多めに用意されている方だと思う。≪So Nice≫ ではイントロで90秒近くもピアノソロを披露していて嬉しいな。

適度に力が抜けていて、程好い隙間と自由度が心地よいね。小波に漂うかのような気持ちよさっていうか、、。クラウス・オガーマン独特の濃淡と深みのある弦楽器の響きと、彼女の囁くようなハスキー・ヴォイスの配分が絶妙だけれど、オガーマンのファンでないと、もしかすると装飾過剰な印象をうけるかもしれません。まあ、ストリングス・アレンジは好き嫌いがありますからね。

ボサノヴァを歌うには彼女の声質はあまりにも sensual で、ちょっと不似合いな感じもしますが、でもまあ、 breathy で langiud なところは、ボサノヴァ的と言えばボサノヴァ的であります。タイトル通り、夜に似合う怪しげなボサノヴァ、といった感じでしょうか ( 彼女の目線も怪しいし )。

概して綺麗にパッケージされた Jazzy な秀作だと思いますが、個人的にはちょっと物足りないかな。トミー・リピューマのプロデュース以降の作品に限って言えば、99年の『 When I Look In Your Eyes 』 とか01年の 『 Look Of Love 』 あたりの方が良くできていると思うし、愛着もあります。

Diana Krall / Quitet Night     星1つ星1つ
2009  Verve 0602517981256


down beat diana 
Down Beat 誌5月号の表紙はダイアナです。ジャケットに使うなら断然こちらのほうが綺麗だと思うのですが。

Down Beat インタビュー記事 「 Depth of Her Heart  」 より

「 私はいつでもピアニストとして活躍したいの。そもそも私は若い時はヴォーカリストだったわけじゃないのよ。でもね、私には分かっているの自分の限界が。ピアニストとしての才能はないのよ。ビル・チャーラップやアラン・ブロードベントのように巧くは絶対弾けないしね。 」

「 作曲もしなきゃならないんだけど、私にとって作曲は難題なのよ。四六時中、作曲をしているジョニ・ミッチェルや夫(エルビス・コステロ)のようには私はなれないわ。」

自信に満ち溢れたふてぶてしい女性なのかなぁ~って思っていたけど、けっこう弱気で謙虚な部分もあるんですね。意外でした。

あと、2006年に生まれた双子の子供達が音楽がとっても好きだから、次のアルバムは子供が喜ぶ子供のための歌集にしようかと思っているらしいです。

≪ How Can You Mend A Broken Heart ≫

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2009/04/09 | Comment (4) | Trackback (1) | HOME | ↑ ページ先頭へ ↑ |

ONKYO HDC-2.0

   ↑  2009/04/05 (日)  カテゴリー: audio

なんだか、だいぶ元気が出てきました。物欲もふつふつと湧き上がり、いい感じです。

昨日、仕事帰りに以前から欲しかったサンヨーのハイビジョンムービーカメラ Xacti ( DMX-C9 )を買おうと思い、電機屋に寄ったら、こんなものが展示品特価で売っていたので Xacti そっちのけで、思わず衝動買いしてしまいました。

hdc


ONKYO のハードディスク・オーディオ・コンピューター HDC-2.0A というオーディオに特化したパソコンです。オーディオメーカーであるONKYO は、2007年にSOTECをTOB&第三者割当増資で子会社化し、オーディオとパソコンの折衷機みたいな、音の良いパソコンをつくりだしたのですが、このHDC-2.0Aはその第二世代にあたる製品です。

発売されたちょうど一年前は、僕の買ったスピーカーと20インチモニターがパッケージされた HDC-2.0ABML などでは定価33.5万円、ネットなどでの売値でも28万円程だったので、なかなか手が出ませんでした。やっぱりこういった製品は開発者の努力の割には売れないようで、発売一年にして既に生産中止 ( まあ、パソコンというカテゴリーで考えれば一年は決して短くありませんが ) 、現在在庫を抱えている販売店は投げ売り状態のようです。僕はこれを展示品処分価格 12万円で購入しました。10か月程展示されていたことを考えるとちょっと不安でしたが、今のところ不具合はみられません。  

一見すると、とてもパソコンには見えません。intel のシールが貼ってあることで、かろうじてパソコンの体裁を保っていますが、躯体は側面から後面までアルミ製と音響製品然とした佇まい。体重も10kgあります。ただ前面にはカードリーダーもないし、当然PCIスロットなどの拡張機能はほぼゼロ。CPUもcore 2 duo でもT5500 と下位モデルだし、HDD も160G と、今時ありえないくらい非力です。

しかもVISTA なのに メモリ1G しか搭載していないんですから、どうしようもありません。普通のパソコンならメモリ増設すりゃいいんだけど、本機はこの小さな躯体にPC部+100Wのデジタルアンプがぎっしり詰まっているのでメモリ増設は難易度高そうです。ちなみに個人によるメモリー増設は保証対象外で、メーカーに頼むと2万円かかるみたいです。

で、肝心の音はどうかというと、これが滅茶苦茶イイです。12万でこれだけの音が聴けるなら、もうこれでいいかなぁ、って思っちゃいます。これ以上オーディオに投資するのがバカバカしくなってくる。オンキョーのデジタルアンプは定評がありますが、24bit/96kHz に対応したサウンドボード搭載っていうのが、本機のキモです。オンキョーはWMA Lossless 24bit/96kHz フォーマットでの高品質音楽配信事業 e-onkyo music をウェヴ上で展開していますので、本機でそのサービスっを享受できるという仕組みなわけですね。

そんなわけで早速 e-onkyo music からダウンロードしてみました。まずはエド・デ・ワールト指揮・オランダ放送交響楽団によるラフマニノフ≪交響曲第二番第三楽章 ≫ ( 600円 )と、フィリップ・セスの≪ピアノ・マン≫( 300円 )の2曲。耳の悪い僕でさえその違いがはっきり分かるくらい澄んだ綺麗な音です。内部のデジタルアンプを通して付属のPC用パッシブスピーカーに繋いでもイイ音がしましたが、ライン出力のピンで手持ちのプリメインアンプ Luxman 570 からKEF105/3Sに繋いでみたら、信じられないくらい透明度の高いクリアな音でびっくりしました。昔、デスクトップのFMVから Roland のオーディオ・プロセッサー UA-3FX をかませ、Luxman 570 に出力したら、ばりばりノイズだらけの無残な音が出てきて痛い目にあった経験があるだけに、この数年のこれらのディバイスの進化にはホント驚きますね。
ちょっと残念なのは、まだまだ24bit/96kHz フォーマットで配信されている楽曲が少ないことですね。クラシックでさえ100タイトルに満たないし、ジャズに至っては約50タイトルですから、これじゃほとんど役に立ちません。通常の16bit/44.1kHz フォーマットでの配信楽曲のラインナップは豊富ですけどね。

それから本機がすごいのは、その徹底した静音設計です。電源を入れたときにファンノイズが気になるくらいであとはほとんどノイズは聞こえません。深夜、音楽を聴かないでパソコン作業をしていれば僅かに耳に入るくらいのノイズです。どこかのサイトに書かれていましたが、ノイズは22dB だそうです。本体に近づくと聞こえるけど、1m も離れれば聞こえないレベルでしょうか。轟音マシンを作るのは簡単だけど、静音マシンを作るのって難しいですってね。
 
さて、話はつきませんが、さしあたって問題なのはメモリーの増設とHDDの増設でしょうか。これからメモリでも買ってこようと思ってます。ソケットが1つ余っているので、そこに2GのDDR2 667 SO-DIMM   を刺す予定です。トータルで3G あれば大丈夫でしょ。流石に1Gだともさもさしてストレスフルです。今も付属の音楽ソフト CarryOn Music 10 (これがなかなか優れもの) で音楽再生しながら、Evernote でテキスト作っているのですが、たったこれだけのタスクなのに語句変換がとっても遅くイライラします。

僕の  “ もくろみ ” としては、本機に手元にある4500枚のCDを取り込み、ミュージックサーバー化することなんですけど。同時にCarryOn Music 10 で楽曲のデータベースも作れるし。そしてCDは全部処分する。という壮大な計画です。いずれクラウド・コンピューティングが進めば、パッケージ化された音楽などゴミになってしまう、と、思っていますので。
 
問題は、それだけの音源を記録するストレージですが、せっかくこれだけ静かなマシンなんだから外付けHDDも静かなものをそろえなきゃいけなんだけど、できたらSSDがもう少し安くなればSSDにもバックアップとっておきたいんだけど、まだまだ高いですね。

IMGP4720blog5 
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2009/04/05 | Comment (5) | Trackback (1) | HOME | ↑ ページ先頭へ ↑ |

リハビリ稼働開始

   ↑  2009/04/02 (木)  カテゴリー: daily
突然のブログ閉鎖により、皆様にご心配をおかけしたことをお詫びします。

約1か月間、ブログから離れた生活をしていて思ったのですが、
僕にとってブログは完全に生活のインフラになっていたんだな~って。

今までのようには頻繁にジャズの記事を書いたり、
更新したりはできなくなりそうですが、
とりあえず再開しよかと思っています。

さて、まずはどうして突然閉鎖したのかと疑問に思われる方もいらっしゃると
思いますので、そのあたりからお話しようかと思います。

今年初めに職場のボスが倒れ、さらに同僚が1月いっぱいで突然退職しました。
その穴を残された人材による兼務兼任で埋めなければならなくなりました。
一方で、もともとの臨床医としての仕事以外に、産業医としての業務もいっきに増え、
ブログを書くための十分な時間がとれなくなったのです。
このことが最大の理由です。
その上、帰宅すればしたでまだ幼い息子の遊び相手もしなければならず、
自由になる時間は限りなくゼロに近い状態が続いていました。

肉体的な過労だけであればなんとか乗り切れるのですが、
得てしてこういう時には精神的にも疲弊してしまうもので、
いわゆるメンタル不全と呼ばれる状態に陥ってしまったわけです。
簡単に言うと、うつ病ですね。でも、まあ、仕事はやれるし、
睡眠障害もありませんので、軽度うつ病というか、
うつ状態と呼んだ方が適切かもしれません。
とにかく、今まで楽しくできていたことが何故かつまらなくなり、
急激に興味を失っていくのです。当然、ジャズを聴いても上の空で、
全然つまらないのです。
これって、うつ病の特徴なのです。

そんな時に某巨大掲示板で僕のブログを中傷する書き込みを見つけ
( 「プロフィールで子供の写真を載せるヴァカなやつ」みたいな
表現だったと思う )、その瞬間、ポキって、折れてしまったのです。
情けないです。
もともと僕はストレス耐性弱いですからね。

心身ともに元気な時なら、そんな掲示板で多少中傷されても何とも
思わないですが、( そもそも以前にも2回ほど、中傷されたことがありますが、
その時は全然平気でした) やっぱりdepression で閾値が相当落ちていた
時ですから、一気に折れちゃったみたいです。

そんなわけで、突然閉鎖しちゃえ~って、自暴自棄になり、
エントリーを全部消去し ( というか近いうちに書籍化して残しておきたかったので
とりあえず非公開モードで残しておいたのですが)、あとは今までホッタラカシ状態でした。

知人から「閉鎖するにしても、今までのエントリーはそのまま残しておけばいいのに」
と忠告されましたが、自分の記事が誰からもアクセスされず、
いずれ巨大ネット空間の残骸になっていくくらいなら、消去してしまった方が
すっきりすると思い、エントリーも消し去りました。

ブログ閉鎖により不思議なことに多少抑うつ状態は改善されました。
気分が乗らないままブログを書きつづけることが精神的に負担になって
いたのでしょうね。でもそんなことで鬱病が治るほど甘くはなく、
その後も憂鬱な日々は続きました。

うつ病のスクリーニング検査においては、「2週間以上、抑うつ状態あるいは
興味喪失状態がつづく場合、うつ病を疑う 」 と言われています。
なので、なんとかこの抑うつな気分が2週以内に消えてくれることを
期待していましたが、一向に良くなる気配は見られず、毎日毎日、
重苦しい大気の中で生きているような、そんな気分でした。

幸いにして仕事柄、ある程度の鬱病に関する知識はありますので、
セルフケアを行い、自己分析ながら、軽めの読書以外は極力なにもせず、
可能な限り睡眠を多くとり、ひたすら良くなるのを待ちました。
統合失調症と違い、鬱病はじっと待ては時間が解決してくれる病気です。
妻も医療従事者ですのでわかっているらしく、そんな僕をそっとしておいて
くれました。

3月25日頃にやっと緩やかな回復が見られるようになってきました。
そんな気分の変化を妻は察知してか、
「調子の悪いパソコンでも買え変えたら」とか、
「美味しいものでも食べに行こうよ」とか、
「前から欲しかったXacti でも買ったら」とか、
僕の喜びそうな提案を持ちかけ、外出する機会をつくってくれました。
そんなこともあり、この1週間ぐらいはだいぶ調子が良くなりつつあります。

相変わらず忙しいのには変わりありませんが、職場内の人間関係はまったく
問題ないので、その点は救われています。

ネットというヴァーチャルな世界でつながりを持つことのできた皆様。

考えてみればこれほど緩く、脆弱な人間関係はないのでは、
と思うこともありますが、「好きなことが一緒」という一点で盛り上がれる
同好の士たる皆様との時間を大切に、これからも末長くブログを
続けていきたいと思ています。

そして、願わくば、(ちょっと大袈裟ではありますが)
僕の経験や思考が、僅かでも皆様のジャズライフの一助になれば、
これほど嬉しいことはありません。
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2009/04/02 | Comment (44) | Trackback (0) | HOME | ↑ ページ先頭へ ↑ |
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