雨の日にはジャズを聴きながら90年代以降のジャズを気ままに綴っています。 旧ブログ 『 雨の日には JAZZ を聴きながら 』 からのデータ移行は終了しました。ジャズ以外にも、時々デジタル関連の物欲記事、最近ハマっているカメラの話題も少しアップしています。 

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健康診断

   ↑  2009/08/31 (月)  カテゴリー: health diet

今46歳ですが、健康に不安を感じるようになったのは40歳を過ぎたころからでしょうか。

もともと煙草は吸わなかったのですが、けっこうお酒は好きで、運動もゴルフ以外はほとんどしなかったため、やや肥満傾向とコレステロールと肝機能のわずかな異常がありました。

そのため、僕は半年ごとに血液データをチェックしています。

いまのところ治療を要するような生活習慣病はなかったのですが、なんと、先週土曜日の採血でついに悪玉コレステロールが内服治療を要するレベルに達してしまいました。これはかなりショックです。

ダイエットには多少注意してきたので、この3年間の間に体重を74kgから67kgまで7kg減量し、BMI も22.9と、理想体重まであと3kgまできました。 肝機能、耐糖能(糖尿病)、尿酸、血圧、それから胃・大腸内視鏡などは問題ないのですが、コレステロールだけ高いのです。

この夏はビールもほとんど飲まず、この一ヶ月間は禁酒しています。このままお酒はやめたいとも思っています。

やっぱり、あとはコレステロールでしょうかね。このままでは薬を飲まなきゃならなくなりそうなので、ここらで真剣に考え、まずは次の課題を自分に課すことにしました。

1) アイスクリームは食べない。(子供がサーティワン好きなのでついつられて食べてしまうので )
2)   生卵は食べない。( 吉野家の牛丼が好きで、しかも卵をトッピングするのが好き )
3) パンにはバター・マーガリンはつけない。
4) チョコレートケーキポテトチップスは食べない。
5) マクドナルドのポテトは食べない。 ( トランス脂肪は極力避ける )

一応、この5つを守り、3か月後に再チェックしてみようかと思ってます。

ほんといやですね、歳とるといろいろとガタがきます。

でも、最近、コエンザイムQ10 を飲むようになってから、ホント、体の調子が良いのです。これ、ホント。

あと、アントシアニンも飲んでます。

検査項目単位基準値2008.05.19.2009.01.26.2009.08.28.
一般身長cm
170.9170.9170.9
体重kg
71.168.067.2
ウエスト径(実測)
<8583.081.083.0
ウエスト径(CT)cm<8580.8
肥満度(BMI)
18.5~24.924.3-22.9
体脂肪率%<2020.6-18.3
内臓脂肪レベル
<109.5-8.0
体幹皮下脂肪率%
13
内臓脂肪面積cm2<10089.5
血圧収縮期mmHg<140125118114
拡張期mmHg<90767468
肝機能GOPIU/ℓ<35221918
GPTIU/ℓ<35312020
γ-GTPIU/ℓ<73302622
脂質代謝総コレステロールmg/dℓ<219205222230
LDLコレステmg/dℓ<140147157170
HDLコレステmg/dℓ> 40425250
中性脂肪mg/dℓ>150118114100
糖代謝空腹時血糖mg/dℓ>11010410696
HbA1c%>5.65.3-5.1
尿酸尿酸mg/dℓ>7.06.15.65.8

体脂肪率、内臓脂肪レベル、体幹皮下脂肪率は、オムロン体重体組成計
KaradaScan HBF-361 で測定。

ウエスト周囲径(CT)、内臓脂肪面積(臍部断面)は、CTスキャン(日立ROBUSTO)で測定。

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2009/08/31 | Comment (2) | Trackback (0) | HOME | ↑ ページ先頭へ ↑ |

一年ぶりの洗車

   ↑  2009/08/30 (日)  カテゴリー: daily

Benz headlight2



昔は車が好きだったけど、結婚して妻しか助手席に乗せなくなったら、とたんに車に対する興味が薄れてしまいました。結局、車好き、ではなく、女好き、なだけだったようです。

最近は滅多に洗車することもなくなり、気がつけば1年も洗車をしていませんでした。ちょうど一年前にコーティングした時以来、全く洗っていなかったので、コーティングを兼ねて近くの洗車屋に車を出して昨日戻ってきたところです。

見違えるようにきれいになり、こんなにきれいな自分の車を見るのも一年に数日あるかないかなので、記念に一枚撮影してみました。もちろん SIGMA DP2 で。
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2009/08/30 | Comment (8) | Trackback (0) | HOME | ↑ ページ先頭へ ↑ |

Peter Asplund / Open Mind

   ↑  2009/08/30 (日)  カテゴリー: trumpet
peter asplund open mind 



私が愛するスウェーデン人トランペッター、ピーター・アスプルンド ( Peter Asplund , 1969~ ) ( 前項あり ) の15年前の旧譜。旧譜とは云ってもこれが実に素晴らしい出来栄えなので、いつか取り上げたいと思っていた作品だ。昨夜久しぶりに聴いていたので忘れないうちに記しておく。

アスプルンドにとっては本作が記念すべきデビュー作である。長年にわたりスウェーデンを代表するビッグバンド Stockholm Jazz Orchestra ( 以下SJO ) のメンバーとして活動してきたアスプルンドだが、本作にはそのSJOの同僚であるアルト奏者のヨハン・ホーレン ( Johan Horlen ,1967~ ) が参加しており、そのことが本作の傑作化に一躍買っていることは間違いない。

このフロントラインの二人が繰り広げる汲めども尽きぬアドリブの応酬が、本作の最大の聴きどころである。そこには屈っぽさは微塵も感じられない。

ホットでワイルドに一心不乱に吹きまくり、濃密な時間を刻んでいく。

実は、本作制作の直後の1997年に、ヤン・ラングレン( Jan Lundgren , 1966~ ) との共同名義で 『 California Connection 』 という作品を制作している。その中でアスプルンドは精悍闊達な折り目正しい正統派バッパーとしての姿を見せているが、正直なところ大人しすぎてほとんど印象に残らなかった。

それに対してこのデビュー作では、ちょうどフレディー・ハバードの絶頂期を彷彿とさせる技巧的で攻撃的なスタイルで熱く迫ってくるのだ。 『 California Connection 』 と比較してその変貌たるや相当なものだ。予備知識がなければ一昔前のNYジャズ・ミュージシャンの演奏かと思ってもおかしくない。

アスプルンドの巧さもさることながら、ここではアルト奏者のヨハン・ホーレン にも注目してもらいたい。ほとんど日本では無名のミュージシャンだろう。にもかかわらず演奏力、アドリブ能力は抜群に秀でていて、あらためて欧州ジャズの懐の深さに驚く。

ホーレンのリーダー作は1994年に Dragon からリリースされた 『 Dance of Resistance 』 だけだと思うが、これは現在でも amaozn のマーケット・プレイスで手に入れられるので興味のある方はどうぞ。だたし、4,267円からです。

そんなCD1枚に4,000円以上も散財できないぞ~、と云う方は SJO の作品を探すとよい。彼はリードアルトを担当しているのでソロも多いのぞ。

SJO 以外で彼の参加作品を探すとなると、同国のドラマー兼コンポーザーのピーター・ヨハンセン ( Peter Johannesson , 1962~ ) がハービー・ハンコックを招いて制作した『 Sixtus 』 でホーレンが一曲だけだが参加している。本作はブログ 『 JAZZ最中 』 の monakaさんも紹介しているが、ハンコックが普段と違って実に溌剌と解放され、熱くプレイしているので、ホーレン目当てでなくても一聴の価値がある秀盤だと思う。

もう一枚あげるなら ピーター・アースキンがスタン・ケントン楽団時代に同じ釜の飯を食った盟友ティム・ヘイゲンス ( Tim Hagens )、 および彼が監修する Norrbotten Big Band と共演した 『 Worth the Wait 』 に参加している。本作はあいにく所有していないのでホーレンのソロがあるかどうかわからないが、ブログ『 Jazz & Drummer 』 の narry さんが五つ☆を付けて紹介しているので内容は折り紙つきだ。
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2009/08/30 | Comment (2) | Trackback (0) | HOME | ↑ ページ先頭へ ↑ |

Max Ionata / Little Hand

   ↑  2009/08/29 (土)  カテゴリー: tenor
maz ionata little hand

Discover the playlist max ionata2 with Giovanni Amato, Max Ionata


本作はマックス・イオナータ ( Max Ionata , 1972~ ) にとっては二作品目にあたる2003年の作品。マックスは今年はじめにリリースされたダニエレ・スカナピエコとの双頭リーダー作品 『 Tenor Legacy 』 で輸入盤ウォッチャーを中心に人気が高まり、次いでAlbore Jazz からリリースされたファブリツィオ・ボッソを迎えて録音された『 Inspiration 』で一気にジャズ・ファンの間で知られる存在となった。僕もこの2枚で完全に彼のファンになってしまい、それからというもの旧作を買い漁っている(というほど彼のリーダー作は多くはないのですが)。

そんな彼の旧譜のなかでもこの 『 Little Hand 』 は格別の出来栄えだ。『 Tenor Legacy 』や『 Inspiration 』も素晴らしい出来栄えの作品だったが、できたらマックスのワン・ホーン・カルテットで思う存分彼の芳醇なテナーの音色に酔ってみたいと思った方も多いのではあるまいか。

作はまさにその願いを叶えてくれるどこを切ってもマックス一色のカルテット作品だ。サポートを務めるメンバーは『 Inspiration 』の時と同じく、ピアノのルカ・マンヌッツァ、ベースのマルコ・ロド、ドラムスのニコラ・アンジェルッチの3人。気心知れた盟友相手に一曲目から最後まで一心不乱に吹いて、吹いて、吹きまくる。

全8曲でイオナータのオリジナルが4曲。メンバーのオリジナルが3曲。そしてもう1曲はショーターの ≪ Yes or No ≫。けっこうモーダルな演奏も巧いのは意外だったが、それよりもルー・カ・マヌッツァの、まるでマッコイ・タイナーばりのモード奏法の凄まじさに驚いた。それもめちゃくちゃ巧いし。High Five Quintet での彼とは別人のようだ。こんなにも切れ味鋭いピアノを弾ける人だとは思ってもいなかった。まるでイタリアのジョーイ・カルデラッツォじゃないか!! ( っていうか、カルデラッツォもイタリア人だが )。 本作はマックスの最高傑作であるばかりか、ルーカ・マヌッツァの極め付けの名演を記録した傑作でのあるわけだ。


それにしても、こんな素晴らしいテナリストが最近までイタリア国内に封印されていたなんて信じられないね。

イタリアン・ジャズの恐ろしいまでの層の厚さに感激してしまう。

近年、テナー・サックス奏者はフレーズの複雑化と高速化に精を出す一方で、サウンドの厚みを犠牲にしてきたように思われるが、マックスはいくら速いフレーズを吹いても決して音が痩せない点が素晴らしい。

Discover the playlist max ionata3 with Max Ionata, Luca Mannutza
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2009/08/29 | Comment (13) | Trackback (0) | HOME | ↑ ページ先頭へ ↑ |

Vince Benedetti Hardbop World / Granada Calling

   ↑  2009/08/28 (金)  カテゴリー: piano

vince benedetti



アメリカ合衆国に生まれながらも60年代中期にパリへ移住し、以後スイスに居を構え40年以上活動してきたピアニスト兼トロンボニスト兼コンポーザー、ヴィンス・ベネデッティ ( Vince Benedetti , 1941~ )  のTBCからの最新作。本作は彼の現在の活動拠点であるスペインはグラナダ在住のミュージシャン達と共演したクインテット編成のハードバップ作品である。

僕が初めてベネデッティ を意識したのは比較的最近のこと。3年ほど前に拙ブログにも書いたのだが、ダスコ・ゴイコビッチの 『 Slavic Mood 』 ので彼の演奏に心ひかれたのが出会いだった。彼はバリー・ハリス風の渋いバップ・ピアニズムを身上とする弾き手で、滋味溢れる職人技が冴える名手である。しかし、スイスに活動を移してしまったことや、トロンボーンや編曲、ビッグバンド運営など、今一つ専門色を出せずにいろいろと手を出してしまったことが災いしてか、なかなか実力に見合う評価が得られないで今日に至っている。

彼の作品を聴きたいと思っても、もともと寡作な人なのでなかなか手に入れることが難しい。最も有名な作品は、デビュー前のダイアナ・クラールと共演した1990年の作品 『 Heartdrops 』 だろう。スイスのホテルで演奏していたダイアナがベネデッティのバンドに客演した作品で、当時はいったんお蔵入りしたが、その後ダイアナ人気の勢いに乗り2003年に晴れてリリースされた。この作品は今でもamazon などで手に入れることができる。一方、マニアの間で密かに人気のJHM 盤 『 Vince Benedetti Trio 』 は、現在は完全に廃盤状態で、一般市場で適正価格で手に入れることはほとんど無理であろう。amazon で見ると、なんと最低価格が12,196円。思わず噴き出してしまいそうな値段だ。

そんなわけで今までは、前述したダスコ・ゴイコビッチの 『 Slavic Mood 』( RCA ) とハンク・モブレーの『 The Flap 』 ( Blue Note ) でしか彼のピアノを聴けなかった。どうしても聴きたいピアニストではなかったけど、機会があれば聴いてみたいと思っていたので、この夏発売された新作にはすぐさま飛びついた。

全10曲で、うち8曲がベネデッティ のオリジナル。他の2曲はウェス・モンゴメリーの≪ Mr. Walker ≫ とバリー・ハリスの≪ Rouge ≫。フロントラインはテナーのアントニオ・ゴンザレス ( Antonio Gonzalez ) とトランペットのミゲル・アンヘル・ロメロ ( Miguel Angel Romero , 1976~ ) のふたり。ふたりとも地元のグラナダ音楽院でジャズを学んでいる。そのほかのメンバーもすべてグラナダの地元ミュージシャンで構成されている。ベネデッティ はスイスで長らく活動していたが、本作のライナーノーツによると、最近は活動の拠点をグラナダに移しているらしい。

全編どこを切り取っても正真正銘のハードバップで、これっぽちも目新しさがない。今更な感じもするが、聴いていると不思議と幸せな気分になってくる。

ハードバプ誕生後約60年。その間にジャズは時代時代でスタイルを変化させながら果てしなく拡散していった。もう何処までがジャズで、どこからがアウター・ワールドの非ジャズなのか全く分からない状況。これからジャズは何処に向かうのか、未来はあるのか、そんな袋小路のジャズを取り巻く環境のなかで、このような昔ながらの純粋なハードバップを聴くと無条件でほっとする。トンガったコンテンポラリーなジャズの対極にこのようなトラディショナルなスタイルも同時に存在できることに、ささやかなジャズの未来を感じることができそうだ。

Vince Benedetti  Hardbop World  /  Granada Calling  ( ディスクノート・ジャズ)
星1つ星1つ星1つ
2009  TBC  29802

Vince Benedetti  ( p )
Miguel Angel Romero ( tp )
Antonio Gonzalez  ( ts )
Guillermo Morente  ( b )
Julio Perez  ( ds )



dusko gojkovic slavic mood 
Dusko Gojkovic  /  Slavic Mood  1975  RCA




hank mobley the flap 
Hank Mobley  /  The Flap  1969  Blue Note

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2009/08/28 | Comment (2) | Trackback (0) | HOME | ↑ ページ先頭へ ↑ |

WASABI / WASABI featuring Alessandro Gwis Emanuele Smimmo Lorenzo Feliciati

   ↑  2009/08/27 (木)  カテゴリー: group

wasabi



CDショップや書店に足を運ぶと最近、スタッフお手製のPOP広告がやたら目につく。

昔は単に商品を陳列していただけだったのに、いつの間にか商品の脇に色鮮やかな手書き文字の解説が添えてあることがごく普通になった。僕などは書店にしてもCDショップにしても買う商品がはじめから決まっていて出かけるわけではなく、ぶらぶら店内を物色しながら気に入ったブツを思いつきで買ってくるほうなので、この手のPOP広告は実に重宝している。

相手側もPOPによる販売促進効果を十分承知しているから手間暇をかけてて丁寧に書いているのだろう。

僕が日頃から足繁く通う Disk Union などは昔からPOPを採用していたけれど、秋葉の石丸電気などはそのあたりは素っ気なくて機械的に新譜を面出し陳列するだけだった。が、最近はどういう心境の変化なのか、やたらとPOPをベタベタ貼り付けて売っている。ちょっと異様な感じすら受ける。

このPOPはやはりあの紫メガネをかけた髭のバイヤーさんが書いているだろうか。そんなことを考えながら昨日も石丸電気6階フロアを物色していたら目に飛び込んできたのがこの WASABI というピアノトリオの新譜。

≪ まさにイタリアのE.S.T. ~≫ という惹句で始まるA3サイズもあろう大きなPOP。E.S.T. の大ファンである僕にとってはまさに一撃必殺のキラー・ワード!! その瞬間、完全に思考回路は停止し冷静な判断力を失い、気がついたときには手に握り締めてレジにむかっていたのです。

エスビョルン・スヴェンソンが不慮の事故で亡くなって事実上 E.S.T. が消滅してからというもの、CD販売店では ≪ E.S.T. のお好きな方は必聴!! ≫ とか、≪E.S.T. の遺伝子を受け継いだ~ ≫のような惹句を頻繁に見かけるようになった。

そんなキャッチコピーを見るたび全く無名の未知のピアノ・トリオを買ってしまうのだが、いまだかつてE.S.T. を凌駕するようなバンドに出逢ったためしがない。似ていればまだしも、まったくE.S.T.とは別物としか思えないものまで無理やりE.S.T.に結びつけて売ろうとする傾向も無きにしも非ずだ。


喩は悪いが、、、
≪ねえ、そこのお兄ちゃん、優香似の可愛い子がいるから遊んでいかない~ ≫ なんていうキャバクラの客引きに釣られて入店しても、優香ちゃんみたいな子が出てきたためしがない !!  それどころか南海キャンディーズのしずちゃん似の子がいきなり体を摺り寄せてきて萎えてしまった・・・・みたいなものばかりだ。( なんじゃそりゃ ) 

そんなわけで、あまり期待もせずにプレーヤーにディスクを乗せたのだが、これが凄く良いピアノなのだ。案の定、E.S.T.にはほとんど似ていない。完全に期待を裏切られたわけだが、良い方向に裏切られた、というべきだろう。

静謐な音の質感は確かにE.S.T.に似ていなくもない。薄暗い神殿の大理石の廊下を素足で歩いて行くような肌ざわりだ。ピアニストがアコピに加え、電子音も操るあたりもE.S.T. ライクだ。アコピに連動してシンセの音が被るあたりは、moog のpiano bar を使用しているのだろうか。あまり嫌みのない洒落た使い方で好感が持てる。テクニック的にもかなり高水準だ。

そうそう、この WASABI という奇妙な名前のバンドのメンバーはだれなんだろう。脊髄反射的に手に入れたディスクなので、メンバーが誰なのか全く知らずに買ってしまった。あらためてメンバーの3人を見てみよう。

ピアノはアッレサンドロ・グイス ( Alessandro Gwis , Roma , 1969~ ) 。ジャケット左端の長髪のイケメンが彼。8歳からクラシック・ピアノをはじめ、80年代後半よりジャズ&ポップ界に進出。1994年からはジャズ・タンゴのバンド Aores Tango のメンバーとして名をはせた。1993年から2000年まで、イタリアン・ポップス界の大御所ジャンニ・モランディのサポート・メンバーとしても活躍した。一方、ジャズ界においては、ステファノ・ディ・バティスタ、パオロ・フレス、エンリコ・ラヴァら、一流ミュージシャンらとも共演を果たしている。灯台もと暗しとはこの事で、M & I から既に2枚のジャズ・タンゴ作 ( 『 タンゴ・エロチカ 』 、『 タンゴ・エクスタシー 』 ) をリリースしている。確かにCDショップでジャケットは見た記憶がある。この人だったのねぇー。

ベースはロレンッツォ・フェリシアチ ( Lorenzo Feliciati ) 。ジャケットの中央で左手を広げているのがこの人。年齢不詳だがおそらく年齢的にも一番上で、実質上のリーダーのようだ。曲もほとんど彼が書いている。本作ではダブル・ベースを弾いているが、得意なのはエレキベースのようだ。過去2作のリーダー作はいずれもエレベでフュージョン/プログレを演奏しているし、youtube にアップされている映像もすべてエレベを弾いている。

最後にドラムのエマニュエル・・スミーモ? ( Emanuele Smimmo , Cagliari , 1973 ) だが、彼のweb site はあるもののすべてイタリア語なので全くわからない。7歳のときにクラシックのパーカッション&ドラムを習い始め、18歳になったときにローマに移住。そこでキューバ人ドラマー、オラシオ・エレナンデスに師事している。主にスタジオやテレビ番組の仕事が多いらしく、またイタリアの最も権威ある音楽学校( どこ?) や楽器店でクリニックを開いているようだ。

  DEEZER で全曲フルで試聴できますよ。

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2009/08/27 | Comment (0) | Trackback (0) | HOME | ↑ ページ先頭へ ↑ |

Pietro Ciancaglini / Reincarnation of A Lovebird - Homage to Charles Mingus

   ↑  2009/08/26 (水)  カテゴリー: bass

Pietro Ciancaglini



High Five Quintet のベーシストとして人気のピエトロ・チャンカリーニ ( Pietro Ciancaglini , Roma , 1975~ ) のデビュー作。これがなんとチャールス・ミンガスへのトリビュート盤というからちょっと意外に思ったが、Albore Jazz の主宰者である富田聡氏のインタビュー記事 ( Swing Journal 7月号 226頁 ) によると、≪ ミンガスはチャンカリーニが最も影響を受けた作曲家の一人≫ なのだそうだ。あくまで≪作曲家 ≫としてのミンガスを高く評価しているのであって、≪ ベーシスト≫ としての評価ではないわけだ。

セロニアス・モンクとチャールス・ミンガスはモダン・ジャズ史上最も強烈な個性を放った天才であり、ふたりとも没後に再評価され現在でも不動の人気を誇っている点でも共通している。がしかし、モンクへのトリビュート盤は数多くあれど、一方のミンガス・トリビュート盤は意外に少ない。すぐに思い浮かぶのがジョニ・ミッチェルの 『 Mingus 』 ぐらいだろうか。先日、WOWOWで放映された70年代のミンガス・バンドのライブ映像の際ピーター・バラカン氏は、ハル・ウィルナーによるミンガス・トリビュート作品 『 Weird Nightmare: Meditations on Mingus 』 ( 1992 ) を紹介してた。しかしこれらはいずれも純粋なジャズの作品ではない。そう考えるとミンガスの音楽に正面から対峙して作り上げられたジャズ作品は、ほとんどないと云ってもよいだろう。ある意味 ≪The Mingus Big Band ≫ が唯一のトリビュート・プロジェクトかもしれない。

ミンガスの音楽はミンガス自身が行使する絶対的な統率力、支配力のもとで初めて具現化できる音楽であり、曲だけが彼の手を離れ広くジャズ界に浸透していうような性質を持たないことが、敬愛されながらもカヴァ作品が作られない理由なのかもしれない。さらにミンガスの曲は管アンサンブルが必須であり、最低でも2管フロントラインを構成しないと実現できないという制約もカヴァを難しくしている要因ではないだろうか。その意味でも今回のチャンカリーニのトリビュート作品は非常に興味深いといえよう。

余談ながら同じイタリア人では、50年代のイタリアン・ジャズの黎明期から第一線で活躍していたベース界の重鎮、ジョルジオ・アゾリーニ ( Giorgio Azzolini , 1928~ ) はミンガスの影響を強く受けたミュージシャンであり、≪イタリアのミンガス≫ なんて云う惹句が付けられていた程だった。

また、最近ではRoma Trio やジョバンニ・ミラヴァッシのサポートで知られるチャンカリーニと同年齢の中堅ベーシスト、ジャンルカ・レンジ ( Gianluca Renzi , Frosinone , 1975~ ) がミンガスとジョーヘンダーソンのカヴァ集 『 CHARLES&JOE 』 ( 2007 ) をリリースするなど、本国よりもイタリアでちょっとしたブームになっているようだ。

閑話休題。本新作は誰もが一度は聴いたことのあるミンガスのオリジナル8曲と、チャンカリーニのオリジナル2曲を含む全10曲の構成。フロントラインには今が旬のテナー奏者、マックス・イオナータとロベルト・ガトーのバンドで人気沸騰中の新進気鋭のアルト奏者、ダニエル・ティッタレッリ ( Daniele Tittarelli ) の2管編成。あくまでゲスト扱いだがアルゼンチン出身の凄腕マルチリード奏者ジャビエル・ジロット ( Javr Girotto ) が4曲で参加している。ジロットはここではバリトンを吹いているが、これが滅法巧い。ミンガスのサウンドにはこういうバリトンの深く沈む音域がよく似合う。ちょうど The Mingus Big Band でロニー・キューバのソロで一気に盛り上がるのも同じ理由だろう。

冒頭からいきなり ≪So Long Eric ≫ で始まる。チャンカリーニ の緩やかにウネるイントロからティッタレッリとイオナータの神秘的な感覚を醸し出すテーマが奏でられると一気にミンガス・ワールドに引きずりこまれる。今まで幾度となく聴いてきた≪So Long Eric ≫の旋律なのに、瑞々しい輝きを放ち聴き手の心深くに響いてくる。源旋律を全く崩していないのに実に不思議だ。ミンガス独特のアクがすっかり抜けて、都会的で洗練されたサウンドに生まれ変わっている。 The Mingus Big Band で垢抜けたミンガス・ワールドの面白さは承知しているはずだが、ここまで美しいミンガスは初めて体験した。計り知れないポテンシャルを内包したミンガスの楽曲群は、イタリアの感性豊かなミュージシャンの手によって丹念に磨きあげられた鉱石のように美しく輝きを放っている。

チャンカリーニもオリジナルもミンガス曲の中にあって全く違和感を感じないほど機微に富んだ優れた楽曲で、彼のソングライティング能力の高さにあらためて感心させられた。と同時に、丁寧に聴き込んでいくと彼のベースラインが実に良く歌っているのに気づく。かなり弾き込んだラインだ。High Five Quintet ではどうしてもフロントの派手なパフォーマンスに耳を奪われ、正直チャンカリーニのベース音にまで気が回らないのだが、かなり丁寧にラインを刻む名手であることは疑いの余地はない。

一聴して地味な印象を受けた作品であったが、聴き込むうちにじわじわと心に沁み入るなかなかの好盤だと感じた。メンバーの良さもあって本作は長きに渡り付き合える作品になりそうだ。

Pietro Ciancaglini / Reincarnation of a Lovebird ( amazon ) 
星1つ星1つ星1つ星1つ
2009  Rearward RW131CD
[ Schema の傍系レーベル Reawardは、再発専門レーベルかと思っていたけど、新譜も制作しているんだね。新譜なら Schema から出せばいいのにね ]

Pietro Ciancaglini  ( b )
Daniele Tittarelli  ( as )
Max Ionata  ( ts )
Pietro Lussu  ( p )
Walter Paoli  ( ds )
< guest >
Javier Girotto  ( bs )



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2009/08/26 | Comment (6) | Trackback (1) | HOME | ↑ ページ先頭へ ↑ |

訃報 : ジャンニ・バッソ  Italian Jazz Legend Gianni Basso dies at 78

   ↑  2009/08/24 (月)  カテゴリー: diary

gianni basso cojazz


アルバム 『 Live at Down Town 』 収録 ≪ I Close My Eyes ≫ .
Guido Mansardi ( p ) Stefano Travaglini ( b ) Massimo Manzi ( ds )


イタリアが誇るジャズ界の至宝、ジャンニ・バッソ ( Gianni Basso , 1931~ ) が8月17日朝、故郷のアスティにある病院で逝去されました。享年78歳でした。近年はファブリツィオ・ボッソら若手らと積極的に共演したり、また Idea6 などの活動を通じてクラブ・ジャズ・シーンでも高い人気を得ていただけに突然の訃報が残念でなりません。地元紙 Asti Notizie のオンライン・ジャーナルによると、このところ体調を崩し、3か月前より演奏活動を休止していたそうです。逝去される数日前に地元の病院に入院され、そのまま息を引き取ったとのこと。死因については記載されていません。

訃報記事はすべてイタリア語によるものばかりで、英文で検索しても全くヒットしません。アメリカなどではバッソの知名度はどの程度なのでしょうか。仕方ないので、私の拙い英語力で簡単な記事を書いておきます。英文の間違いがありましたら、ご指摘ください。



August 17, 2009 - Gianni Basso, the greatest Italian saxophosist and composer, has died at the hospital in Asti at the age of 78.

He was Born on 24 May 1931 in Asti and spent his early childhood in Belgium, where he primarily studied the clarinet and then he also played saxophone at 15. He came back to Italy, where he began to lead Basso-Valdambrini Quintet in the '50s and '60s with trumpeter Oscar Valdambrini. His group was without a doubt the most popular jazz band in Italy in the '50s.

Furthermore he  collaboreted with many touring jazz luminaries such as Billie Holiday, Lionel Hampton, Gerry Mulligan, Slide Hampton, and Chet Baker.

In the late '70s he founded the band Saxes Machine and subsequently fronted the Gianni Basso Big Band.

In recent years, he has coopereted with Italian young lion such as Fabrizio Bosso, and  took part and performed in Idea 6 - the cool Italian combo who features Gianni Basso on tenor, Guido Pistocchi on trumpet, Dino Piana on valve trombone, and Andrea Pozza on piano.

He became sick about three months ago and has avoided being seen. Finally he was admitted to the hospital, where he spent a few days before death.


 

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2009/08/24 | Comment (2) | Trackback (1) | HOME | ↑ ページ先頭へ ↑ |

Maurizio Rolli Big Band / Rolli's Tones

   ↑  2009/08/23 (日)  カテゴリー: large ensemble
maurizio rolli



フレットレス・ベースとダブル・ベースを起用に使い分ける中堅イタリア人ベーシスト、マウリッツォ・ローリ( Maurizio Rolli , 1965~ ) の最新作。前作は彼が敬愛するジャコ・パストリアスに対するトリビュート作品であったが、今回は自身のビッグバンドを率いて、さらにマイク・スターン、故ハイラム・ブロック、ボブ・シェパード、ボブ・フランセスチーニ、ピーター・アースキンら、豪華ソリストを招聘して制作されたクラシック・ロックの名曲カヴァ集である。

マウリッツォ・ローリは日本ではほとんど無名だが、彼のバイオを見る限り80年代中頃からイタリアでは活躍し、数多くの受賞歴もある名の知れたベーシストのようだ。日本ではジャコ・トリビュートの前作 『 Moodswings 』 で一部のジャズ ( ジャコ ) フリークの間で話題になったのは記憶に新しいところ。最近イタリアン・ジャズ・ファンの注目を集めているテナー奏者、マックス・イオナータの旧作 『 Zaira 』 にも参加しており、また同バンド在籍中の2000年にBaronissi Jazzで受賞している。

前作 『 Moodswings 』 の中で彼はダブル・ベースを手にして、あのベース界の鬼才マイケル・マンリング ( Michael Manring , 1960~ ) を相手に≪ Donna Lee ≫ を披露し、ダブル・ベースの巧さをアピールしていたが、本新作ではフレットレスだけを使用している。

ジャコのフレットレス奏法を踏襲しながらもあらゆるスタイルに適応できるフレキシビリティを有している点は多くのジャコ・フォロアーと共通している。フレットレスでありながらピッチが恐ろしく正確で、しかもデジタライクに高速なフレーズを連発し、概して優秀なジャコ・フォロアーという印象を受けるが、逆の見方をするならコピーはオリジナルに勝てるわけがなく、テクニックと音楽性は想像範囲を超えることはないのが残念。

全9曲で、彼のオリジナルは2曲だけ。その他はジミ・ヘンドリックス、ビートルズ、イエス、オジー・オズボーン、スティング、エアロ・スミスらの名曲をビッグバンド用にアレンジしてカヴァしている。何でそんな曲を敢えて選んだのか?と疑問に思うところもあるが、私たちにはわからない大人の事情もあるのだろう。文句は言えない。ただ、イエスのファンとして言うなら、≪ イエスから1曲やろう≫ と考えたとき、どうしてその1曲が ≪Changes ≫ になってしまうのだろうか。 ≪Changes ≫は1983年の 『 90125 ( 邦題: ロンリーハート ) 』 に収録されていた曲だが、あんな曲はプログレとは呼べない。もっと初期のプログレらしい、たとえば≪ Close to The Edge ≫ とか、≪ Roundabout ≫ とか、いくらでもアレンジし甲斐がある名曲があるはずなのに。

アレンジは全曲ローリの手によるものだが、一般的なビッグバンドのアレンジではない。たとえばビッグバンドの必須条件のトランペット・セクションの爽快感溢れるソリとか、高揚感漲るトゥッチとか、全然、ない。アンサンブルも緻密さに欠けるからうるさく聴こえることはあっても重厚感が伴わない。ビッグバンドのキモはアレンジなのに、そのアレンジがいまひとつなのは残念だ。常にメンバーの7、8割が楽器を弾かずに遊んでいるようなサウンドで、非常にもったいない。

ゲスト・ソリスト、たとえばボブ・シェパードやボブ・フランセスチーニなどのブレッカー譲りのソロは流石に素晴らしく、本作の瞠目すべき点である。90年代からローリとたびたび共演し、前作 『 Moodswings 』でも美しいヴォイスで作品を盛り上げた女性ヴォーカリスト、ディアナ・トルト ( Diana Torto )が本作でも歌っているが、曲自体がもともと素晴らしいヴォーカリストによって歌われていたものだけに、どうしても軽薄で陳腐に響いてしまうのが悲しい。ロック/ポップスの名曲カヴァの難しさを痛感する。

いずれにしても、ローリの作品を一枚聴いてみようという方は、前作のジャコ・トリビュート・アルバム 『 Moodswings 』 の方が聴きやすいであろう。ただし、あくまでジャコ・フリーク限定ということで。



Maurizio Rolli Big Band / Rolli's Tones ( amazon )   星1つ星1つ星半分
2009  Wide Sound  WD180

Rolli's Tones Big Band
Feat.
  Hiram Bullock
  Stefano “ Cocco ” Cantini
  Peter Erskine
  Bob Franceschini
  Bob Sheppard
  Mike Stern
  Achille Scci




ドラムはピーター・アースキン、そし何とテナーのステファン・ギョームも参加している !!!
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2009/08/23 | Comment (0) | Trackback (0) | HOME | ↑ ページ先頭へ ↑ |

松田聖子 デジタルリマスター盤 Blu-spec 仕様 

   ↑  2009/08/21 (金)  カテゴリー: Pops

matsda seiko

来年で松田聖子はデビュー30周年を迎える。それを記念して80年代にCBS/SONNYに残した彼女の オリジナルアルバム16作品が、リマスター音源を使用した Blu-Spec CD 仕様で8月5日に再発された。

80年代の松田聖子の作品は現在でもCD選書シリーズで簡単に手に入れることができる。しかし、マスタリング技術が未熟だった90年代に制作されたCD選書は、音質的にかなり難があった。歌詞カードの簡素化、スリムケース仕様などの工夫がなされたことにより、1500円という低価格での販売が可能となった同シリーズは、LP時代の旧作を手軽にCDで楽しみたいというニーズに合致し、大変よく売れた。だがいかんせん音質が悪く、購買欲、収集欲を削がれるシリーズであったのも事実だ。私も大滝詠一、南佳孝、吉田拓郎など、安さに負けてけっこうCD選書で揃えてしまったが、ほぼすべて処分してしまった。音質に無頓着な私でさえその違いが分かってしまうのだから相当悪いはずだ。

実は彼女のリマスター音源を使用したディスクは今回がはじめてではない。2006年にデビュー25周年記念として10万円のCDボックス 『Seiko Matsuda』 が発売されている。デビュー曲 ≪ 裸足の季節 ≫ から未発表曲までを875曲を収録した74枚組ボックスセットで、単純計算で60時間を費やさなければ全曲聴けないというとんでもない企画であった。およそそこにはSonny music 制作陣営の思想を感じられず、当時は誰がこんな代物を買うんだと世間は冷ややかな目で見ていた ( 制作側も売れるとは思っていなかったかもしれない ) が、開けてみたら驚くことに約1万セット、10億円の売り上げがあった。

聖子ファンとしては音の悪いCD選書盤を聴きながら、≪ 早く高音質で聴きた~い! ≫ と、一日千秋の思いでリマスタリング盤の再発を待ち望んでいたにもかかわらず、やっと出たリマスター盤が10万円ださないと聴けないという、ファンの心を逆手にとって、というか踏みにじるような Sony Music の悪徳商法のまえに多くのファンが唇を噛みしめたはずだ。

そして、大方の聖子ファンは 《 どうせ10万円ボックスを売りきったところで、分売するんだろうなぁ~ 》 と思っていところにようやく今回のリマスター再発盤が発売されることとなったわけだ。Sony Music のこのような手口は、ビジネス的には正攻法なのだろうが、あまり露骨に繰り返しているとファンの心証を害するとことになるのではないだろうか。

さて、今回の再発盤は80年のデビューアルバム 『 SQUALL 』 から89年の『 Presious Moment 』 までの計16タイトル。それぞれにDVDが付いているが、収録映像は1曲のみで、その1曲というのも80年代のライブ映像をコラージュ編集したものにレコーディング音源をかぶせただけのもので、はっきりいってなんの価値もない。2.980円という高値で売るための口実にしか思えない。しかもケースが今時見ない分厚いケースに納めていかにも豪華風に装うあたりが胡散臭い。

16タイトルを全部買うと定価で47.680円。amazon で買っても39.040円。松田聖子の当時のファンは今や30台後半から40代だろうから、其れなりに経済的余裕もあり16タイトル大人買いするファンも多いのだろう。私はそこまでの熱烈なファンではないので、とりあえず大好きなタイトルを2枚購入した。82年5月にリリースされたオリジナルアルバムとしては5作目にあたる 『 Pineapple 』 と、83年5月にリリースされた7作目にあたる 『 ユートピア 』 がそれ。

この2枚は私個人として思い出深い作品で、過ぎ去りし青春の日々を想起させてくれる絶好のアイテムなのだが、8月17日付オリコン週間アルバムランキングでは16作品中13作品がTOP100入りしており、そのうちで最高位を記録したのが 『 Pineapple 』 ( 49位 ) で、次いで 『 ユートピア』 ( 50位 ) であった。私の好きなこの2枚がやはり一般的にみても人気があるようで、ひねくれ者の私としては少々複雑な気持ちだ。

第三位は『 風立ちぬ 』 ( 52位 ) なのだが、私としてはあまり好みではない。本作はA面5曲がすべて大滝詠一&松本隆の作品で構成され、アルバム総体として大滝色が濃厚だ。聖子の作品には松任谷由実をはじめ、細野晴臣、来生たかお、原田真二、財津和夫など、超大物作曲家が名を連ねているが、不思議と聖子に提供する楽曲はアーティスト自身の個性を押し殺したかのような、聖子が歌いやすい楽曲を書いてくる。そういう作曲家の聖子に対する配慮 ( ある意味、愛か )のためにアルバム総体としての統一感が生まれるわけだが、大滝詠一は他の作曲家に比べて自己を主張する楽曲を書く。大滝独特の複雑なメロディーの節回しは聖子の作品の中に置いたとき、やや鼻につく。

松田聖子はデビュー以来、『 風立ちぬ 』 という例外はあるものの、一貫して≪ 夏の海 ≫ をコンセプトにアルバム制作を行ってきた。聖子の何処までも澄み切った透明感のある伸びやかな歌声はまさに夏の海にピッタリであったし、作曲陣が書く選りすぐりの夏色の楽曲も素晴らしかった。そのサウンドはあたかもLAから発信される爽やかなAORサウンドのようだった。

そして、そのハイ・クオリティー・サウンドを可能にしたのが当時の凄腕スタジオ・ミュージシャンであったと云えよう。林立夫 ( ds )、松原正樹 ( g )、今剛 ( g )、斎藤ノブ ( perc ) という当時 “ パラシュート ”というフュージョン・バンドで活躍していたミュージシャンを中心に、 ザ・プレイヤーズの渡嘉敷祐一 ( ds ) や岡沢章 ( b )、山下達郎バンドの伊藤広規 ( b ) ,吉田拓郎を長年支えてきた青山徹 ( g ) 、そして松任谷正隆 ( p ) と、当時、凡そ考えられる最高のサポート・ミュージシャンを起用したことがアイドル・ファンの枠を超えて多くの音楽愛好家に評価された所以だ。

≪ 松田聖子のデビュー・アルバムは、アイドルのアルバムとして初めてバック・ミュージシャンのクレジットを曲ごとに記したアルバムだと言われている。≫と、熊谷美広氏監修の著書  『 Disc Guide Series : Fusion  』 ( 2000年、シンコー・ミュージック ) の中で同氏が語っている。

『 松田聖子と中森明菜 』 ( 2007年、幻冬舎新書 ) の著者、中川右介氏は、≪ アイドル・ファンにとっては名前も顔もほとんど知らない人々であったので、( バック・ミュージシャンの名前を ) 載せることに営業的な意味はほとんどなかった。あるギタリストが参加しているという理由で松田聖子のLPを買うひとはいないだろう。≫ と語っている。しかし、中川氏の予想に反して、私を含め、私の周囲には聖子のLPを松原正樹や今剛を目当てで購入するジャズ・ファンが少なからずいたものだ。

松田聖子はアイドル歌手でありながら、ルックスを切り離して音楽だけを論じることのできる希有な歌手であったが、彼女が作りだす作品はたとえ歌がなくてもポップ・インストゥルメンタル作品として十分通用するクオリティーが備わっていたわけだ。

そしてなによりも重要なことは、デビューの初期の段階から作詞を松本隆がひとりで担当していたことだろう。松本氏が聖子の作品にかかわるようになったのは三枚目のアルバム 『 Silhouette 』 からで、二人の密月の関係は88年の 『 Citron 』 まで続くことになる。この松田=松本の運命共同体の噤み出す世界観に共鳴した作曲家、ミュージシャンが二人のもとに集結し、あの素晴らしい音楽を作り上げていくのだ。松本の詩には難解な哲学や政治の話、あるいは家族や友人の話など一切登場しない。あるのは単に愛し合う≪ あなた ≫ と≪ わたし ≫ の二人だけの世界。松本氏独特のメタファーやそれこそ全く意味不明なタームを散りばめ、現実逃避のラブソングを仕立てていく。リスナーに無限の想像力をかきたてる言葉を多用するところなど、ちょうど村上春樹に似ている。




アルバム 『 Pineapple 』 収録 ≪ レモネードの夏≫ 
作詩:松本隆 作曲:呉田軽穂 ( 松任谷由実 )





アルバム 『 Pineapple 』 収録 ≪ パイナップル・アイランド ≫ 
作詩:松本隆 作曲:原田真二 編曲:大村雅朗

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2009/08/21 | Comment (4) | Trackback (0) | HOME | ↑ ページ先頭へ ↑ |

今日のプレイリスト

   ↑  2009/08/18 (火)  カテゴリー: diary
090801_沖ノ島3
千葉県 館山港にて 2009.08.01.



気温が高くムシ暑い昼間に比べると、
夜はずいぶんと涼しくなってきました。
こうして自室でひとりPCに向かっていると、
時折、やわらかな微風が窓から入ってきて、
秋がもうそこまで来ていることを実感します。
いわゆる “ 夜の秋 ” と呼ばれるこの晩夏の季節が、
歳をとるごとに好きになってきました。
夏は恋愛の季節、なんていうのは、とっくの昔の話で、
40代の中年にとって夏は拷問の季節でしかありません。
その意味では今年の夏はほんと、過ごしやすい夏でした。

そんなわけで、山下達郎の 『 さよなら夏の日 』 でも聴きながら
夏の後姿に思いを馳せるのもいいかもしれませんが、
今晩はちょっと寂しくなるような夏っぽい曲を
僕の iPod プレイリストからアップしてみました。


聴くときは、一曲目から順番に最後まで聴いてね。
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2009/08/18 | Comment (7) | Trackback (0) | HOME | ↑ ページ先頭へ ↑ |

Toshiyuki Honda & Burning Waves / Boomerang

   ↑  2009/08/16 (日)  カテゴリー: alto
本田俊之 Boomerang 


≪ Boomerang ≫ composed by Toshiyuki Honda featuring Bobby Broom .

1981年、渡辺貞夫のツアーで来日したボビー・ブルームは、滞在中に本多俊之&バーニング・ウェイヴの録音に参加している。その参加作品がこの『 Boomerang 』 。タイトル曲でボビーのソロが聴かれるが、全体的には出番は少なめだ。本多俊之&バーニング・ウェイヴは当時のスクエアやカシオペアなどに比べるとポップ感が希薄で、かといってプレイヤーズのようなハードコアでもなく、なんだか中途半端な印象がある。ターゲットが曖昧な商品は売れないのは世の常で、彼らもフュージョンというタームが音楽界に定着する前に淘汰されていった、と記憶している。


実はこの作品は当時、エレクトリック・バードというレーベルから発売された。米国に負けない世界的にも通用するクロスオーバー・サウンドを 日本から発信する、というスローガンのもとに森園勝敏、増尾好秋、そして本多俊之らの作品を制作していた。プロデューサーはかの有名な川島重行氏であった。偶然にもそのころの作品が今月5日に 『 エレクトリック・バード ~ スーパー・フュージョン・セレクション 20 』 シリーズとして、紙ジャケ&SHMC-D 仕様 / 24bit マスタリング で再発されている。ただ、2800円というのはいくら高音質CDとはいえ、ちょっと高いかな。私の所有しているのは2006年にローヴィング・スピリッツから再発されたディスクで1980円。しかも中古で600円で購入したもの。
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2009/08/16 | Comment (0) | Trackback (0) | HOME | ↑ ページ先頭へ ↑ |

心に残るCM

   ↑  2009/08/16 (日)  カテゴリー: daily

第一生命_父と娘の絆 


先ほどテレビを見ていたら第一生命のCMが流れていました。来年に株式会社化に合わせて制作されたCMで、 『 幸せの道 父と娘の絆 』 という題名のようです。

掃除する手を止めて、思わず見入ってしまいました。
そして、思わず込みあげてきてしまい・・・.。

「パパ、ありがとう」 という子供の言葉が、こんなにも嬉しいものだと、
子供を授かって、僕は初めて知りました。

いいCMです。

生命保険会社のCMで、やはり忘れられないのが、この明治安田生命の
『 たったひとつのたからもの 』 というCM。
今見ても、涙が止まらなくなる、CMの世界を超えた、素晴らしい作品だと思います。



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Francesco Cafiso / Angelica

   ↑  2009/08/15 (土)  カテゴリー: alto
francesco cafiso_angelica




2005年にVenus からデビューしたときは、これは凄いアルト・サックス奏者が出てきたもんだ、とびっくり仰天したが、時の流れは実に早いものであれから4年近くも経ってしまった。デビュー当時16歳だったカフィーソも今では20歳。早熟とか神童とかいう形容詞が似つかわしくない程、立派なミュージシャンに成長した。

そんなカフィーソの新譜がイタリアのレーベル CAM JAZZ からリリースされた。CAM JAZZ からのリーダー作としては2006年リリースの『 Happy Time 』 に続く2作目となる。私個人としては、『 Happy Time 』は今までのところカフィーソの最高傑作と思っているので、今回の CAM JAZZ 産にもおのずと期待が膨らむ。

本題にはいる前に、彼の前作について少し触れておく。2006年 『 Happy Time 』 ( 前項あり ) をCAM JAZZ からリリースした後、彼は Venus からデビュー作 『 New York Lullaby 』 に続く第二弾、第三弾作品を立て続けにリリースした。詳細は省くが、この2作品がどうも印象が悪かった。

つまりは、相変わらずVenus 側がスタンダードばかりを演奏させているのでスリル感が全く生まれない退屈な演奏に終始しているのが致命的と言える。大方のジャズファンはそうした Venus の方向性に辟易しているはずだ。オーヴァー・プロデュースにより完全にミュージシャンの真価、個性をスポイルしているとしか言いようがない( もちろん、そのことがいい結果を生む場合もあるが ) 。

恐るべき技術力に裏付けられた完璧なまでの演奏能力には敬服せざるを得ないのだが、どうしても聴き手の心に訴える力に乏しいというか、機械的にスタンダードを吹いているだけのような白々しさが見え隠れして、共感できないのだ。カフィーソは Venus が提供する枠組みの中では、真価を発揮できない、そう思った。

そんなこともあり、今回の CAM JAZZ に更に期待しちゃうのだが・・・・。

実を言うと、本アルバムの第一印象は激しく物足りなかった。

本アルバムを制作にあたり彼が選んだ戦場はニューヨークだった。相手は現在ニューヨークで活躍中の新進気鋭のミュージシャン。つまり、ドラムのアダム・クルーズ、ベースのネン・ストリート、そしてピアノのアーロン・パークスの3人。このメンバーなら凄い作品が生まれるに違いない、と期待するのもわかっていただけるだろう。ついにカフィーソもダークで繊細な非4ビート路線に突き進むのか! と思いきや、冒頭曲で出てきた音はいきなり眠気を誘う超スロー・バラード。ビリー・ストレイホーンの ≪ A Flower Is A Lovesome Thing ≫ 。 アダム・クルーズはマレットを持ってノンビートでポコポコ叩いているし・・・。


2曲目からはそれなりに元気な演奏もみられるが、作品総体としては詩的でエモーショナルな静かな楽曲で占められている。既往の諸作品でみられたような息もつかせぬ高速ビバップ・フレーズはほとんど現れない。若さで押しまくる時期は過ぎた、という彼の意志の表れだろうか。まるで老境の域に達したかのような落ち着きはらった演奏に正直、当惑する。

また、アーロン・パークスの個性も生かし切れていない。これじゃアーロンでなくてもいいんじゃないか、って思う。他のメンバーにしてもほぼ同様なことが言える。


しかし、まあ、数回聴き込むうちにこの物足りなさは少しづつ払拭されていった。

カフィーソの静謐で叙情的なソロの中から時折顔を見せる情念みたいなもの。そういった感情は、完璧なまでのグリッサンド&リップ・ベンド、それから激しいファズ・トーン、さらには彼の今までのプレイではほとんど聴かれることのなかったアウト・スケールの音列などのイディオムを駆使して表現されるわけだが、その一文の隙もない完璧な演奏力にはあらためて敬服する。やっぱりこの人は、只物じゃない。




Official Web Site や Youtube にカフィーソの映像がたくさんアップされているのが、どれもライブパフォーマンスは素晴らしく観ごたえがある。アドリブ・ラインの自由度が高く、新鮮なフレーズが次々と飛び出してくるし、喉を傷めるんじゃないかと心配するくらい激しいファズトーンを聴かせ、昂揚感を煽る。私もプロムナード銀座2005で彼のライブを観ているが、あの時の感動は今も忘れられない。やっぱりカフィーソはライブがいい。切にライブ盤の発売を望む。

Francesco Cafiso / Angelica ( amazon )  星1つ星1つ星1つ
2009  CAM JAZZ  CAMJ 7820-2

Francesco Cafiso  ( as )
Aaron Parks  ( p )
Benn Street  ( b )
Adam Cruz  ( ds )
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Tom Browne / Love Approach

   ↑  2009/08/14 (金)  カテゴリー: trumpet

TomBrowne_LoveApproach


≪ Her Silent Smile ≫ composed by Tom Browne featuring Bobby Broom.

トランペット奏者、トム・ブラウン ( Tom Browne , NY , 1959~ ) の大ヒットアルバム『 Love Approach 』 ( 1980 , GRP ) への参加がボビー・ブルームの初レコーディングだった。当時、バークリー音楽院をやめてニューヨークに戻ってきたボビーは、ロングアイランド大学に通うかたわら、アート・ブレイキー&JM やヒュー・マラケレ、トム・ブラウンらのバンドでプレイしていた。トム・ブラウンは当時GRPに所属していて、前年にはデビュー・アルバム『 Sugar Browne 』 をリリースし勢いに乗っていた時期だった。その流れでトム・ブラウンは第二弾を録音することになり、ボビーも幸運にもそのレコーディングに参加することができたのだった。

本アルバムはその後も多くのミュージシャンにサンプリングされたジャズ・クラシックの名曲≪Funkin' For Jamaica ≫ が収録されている作品としてかなり有名だ。本アルバムの中でボビーは全編を通して地味な短音リズム・リフで参加しているだけであり、ボビー目当てで聴くと少々期待外れに終わる。唯一ソロをとっているのが上に貼り付けておいた ≪ Her Silent Smile ≫ であり、彼らしいブルージーな名演がしっかり記録されているので、ボビー・ファンとしてはかろうじて救われた感じがする。別段、音楽的にとりたてて凄いことをやっているわけではないのだが、一音一音丁寧に繋いでいくフレーズは何とも心地よく、聴き入る者を魅了するはずだ。

彼はこのレコーディングに参加したことがきっかけとなり、翌年には正式にGRPと契約を果たしている。前述したようにこの時期にアート・ブレイキーからもJM加入のオファーを受けていたボビーだが、もしJMに加入していても、あのバンドではギターが活躍できるスペースなどどう考えてもなかっただろうから、周囲の反対を押し切りGRPと契約したことはた正しい選択だったように私は思う。

それにしてもアート・ブレイキーがギタリストに声をかけるなんて、かなり珍しいことではないだろうか。JM の長い歴史の中でギターが加入していたのは、1973年にマイケル・ハウエル ( Michael Howell ) という黒人ギタリストが短期間参加していただけだ。そう考えると、もしボビーがJMに加入していたら意外に面白い80年代JM サウンドを形成されていたかもしれないと、興味は尽きないわけだが。

Bobby Broom の Answer.com は、こちら

Tom Browne / Love Approach ( amazon )   星1つ星1つ星1つ星1つ
1980  GRP

Tom Browne: trumpet / Dave Grusin: acoustic piano, synthesizer, electric piano / Marcus Miller: bass / Sekou Bunch: bass / Omar Hakim: drums / Buddy Williams: drums / Bobby Broom: guitar / Bernard Wright: piano, synthesizer / Jorge Dalto: acoustic piano / Lesette Wilson: acoustic piano / Carol Steel, Larry Rosen: percussion / Bob Franceschini: tenor saxophone

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Bobby Broom / The Way I Play ( Live In Chicago )

   ↑  2009/08/13 (木)  カテゴリー: guitar
bobby broom_The Way I Play


Body and Soul


80年代初頭にフュージョン・ブームの勢いに乗りシーンに登場し、GRPから2枚のリーダー作をリリースするも期待通りのセールスが得られず契約を打ち切られ、シカゴに居を移したのが1985年のこと。その後は地道にライブハウスなので活動を重ねる傍ら、大学などで教鞭をとって生活していた。90年代には Criss Cross と契約しレコーディングを行うもやはり2作品を制作しただけでその後が続かず、同時期に Criss Cross から次々と作品を発表していたピーター・バーンスタインに大きく水をあけられたかたちで退散。結局シカゴを拠点に現在まで地味に活動しているようだ。

本アルバムは昨年リリースされたギター・トリオ編成による一遍。他のメンバーは地元シカゴで長年活動を共にしているベースのデニス・キャロルとドラムのコビー・ワトキンスの二人。このトリオの結成は1990年のこと。以後、現在まで20年近くもレギュラー・トリオとして活動しているのだから音楽的にも人間的にも相当気が合う仲間なのだろう。

1997年からはシカゴ市近郊のエバンストン ( Evanston ) という町にあるピート・ミラー・ステーキハウスで毎週水曜日の夜にギグを行ってきたが、本アルバムはそのステーキハウスでの実況録音盤である。ただし、これはあらかじめCD制作用に録音されたものではない。実はボビー・ブルームの生徒であり友人であるリー・ローゼンバーグという人物がこっそり生録していたものである。

しかも DAT ではなくMD で録音したというのだから驚きだ。彼は4か月分の演奏の中から出来の良いテイクを計9枚のMDに収録し、ボビーに送った。ボビーははじめはそんな記録物に興味がなかったが、メンバーの勧めでこの9枚のディスクに収められている演奏を十分吟味し、その中から鑑賞に耐えられる演奏を8曲選び抜いたのだった。

そのため録音状態は決して良いものではない。というか、はっきり言って悪い。ステレオで録音されているのだろうがほとんど分離していないし、客席から生録しているので録音者およびその周囲の観客の拍手の音が馬鹿デカく収録されている。しかもこの店の客はほとんど演奏に耳を傾けていない。

なんでもこのステーキ屋さんはジャズのライブハウスではないようで、こじんまりしたステージは備え付けてあるものの、お客はほとんどが飲食目的で来ているのでミュージシャンを無視してステーキにかぶりついているらしい。賞賛の声や拍手喝采はなく、ボビーらはかなり厭な思いをしたようだ。

そんなミュージシャンにとっては悪い環境ではあるが、本作に収録されている演奏は極めて高水準だ。エキサイティングでスリルがあり、そして狭い箱の最前列でミュージシャンにかぶりついて観ているような臨場感に溢れている。まるで自分で隠し撮りしてきた演奏を聴いているみたいでわくわくするw。ところどころに荒っぽさが散見されるが、かえってそれがライブの醍醐味を喚起させるし、弛緩しない緩やかな緊張感が最後まで持続するのも心地よい。これぞまさに ボビーが本作で表現したかった “ ありのままの演奏 ( The Way I Play ) ” なんだろう。

本作は彼にとっては初となる全編ジャズ・スタンダード集だ。80年代のGRP作品はもちろんのこと、彼は好んでポップ・チューンをレパートリーにしてきた。そのことが良くも悪くも彼の個性となっていたが、本作ではきっぱりとそれらを切り捨てている。最新作 『 Bobby Broom Plays For Monk 』 ではついにモンクに挑戦している。ここにきて彼はジャズ・ミュージシャンとしての “ 純度 ” を高めようとしているようだ。

このレギュラー・トリオでのレコーディングは、最新作のモンク集も含め現在までに4作品リリースされている。おそらく最もキャッチーで聴きやすいのは2007年の『 Song and Dance 』 だろう。ビートルズの≪Can't Buy Me Love ≫ やダニー・ハザウェイの≪Where is The Love ? ≫ などのポップスもカヴァされていて耳に馴染むだろう。がしかし個人的には音は悪いがアングラ臭立ち込めるスモーキーなこのライブ盤を推挙しておきたい。
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Bobby Broom / Livin' For The Beat ( 2 )

   ↑  2009/08/12 (水)  カテゴリー: 未分類


さて、このあまりにも恥ずかしいジャケット・デザインの彼の第二弾作品の話をしよう。

恥ずかしいとは云って当時のブラコン系のアルバムにはこんな臭いジャケットが横行していたから別段珍しくなかった。ジャケットからも想像がつくように本作の半分はBCM系で、残りの半分はJAZZ系でできている。そして前者のプロデュースを手掛けたのはBCM界の売れっ子チーム、テッド・カリアー&デヴィッド・スプラッドリーで、後者はもちろんデイヴ・グルージン&ラリー・ローゼンが担当している。1984年当時、私は大学生で毎日のようにディスコに通い、家ではエリック・ドルフィーとアイズレー・ブラザーズを何の抵抗もなく並列で聴いていたので、こんなBCM系JAZZにはごく自然に接することができた。とにかく、ヘヴィな打ち込みリズム&サンプリング&エフェクトが印象的A面に対して、ボビーのソウルフルなギター・ソロをじっくり聴かせるB面というコントラストが面白く、その日の気分で聴き分けていたものだ。


ソニー・ロリンズや渡辺貞夫のバンドでの活躍や、90年代以降のリーダー作などを聴けばわかると思うが、彼はウェス系のストレート・アヘッドなジャズを演奏するのも得意だが、この作品で聴かれるようなベンソン系のフュージョンでもその才能をいかんなく発揮する。

マイナー・ペンタトニック+♭5th を主軸に、コード分散的フレーズと大胆なクロマチックラインを織り交ぜながらソロを構築していく手法はベンソンそのものだが、ベンソンに比べたら超絶技巧度は低め。そのかわりグラント・グリーンっぽいBlackness がプンプン漂ってくるのが彼の個性となっている。まあ、このあたりのベンソンズ・チルドレンではノーマン・ブラウンが圧倒的に巧いので、ボビー・ブルームにとってはちょっと分が悪い。

ヘフナー・ギターのJazzica モデルを地面と水平に抱え、ベンソン同様に逆アングルでピッキングする。何ともいえずカッコいい。あのような格好でフルアコを弾けるにはやはり体が大きく、腕の長い欧米人じゃないと無理だな。

70年代から80年代にかけてロリンズのバンドに長期に在籍し、また、レコーディングすらないものの87年頃にはマイルスのバンドに参加していたという輝かしい実績があるにも関わらず、ほんと、彼の知名度は低い。悲しくなるくらい低い。

ちなみに本アルバムと1981年リリースの初リーダー作 『 Clean Sweep 』 の2作品は、おそらく未だCD化されていないと思う。ので、手に入れるのは困難だが、最近の作品の中では、1995年のCriss Cross 作品 『 No Hype Blues 』 や、昨年にOrigin からリリースされたライブ盤 『 Way I Play 』 などが出来がいいと思う。ぜひこの機会に御一聴あれ。


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2009/08/12 | Comment (4) | Trackback (0) | HOME | ↑ ページ先頭へ ↑ |

Bobby Broom / Livin' For The Beat

   ↑  2009/08/11 (火)  カテゴリー: guitar
Bobby Broom Livin' for The Beat



Orign からモンク曲集 『 Plays for Monk 』 をリリースしたばかりのボビー・ブルーム ( Bobby Broom , New York , 1961~ ) だが、今日はその新作ではなく、1984年に吹き込まれた彼の第二弾 『Livin' For The Beat 』 を聴いている。

近年はブルージーで渋いウェス系の演奏を身上として活動しているが、もともとは80年代初めにポスト・ジョージ・ベンソンという惹句でフュージョン/クロスオーバー界に登場した経緯がある。

ボビーは1961年にニューヨークはマンハッタンで生まれた。音楽好きな家庭環境に恵まれ、13歳の時に父親からナイロン弦ギターを与えられたのが音楽との出会いであった。13歳から15歳までの3年間、ハーレムに住むジミー・・カーターというギタリストにジャズについて学んだ。その教師はウェス・モンゴメリーに傾倒していたため、自然とウェスの奏法を勉強するようになったが、本当にジャズにのめり込むようになったのはジョージ・ベンソンの 『 Bad Benson 』 を聴いてからだった。またそのころ、パット・マルディーノからも個人指導を受けている。

1976年、彼が15歳の時にオフ・ブロードウェイでピアニストとしても活動していた有名プロディーサー、ウェルドン・アービンの目にとまり、はじめてプロ・ミュージシャンとしての仕事を得た。1977年には増尾好秋脱退後のソニー・ロリンズ・バンドのメンバーに抜擢され、一躍脚光を浴びることとなった。

1977年にはバークリー音楽院で作編曲を学び、1978年にはニューヨークに戻り、アル・ヘイグをはじめ、ウォルター・ビショップ Jr やチコ・ハミルトンらとセッションを重ねる日々を送った。そうしているところにアート・ブレイキーからジャズ・メッセンジャーズに参加しないかというオファーを受けたのだった。しかし彼は当時 GRP と契約していたトム・ブラウンのバンドで活動していたため、悩んだ末に、周囲の反対を押し切ってアート・ブレイキーの誘いを断り、デイヴ・グルージンが主宰する GRPと契約したのだった。

そしてついに1981年、念願のデビュー作 『 Clean Sweep 』 をリリースした。1980年には GRP オールスターズのメンバーとして初来日も果たしている。1984年には第二弾となる本作 『Livin' For The Beat 』 をリリースしたがそのあとが続かず GRPとの契約は終了となった。その後はシカゴに居を移し、ケニー・バレルらとの演奏活動を行う傍ら、大学での教鞭や後進の育成にも力を注いでいる。

リーダー作は 『Livin' For The Beat 』 以降10年間まったくなかったが、90年代半ばに Criss Cross と契約し、『 No Hype Blues 』 ( 1995 )、『 Waitin' And Waitin' 』 ( 1997 ) の2枚を制作し、その後も Delmark、Origin などの独立系レーベルから順調に作品をリリースしている。
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2009/08/11 | Comment (0) | Trackback (0) | HOME | ↑ ページ先頭へ ↑ |

Orchestre National De Jazz / O・N・J・87

   ↑  2009/08/11 (火)  カテゴリー: large ensemble
ONJ 87



アントワン・エルヴェ( Antoine Herve ) が常任ディレクターを務めるOrchestre National de Jazz にエリック・ルランがゲスト・ソリストとして参加した1987年の作品。このアルバムの中でルランは≪ Round About Midnight ≫ でソロを取っている。ヴォーカルで参加しているのはディー・ディー・ブリッジウォーター ( Dee Dee Bridgewater ) 。

コンテンポラリー度数高めの刺激的なアレンジがイイですね。ルランもこの頃の方が感性が研ぎ澄まされた鋭いソロを奏でていました。

それにしても、これがフランス国家が認める音でからね。流石、芸術の国フランスです。
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2009/08/11 | Comment (0) | Trackback (0) | HOME | ↑ ページ先頭へ ↑ |

Eric Le Lann / Le Lann・Kikosky・Foster・Weiss

   ↑  2009/08/10 (月)  カテゴリー: trumpet
eric le lann al foster



フランス人トランペッター、エリック・ルラン ( Eric Le Lann ) の通算13作目となる最新作は、単身ニューヨークに赴き、現地の豪腕ミュージシャン3人を糾合し、ワン・ホーンで勝負にのぞんだ力作である。

彼は制作数のわりにワン・ホーン作品が少なく、本フォーマットでの作品としては1985年の 『I Mist You 』 以来24年ぶりである。メンバーはデヴィッド・キコスキー、アル・フォスター、ダグ・ワイスの3人で、この3人はアル・フォスターの 『 Brandyn 』 ( 1997 , LAIKA ) で共演している間柄である。


ルランは1957年にフランス北西部のコート=ダルモール県に生まれ、20歳のときに故郷を離れてパリに移住し、プロ・ミュージシャンとしての活動を開始している。ルネ・ユルトルジュやヘンリ・テキシエのコンボで活躍する一方、フランス・ジャズ界の重鎮マーシャル・ソラールに認められ、彼のビッグバンドに参加、ソリストとして人気を集めた。1979年にはデファンス・ジャズ・コンクールで優勝も果たしている。1983年に初のリーダー作となる 『 Night Bird 』を発表。同年にはアカデミー・オブ・ジャズからジャンゴ・ラインハルト賞を授与されている。1987年から1988年にはアントワン・エルヴェが常任ディレクターを務めていた時期のOrchestre National de Jazz ( ONJ , オルケストル・ナシオナル・ドゥ・ジャズ ) にゲスト・ソリストとして参加した。

本アルバムは2曲の大スタンダード ≪ Yesterdays ≫ と≪ You Don't Know What Love Is ≫ を含む全8曲を収録。

ルランのオリジナルはフックの効いたメロディもほとんど現れないオーソドックスな4ビートが主体で、やや地味な印象を受ける。彼はエレクトリック・バンドでの演奏とはまるで別人のようなウォームで滋味豊かな喇叭の鳴らし方をしているのが面白い。もちろん Systems Two Studios のオーナーでありエンジニアでもあるジョーマルチアーノ ( Joe Marciano ) の素晴らしい音響処理に依る所が大きいと思われるが。

ルランは技術的には目立った特徴を持たないし、むしろ滑舌の悪さが耳につき、魅力的とは言い難いが、その分、鉄壁のリズム・セクションがいい仕事をしている。

特にキコスキーが素晴らしい。モード的イディオムを縦横無尽に使いながら鋭く硬質的なラインを構築していく様は圧巻だ。 6曲目≪ Today I Fell In Love ≫  で彼はローズを弾いているが、これがなかなかカッコイイ。

一方、アル・フォスターは伴奏に徹しており、個人的にはもう少しダイナミックかつアグレッシヴであるほうが好みなのだが。 ただ、寺島靖国氏がどこかでアル・フォスターについて 「アル・フォスターってやつは、どうしようもなくドラムの雰囲気作りがうまい~」 と惹句を寄せていたのを思い出すが、まさに本アルバムでの彼のプレイはその通りで、フロントを煽るような派手なフィルインこそないものの、アルバム総体としての物語作りが絶妙で、非常に魅力的だ。

Eric Le Lann / Le Lann・Kikosky・Foster・Weiss  ( HMV )  星1つ星1つ星1つ
2009  PLUS LOIN MUSIC  PL4516

Eric Le Lann  ( tp )
David Kikosky  ( p, rhodes )
Al Foster  ( ds )
Douglas Weiss ( b )
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2009/08/10 | Comment (6) | Trackback (1) | HOME | ↑ ページ先頭へ ↑ |

Henri Salvador / Chambre Avec Vue ( Room With A View )

   ↑  2009/08/07 (金)  カテゴリー: vocal
henri salvador 



エリック・ルランを始めて聴いたのが、アンリ・サルヴァドールの01年に発売されたアルバム 『Chambre Avoc Vue 』 ( 邦題:サルヴァドールからの手紙 ) だった。このアルバムはシャンソン・ファンを超えて全世界でヒットしたので聴いたことがある人も多いだろう。ルランはこの作品の中で控え目なソロを数曲で披露している。リーダー作でのルランの演奏とは別人の趣をみる優しく温かみのある演奏で、彼の懐の深さを改めて思い知らされた。ちなみに本作にはダニエレ・スカナピエコも控え目に参加しており、実に豪華なサイド陣を揃えているのだ。

サルヴァドールが90歳で亡くなったのは2008年2月13日だったから、もう1年半も経ってしまった。ちょうど市川崑監督が亡くなった日と同じ日だったが、サルバドールの死亡報道は全くされなかったと記憶している。サルヴァドールはボリス・ヴィアンの援助でシャンソン界にデビューしたため、日本ではシャンソン歌手としてのイメージが強いが、実はいわゆるシャンソン歌手ではない。フランス領ギアナ生まれであるため当然南米音楽に対する深い愛情が根底にあり、その上で歌唱法、リズム感などはかなりジャズの影響を受けている。そのあたりの個性がシャンソン・ファン以外の幅広い音楽ファンにも受け入れられている所以なのだろう。

彼に対しての強い思い入れは正直ないのだが、それでも58年から63年にバークレイに残したジャズ寄りのトラックを集めた『 Jazze! 』 や、07年に発売されたブラジル録音の『 Reverence 』 などは愛聴盤である。そして最も好きなのがこの『Chambre Avoc Vue 』であり、夏になると必ずや車のCDチェンジャーに入れて秋までずーっと入れっぱなしで聴いているアルバムなのだ。全然シャンソンしていなく、むしろボサノヴァ色が強く聴きやすい作風なのがイイ感じだ。

Henri Salvador / Chambre Avec Vue ( amazon ) 星1つ星1つ星1つ星1つ星半分
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2009/08/07 | Comment (0) | Trackback (0) | HOME | ↑ ページ先頭へ ↑ |

Eric Le Lann / Le Lann - Top

   ↑  2009/08/07 (金)  カテゴリー: trumpet
eric lelann top



フランス出身のトランペット奏者は意外に少ない。

パオロ・フレス ( Paolo Presu ) やフラヴィオ・ボルトロ ( Flavio Boltro ) らはフランスで活動しているもののイタリア人であるし、エリック・トラファズ ( Erik Truffaz ) にしてもフランス系スイス人である。フランスはトランペッの人材に関しては完全に輸入国と言ってもよい状況なのだ。

フレンチ・ジャズに多少興味を持っている方なら、Paris Jazz Big Band で活躍しているファビアン・マリー ( Fabien Mary ) やニコラ・フォルメル ( Nicolas Folmer ) らの名前が思い浮かぶかもしれない。でもせいぜいその程度ではないだろうか。

今日聴いているエリック・ルランもブルターニュ地方出身のトランペッターで、80年代からパリを拠点に第一線で活躍してきたベテランなのだが、不思議なことに日本ではほとんど認知されていない。今回、13作目となるリーダー作 『 Le Lann / Kikosky / Foster / Weiss 』 をリリースしたので、この機会に彼の旧作を聴き直してみようと思い、棚から一枚取り出してみた。

本作はルランの第12作目として2007年にリリースされた作品で、ヤニック・トップ ( Yannick Top ) との共同プロジェクトである。ヤニック・トップと言ってもほとんどのジャズ・ファンは知らないと思うが、ジャズとプログレの間を行き来しながら音楽を楽しんでいる私にとっては馴染みのベーシストである。トップはフレンチ・プログレの雄、 Magma の元メンバーで、超ド級のヘヴィなベースラインで観客を唸らせていたプログレ・ベース界の怪物なのだ。そんな彼がジャズ系のプロジェクトに参加したのだからその道のファンはかなり驚いたに違いない。

9曲すべてが二人による共作。ギターのリオーネル・エルケとドラムのダミアン・シュミットを加えたカルテットを軸に、曲に応じてサックスやキーボードが加わる編成。メンバー的にはアドリアン・フェロー ( Hadrien Feraud ) やビレリ・ラグレーンン ( Bireli Lagrene ) のバンドで注目を集めているダミアン・シュミットの参加が目を引く。

ルランはマイルス・デイヴィスとチェット・ベイカーのハイブリッド遺伝子を受け継いだスタイルを特徴とした吹き手だが、本作では特にマイルス色が強く表出した仕上がりになっている。暗黒魔界の王トップ様の地響きのような重低音パルスにルランのクールなペットが絡む作風は、まるでキングクリムゾン第四期にマイルス・デイヴィスがゲスト参加しているかのような錯覚を生む。


リオーネル・エルケのどこか掴み所のない特異な個性には、今まであまり感心しなかったし、本作でのリオーネルの起用はミスキャストだと思ったが、曲によってはとんでもなくスリリングなアドリブを披露して見せたりして、意外に凄いやつじゃん、と見直したりもした。

しつこいようだが、やはり本作のキモはトップの刻むラインだ。いたずらに技巧に走らず、しっかりボトムを支え、強力にグルーブするライン。重低音の響きも実に豊かで、これぞベーシストの規範となるプレイではないか。他の楽器でも言えることだが、ジャズが進化する過程で、ラインが高速化するのと反比例するかのようにその音の厚みが希薄化していった。フレーズを如何に高速化していくかという命題に直面し、それを克服する過程で音の響きを犠牲にしていったのだ。トップのベースラインはそんな技術至上主義に警鐘を鳴らしているのではないか。

Eric Le Lann / Le Lann - Top  ( amazon ) 星1つ星1つ星1つ星1つ
2007  Nocturne  NTCD418

Eric Le Lann  ( tp )
Jannick Top  ( b )
Damien Schmitt  ( ds )
Lionel Loueke  ( g )
< guest >
Jean-Marie Ecay  ( g )
Olivier Hutman  ( key )
Fabien Colella  ( key )
Bruno Ribera  ( sax, flute )
Christophe Negre ( sax )
Thomas Faure  ( sax )




ダミアン・シュミットの派手なパフォーマンスに注目!!
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2009/08/07 | Comment (2) | Trackback (0) | HOME | ↑ ページ先頭へ ↑ |

Eric Le Lann / New York

   ↑  2009/08/03 (月)  カテゴリー: trumpet
eric lelann new york




フランス人トランペッター、エリック・ルラン ( Eric LeLann , 1957~ ) が最もエレクトリックに接近した1990年の作品。

フランスのハード・コア・フュージョン・バンド、SIXUN のギタリストであるルイ・ウィンスバーグとドラマーのパコ・セリを引き連れ訪米し、現地のマイク・スターン、エディー・ゴメス、ミノ・シネルらを招聘して制作されたフュージョン作品。≪ with the desire to take a big bite out of the Big Apple ≫ という気概が伝わってくる力作だが、エレクトリック・マイルスに通じるサウンドはやや凡庸な印象も否めない。

ルランはこのようなフュージョン物からジャズの王道を行くストレート・アヘッドな作品まで何でもこなすが、つい最近、 PLUS LION MUSIC から久しぶりのワン・ホーン・カルテット作品 『 Le Lann / Kikosky / Foster / Weiss 』 を出した。昔のような切れ味鋭いプレイはなかったが、滋味溢れるなかなか味わい深い作品で好感が持てた。デヴィッド・キコスキーのサポートも見事でこのところ深く聴き込んでいるところ。

Eric Le Lann / New York  星1つ星1つ星1つ
1990  universal muisc 

Eric Le Lann (tp)
Mino Cinelu (perc)
Eddie Gomez (b)
Mike Stern (g)
Paco Sery (drs)
Louis Winsberg (g)
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2009/08/03 | Comment (0) | Trackback (0) | HOME | ↑ ページ先頭へ ↑ |

Roy Hargrove / Public Eye

   ↑  2009/08/02 (日)  カテゴリー: trumpet
roy hargrove public eye



1991年制作のセカンド。本作をローグローブのベストに挙げたい。


Roy Hargrove / Public Eye ( amazon )

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2009/08/02 | Comment (2) | Trackback (1) | HOME | ↑ ページ先頭へ ↑ |

Nikki Yanofsky / Ella...of Three I Swing

   ↑  2009/08/02 (日)  カテゴリー: vocal
nikki yanofsky



ニッキ・ヤノフスキー ( Nikki Yanofsky ) はモントリオール生まれの現在15歳 ( 1994年2月8日生まれ ) 。2006年のモントリオール・ジャズ・フェスティバルでセンセーショナルなデビューを飾ったときはなんと12歳 !!! だった。

エルダー・ジャンギロフやオースティン・ペラルタらなどの前例があるので、多少の少年少女デビューには驚かないが、それでも実際に彼女の歌声を聴いた時は椅子から転げ落ちそうになった。そんな彼女のデビュー作がリリースされた。録音時13歳という年齢にまずは驚くが、さらにデビュー盤からすでにビッグバンドを従えたライブ盤であることで更にぶっ飛んだ。ふつうはじっくり作り込んだスタジオ盤で勝負するだろう、普通。そこを敢えてライブ盤でデビューするあたり、彼女も制作スタッフもかなりの自信があるのだろう。

本作はタイトルが示すように、彼女が最も影響を受けたというエラ・フィッツジェラルドに捧げた作品。確かな歌唱力と表現力を兼ね備えており、決してエラの物まねなんかに終始しないところが素晴らしい。シャウトしたときの心地よさもたまらないし、厭味のないフェイクも見事だ。ただし、このようないかにもアメリアカ人が喜びそうな歌声、スタイルは、もしかすると日本人には受けが悪いかもしれない。私も、巧いのは認めるが好きなヴォーカルかと問われれば、とても微妙だ。
 
すでにカーネギー・ホールでのコンサートも行っているし、ハービ・ハンコックとも共演している。今月8日には名古屋ボトムラインで来日公演もあるようだ。

本作はニッキの父親が立ち上げたA440 というレーベルからの自主製作盤だが、その後、ユニバーサル・ミュージックとメジャー契約したらしく、近いうちにアルバムをリリースするらしい ( ソースは高井信成氏の書かれたライナーノーツ ) 。



ニッキ・デビュー~エラへ捧げるスウィング(初回限定盤)(DVD付)  星1つ星1つ星1つ星1つ
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2009/08/02 | Comment (7) | Trackback (0) | HOME | ↑ ページ先頭へ ↑ |

Roy Hargrove Big Band / Emergence

   ↑  2009/08/01 (土)  カテゴリー: large ensemble

roy hargrove emergence



ロイ・ハーグローブの初のビッグバンド作品。

ハーグローブにとって自身のビッグバンドを持つことは長年の夢であったようだ。1995年に New York Jazz Festival 出演に際してビッグバンドを構成したことが契機となり、NYの南端にある非営利で運営されているライブスペース、 Jazz Gallery に演奏しながら、徐々にビッグバンドに対する構想を成熟させていった。2006年にはリハーサルバンドを組んでそのJazz Gallery を拠点に活動していた時期もあり、そのライブは All About Jazz の2006年度 Performance of The Year に選ばれている。ハーグローブが招聘したミュージシャンは彼が過去20年の演奏活動の中で出会った気心知れた若き仲間達だ。しかし、≪ Financially speaking, this is probably the worst thing i could ever do, ≫ と彼が言うように、現代においてこれだけの優秀なミュージシャンを一度に雇うことはハーグローブといえど決して簡単なことではなかったようだ。

メンバー構成は、Tp × 5、tb × 4、sax × 5、rythme × 4 にロバータ・ガンバリーニのヴォーカルを加えた総勢19人。私は2008年9月18日のBlue Note Tokyo での彼らの公演を観ているが (  ライブレポート前項あり ) 、トラペット・セクションのグレッグ・ギスバート( Greg Gisbert ) とアンブローズ・アーキンムシーレイ( Ambrose Akinmusire )が来日公演ではターニャ・ダービィ ( Tanya Darby ) と イグモア・トーマス ( Igmar Thomas )に交代していただけで、あとは全て同一メンバーだ。

クレジット・リストを眺めてみると、いずれも百戦錬磨の兵どもばかりで驚いてしまう。特にフランク・グリーン、グレッグ・ギスバート、ダレン・バレット、アンブローズ・アーキンムシーレイによる鉄壁のトランペット・セクションは最強だ。リード・トランペットのフランク・グリーンは Bob Mintzer Big Band や Gerald Wilson Big Band 、それから Village Vanguard Big Band などなど、様々なビッグバンドにハイノートヒッターとして参加してきたビッグバンド界の重要人物だ。アンブローズ・アーキンムシーレイ は2007年度のセロニアス・モンク・ジャズ・トランペット・コンペティションの優勝者であるし、ダレン・バレットも1997年度に優勝している名手だ。グレッグ・ギスバートは他の三人に比べてやや知名度は低いがそれでも熱心なCriss Cross ウォッチャーには名の知れた存在だと思う。

一方、サックス・セクションではハーグローブの片腕としてクインテットでも活躍しているジャスティン・ロビンソンや、World Saxphone Quartet での活躍で注目を集めるブルース・ウイリアムスなどの参加が目を引く。前述したフランク・グリーンやこのブルース・ウイリアムス、それからトロンボーンのジェイソン・ジャクソンなどは複数のビッグバンドを掛け持ちしている超売れっ子ミュージシャンだ。ブルース・ウイリアムスとジェイソン・ジャクソンは今年1月にチャールズ・トリヴァー・ビッグ・バンドのメンバーとしても来日している。

ピアノのジェラルド・・クレイトンは先日初リーダー作を発表したばかりの精鋭で、ベーシストのジョン・クレイトンの御子息であることは言うまでもない。 2006年に南カリフォルニア大学附属ソーントン音楽学校を卒業後すぐにハーグローブのバンド・メンバーに抜擢され、以後ずっとハーグローブと一緒に活動してきたが、DOWNBEAT MAGAZINE の6月号の記事によると、現在は既にハーグローブのバンドを脱退しているようである。

さて肝心の内容だが、これがもう小躍りしたくなるような楽しい作品だ。特に昨年の来日公演を観ているファンにとってはまさにあの時の熱いライブ体験が蘇ってくるだろうし、惜しくも観られなかったファンにもライブの追体験ができるような内容だ。演目もほぼ来日時と同様である。

全11曲でハーグローブやメンバーのオリジナルを中心に ≪My Funny Valentine ≫ や≪September in The Rain ≫ などのスタンダードを織り交ぜた色彩感溢れる構成。

M-3 ≪My Funny Valentine ≫ は、静寂感漂う抑えたバック・アンサンブルを背景に、柔らかに静かに情景を描いて行くようなハーグローブのフリューゲルホーンが実に美しい。このようなバラード・プレイもハーグローブの魅力の一つになっている。

M-6 ≪September in The Rain ≫ はハリー・ウォーレンの書いた傷心の歌 ( 太田裕美の曲じゃないよ ) 。91年制作の『 Public Eye 』 でも演奏していたハーグローブの愛唱歌。来日公演時も演奏していたが、ハーグローブはヴォーカルも披露していて、終盤ではメンバー達とのスキャットのコール・アンド・レスポンスで盛り上がるという構成も来日公演時と全く同じ。

デビュー・アルバム 『 Easy to Love 』 がいきなりグラミー賞にノミネートされて、ジャズ・ヴォーカル界の話題を総ざらいたイタリア出身のヴォーカリスト、ロバータ・ガンバリーが M-7 ≪Everytime We Say Goodbye ≫ と ≪La Puerta ≫ で歌っている。≪Everytime We Say Goodbye ≫ はリスナーに優しく寄り添うようなバラード。≪La Puerta ≫はメキシコの “ ロス・トレス・アセス ” というボレロ系のギター・トリオが歌ってヒットした哀愁感漂うラテン・ナンバー。彼女は原曲どおりのスペイン語で情熱的に歌い上げる。この2曲も来日公演時と同じだ。

M-4 ≪ Mambo for Roy ≫ は、ハーグローブがチューチョ・バルディスを迎えてアフロ・キューバン・ジャズに取り組んだ傑作 『 Habana 』 ( 98年グラミーでBest Latin Jazz Performance 賞を受賞 ) に収められていたナンバー。作曲・編曲はチューチョ・バルディス。

全体的にそれほどアレンジが凝っているわけではなく、超絶技巧を駆使した一糸乱れぬ精緻なアンサンブルを特徴とした欧州系のビッグバンドとは対極に位置するスタイルなのだが、だからと云ってベイシーやエリントンのようなスタイルでもない。ましてやリンカーン・センター・ジャズ・オーケストラやマリア・シュナイダー・オーケストラ、ボブ・ミュンツァー・ビッグ・バンドとかの現代米国を代表するビッグバンドともクロスしない。独創的なサウンドではないのだが、意外にありそうでないビッグバンドかもしれない。もともと取り上げたが楽曲が小編成のコンボ用に作曲された曲やスタンダードがほとんどで、それらをビッグバンド用に音を重ね、膨らませていったような編曲が施されているので、ビッグバンド特有の威圧感もそれほど感じられないので聴きやすいだろう。

これだけ素晴らしい作品なのだが、ひとつ不満を言わせてもらうならば、各曲のソリストの名前がクレジットされていないことだ。ビッグバンドはやはりソリスト・リストを見ながら聴きたいしね。


Roy Hargrove Big Band / Emergence  ( amazon ) 星1つ星1つ星1つ星1つ
2009  Emarcy  0602527079240

Roy Hargrove (tp)
Roberta Gambarini (vo)
Darren Barrett (tp)
Greg Gisbert (tp)
Frank Greene (tp)
Ambrose Akinmusire (tp)
Vincent Chandler (tb)
Jason Jackson (tb)
Saunders Sermons (tb)
Max Seigel (b-tb)
Justin Robinson (as, flute)
Norbert Stachel (ts, flute)
Keith Loftis (ts, flute)
Bruce Williams (as, flute)
Jason Marshall (bs, flute)
Gerald Clayton( p)
Saul Rubin (g)
Danton Boller (b)
Montez Coleman (ds)

 



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