雨の日にはジャズを聴きながら90年代以降のジャズを気ままに綴っています。 旧ブログ 『 雨の日には JAZZ を聴きながら 』 からのデータ移行は終了しました。ジャズ以外にも、時々デジタル関連の物欲記事、最近ハマっているカメラの話題も少しアップしています。 

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Ralph Bowen / Due Reverence

   ↑  2010/03/30 (火)  カテゴリー: tenor
ralph bowen _reverenceRalph Bowen / Due Reverence  ( HMV )
2010 Posi-tone Records
 
Ralph Bowen (ts)
Adam Rogers (g)
John Patitucci (b)
Antonio Sanchez (ds)
Sean Jones (tp on 4)




ラルフ・ボウエン ( Ralph Bowen , canada ) と言えば、新生 Blue Note が1985年に起死回生を狙って旗揚げした新伝承派バンド Out of The Blue ( O.T.B. ) の名前が反射的に浮かぶ。

OTB は、ラルフ・ボウエン ( ts )、フィリップ・モスマン ( tp )、ケニー・ギャレット ( as )、ハリー・ピケンズ ( p )、ロブ・ハースト ( b )、そしてラルフ・ピーターソン ( ds ) からなるまだ20代半ばの新人達のバンドだったが、ジャズの伝統を継承しながらも、ハードバップのそれまでの定型を完全に破壊したパワー溢れるプレイで、ジャズファンの度肝を抜いた。文字通り、晴天の霹靂 ( Out of The Blue ) のごとき新時代の幕開けを告げる事件だった。

特に1985年のデビュー作 『 OTB 』から、翌年の Mt. Fuji への出演を経て、その模様を収めたライブ盤『 Live at Mt.Fuji 』のリリースへ至る一連の流れには、個人的にはかなり興奮したものだ。しかしその後、世の中のバブル景気の崩壊とともに、残念ながらいつの間にか姿を消していった。当時のメンバーの中でも、ケニー・ギャレットやボブ・ハースト、それからメンバー・チェンジで後に加入したビリー・ドラモンドとリニー・ロスネスらなどは現在でも第一線で活躍しているが、フィリップ・モスマンやハリー・ピケンズやラルフ・ピーターソンは最近はあまり噂を聴かない (実はそれそれ、それなりに活躍はしているようだが ) 。

本盤の主役であるラルフ・ボウエンも、どちらかというと後者の範疇に入ってしまうだろうか。日本では一部の輸入盤 ウォッチャーの間でしか知られていない Criss Corss にリーダー作を吹き込んだり、あるいは、これまたニッチなファンにしか認知されていないピアニスト、オリン・エバンスのアルバムに顔を出したりと、比較的地味な活動を行ってきた。僕個人的にも、Criss Cross のファンであってもそれほど熱心なラルフ・ボウエンのファンでなかったので、アルバムは数枚所有してはいるものの、正直、あまり愛聴することは今までなかった。

それがどうしたことか、昨年リリースされた Posi-tone 移籍第一弾作品 『 Dedicated 』 を聴いて、すっかり彼の虜になってしまった。これが予想を快く裏切る実にイイ出来栄えなのだ。ジョン・パティトゥッチ & アントニオ・サンチェスによるリズム隊と、ピアノの代わりにアダム・ロジャースのギターを配したワン・ホーン・カルテット。一曲だけショーン・ジョーンズのトランペットが入る。メンバーも申し分ないのだが、レコーディングの音像設計も素晴らしく、メンバー各人の音のプレザンスが厚く、安定している。そして、ワンホーンというフォーマットがラルフのポテンシャルを最大限に引き出すのに寄与しているのは間違いない。Criss Cross 時代のような複数管のなかの一奏者というポジションでは、彼の魅力は半減してしまう。

そして早くもPosi-tone 移籍第二弾となる最新作が届いた。メンバーも前作と全く同じ。ショーン・ジョーンズが一曲参加という点も前作同様だ。曲数も6曲と同じ。前作のジャケットが鮮やかな青だったのに対して今作はワインレッド。ということで、僕はこのところ赤盤、青盤と呼んで愛聴している。もちろん今作も前作同様、素晴らしい内容だ。

彼の即興はもちろん現代的なイマジネーションに溢れているのだが、コルトレーン的イディオムも縦横無尽にアダプトしながら、ときに激しく、ときに知的にソロを組み立てていく。メタル・マウスピースとラバー・マウスピースの違いこそあれ、ちょうどマイケル・ブレッカーに近似したソロ・スタイルといってよいかもしれない。

音色はぐっと骨太で重厚。フレーズは心地よくズレ、ネジレ、そして跳躍する。高音域からフラジオ域での情感の乗せ方が絶妙。ホント、こんなにカッコイイ吹き手だと思わなかった。

そんな気合いの入ったラルフに触発されてアダム・ロジャーズも眼の覚めるような超絶技巧のソロを展開する。粒立ちのよいオルタネイト・ピッキングによる超速弾きフレーズは、パット・マルティーノを彷彿とさせる。アダムは下手すると自身のリーダー作でのソロよりも出来の良いソロをとっているかもしれない。ショーン・ジョーンズの参加は一曲だけだが、その存在感はなかなかのもので、フックの効いたソロを披露している。

本作はラルフ・ボウエンの健在ぶりを余すことなく伝えた快作と言えよう。このところ赤盤、青盤合わせて愛聴しているが、聴けば聴くほど味が出てきて、賞味期間はだいぶ長くなりそうな予感がする。彼を “ 過去の人” と思い込んでいるジャズファンはぜひ御一聴を。


Ralph_Bowen--Dedicated Ralph Bowen / Dedicated ( amazon )
2009 Posi-tone Records
 
Ralph Bowen (ts)
Adam Rogers (g)
John Patitucci (b)
Antonio Sanchez (ds)
Sean Jones (tp on 4)

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2010/03/30 | Comment (4) | Trackback (2) | HOME | ↑ ページ先頭へ ↑ |

Sean Jones / The Search Within

   ↑  2010/03/29 (月)  カテゴリー: trumpet
Sean Jones_search withinSean Jones / The Search Within  ( amazon )
2009  Mack Avenue


Sean Jones(tp) Brian Hogans(as) Walter Smith(ts) Orrin Evans(p,elp) Luques Curtis(b) Obed Calvaire(ds) Special
Guests: Gregoire Maret(hca) Erika Von Kleist(fl) Kahlil Bell(per) Carolyn Perteete(vo)



まずはともあれ、上にアップした音源 ≪ Transtions ≫ を聴いてみて。

The Jazz at Lincoln Center Orchestra (JLCO) のメンバーとしても活躍するトランペッター、ショーン・ジョーンズ ( Sean Jones , Warren OH , 1978~ )の通算5作品となる最新作。

JLCO メンバーに抜擢されるくらいだからその技術は折り紙つきなのに、日本では何故か話題にあがることがほとんどない吹き手だ。2004年のデビュー作 『 Eternal Journey 』を最初聴いたときはそれなりに巧いのはわかったが、強いシンパシーを感じるまでには至らない作品だった。その後もコンスタントにMack Avenueに吹き込みを続けてきたが、やっと極めつけの傑作が登場したといってよいだろう。とにかく、この人は年々巧くなってきたように思う。そろそろ聴き頃かもしれない。

ショーン、ウォルター・スミス、ブライアン・ホーガンスの3管フロント+リズム隊のセクステットを基本編成とし、楽曲によっては管が抜けてフルートが入ったり、フレゴア・マレのハーモニカがはいったりする。1曲だけだが女性ボーカル入りの曲もあり、激烈ネオ・ハードバップ一辺倒というわけではない。なかには情感豊かなバラード・プレイやサウダージ系もあったりして色彩感豊かな内容に仕上がっている。

メンバー的に瞠目すべきはドラマーのオベッド・キャルベア ( Obed Calvaire , Miami ) だろうか。年齢は不詳だがまだまだ若そうなドラマーで、ちょうどテレル・スタッフォードのバンドで叩いているダナ・ホール ( dana Hall ) ( 前項あり ) と系統的には同じだろう。トニー・ウイリアムス~ラルフ・ピーターソン~ジェフ・ワッツ あたりを彷彿とさせる手数の多いドラマーだ。ジャン・ミシェル・ピルク、アンブローズ・アーキンムシーレイ、イーライ・デジブリ、ゲイリー・ベルサーチ、それからヴァンガード・ジャズ・オーケストラなどにも参加し、これからも更なる活躍が期待できる新進気鋭のミュージシャンといえよう。
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2010/03/29 | Comment (0) | Trackback (0) | HOME | ↑ ページ先頭へ ↑ |

Jeanette Lindstrom / Walk

   ↑  2010/03/28 (日)  カテゴリー: vocal
jeanettelindstrom_walk  Jeanette Lindstrom / Walk  ( amazon )
2003 Amigo AMCD895


Jeanette Lindström (vo) Staffan Svensson (tp) Peter Nylander (g) Daniel Karlsson (p) Severi Pyysalo (vib) Christian Spering (b) Peter Danemo (ds,perc) Ale Möller (lute, hammered dulcimer)




スウェーデンの歌姫 シャネット・リンドストレム ( Jeanette Lindstrom , 1971~) の2003年にリリースされたアルバム。

彼女は正真正銘のジャズ・ヴォーカリストで、あのクインシー・ジョーンズをして “ An old soul in a young singer ”さらには “ She really understands what jazz is all about! ” と言わしめたヴォーカリストとして有名。

何処までも澄んだ妖精のような歌声で、時折、ちょっとだけ鼻にかかったような何とも言えないチャーミングな歌い方をするのが、これまた堪らない訳で、夜な夜な引っ張り出して聴いている大好きなヴォーカリストです。

このほど新作が出ました。『 Attitude & Orbit Control 』 というタイトルで、なんとロバート・ワイアットもヴォーカル&トランペットで参加という話題性もあります。今年1月に開かれたスウェディッシュ・グラミー・アワードではジャズ・カテゴリーで見事グラミーを受賞し、名実ともにスウェーデンのトップ・ヴォーカリストに上り詰めた感のあるジャネット。早く新作が聴きたい。先ほど Amazon にオーダーしたけど、1~3週間後の発送みたいだ。
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2010/03/28 | Comment (4) | Trackback (0) | HOME | ↑ ページ先頭へ ↑ |

Martux_M feat. Fabrizio Bosso / About a Silent Way

   ↑  2010/03/28 (日)  カテゴリー: etc

martux_m Martux_M / About a Silent Way ( amazon )
2010  Itinea

Martux_m (electronics)
Fabrizio Bosso (tp, flh, electronics),
Francesco Bearzatti (ts, cl, electronics)
Eivind Aarset (g, electronics)
Aldo Vigorito (b)



前述したダニーロ・レアとのデュオ作品 『reminiscence 』 でジャズに急接近してきたイタリア人ドラマー兼電子楽器奏者の Martux_M ( 本名:Maurizio Martucelli マウリツィオ・マルトゥシエリ , Napoli , 1961~ ) が、今度はマイルスの69年に制作したエレクトリック時代の傑作 『 In a Silent Way 』 へのオマージュ作品をリリースしました。

最近は、日々遭遇する全ての選択の局面においては、地図にない道には足を踏み入れないことをモットーとして生きているのですが、ジャズのCDを買う場合も、昔と違ってほとんど冒険買いはしなくなりました。今盤だって、あのダニーロ・レアとの作品を聴いていなかったら買わなかったと思うのですが、なにしろダニーロとのデュオがすごく良かったので、二匹目のドジョウを期待して買ってみました。

まずは、その異色なメンバー構成に眼を奪われます。イタリアからファブリツィオ・ボッソ (tp) とフランチェスコ・ベアルザッティ (ts) の2管フロントラインに対して、ニルス・ペッター・モルヴェルのサポート・メンバーとしてその特異な才能を発揮したノルウェーの鬼才アイヴィン・オールセット (g) が参加。伝統と革新。アコースティックとエレクトリック。このおよそ対極にあるアーティスト同士のセッションは、ちょうと 『 In a Silent Way 』の誕生の時と似ています。

個人的にはファブリツィオ・ボッソ とフランチェスコ・ベアルザッティ の顔合わせが嬉しいかな。ジョバンニ・マッツァリーノ ( Giovanni Mazzarino ) というピアニストのリーダー作品でこの二人がフロントを担っているのが2枚あったと思いますが、それがなかなか熱くて良かった。

全7曲で、タイトル曲 ≪ About a Silent Way ≫ とその続編的 ≪ About a Silent Way II ≫、および≪ About a Silent Way ≫のRemix 曲が3バージョン収録されている。基本的にはマウリツィオが作ったエレクトロ、テクノのバックトラック上にフロントの面々がソロを被せていく、といった作風。当然、ボッソはマイルスを意識したフレーズを執拗に繰り返すが、『 In a Silent Way 』というよりは、どちらかと云うと、『 死刑台のイレベーター 』を想起するようなフレーズが多いように感じます。マウリツィオのトラックはテクノとはいってもバスドラが四つ打ちするようなものではなく、もっと軽やかなビートを刻んでいます。トランスに分類されるのだろうか?このあたりは詳しくないのであまり言及しないほうがいいかな。90年代はじめ頃、一時期夢中になったジャーマン・トランスのコズミック・ベイビーをふと思い出したけど、誰も知らんか。まあ、いいや。

マウリツィオの作り出す音群は、小音量で聴いていると分からないけど、大音量でそれなりの装置で聴くと、音が幾重にも重なり合っていて、そのレイヤー同士の絡み合いが実に巧みで面白い。ヘッドフォンで聴いていると文字通り、トランス状態に陥りそう。久しぶりにこういう音を聴いたけど、それほど違和感ない。

フロントのイタリア勢二人のブローが炸裂するのは≪ About This Time ≫ 。なかなか良いソロです。
ボッソは最近、ジャズの範疇を超えて様々なジャンルで活躍しているようです。まあ、プロですからギャラをもらえば何でもやるのは決して悪いことではないし、ミュージシャンならより多くのリスナーに自分の音楽を届けたいと願うのはごく自然なことだと思うのですが、近年は少々節操がないように感じていました。でもやはりそこは天才ボッソだけのことはあります。どんなジャンルの音楽に取り組んでも、その時々に、適切な音を選び抜き、常に高い到達点を目指す姿勢は流石と言わざるをえません。

全編を通して、それほどマイルスの 『 In a Silent Way 』 を意識して創作されたとは思えない。二つの作品を並べて聴いてもその共通点はみてとれない。マウリツィオはマイルスに影響を受けたと語っているが、それはテクニカルな面よりもむしろマイルスの “ A Force of Change ” という本質に共感しているようです。本作を聴くにあたっては、『 In a Silent Way 』 へのオマージュ作品としてどうかというよりもむしろ、単純に個々の嗜好を活かした融合サウンドの面白さを体感することに集中して聴いたほうがよいでしょう。

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2010/03/28 | Comment (0) | Trackback (0) | HOME | ↑ ページ先頭へ ↑ |

Danilo Rea Martux_M / Reminiscence

   ↑  2010/03/27 (土)  カテゴリー: piano

danilo rea Martux m Danilo Rea Martux_M / Reminiscence  ( amzon )
2008 Parco Della Musica


Danilo Rea (p)
Martux_M (electronics, symth, ds )




イタリア人ピアニスト、ダニーロ・レア ( Danilo Rea , Vicenza , 1957~ ) と同じイタリアのエレクトロのフィールドで活躍する電子楽器奏者、Martux_M ( Maurizio Martucelli , 1961~ ) のデュオ作品。

エレクトロと聞くと、ジャズファンはテクノやハウスのようなヘヴィなビートを連想して引いてしまいますが、少なくとも今作でのマウリツィオのサウンドはノンビートの静的なもので、チルアウト ( Chill Out ) にカテゴライズできそうなサウンドです。ちょうど Cafe del Mar みたいな雰囲気を連想してもらえばいいでしょう。

サインカーブを描くような電子パルス。それから、風が吹き抜ける音や飛行機?車?の走り抜ける音、小鳥のさえずり、などなど、自然界のサンプリングもふんだんに用いられたアンビエントなトラックをバックに、ダニーロの澄んだピアノが果てしなく広がっていきます。まさに聴く者を遥かな桃源郷に誘うような幽玄な音世界。これは電子楽器と生楽器の高次元での融合が成された素晴らし作品です。

ジャズって、ベッドサイド・ミュージックとして考えた場合、なかなかしっくりくるアルバムってないものですが、本作などはベッドサイド・ミュージックとしても最適かと思いますよ。

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2010/03/27 | Comment (8) | Trackback (0) | HOME | ↑ ページ先頭へ ↑ |

Daniel Lantz Trio / Remember With

   ↑  2010/03/27 (土)  カテゴリー: piano
daniel lantzDaniel Lantz Trio / Remember With  ( amazon )
2008 Do Music Records



Daniel Lantz (p)
Mattias Astrom (b)
Daniel Olsson (ds)




スウェーデンの俊英ピアニスト、ダニエル・ランツ ( Daniel Lantz , Norberg , 1976~ ) の第二作目となる最新作。
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2010/03/27 | Comment (0) | Trackback (0) | HOME | ↑ ページ先頭へ ↑ |

Sean Wayland / Australian Rhythm Changes - Feat. James Muller

   ↑  2010/03/27 (土)  カテゴリー: piano
sean wayland_australianSean Wayland / Australian Rhythm Changes  ( amazon )
2005 seed records 


Sean Waayland (p.org.) James Muller (g) Andrew Gander (g) Chad Wackerman (ds) Felix Bloxsom (ds) Nick Mcbride (ds) Brett Hirst (b)




オーストラリア出身で現在はニューヨークに移り住んで活躍中のキーボーディスト、ショーン・ウェイランド ( Sean Wayland , Sydney , 1969~ ) の2005年制作の自主製作盤。彼は自主制作がほとんどだが、なかなかの多作家で、おそらく10枚以上のリーダー作を吹き込んでいると思います。最近では 2008年の『 Pistachio 』が記憶に新しいところですが、今月あたまににはその続編となる『 Pistachio 2 』 も発売されています。スティーリー・ダンでお馴染みのドラマー、キース・カーロックが参加していることもあり、スティーリー・ダン風のAOR作品に仕上がっていましたが、今日聴いているこの 『 Australian Rhythm Changes 』にはチャド・ワッカーマンが参加しているんです。ということで察しがつくように、本作はアラン・ホールスワーズ風 の楽曲が並んでいます。盟友ジェームス・ミューラーのボイシングもアラン激似で、何処かに連れて行かれそうな浮遊感が抜群です。
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2010/03/27 | Comment (0) | Trackback (0) | HOME | ↑ ページ先頭へ ↑ |

Lorenzo Tucci Quartet / Sweet Revelation

   ↑  2010/03/27 (土)  カテゴリー: drums
Lorenzo Tucci_sweet Revelation Lorenzo Tucci Quartet / Sweet Revelation  ( amazon )
2001 Philology W195.2
 

Lorenzo Tucci (ds)
Daniele Scannapieco (ts)
Pietro Lussu (p)
Dario Rosciglione (b)



High Five Quintet でお馴染みのイタリア人ドラマー、ロレンツォ・トゥッチ ( Lorenzo Tucci , 1967~ ) の2000年吹き込みのデビュー作。なかなか手に入らなかったアルバムですが、先日、たまたま amazon のマーケットプレイスで1枚在庫があるのをみつけ、即オーダー。やっと手に入れることができました。10年前の録音ですが、なんだかこの頃の方が、スカナピエコもトゥッチも翳りがあって魅力的だったな~。スカナピエコなんかジョーヘンみたいだし、トゥッチもエルビンみたく凄みがあった。かなり出来がイイ作品です。満足。
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2010/03/27 | Comment (10) | Trackback (1) | HOME | ↑ ページ先頭へ ↑ |

Amina Figarova / Above the Clouds

   ↑  2010/03/26 (金)  カテゴリー: piano
amina figarova _above the clouds Amina Figarova / Above the Clouds  ( amazon )
2008  Munich Records


Amina Figarova (p), Bart Platteau (fl), Ernie Hammes (tp), Nico Schepers (tp), Kurt van Herck (ts), Jeroen Vierdag (b), Chris Strik (ds), Tineke Postma(as on M-8, 9), Louk Boudesteijn (tb on M-8, 9)




アゼルバイジャン共和国出身の正真正銘の美人ピアニスト、アミーナ・フィガロワの最新作。 MOONKSTYLE で冒頭曲の《 A Dance 》が取り上げられていたっけ。この人、個人的にはピアニストとしてよりも作曲家としての才能に強く惹かれます。なかなかカッコイイ曲書くの。夫君でフルート奏者のバート・プラトーも参加しての7重奏団で厚みのある現代的ハードバップをかっ飛ばします。爽快な一枚。この人の旧作もみんな大好き。
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2010/03/26 | Comment (0) | Trackback (0) | HOME | ↑ ページ先頭へ ↑ |

Stefano Di Battista , Danilo Rea , Roberto Gatto / La Musica Di Noi

   ↑  2010/03/26 (金)  カテゴリー: alto

stefano di battista_ la musica di noiStefano Di Battista , Danilo Rea , Roberto Gatto / La Musica Di Noi   ( HMV )
2010 Alice Records


Stefano Di Battista (as,ss)
Danilo Rea (p)
Roberto Gatto (ds)
Dario Rosciglione (b)




バティスタ様の最新作だけど、う~ん、なんだか微妙な出来。良いような気もするけど、やっぱり物足りないかな。やっぱり個人的には、初期の頃のような激しいアドリブを聴いてみたいなぁ。ボルトロとの2管なんかでさ。
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2010/03/26 | Comment (4) | Trackback (0) | HOME | ↑ ページ先頭へ ↑ |

Greg Reitan / Antibes

   ↑  2010/03/25 (木)  カテゴリー: piano
greg reitan _antibes Greg Reitan / Antibes  ( amazon )
2009  Sunnyside SSC1238


Greg Reitan (p)
Jack Dero (b)
Dean Koba (ds)




リヴァーサイドの名プロデューサー、オリン・キープニュースも絶賛するピアニスト、グレッグ・レイタン ( Greg Reitan , Seattle , 1973~ ) の第二弾。デビュー作 『 Some Other Time 』 同様 Sunnyside からのリリースで、しかも2作品間のインターバルは1年も経っておらず、同レーベルの彼に対する期待度が窺えます。はたしてこれが素晴らしい出来栄えで、早くも2010年のピアノトリオ・ベスト10に入ること間違いなしの優秀盤です。


地元シアトルではデイヴ・ペックやジェリー・グランネリーらにジャズ・ピアノを習い、バド・シャンクの夏季ワークショップに参加した際はハル・ギャルパーにピアノを、ジョン・クレイトンにアレンジを学んでいます。さらにはバークレー音楽院の奨学金も獲得し同院の留学経験もあります。1991年にはロサンゼルスに移住し、南カリフォルニア大学ソーントン音楽学校に籍を置く一方で、数々のジャズ・コンペで受賞し、キャリアアップしていきます。 そして、1995年からは映画音楽や放送局用の音楽制作にも従事しながら、現在は東西両海岸を股にかけて頻繁にレギュラートリオによるライブ活動を行っています。

彼によると、デビュー作 『 Some Other Time 』 を録音し終えたちょうどそのころ、『The Riviera: from Portofino to Marseilles』 という本を読んでいたそうです。その書はイタリア人写真家であるブルーノ・ステファニ ( Bruno Stefani ) が 1957年に出版したモノクロームの写真集だったのですが、それに触発されてレイタンはただちに本作のタイトル曲となるリリカルで夢幻的な美しさを放つ 《 Antibes 》 を作曲したのでした。彼はその作曲をしていた時、ちょうどグレン・グルードを聴いていたこともあり、作曲にはグルードの影響もあったと語っています。

残りの11曲は、このタイトル曲 《 Antibes 》 の雰囲気と精神を踏襲した楽曲を選んで演奏しています。採用された楽曲はウェイン・ショーターの 《 Fall 》 、ビル・エバンスの 《 Re: Person I Knew 》 、キー・ス・ジャレトの 《 Sympathy 》 、デニー・ザリトリンの《 Time Remembers One Time Once 》 、などなど。そして、レコーディングされた曲順がそのままCDの曲順になっています。

冒頭曲 は前述したようにブルーノ・ステファニの写真集に触発されて作曲された《 Antibes 》 。導入部からゆっくりと主旋律が浮かび上がってくる頃には、聴き手は完全に陶酔の花畑を彷徨っていることでしょう。いわゆる “ Keithy ” な旋律に満ち溢れたソロを展開するピアニストであり、まさにキース進化系譜の本流を受け続ぐスタイリストです。

正統的かつ高度な技巧が備わっていることはもちろんですが、とにかく音の響かせ方が実に美しい。粒だち良くてメロディアス。モーダルなラインなのにこれほどメロディアスに音を選択できるものなのかと驚かずにはいられません。久しぶりに惚れ惚れするほど綺麗なピアノの音を聴きました。

実はデビュー作を持っていませんでした。このセカンドを聴いて感激し、速攻でデビュー作を注文しましたが、デビュー作もセカンド同様、素晴らしい出来です。個人的にはデビュー作よりもこのセカンドの方が好きですが。
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Francesco Maccianti / Crystals

   ↑  2010/03/23 (火)  カテゴリー: piano
francesco maccianti_crystals Francesco Maccianti / Crystals  ( HMV )
2008 Almar


Francesco Maccianti (p)
Essiet Essiet (b)
Joe Chambers (ds)





イタリア人ピアニスト、フランチェスコ・マッチアンティ ( Francesco Maccianti , 1956~ ) の2004年録音盤。彼についての詳細はまったくわかりません。出生日を調べるのにも一苦労でした。英語はもちろん、イタリア語でもきちんとしたバイオが殆どアップされていません。Disk Union のHP にはリーダー作として4作品が掲載されていますが、それらで全てなのかもわかりません。わからないことずくめのマッチアンティ ( 名前の読み方も分からないや ! ) ですが、これが凄く素敵なアルバムなんです。ジャズ批評の No.146 『 ピアノ・トリオ Vol.4 』 でお二人の方が推薦されていたので気になっていたのですが、先日、、めでたく手に入れることができたのです。

ビクター・ヤングの名曲 《 Beautiful Love 》 が冒頭に配されているのですが、導入部はフリー・フォームのアブストラクトな演奏で、そのあとにインテンポからテーマがふわっと現れる感じがたまりません。このピアニストの持つリリシズムは他の抒情派と呼ばれるピアニストのそれよりも数段、深遠な印象を受けます。光や華やかさの影に隠れた深部にゆっくりと焦点を当てていくような官能的な音世界。度聴いても味わいつくせない魅力に満ち溢れています。これは完全に僕のツボにはまりました。
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Theo Travis / Earth To Ether

   ↑  2010/03/23 (火)  カテゴリー: tenor
theo travis_earthtoether2Theo Travis / Earth To Ether  ( amazon )
2004 33JAZZ
 


Theo Travis (ts,fl), Simon Colam (p), Andy Hamill (b),
Marc Paranell (ds,perc), Richard Sinclair (vo,g)




英国のテナーサックス兼フルート奏者テオ・トラヴィス ( Theo Travis , Birmingham , 1964~ ) の単独リーダー作としては通算8作品目となる作品。90年代から英国ジャズ・シーンとプログレッシブ・ロック・シーンをシームレスに行き来しながら活躍していきたアーティストです。とりわけプログレッシブ・ロックのフィールドにおいては、1999年からの現在に至る GONG への参加と、急逝したエルトン・ディーンの後を引き継いだ形での Soft Machine Legacy への参加が印象深く、彼の人気を決定つけた活動と云えるでしょう。

2007年にはロバート・フィリップとの共同名義による作品 『 Thread 』 でその尖鋭的、実験的なサウンドへの傾倒ぶりを披露していますが、彼は元来は純然たるジャズ・ミュージシャンなんですよ。1993年のデビュー作 『 2 am 』 などはサックス・カルテットによる純ジャズですし、その後の作品でもジャズのスタンダードなどを演奏したり、タビー・ヘイズへのオマージュとしての選曲もなされていたりと、ジャズ・アーティストとしての側面が強調されていました。ただまあ、日ごろからクリス・ポッターやエリック・アレクサンダーなどの超絶技巧のテナーに慣れ親しんでいる我らジャズ・ファンからすると、トラヴィスのサックスはかなり凡庸な印象を受けるものですが、それでもやはりキング・クリムゾンやカンタベリー系の洗礼を受けた彼ならでの表現力はなかなか侮れないもので、聴いていて常に新たな発見があるものです。

僕個人的にはファーストの 『 2 am 』 が一番好きですし、ジャズ・ファンがまず最初に口をつけるならこのファーストからが良いと思いますが、この 『 Earth to Ether 』 もなかなか面白い作品でお薦めです。本作は何と云ってもワイルド・フラワーズ~キャラヴァン~ハットフィールド&ザ・ノーズというカンタベリー系の中心で活躍してきた重要人物 リチャード・シンクレア ( Richard Sinclair , Canterbury , 1948~ ) が3曲でヴォーカリストとして客演しているのがウリでしょう。そのため、彼が参加した楽曲ではかなりカンタベリー入ってます。当然その場合はトラヴィスはフルートに持ち替え、夢幻的でファンタジックな音色を奏でているので、そのあたりはジャズ・ファンには敬遠されちゃうかもしれません。でも、それ以外の曲ではノリのよいファンク・ジャズ調の曲もあったりしてジャズ・ファンにも受け入れられそうな構成なんですけどね。特に、キング・クリムゾンの名曲《 21世紀のスキッツォイド・マン 》 をサックス・カルテットでカヴァしていたりして、大変面白いですよ。

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2010/03/23 | Comment (0) | Trackback (0) | HOME | ↑ ページ先頭へ ↑ |

Geoff Peters Trio / Quiet Night

   ↑  2010/03/22 (月)  カテゴリー: piano

geoff peters Geoff Peters Trio / Quiet Night  ( HMV )
2010 自主制作
 

Geoff Peters (p)
Mark White(b)
Greg Murray(ds)






Tilden Webb 、Tony Genge 、 Eric Harding 、そして Richard Whiteman ( bass : Jack Zorawski ) と、カナダで活躍するピアニストの話が続いたので、ついでに最近手に入れたアルバムを一枚、御紹介。


ヴァンクーヴァーを拠点に活動しているピアニスト、ジェフ・ピータース ( Geoff Peters ) の昨年録音された第二作目となる自主制作盤。

年齢は不詳ですが、見た目から判断するとかなり若そう。二十代前半ぐらいでしょうか。キース以降の現代的な雰囲気を持ってますが、決してヴァーチュオーゾではありません。それどころか随所に素人っぽさを漂わせているピアニストです。

それもそのはず、彼の本職はソフトウェア開発であり、そのほかまだ若いのにコンピューター関連のいくつかの仕事をこなしているようです。また相当のグルメらしく、ヴァンクーヴァー周辺のレストランの食べ歩きブログなども運営している多種多芸な方です。

“ I'm primarily a software developer, but I also dabble in jazz piano. ”と自身のサイトで紹介しているのがなんとも微笑ましいですね。

全13曲中半数が彼のオリジナルです。そのオリジナルが実に良いのです。年齢に見合った瑞々しく潤いのある感性がメロディーにうまく表現されています。仄かな哀愁感も漂っています。この決して巧くはないけどそこはかとなく哀愁に満ちたメロディー。この二つの条件が世のマイナー・ピアノジャズ愛好家の心を惹きつけるのですね。今盤はきっと日本人には受けますよ。

彼の Official Site で旧作 ( デビュー作 ) やアルバムに収められていない音源などがたくさんフルバージョンで試聴できます。ご興味のある方どうぞ。


ソフトウェア開発者らしい、というか、らしくない、というか、なんだか面白いプロモーションビデオです。

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2010/03/22 | Comment (0) | Trackback (0) | HOME | ↑ ページ先頭へ ↑ |

3月20日 新潟へ

   ↑  2010/03/22 (月)  カテゴリー: 未分類

やっと新潟に行ってきた。

 

新潟市は大学時代を過ごした懐かしい町。卒業して20年以上経つがその間に2,3回しか行っていない。最後に訪れてからもすでに10年は経っていると思う。

 

今回、訪れた目的は3つ。まずは、大学時代に入り浸っていたジャズ喫茶 A7 にお邪魔すること。それから、『 ジャズ批評 』 に投稿させていただいていた際にお世話になった花村圭さんが新潟市内に開店されたジャズカフェ&レコード店 Catshouse ( キャッツハウス ) に御挨拶に伺うこと。そして、拙ブログ開設以来ずっと親しくお付き合いいただいている 『 My Secret Room 』 のスズックさんにお会いること。後者のお二人とは意外にも今回が初めてお会いする。

 

土曜日。仕事は3時に終了。そのまま新幹線で新潟へ。6時45分に新潟へ到着。タクシーで直接、古町通6番にあるキャッツハウスへ。ちょっと初めて行かれる方には分かりにくい裏通りにある。もともとこのお店の場所にはジャズママというジャズバーがあった。新潟のジャズの老舗として有名だったが、JASRAC 音楽著作権使用料問題で閉店を余儀なくされたお店だ。

 

cats house 看板 

お店に着くと花村さんが出迎えてくれた。スズックさんは僕が泊るアパホテルまで迎えにいってくれているらしい。あとで分かったのだがメールの行き違いがあったようだ。

スズックさんが戻ってこれられて御挨拶。3人でビールで乾杯後は、花村さんの音楽業界の裏話などで大いに盛り上がる。

スズックさんが Nicholas Folmer の新譜 『 Meets Bob Mintzer 』 を持参されたのでそれをかけさせてもらう。この盤は抱き合わせの関係でまだ僕の手許には届いていなかったのでとっても嬉しい。すごく元気があってかなりの好盤だ。ミュンツァーの自身のビッグバンドの時よりも気合いが入っているようだし。

スズックさんから事前に頼まれていた Sidsel Storm の新作 『 Swedish Lullaby 』 をお貸し、ついでにお店でかけさせてもらう。花村さんは、支離滅裂、一貫性のない僕らのジャズの戯言に、丁寧に応対してくれて、話題にのぼるCDを引っ張り出してきては聴かせてくれた。感謝多々。

catshouse 店内店内には壁一面にLPが12,000枚。CDも8,000枚。試聴可能で販売も行っているところが他のジャズ喫茶とは決定的に違うところで面白い。仕入れたばかりのCDも無造作に積まれている。

これだけ膨大なアナログ盤を所有されているならさぞ高価なアナログプレーヤーをお持ちかと想像するが、実は使用されているプレーヤーはテクニクスの SL-10 だった!!

79年に発売されたジャケットサイズのダイレクト・ドライブ・プレーヤーで人気があった。当時、僕も欲しくてたまらなかったプレーヤーだが、当時10万円という価格は、学生だった僕にはとうてい買えるものではく、ただただ憧れをもって眺めているだけだった。

実はこの SL-10を数年前にヤフオクで手に入れている。動作確認だけして殆ど使用せず、物置に突っ込んでいるだけだが、久しぶりに使ってあげようかな。

cats house 購入CDせっかくなので何か買っていこうと思い、仕入れたばかりの新譜を物色。

キャロル・スローン ( Carol Sloane ) の最新作 『 We'll Meet Again 』( 2009 Arbors ) があるのを見つけて購入。中古紙ジャケのコーナーから以前から欲しかった アイリーン・クラール ( Irene Kral ) の 『 The Band and I 』もいただくことにする。

花村マスターのお薦め新譜でスウェーデンのボーカリストでベースも弾くらいしい Margaretha Evmark のコールポーター集 『 Get Out Of Town 』( 2008 imogena ) と、な、な、なんと、バリー・マニロウ ( Barry Manilow ) の 『 2:00 AM Paradise Cafe 』( 1984 Arista ) を購入。

バニー・マニロウの本盤はスズックさんの御推薦もあった。さらにはこの後、訪れた A7 のマスター、大井さんもイイとおっしゃっていたので、はたして帰宅後聴いてみたら、すごく良くてびっくりした。しかも、全曲がマニロウのオリジナルだと知って更に驚いた。 今日は朝からこれをずっと回している。

A7 玄関共通のジャズの話題で語り合っていると、時間の過ぎるのは速いもので、時計を見たら既に10時になろうとしていた。ちょうど二人連れのお客さんが入ってきたところだったので、僕らも次のお店 A7に移動した。花村さん、いろいろ奥の深いお話ありがとうございました。

キャッツハウスから A7 までは徒歩で5分程。東京と違って町が小さいから移動も楽。キャッツハウスの新しくて綺麗な看板と違って、地味で年気の入った看板を感慨深く眺めながら、懐かしい階段を上り、扉を開けると、マスターが優しい笑顔で迎えてくれた。十数年ぶりなのに、なぜかそんな月日が経ったとは思えない。つい数日前にもこのカウンターに座っていたかのような錯覚させ覚える。

店内にはお客さんが二人。その彼らがリクエストしたマイルスの 『 Quiet Nights 』が控えめな音量で店内に流れていた。スズックさんはず~と昔に A7に来られたことがあったようだが、マスターとお話をされるのは今回が初めて。初対面でも共通の話題があるのですぐ打ち解けて盛り上がった。

マスターのところに届いた軽音楽部時代の仲間の年賀状を見せてもらった。あの頃の仲間もみんな良きパパになっていた。家族に囲まれほほ笑む彼らの写真を見て、胸が熱くなった。
A7 レコード棚
昔は、レコードブースで針を落とすマスターの姿を眺めながら、次は何をかけてくれるのだろうとわくわくしたものだが、今はもう滅多にレコードはかけないという。もっぱらかけるのはCDで、ご覧の通り、レコードブースはCDが無造作に山積みされていて、物置状態だった。昔はアナログ一辺倒だったのに・・・、こんなところにも時の流れも感じる。

「 クリス君は、ハードバップが好きだったよね。」とマスターは云いながら Joe Wilder ( ジョー・ワイルダー ) の Savoy 盤 『 Wilder 'n' Winlder 』をかけてくれた、CDで。ハードバップと云ってジョー・ワイルダーをかけるあたりがいかにもマスターらしいところだ。

 

普段はほとんど酒は飲まない僕だけど ( 本当は酒好き。、健康のために極力飲まないようにしているだけ ) 、マスターにお願いして新潟県の銘酒、緑川をいただく。調子に乗って千代の光も飲ませてもらい、すっかり酔いが回ってしまう。その後の記憶はかなり曖昧で、もしかするとスズックさんに失礼なことやトンチンカンなことを云っていたかもしれない。

 

マスターはタバコはずいぶん昔にやめたようなので、それはとってもよいのだが、酒は好きそうなので、ちょっと健康には心配だ。やっぱり酒は飲まないに越したことはない。

 

あのハンク・ジョーンズが小川隆夫氏に 「 健康長寿の秘訣は何ですか? 」 と尋ねられて、ハンクは 「 タバコはすわない。酒も飲まない。そしてクスリもやらない。」 と答えていた。最後は冗談としても、やはり飲酒は体にとってもいけないのだ。

 

いつ店を出たか、そのころには全然記憶がない。ただ、スズックさんにホテルまで送ってもらったのは覚えている。酔いで頭がくらくらし、這うようにしてベッドへ。しかし気分は最高。久しぶりにこんな楽しいお酒が飲めて、心底、嬉しかった。みなさん、お付き合いいただいて、どうもありがとうございました。

 


 

Cats House ( キャッツハウス )

住所 新潟市中央区古町通6番町965-1 古町ビル裏口2階
電話(FAX) 025-224-1667

カフェタイム 11:00~18:00 バータイム 18:00~25:00 ( ランチもやってます )

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2010/03/22 | Comment (15) | Trackback (1) | HOME | ↑ ページ先頭へ ↑ |

Jack Zorawski Trio ( Piano: Richard Whiteman ) / First Train

   ↑  2010/03/20 (土)  カテゴリー: bass
jack zorawski Jack Zorawski Trio / First Train  ( amazon )
2007 自主制作


Richard Whiteman (p)
Jack Zorawski (b)
Kevin Clarke (ds)



今日は仕事が終わったら、夕方から新潟に行ってきます。学生時代にお世話になったジャズ喫茶 A7 やジャズ批評に投稿させてもらっていた時にお世話になった花村さんのお店 Cat House にごあいさつに伺おうと思ってます。もちろん、ブログのお仲間さんであるスズックさんにもお会いしてきます。

本作についてはまたあとで書きますね。
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2010/03/20 | Comment (2) | Trackback (0) | HOME | ↑ ページ先頭へ ↑ |

Eric Harding Trio / Capelton Road

   ↑  2010/03/19 (金)  カテゴリー: piano
Eric Harding2Eric Harding Trio / Capelton Road  ( amazon )
2006 自主制作 XXI-21


Eric Harding (p)
Clinton Ryder (b)
Claude Lavergne (ds)




モントリオールを拠点に活動するピアニスト、エリック・ハーディング ( Eric Harding ) の2006年作品。リーダー作としては2001年の 『 Deadline 』 に続く2作品目にあたります。1980年代にマギル大学でジャズピアノ演奏で学位を取得したハーディングは、1998年には Canada Council Grant を獲得し、ニューヨークに渡り、そこでフレッド・ハーシュに学んでいます。その後はモントリオールに戻り、現在は地元の Bernard Primeau Jazz Ensemble をはじめ、いくつものバンドで活躍しているようです。

強い個性を持ち合わせているわけではありませんが、抒情性豊かで衒いのないストレートなプレイ・スタイルはなかなか心地よいものです。

ジャケットの新緑に満ち溢れた田園風景は、モントリオール郊外の田舎でしょうか。アルバムの内容もこのアートワークから想起させられるような爽やかで瑞々しい感性に満ち溢れた素晴らしいものです。

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2010/03/19 | Comment (0) | Trackback (0) | HOME | ↑ ページ先頭へ ↑ |

Tony Genge / Blues Walk

   ↑  2010/03/19 (金)  カテゴリー: piano

Tony Genge2Tony Genge / Blues Walk  ( amazon )
2007 Road House



Tony Genge (p)
Kieran Overs (b)
Terry O'mahoney (ds)




拙ブログに御訪問いただいている SINTETIC さんとコメント欄でカナダ産のピアニストのお話に花が咲き、Jack ZorawskiEric HardingTony Genge などの話題がでたので、今宵は久しぶりに彼らのCDを引っ張りだして聴きだしたところです。こういう機会でもないとなかなか聴き直さないですからね。

トニー・ジェンガ ( Tony Genge ) は1952年、ヴァンクーヴァー生まれのピアニスト。アメリカの現代音楽の作曲家 モートン・フェルドマンに師事し、1982年から85年まで現代音楽を学んでいる変わった経歴を持っています。ジャズの作品としては2007年の本作 『 Blues Walk 』 しかありませんが、彼のディスコグラフィーをみるとなんだかよくわからない音楽の制作に携っているようで、その活動範囲はかなり広く、ジャズ・ピアニストとしての活動は彼の一側面でしかないようです。 現在はカナダ、ノバ・スコシア州にあるセント・・フランシスコ・ザビエル大学の教授として教鞭をとっているようです。

本作は発売当初、寺島靖国氏も評価されていたと記憶します。拙ブログによくコメントをいただくマイナー・ピアノトリオに深い造詣をお持ちの Marty さんも2008年の愛聴盤ベスト10 に本作を選出していたので僕も買ってみたわけですが、これが最高にブルージーかつグルービーなB級名盤で、以後、こっそり愛聴してきました。

彼のオリジナルと 《 What Is This Thing Called Love 》 や 《 Old Folks 》 などのスタンダードや 《 Blues Walk 》 や 《 P.C. Blues 》 などのジャズメン・オリジナルがバランスよく配置され、どれも燻銀の渋いソロを披露しています。こういうアルバムをCD棚の隅にこっそりしまっておいて、静まり返った深夜に、自室でひとり聴き入りながら、「こんなCDを今、聴いているのは世界中で俺ひとりだよなぁ~」と、ひとり悦に浸っていたりするわけですが、でも実は日本中だけでもおそらく20人ぐらいは深夜に聴いているであろう隠れた名盤なのです。

 

 


 

< カナダのジャズに関するお薦めブログ >

Jazz from 43rd parallel north 

カナダのオンタリオ州にお住まいの “ まん丸クミ  ” が現地の生の情報を伝えてくれます。Disk Union が仕入れるカナダ産のCDを聴いていただけでは絶対に分からない、本物の情報がいっぱいです。

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2010/03/19 | Comment (11) | Trackback (0) | HOME | ↑ ページ先頭へ ↑ |

The Magazine for Diners Club SIGNATURE 2010年3月号 特集:ジャズ

   ↑  2010/03/18 (木)  カテゴリー: book



ダイナーズクラブの会員誌 SIGNATURE ( シグネチャー ) の最新号の特集はジャズです。

同クラブの会員になって約20年になりますが、シグネチャーでジャズの特集が組まれたのは初めてかもしれません。でもまあ、毎月届いても開封せずに捨ててしまうことが多いので、もしかすると今までにもジャズ関連の特集があったのかも。


ジャズ...世界の曲がり角で JAZZ on the Corner of the World


ニューヨークジャズの現状についての考察とジャズクラブの紹介、それからジャイルス・ピーターソン、小曽根真、クオシモード、渡辺貞夫のインタービュー記事などからなる17ページの特集です。


執筆されたのは、やっぱりというか、またかというか、小川隆夫さんです。このような現場重視のジャズにまつわるお話ができる方は同氏以外にはいないでしょう。

小川隆夫さんは『 ニューヨーク ガイドブック 』 という著書まで出しているくらいですから、ニューヨークのクラブ事情について一般向けに書くぐらい、なんてことはないでしょうね。

で、それほど珍しいことは書かれていないだろうと期待もせずにパラパラめくっていたら、ちょっと面白い記載がありましたので、ご紹介しておきます。


グリニッチ・ヴィレッジにあるジャズクラブ『 Smalls 』の3代目オーナー、スパイク・ウィルナー氏のインタビューの中で氏がこんなことを言っています。

「 自分が演奏する場に苦労したから、意欲のあるミュージシャンに門戸を開放したくてね。いまではスモールズ・ライブというネット販売専門のレーベルも作ったし、店からの実況中継もネットで観ることができる。ジャズクラブの新しいあり方を模索しているところさ 」

え!? ネットでお店のライブが観られるの?  と云うことで smalls の web site を覗いてみたら・・・

smalls stream

本当にライブ演奏をストリーミング放映していました。ちょっと画質が悪いですが、そこそこ聴ける音質です。ストリーミングされるのはNYC時間の午後7時30分から閉店(だいたい午前2時かな)まで。

ニューヨークと日本の時差は13時間あるので、smalls でライブをやっている時間帯は日本では日中なのが残念ですが、土日の休みの日なら観ることができそうですね。今日、午後2時ごろ、仕事をサボってちょっと観ましたが、無名なピアノトリオが演奏しているのがちゃんと観られました。

それにしても、日本にいながらにしてニューヨークのライブをリアルタイムで観られるなんて、凄くないですか?こういう企画は他のジャズクラブもどんどんやってくれると嬉しいんだけどね。スパイク・ウィルナー氏もジャズクラブのあり方を模索中だと話しているので、今後の戦略に期待したいです。

たとえば、低画質のストリーミング視聴なら無料だけど、高画質のストリーミング視聴したいなら月 $9.99 。さらに、ダウンロードし放題プランなら月 19.99 などとすれば、けっこうお金を払って観るファンもいるんじゃないだろうか。こういうネット上にジャズクラブを構築するといったビジネスモデルは今までなかったでしょ。


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2010/03/18 | Comment (4) | Trackback (0) | HOME | ↑ ページ先頭へ ↑ |

石丸電気 ソフトジャズ&クラシック店 4月4日で閉店

   ↑  2010/03/17 (水)  カテゴリー: daily

石丸閉店


今日、帰宅したらイシマルから閉店セールのDMが届いていました。

今年1月31日にはイシマルの 『 買取本舗 』 が閉店し、2月にはハイエンドオーディオの専門店 『 レフィーノ・アンド・アローネ 』 が閉店していたので、もしかして 『 ソフト館 』 も閉店、あるいは統合されるのではと心配していたのですが、やっぱり閉店してしました。


『 レフィーノ・アンド・アローネ 』 は、妻と一緒に一回だけ入ったことがあったけど、僕には関係のない世界だとすぐ悟り、以後、二度と足を踏み入れることはなかったなぁ。でもまあ、こんなこと云うと関係者に怒られそうだけど、 『 レフィーノ・アンド・アローネ 』 が潰れて、僕個人的にはホッとしています。500万も1000万もするスピーカーをホイホイ買い換えるオーディオ・マニアがたくさんいて、あの店が繁盛するようじゃ、困るでしょ、やっぱり。

結局、アフォーレだか、レフィーオだか、レフィーネだか知らないが、店名を覚えられないまま閉店か。

近年、CDが売れないって問題になっているけど、イシマルのソフト館の閉店、店舗統合などというニュースを聞くと、やっぱり売れていないんだな~と、あらためて実感します。ジーンズが880円で買える時代にCD一枚3000円なんて、やっぱり高いんですよね。どうしても聴きたいという作品も昔に比べて少なくなっているし。

安くしたら優秀なミュージシャンが育たない、と反論する方もいますが、CDが高かろうが、安かろうが、結局はミュージシャンの懐に入る印税なんて1%ぐらいだから、同じ。殆どの利益をJASRAC とレコード会社 が剥奪しているという構造を根本的に変えない限り、CDは売れないのでしょうね。



考えてみたら、今年に入って石丸でCDを買ったのは1回だけです。近年、石丸のジャズのフロアの品揃えがどうもおかしかったのです。Moonks 本に掲載されいてるCDのコーナーとか、寺島本掲載CDコーナー、あるいは、ジャズ批評の特集別のコーナーなど、まあ僕にはどうでもいいようなカテゴリー分けをして陳列しているので、肝心の欲しいCDがみつけにくい。しかも白人女性ボーカルに不気味なくらい力を入れだしたりして・・・。

しかも、以前は5階が国内盤、6階が輸入盤と分けていたのが、最近は楽器別にフロアを分け出して、いっそう商品を探しにくくなって、自然と足が遠のいていました。

そんなわけで、最近はもっぱらHMVのマルチを利用してCDを買うことが多くなりました。HMVやamazonに慣れちゃうと、わざわざDUや石丸に行って買うのが億劫になりますしね。しかも、DU とHMVだと、一枚で400円も500円も値段が違うから、忙しいなか、わざわざお茶の水まで行って高いCD買うのがばかばかしくなってきていまっています。

そんな訳で、CDはお店で買うのではなくネットで買う、という消費行動は必ずしも僕だけに限ったことではなく、世の中全体の流れとみてよいのでしょうね。

で、このDMをよ~く見ると、老眼鏡をかけないと見えないくらい小さい字で、

「閉店セール開始以降は、エディオンカードのポイント付与は中止させていただきます。」

とあります!! こんな大切なこともっとデカイ字で書いてくれよ~っ。

それにしても、石丸の唯一のアドヴァンテージだった「 国内盤10%ポイント」がなくなるんじゃ、もう石丸で買う理由が完全になくなったな。
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2010/03/17 | Comment (4) | Trackback (0) | HOME | ↑ ページ先頭へ ↑ |

Moutin Reunion Quartet / Soul Dancers

   ↑  2010/03/17 (水)  カテゴリー: group
moutin reunion_soul dancers2Moutin Reunion Quartet / Soul Dancers  ( amazon )
2010  Plus Loin Music
 

Francois Moutin (b)
Louis Moutin (ds)
Pierre de Bethmann (p, key)
Rick Margitza (ts)




フランス出身の双生児ユニット Moutin Reunion Quartet による待望の最新作。1998年のユニット結成以降、『 Power Tree 』 ( 2001 )、『 Red Moon 』 ( 2003 )、『 Something Like Now 』 ( 2005 )、『 Sharp Turns 』 ( 2007 ) と、ほぼ2年ごとに新作をリリースしてきた彼らの本作は通算5作品目となる作品です。

結成当初は、新進気鋭の天才ピアニストとしてCDデビューしたばかりのバティスト・トロティニョン ( Baptiste Trotignon ) と、アンドレ・チェカレリのバンドメンバーとしても有名な人気テナリストのシルヴァン・ブフ ( Sylvan Beuf ) をサポート・メンバーとして起用してしていましたが、セカンド・アルバムの 『 Red Moon 』 ではブフに代わりリック・マーギッツァ ( Rick Margitza ) が新メンバーとして参加。サード・アルバムの『 Something Like Now 』ではトロティニョンに代わり、Prysm のピアニストとして名を馳せたピエール・ドゥ・ベスマン ( Pierre de Bethmann ) が正式メンバーとして加入、以後、現在まで不動のメンバーで活動しています。

WRの楽曲をアコースティック楽器で現代風にシュミレートしたようなカッコよさは、今作でも健在で、特に前半の楽曲はWRをかなり意識した作風で、WR の大ファンの僕としては思わず頬が緩んでしまいます。フランソワ ( 兄 ) の馬鹿テクぶりを遺憾なく発揮したベースラインが兎に角、凄いです。ベスマンがシンセやエレピを弾いているけど、フランソワがウッドベースなので、完全なエレクトリック・フュージョンにはならず、かといってジャズのビートではない。ちょうど、フュージョンとジャズの汽水領域に花咲いた、唯一無比な珍しいサウンドを生み出しています。

全9曲。前々作『 Something Like Now 』ではチャーリー・パーカーのメドレーを、前作『 Sharp Turns 』 ではコルトレーンのメドレーを、いずれもムタン兄弟のデュオで演奏していましたが、今作でも二人でモンクのメドレーを演奏しています。何処までスコア化されているのは全然わかりませんが、徹頭徹尾、二人の息が寸分の狂いもなく合致していて、思わず息を呑む素晴らし演奏です。この二人のデュオは “ Interpaly ” というよりはむしろ “ Innerplay ” と呼びたくなるような一体感が感じられます。まあ、同一の遺伝子を共有する二人ですから、まさに以心伝心、阿吽の呼吸というか、二人だけの理解不能なコミュニケーション手段があるかのようです。

このモンクのメドレー以外はすべて兄弟のオリジナルで、特に前半の3曲は WRに激似した楽曲でかなり面白いです。M-1 《 Sold Answers 》 はWR の《 Night Passage 》 を彷彿とさせる曲ですし、M-2 《 Depths Light 》 はジャコの名曲 《 Three Views of a Secret 》 に激似です。パクリと言われても反論できないくらい似ています。M-3 《 Momentum 》 にしても、WR の『 Domino Theory 』 に収録されていた 《 B♭ Waltz 》 にビートが酷似しています。

後半はベスマンもアコースティック・ピアノに持ち替えて、スタイリッシュで現代的な4ビートを演奏していて、構成的にもなかなか面白く、最後まで飽きさせません。裏拍でのキメを多用した難解な楽曲が多いにも関わらず、総体としてはとってもリラックスした雰囲気が漂う作品です。超絶技巧の集団が、弛緩しない程度の緊張感を持って、余裕綽々で演奏するとこういう凄くノリのイイ名演が生まれるんでしょうね。ホント、巧いや。

 中年音楽狂さんの記事 『 WR色濃厚な Moutin Reunion Quartet 』はこちら
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2010/03/17 | Comment (10) | Trackback (2) | HOME | ↑ ページ先頭へ ↑ |

Susanna Stivali / A Secret Place

   ↑  2010/03/15 (月)  カテゴリー: vocal

SUSANNA STIVALISusanna Stivali / A Secret Place  ( HMV )
2003  Alfa Music


Susanna Stivali (vo)
Luca Mannutza (p)
Marco Loddo (b)
Nicola Angelucci (ds)
Rosario Giuliani (as)


イタリア人女性ボーカリスト、スザンナ・スティヴァリ ( Susanna Stivali ) のデビュー作。2003年リリース。本盤の魅力は何と言ってもサポートメンバーとして参加しているルカ・マンヌッツァとロザリオ・ジュリアーニ。この二人が歌盤をするのは極めて稀。その意味でも貴重な作品。

主役のボーカルは透明感が魅力の美声であるが、やや神経質そうな雰囲気を漂わせている。また、ジャズ・ボーカリストであることを主張しようと、ボイス・パーカッションやスキャットを披露しているが、技術的に今一つの感が否めない。声質も好き嫌いがあるだろう。しかし、ルカやジュリアーニの熱く激しいソロを聴くためだけでも本作を買う価値は十分ある秀作だ。

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2010/03/15 | Comment (0) | Trackback (0) | HOME | ↑ ページ先頭へ ↑ |

アクセス数

   ↑  2010/03/13 (土)  カテゴリー: daily
b log 77777今日、午後9時8分、ユニーク・アクセス数が77777に達しました。別にどうでもいいことだけど、おそらく777777はないだろうから、7が揃うのはこれが最後だと思うのでスクリーンショットを撮ってみました。
これからもどうかよろしく。
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Andrea Beneventano Trio / Trinacria

   ↑  2010/03/13 (土)  カテゴリー: piano
andrea beneventaoAndrea Beneventano Trio / Trinacria ( HMV )
2003  Alfa Music


Andrea Beneventano (p)
Pietro Ciancaglini (b)
Pietro Lodice (ds)




イタリア人ピアニスト、アンドレア・ベネヴェンターノ ( Andrea Beneventano ) のおそらく唯一のリーダー作。イタリア・ジャズのファンやマイナー・ピアノ・トリオのファンの間では人気のある隠れた名盤です。で、名盤ではありますが、2003年の発売当時に手に入れた方はとても少く、その希少性と内容の素晴らしさが相まってメガ・レア級の高額物件に昇格したディスクとしても有名です。

発売当時はDisk Union の山本隆氏が紹介し、その後、『 Jazz とびきり新定番 500+500 』( MOONKS著 ) では小山智和氏が、『 Jazz 批評No.133 ピアノ・トリオ vol.3 』では大河内善宏氏がそれぞれ本作を絶賛。さらにはジャズライフ誌2008年12月号の特集『 ジャズ・イタリアーノ 』のなかでも『 イタリア・ジャズ・名盤40選 』に選定されている人気盤です。

ベネヴェンターノはすでに20年以上にも渡りプロとして活躍しているようです。歌伴やサイドメンとしての仕事がほとんどで、日本では彼の活動状況がなかなか把握できないのですが、共演者リストにはスティーブ・グロスマン、リック・マーギッツァ、パウロ・フレス、マッシモ・ウルバニなど、錚々たるミュージシャンの名前を見つけることができ、本国ではそれなりの評価は得ていると想像できます。

全10曲。うち7曲が彼のオリジナル。冒頭曲 《 I Remember You 》 で折り目正しい端正なスタイルを見せたかと思うと、その後、万華鏡のごとくその曲想を変えて聴き手を魅了していきます。M-3 《 He was Great》で、ミッシェル・ペトルチアーニを彷彿とさせる人懐っこいメロディーを奏でたかと思うと、M-5 《 Lines for RG 》 では強烈な縦ノリ・ビートで暴れまくり、M-8 《Aniram》 では静謐な叙情的世界観を提示するなど、緩急軟硬、自由自在の多芸ぶりを披露します。このバド・パウエル的な硬質バップから耽美的美メロまで、その振幅の広さが彼の魅力でしょうか。

とにかく、捨て曲なしの名演奏がぎっしり詰まっているB級ウラ名盤です。未聴の方はぜひ御一聴を。
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Tim Lapthorn Trio / Seventh Sense

   ↑  2010/03/08 (月)  カテゴリー: piano
tim lapthorn_seventh senseTim Lapthorn Trio / Seventh Sense ( amazon )
2007 Basho Records


Tim Lapthorn (p)
Arnie Somogyi (b)
Stephen Keogh (ds)






英国人ピアニスト、ティム・ラプソーン ( Tim Lapthorn , Newmarket , 1976~ ) の通算3作目となる最新作。とは云っても2007年の作品です。

一昨日、拙ブログで取り上げたドイツ人ピアニスト、ティム・アルフォフ ( Tim Allhoff ) を iPod で聴いていたら、アーティスト名のリストでこのティム・ラプソーンが隣にいて、思わず聴き入ってしまったのです。3年前の作品ですが、時あるごとに引っ張り出して聴いては、その渋く艶っぽい演奏に感心していました。

今作は disk Union が発行している小冊子『 FAVORITE DISC 2007 』 で山本隆氏が、2007年のベスト盤として推挙していた作品です。ただし、何処に出しても恥ずかしくない傑作という位置づけではないようで、同氏も今作を “ あんま り話題にならなかった渋い盤” あるいは “ 埋もれる寸前のピアノ・トリオ作品 ” と評しています。確かに地味と云えば地味な作品ですが、年齢の割には前述したように渋くて、時に枯れた情感を漂わせる B級的な味わいに満ちた作品です。

ライナーノーツによると、彼らはある日の午後に何の準備もなくスタジオに入り、複雑なアレンジよりも自然な即興演奏に重点を置いて、新鮮な気持ちで録音に望んだらしい。

昨日のような、一日中冷たい雨が降り続く憂鬱な日に、部屋で静かに流しっぱなしにしていたくなるような、そんなジャズです。
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2010/03/08 | Comment (5) | Trackback (0) | HOME | ↑ ページ先頭へ ↑ |

Tim Allhoff Trio / Prelude

   ↑  2010/03/06 (土)  カテゴリー: piano
tim allhoffTim Allhoff Trio / Prelude  ( HMV )
2010  Double Moon



Tim Allhoff (p)
Andreas Kurz (b)
Bastian Jutte (ds)




ドイツ人ピアニスト、ティム・アルホフ ( Tim Allhoff , Augsburg , 1980~ ) のデビュー・アルバム。

幼少期から独学でクラシック・ピアノを習得し、ミュンヘンのリヒャルト・シュトラウス音楽院で正式なジャズ・ピアノの教育を受けています。2007年には同院を優秀な成績 ( magna cum laude ) で卒業し、南ドイツを中心にサイドメンとして多忙な生活を送っていますが、一方で、インゴルシュタット劇場の音楽監督を務めたり、自身のトリオを結成しての活動など、八面六臂な活動を行っています。

話は少々脱線しますが、彼の年齢について一言。国内の輸入盤販売店、通信販売店などの情報をみると、アルホフの年齢を 《 1970年生まれ 》 と掲載しています。しかし、アルホフのmyspacedouble moon のOfficilal Web Site には 《 1980年生まれ 》 とあります。ジャケットの写真からも想像するに、おそらく 1980年生まれが正しいと思うのですが・・・。なかには 《40歳でのデビュー 》 みたいに紹介されています。

オリジナル中心の選曲。スタイル的には、《 ブラッド・メルドー以降 》という言葉がよく似合ういかにも21世紀型のピアニストだと思います。ただし音数はメルドーよりもかなり多いです。饒舌に語りまくるメルドーのようです。近年、音数少なく寡黙なイメージが定着しつつあるメルドーですが、彼にもこのくらい鍵盤を叩いてもらいたいと、アルホフを聴いていて思ったくらいです。

ただ、メルドーのようなペダンティックな勿体ぶりはなく、メンタル的にもずっと健全な印象を与えるピアニストです。最初は今一つ訴求力に欠けるかなぁと思ったりもして三ツ星半の評価にしたのですが、聴き込むうちに、その魅力に取りつかれ、四つ星に評価を改めました。三人の阿吽のコンビネーションも抜群で、トリオとしての魅力も十分あります。

最近はできる限りネットで試聴してからCDを買うようにしています。僕の場合、手当たり次第に買っていると勝率が良くても2割ぐらいですからね。で、本作もmyspace で試聴してピンときたので買ってみたのですが、実際に聴いてみると予想を上回るできの良さなので、しばらくは愛聴盤コーナーに置いておこうと思っています。
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2010/03/06 | Comment (0) | Trackback (0) | HOME | ↑ ページ先頭へ ↑ |

Thomas Savy / French Suite

   ↑  2010/03/05 (金)  カテゴリー: etc

thomas savy_french suit Thomas Savy / French Suite ( amazon )
2010 Plus Loin Music  PL100


Thomas Savy ( bcl )
Scott Colley ( b )
Bill Stewart ( ds )




フランス人マルチリード奏者、トーマス・サビー ( Thomas Savy , Paris , 1972~ ) のリーダー作としては 『 Archipel 』( 2004, Nocturne ) に続く2作目となる最新作。今回は単身訪米し、米国最強のコンテンポラリー・リズム・セクションであるビル・スチュアートとスコット・コリーを従えたトリオ編成で臨んだ気合いの入った作品です。この二人を起用したからには、それ相当の自信と覚悟があるのでしょう。しかも逃げも隠れも出来ないピアノレスのトリオ編成ですから、かなりのプレッシャーもあったのではと推測します。ジャケット写真の彼の恐げな容貌はそれらをすべて物語っているかのようです。が、そんなプレッシャーもなんのその、ツワモノ二人を相手に、互角、いや、それ以上のパフォーマンスを発揮し、緊張感に漲る素晴らしい作品に仕上げてきました。

多くの方には馴染みが薄いミュージシャンなので、まずは簡単に経歴を紹介しておきます(原文はこちら)。

トーマス・サビーは、パリ国立地方音楽院( Paris’ Conservatoire National de Région )でクラシック・クラリネットを学び、そこで1993年には金賞 ( Premier Prix ) を受賞したあと、翌年にはフランス最高峰の音楽大学であるフランス国立高等音楽院 ( the Conservatoire National Supérieur de Musique in Paris ) のジャズ即興音楽に入学しています。同院ではダニエル・ユメールをはじめ、著名な指導者に恵まれ、1997年にはインプロビゼーション金賞を受賞しています。その一方で、精力的にクラブのギグなどに参加し、すぐさまパリのビッグバンドのレギュラー・メンバーに抜擢されています。さらには、いくつかの現代音楽や電子音楽の分野でも多大なる貢献を果たしています。サビーは、テナーサックス、バリトンサックス、バスクラリネット、あるいはフルートなど、様々な楽器を操るマルチリード奏者ですが、ラージ・アンサンブル編成の中では概してテナーサックスを担当しているようです。しかし、彼の個性はバスクラを手にした時に最も発揮されます。ジョン・コルトレーンとウェイン・ショーターに影響を受けたサビーですが、彼がリーダーとしてその腕前をふるう際はもっぱらこの珍しい楽器であるバスクラを演奏しています。

本国ではピエリック・ペドロンやヴァンサン・アルトーのバンドから、The Vintage Orchestra や Christophe Dal Sasso Big Band などのラージ・アンサンブル集団まで、レベルの高いミュージシャン達との共演が多く、おそらく楽器の特異性も考えると、かなり高い評価を得ているのではないでしょうか。

手許にあるフランス産CDをざっと目を通してみたところ、ファビアン・マリーの 『 Four and Four 』、デヴィッド・エルマレクの 『 Music from Source 』、ピエリック・ペドロンの 『 Classical Faces 』 などに参加していました。ですが、どの作品もあまり存在感はありません。アンサンブルの一員のような起用のされ方なので、ソロも少ない。

Fabien MARY four and four Fabien Mary / Four and Four ( amazon )
2008 Elabeth 

Fabien MARY (tp), Pierrick PEDRON (as), David SAUZAY (ts,fl), Jerry EDWARDS (tb), Thomas SAVY (bs,bcl), Hugo LIPPI (g), Fabien MARCOZ (b), Mourad BENHAMMOU (ds)







 

pierrick pedron_classic Faces Pierrrick Pedron / Classical Faces  ( amazon )
2006 Nocturne 



Pierrick Pedron (as), Pierre de Bethmann (p), Franck Agulhon (ds), Vincent Artaud (b), Magik Malik (fl), Thomas Savy (bcl)






David_elMalek_source David El-Malek / Music from Source  ( amazon )
2008 Nocturne 



David El-Malek (ts, ss), Yoann Loustalot (tp), Thomas Savy (bcl, ts),  Denis Leloup (tb), Eric Dufay (cor), Didier Havet (tb, tuba), Jules Bikoko Binjami (b), Daniel Garcia Bruno (ds,perc)


 

 

 


 

 

  中年音楽狂さんの記事 『 Thomas Savy : バスクラ・ドラムレス・トリオへの挑戦は大成功 』 はこちら

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2010/03/05 | Comment (8) | Trackback (1) | HOME | ↑ ページ先頭へ ↑ |

Steve Fishwick / Up Front !

   ↑  2010/03/04 (木)  カテゴリー: trumpet
steve fishwick_upfront2 Steve Fishwick / Up Front !  ( amazon )
2007 Hard Bop Records HBR33002


Steve Fishwick ( tp )
Colin Oxley ( g )
Dave Chamberlain ( b )
Steve Brown ( ds )




スティーブ・カルデスタッドが2000年にロンドン在住中に共演していたトランペッター、スティーブ・フィッシュウィックの初リーダー作。彼は現在、御存じ The Osian Roberts & Steve Fishwick Quintet で活躍中です。歪んだ音色が何とも枯れた味わいを醸し出していて、ノスタルジックな気分にさせます。地味ですが、深夜に日本酒を啜りながら聴きたくなる好盤です。
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2010/03/04 | Comment (7) | Trackback (0) | HOME | ↑ ページ先頭へ ↑ |

Steve Kaldestad / Blow - Up

   ↑  2010/03/04 (木)  カテゴリー: tenor
steve kaldestad Steve Kaldestad / Blow - Up ( amazon )
2010 Cellar Live CL053109


Steve Kaldestad ( ts )
Kevin Dean ( tp )
Andre White ( p )
Jodi Proznick ( b )
Jesse Cahill ( ds )


ヴァンクーヴァーにあるジャズカフェ&レストラン、セラー ( Cellar ) のオーナーであり自らもアルトサックス奏者でもあるコリー・ウイーズ ( Cory Weeds )が2001年に設立したジャズレーベル Cellar Live Records は、小さなローカル・レーベルながら、すでに50以上におよぶタイトル数を誇り、何気にレベルの高い作品を世に送り出している隠れた名レーベルです。

先日リリースされたカナダ出身のテナーサックス奏者、スティーヴ・カルデスタッド ( Steve Kaldestad ) のデビュー作も、このCellar Live Records からリリースされた実況録音盤です。カルデスタッドは先日、拙ブログでも取り上げたカナダ人女性ベーシストのジョディ・プロズニック ( Jodi Proznick ) の作品 『 Foundations 』 にも参加していた中堅テナー奏者です。

カルデスタッド はカナダのオンタリオ州ミシサガ ( Mississauga ) 生まれで、年齢は不詳ですが、デュラン・デュランを聴きながら青春時代を過ごし、1994年にモントリオールのマギル大学 ( McGill University ) を卒業している、という記述から推測するに、現在40代ではないでしょうか。

1997年には一時ニューヨークに移住し、リー・コニッツやマーク・ターナーに師事したり、2000年にはロンドンに移住し、マット・ウェイツ、スティーブ・ブラウン、マイク・カー、スティーブ・フィッシュウィックらなどと共演するなど人脈を広げていったようです。その後帰国し、モントリオールに居を構え活躍していましたが、2008年にはヴァンクーヴァーにその活動拠点を移しています。

今作はトランペットとテナーの典型的ハードバップ編成です。演奏スタイルも全く以って痛快ハードバップで、そこにはジャズの未来を予見させるノイエスなど全然ありません。先日、取り上げた大英帝国のバンド、The Osian Roberts & Steve Fishwick Quintet と同列と考えて良いでしょう。50年代~60年代のファンキー・ハード・バップのスタイルを今なお踏襲しているのですが、案外、ローカルにはこの種のバンドが大勢生育しているのかもしれません。僕個人的にはこの手のジャズが一番大好物で、理屈抜きで爽快な気分になれるし、多少の嫌なこともこういうジャズを聴けば忘れてしまいます。ニューヨークのカッティング・エッジなバンドも良いのですが、たまにはこんな古典的バンドも心に沁みます。

こういうジャズを持ちあげると決まって、「こんなの聴くなら 本家本元のBlue Note を聴きゃいいじゃん」と反論する方もいるのですが、そういう方はどうぞ大昔のジャズの名盤を聴いてください。それもありです。ただ、スタイルは古くても、いま、この時代に、地球上の何処かで汗を流しながら夜な夜な懸命に演奏しているミュージシャンを応援したいし、共感したい。ジャズの同時代性を肌で感じならが、ジャズに浸りたい。少なくとも僕はそう思います。

僕がはじめてカルデスタッドを聴いたのは、前述したジョディ・プロズニックの 『 Foundations 』だったのですが、線の細いスイング指向性がちょっと肌に合わず、あまり印象が良くなかったのですが、今作での彼は共演者の刺激もあってか、かなり豪快にブローしています。かなり本気汁が出まくっています。それもそのはず、トランペットのケヴィン・ディーンとピアノのアンドレ・ホワイトは、マギル大学時代の恩師なのです。手を抜く訳にはいかないのですね。

このケヴィン・ディーン ( Kevin Dean , 1954~ )という喇叭、初めて聴きましたが、随所に小技をきかせた味のあるプレイで、一発でファンになりました。 フレーズに歌があります。メカニカルに速いだけで全然歌っていないトランペッターが多い中、こういった吹き手は貴重です。ちょうどサド・ジョーンズとかアート・ファーマーあたりを彷彿とさせる職人的ラッパーです。



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2010/03/04 | Comment (2) | Trackback (0) | HOME | ↑ ページ先頭へ ↑ |

Joel Haynes Trio featuring Seamus Blake / Transitions , Tilden Webb Trio / Cellar Groove, etc.

   ↑  2010/03/03 (水)  カテゴリー: piano
Joel Haynes_transitionsJoel Haynes Trio featuring Seamus Blake ( amazon )
2008 Cellar Live


Joel Haynes ( ds )
Jodi Proznick ( b )
Tilden Webb ( p )
Seamus Blake ( ts )



拙ブログに御訪来いただいては時々コメントを残していってくださる SINTETIC さんが、一昨日のコメントの中で、『 DU新宿店の青空市で、Tilden WebbトリオにDavid゛ F゛ Newmanが参加した作品を買ったけど、古き良きアメリカ黄金期のハードバップといった感じで、理屈抜きで楽しめた~。』 とおっしゃっていたので、僕も懐かしくなり、段ボールにしまっておいたティルデン・ウェヴの作品を引っ張り出してきて、いま、聴いてるところです。もう4年以上前の作品なんですね、これ。なんだかつい最近、聴いていたような気がします。月日の経つのは恐いくらい速いものです。

ティルデン・ウェブはカナダの中堅ピアニストで、年齢は30代。モーダルで切れ味鋭いなかなかカッコいいピアニストです。まだローカル・ミュージシャンのポジションに甘んじていることろがありますが、技術的にはかなりイイ線いっていると思いますので、今後の活躍に期待したいところです。

そのティルデン・ウェヴの名を世に知らしめた作品としては、上記のデヴィッド・ニューマンをゲストに招いて吹き込んだセラーでの実況録音盤 『 Cellar Groove 』 ( 2005, Cellar Live ) よりもむしろ、ドラマーであるジョエル・ヘインズ ( Joel Haynes ) のセカンド・アルバム『 Transitions 』 ( 2008, Cellar Live ) ではないでしょうか。

この作品は何と云ってもシーマス・ブレイクが参加していることで話題になりました。しかも、そのシーマス(シェーマス)がそれこそ自身のリーダー作でも聴かせたことのないような熱くハードなパフォーマンスを繰り広げているです。もうシーマスのファンならずとものけ反って興奮してしまうこと請け合いです。このライブの時、一瞬、シーマスはクリス・ポッターを超えた!! と云っても過言ではありません。それくらい、ここでのシーマスは凄いのです。そのシーマスのバックで、強烈にプッシュし、鋭いバッキングでフロントラインを煽っていたのがこのティンデル・ウェブなのですね。ハンコックやマッコイを完全に咀嚼し、スタイリッシュに昇華させたような現代的なスタイル。これでローカル・ミュージシャンなのですから、カナダのジャズ界のレベルの高さが窺えます。

Joel Haynes time is nowJoel Haynes Trio / The Time Is Now  ( amazon )
2007 Cellar Live


Tilden Webb ( P )
Jodi Proznick ( b )
Joel Haynes ( ds )




こちらはジョエル・ヘインズのデビュー作で、ここでもピアノはティルデン・ウェブが参加しています。ベースはセカンド同様、ウェブ・トリオのレギュラー・ベーシストであるジョディ・プロズニックが担当しています。ジョディはその名前から察しが付く通り女性のベーシストですが、カナダ人としては小柄なのでしょうが、並みの日本人男性よりは体格は良さそうで、出てくる音もゴリゴリと太く、グイグイとリズムを引っ張っていく頼もしい弾き手です。

ウェブは、ピアノとローズを弾き分けています。ローズで弾く楽曲は80年代のフュージョンの香りがしますね。しかもCTI のミルト・ジャクソンの名作 『 Sunflower 』 やフレディー・ハバードの『 Polar AC 』 などに収められていた 《 People Make the World Go Round》 なども演奏していて、当時、青春を謳歌していた世代には胸が熱くなる演奏です。ウェブと学生時代からの盟友ジョディは、ピアノのシンセに、ウッドベースをエレベに持ち替え、フュージョン・バンドのようなこともやっているようです。ローカル・ミュージシャンとしてはごく普通の営業活動なのでしょうね。本作はシーマス参加のセカンドに比べると随分と軽い印象を受ける作品ですが、弛緩しない適度の緊張感とノスタルジックな哀愁が漂う心地よい秀作だと思います。


Tilden Webb Trio - Cellar GrooveTilden Webb Trio / Cellar Groove  ( amazon )
2006 Cellar Live
 

Tilden Webb ( p )
Jodi Proznick ( b )
Jesse Cahill ( ds )
David "Fathead" Newman ( ts, as, fl )



昨年、惜しくも他界したテキサス・テナーの巨匠デヴィッド・ファットヘッド・ニューマン ( David “ Fathead ” Newman , texas , 1933~2009 ) をゲストに招いて2004年12月に録音されたティルデン・ウェブ・トリオのライブ盤。

ライブ会場となっているセラー ( Cellar ) は、バンクーバーにあるジャズカフェ&レストランで、その店のオーナーであり自らもアルトサックスを吹くコリー・ウイーズ 氏 ( Cory Weeds ) が2001年立ち上げたレーベルが “ Cellar Live Records ” 。 本作ももちろんそのCellar Live の作品です。レーベル・サイトを覗いてみると既に50枚以上のカタログ数を有しており、けっこう所有している作品もありますが、何気に粒ぞろいで侮れません。

近いうちに拙ブログでも取り上げようと思いますが、今年になって手に入れたCellar Live Records の最新作、スティーヴ・カルドスタッド ( Steve Kaldestad ) の 『 Blow Up 』 もスインギーな好盤で気に入っています。

jodi ProznickJodi Proznick Quartet / Foundations  ( amazon )
2006 Cellar Live


Jodi Proznick( b )
Tilden Webb ( p )
Steve Kaldestad ( ts )
Jesse Cahill ( ds )



長年ウェブと活動を共にしてきた女性ベーシスト、ジョディ・プロズニック ( Jodi Proznick ) のデビュー作にももちろんウェブが参加しています。本作はカルテット編成で、カナダ人テナリスト、スティーヴ・カルドスタッド ( Steve Kaldestad ) がフロントを務めています。カルドスタッドは比較的オーソドックスなスインギーなハードバップを得意としているようで、デヴィッド・ニューマンやシーマス・ブレイクをフロントに据えたカルテットを聴いた後では、どうしても物足りさを感じてしまいます。音色が綺麗でエモーショナルなこの手のテナーは僕個人的には好みではありませんが、テクニックはなかなかあります。悪くはありません。ジョディのベースソロもこれと云って取り立てるほどのことはしていません。こういう盤はどうしたらよいのでしょうかね。困ります。

 中年音楽狂さんの記事 『 Seamus Blakeが光るJoel Haynesのライブ盤 』 はこちら
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2010/03/03 | Comment (9) | Trackback (0) | HOME | ↑ ページ先頭へ ↑ |
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