雨の日にはジャズを聴きながら90年代以降のジャズを気ままに綴っています。 旧ブログ 『 雨の日には JAZZ を聴きながら 』 からのデータ移行は終了しました。ジャズ以外にも、時々デジタル関連の物欲記事、最近ハマっているカメラの話題も少しアップしています。 

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Sean Jones / No Need for Words

   ↑  2011/07/31 (日)  カテゴリー: tenor
Sean Jones / No Need for WordsSean Jones / No Need for Words ( amazon.co.jp )
2011 Mack Avenue

Sean Jones (tp)
Brian Hogans (as)
Orrin Evans (p,key)
Obed Calvaire (ds)
Luques Curtis (b)
Kahlil Kwame Bell (perc)
Corey Henry (org)
Matt Stevens (g)

近年、著しい成長をみせる中堅トランペッター、ショーン・ジョーンズ ( Sean Jones , Warren OH , 1978~ )の通算6作品となる最新作。

昨年には5年以上在籍していたLincoln Center Jazz Orchestra のリード・トランぺッターの座を退き、最近はマーカス・ミラーのバンドで活躍するジョーンズ。先日開催されたNorth Sea Jazz Festival では、マーカス・ミラー、ハービー・ハンコック、ウェイン・ショーターなどの大御所と一緒にステージに立ち、観衆を湧かせたのも記憶に新しいところ。

2004年の『 Eternal Journey 』( Mack Avenue ) でデビューを飾って以来、一作ごとにその実力を高めてきたが、前作『 The Search Within 』あたりからは内容もぐっと引き締まってきて、個人的には大変好印象を抱いていたトランぺッターだ。

クリスチャン・スコットやアンブローズ・アーキンムシーレイなど、近年の米国における若手トランペッターの層の厚さには改めて驚かされるが、どうも彼らに共通する頭でっかちでインテリ臭漂う作風が鼻につき、今一歩のところで醒めてしまい心底好きにはなれない。彼にとってはまずはアルバムを一つの芸術作品として完成させることが最優先であり、また、今のリスナーもそれを望んでいるのだろう。その点においてシーン・ジョーンズは、心の底から沸き上がる熱きハードバッパーとしての純粋な発露がうまくアルバムに投影できていているので、リスナーとしても聴いていて熱くなれるし、とにかく楽しめる。

ジョーンズの演奏は、ハードでファンキーでソウルフル。さらにはちょっと不良っぽくて・・・。やはりトランペッターは昔も今もこういうタイプがイイ。そして、そのトランペーターの不良性の瞳の奥にちらりと見られる知性が、これまたカッコいいのだ。

それでいて彼のアドリブラインは独創的で、その演奏力も正確無比である。それだけでも十分魅力的なのだが、彼の場合、その煌めく作曲能力も瞠目すべき点だ。当然、今新作も彼のオリジナル中心の構成。

収録曲は、ジョーンズのオリジナル7曲とブライアン・ホーガンズのオリジナル1曲で全8曲。メンバーー的にはデビュー以来の盟友であり、またサウンドの核となっているピアノのオリン・エバンスが今回も参加。やはりこの人が参画するだけでアルバム全体がキリッと締まる。ベースのルケス・カーティスとドラムのオベッド・キャルベア ( Obed Calvaire ,miami ) の二人は2007年の第四作『 Kaleidoscope 』 以来の付き合い。そして、デビュー以来ジョーンズをサポートしてきたアルトのブライアン・ホーガンズも健在。一方で今回はテナーのウォルター・スミスIII は参加していない。

メンバーのなかで個人的に最も瞠目しているミュージシャンといえば、ドラマーのオベッド・キャルベアの名を挙げたい。トニー・ウイリアムス~ラルフ・ピーターソン~ジェフ・ワッツ あたりを彷彿とさせる手数足数の多いドラマーだ。ジャン・ミシェル・ ピルク、アンブローズ・アーキンムシーレイ、イーライ・デジブリ、ゲイリー・ベルサーチ、それからヴァンガード・ジャズ・オーケストラなどにも参加し、こ れからも更なる活躍が期待できる新進気鋭のミュージシャンといえよう。

これぞニューヨーク・コンテンポラリー・ジャズの醍醐味といえそうな変拍子の曲 《 Look and See 》がオープニングを飾り、アフロ・キューバンなM-2 《 Olive Juice 》でフロント二人が熱いソロを聴かせたかと思うと、続くジョーンズの母親に捧げた M-3《 Momma 》ではスローなR&B 調でしっとり情感豊かに歌い上げる。そしてまた拍裏音符メロディーが印象的なファンキーな M-4 《 Touch and Go 》 で盛り上げる。タイトル・チューン M-5 《No Need for Words 》は深い闇の中に引きずり込まれそう Miles-ish なバラード。最後はジョーンズの父親への愛情を謳ったゴスペル調の《 Forgiveness 》で切々と謳い、そして静かにアルバムの幕を下ろす。コンテンポラリーあり、ゴスペルあり、R&Bあり、ミュート・バラードあり・・・と、多彩なスタイルのナンバーが揃っていてとにかく飽きさせない構成。音楽的な新鮮味、ノイエスなどはないが、彼自身も言っているように、今までのキャリアを総括するにふさわしい力作だと言える。






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2011/07/31 | Comment (2) | Trackback (0) | HOME | ↑ ページ先頭へ ↑ |

Luis Salinas / Salinas

   ↑  2011/07/30 (土)  カテゴリー: guitar
Luis SalinasLuis Salinas / Salinas ( amazon.co.jp )
1996 GRP Records

Luis Salinas (g,vo)
Ricky Peterson (key)
Didi Gutman (key)
Paul Peterson (b)
Michael Bland (ds)
Sammy Figueroa (perc)


暑い日が続きますね。このところちょと涼しいかと思っていたら今日は久しぶりに猛暑日でした。朝の天気予報では最高気温25度、雨が降ったりやんだりの一日でしょう、なんて自信げに言っていたけど、雨なんか殆ど降らず、それどころか30度越えの暑さで、朝持って出かけた雨傘を日傘にして差したいくらいだったです。こんな日は流石にむさ苦しいジャズなんか聴く気がおきず、手にしたmp3プレーヤーの選曲は[ ジャンル→フュージョン ] へ無意識にスワイプしてたりします。

で、仕事帰りのメトロ銀座線(それにしても銀座線って一年中なんであんなにム~と暑いんだろう? ) に揺られながら聴いていたのがこのルイス・サリナス( Luis Salinas ) の 『 SALINAS 』。

夏になると必ず聴きたくなるアルバムってないですか? 僕の場合は、渡辺貞夫の 『 Elis 』 とか、ラーセン・フェイトン・バンドの 『 Full Moon 』 とか、アンリ・サルヴァドールの 『Chambre Avoc Vue 』 とか、カシオペアの『 Mint Jams 』 とか、森園勝敏の 『 4:17 p.m. 』 (早くCD出してくれ~) とか・・・、いろいろあるのですが、このルイス・サリナスも夏の定番アルバムとして、ず~と愛聴してきた座右の逸品です。

サリナス(あるいはサリーナス)と言っても日本ではあまり知られていないかもしれませんね。母国アルゼンチンでは絶大なる人気を得ているギタリストなのですが、何故か彼の情報は日本には届かないようです。

ルイス・サリナスは1957年、ブエノスアイレス生まれのギタリストです。聴いてすぐわかるようにメチャクチャ巧いですが、彼はこの技術を独学で習得したといいます。

ワールドワイドな本格的な活動は90年代に入ってからで、94年に 『 Salsalinas 』 でアルバムデビューを飾っています。そして、モントルー・ジャズ・フェスティバルをはじめ、多くのイベントに招かれ、そのキャリアを積んでいき、チック・コリア、ジョージベンソン、チューチョ・バルディス、スコット・ヘンダーソンなどから賞賛されるまでに実力をつけていきます。更にその業績が当時 GRPレコードの社長に就任したばかりのトミー・リピューマの目にとまり、1996年、晴れてGRP より本作 『 Salinas 』 でデビューを果たします。

トミー・リピューマとしては彼を第二のジョージ・ベンソンに育て上げたかったのかもしれませんが、残念ながら本作はヒットには至らず、GRP Records からの二作目は制作ざれず、サリナスは GRP をこの一作のみで去ることになります。しかしその後も多くのリーダー作をリリースし、客演作品も多く、母国では絶大なる人気を今でも得ています。

彼はエレクトリックとアコースティックの両刀使いです。ソリッドなエレキギターを手にするとフュージョン色の強い演奏をしますが、アコースティックギターを手にした時はトニーニョ・オルタやバーデン・パウエルのようなボッサ・スタイルで演奏します。ただ、トニーニョ・オルタやバーデン・パウエルよりは遥かにジャズ的なフレーズの組み立て方をします。

また、時々ヴォーカルも披露します。これがまた味があっていいのです。決して巧くはないのですが。ギターも巧いが歌も巧い。これが母国での人気の所以かもしれません。

爽快感のみならず、適度な哀愁を漂わせながら、軽快に淀みなく、そして、隅々いまで配慮された歌心を持って演奏されるソロには心底、惚れ惚れするのですが、少々残念なのは個性がやや希薄なことです。キャラが弱いんですね。よくわからんワザを多用して聴衆を煙に巻くようなことは一切しない正統的なスタイルなので、巧いんだけど匿名的な音楽に聞えてしまうところが惜しい点です。

上掲したサンプル音源はノリのよいラテン・フュージョンですが、他の曲にはアコースティックで優しい曲もたくさんあります。たまにはこんな南米音楽が生み出す独特の緩やかな時間感覚のなかで休日を過ごすのもいいものです。



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2011/07/30 | Comment (0) | Trackback (0) | HOME | ↑ ページ先頭へ ↑ |

Jeremy Taylor / Reggae Interpretation Of Kind Of Blue

   ↑  2011/07/28 (木)  カテゴリー: etc
Reggae Interpretation Of Kind Of BlueJeremy Taylor / Reggae Interpretation Of Kind Of Blue ( amazon.co.jp )
2011 SECRET STASH / ZOUNDS



1981年、当時ニューヨーク州立大学で教鞭をとっていたジャズ・ミュージシャンのジェレミー・テイラー氏が、ジャマイカのミュージシャンとともに制作したマイルス・デイヴィスの 『 Kind of Blue 』 のカヴァ集。タイトルが示すように 『 Kind of Blue 』 のレゲエ解釈であり、収録曲もすべて 『 Kind of Blue 』 のまま。ただし、各曲のダブヴァージョンも収録されている。

不運なことにテイラー氏は、このレコーディングの数週間後、公演のために訪れていたパリのホテルで客死。そのためこの音源は長い間お蔵入りになっていたが、『 Kind of Blue 』リリース50周年を迎えた2009年に Seacret Stash よりヴァイナル盤のみの仕様で発売され、クラブ系の一部のファンの間で話題になった (らしい)。

ヴァイナル盤発売当時、僕はたまたま本屋で立ち読みしたクラブ・ミュージックの専門誌でこのアルバムを存在を知り、聴いてみたい衝動に駆られたが、その頃は既にヴァイナル盤からは足を洗って、いかなる場合もLPは買わないと決めていたため、泣く泣く購入を断念した思い出のある作品だ。《 どうせすぐにCDも発売されるだろう 》 と高を括っていたが、一向にCD化される気配もなく、あっという間に2年の歳月が流れ、完全にその存在すら忘れてしまっていたが、今回、突然のCD発売となった。発売してくださったお方は、やっぱりというか、彼しかいないというか、レコード番長こと須永辰緒氏。

7月20日発売のインタビュー系音楽雑誌 『 SWITCH 』 2011年8月号に 『 新訳ジャズ ( もっと。まだ見ぬ発見と驚き )』 と題した特集記事が掲載されているが、その記事のなかで須永氏自身が本作について次のように語っている。氏によると、

いつまで経ってもCD化されないのでレーベルに連絡したんです。そうしたらジェレミーの遺族との約束で、アナログは出してもいいけれと、二年間はCD化しないでほしいと言われたらしくて。そうしているうちにアメリカのCDセールス状況がが酷いことになっちゃって、そのレーベルもCD化を諦めていたんです。それなら日本でやらせてくれないかって、二年間交渉して、自分で出すことにしたんです。

ということらしい。2年もの間CD化されなかったその謎が氷解したのはいいのだが、では遺族は何故、CD化を拒んでいたのか、そのことは謎のままだ。CD化を先送りにしたほうが、最終的にトータルとしての売り上げ数が稼げるのでは、という思惑でもあったのだろうか。

さて、期待の内容だが、なんとも微妙なんだな、これが。須永氏は、《 これはぜひ聴いてもらいたい。本当に最高だから。》 と、絶賛しているが(そりゃ、自分のレベールから出しているんだから誉めるのは当然だが)・・・。

やっぱりユルユルのレゲエのリズムには根本的にジャズの旋律は乗りにくいのかな。 ボサノバとジャズは相性が凄くイイのにね。これがスカになると俄然ジャズとの相性がよくなるわけだが。

リズムがユルい上に、フロントのテナーとトランペットのソロも妙に間伸びしてノリが悪い。というか、リズムがユルい “ ので ” フロントのソロまでユルくなるんだろう。ちょっと聴くに堪えられないアドリブだ。言い過ぎかもしれないが、フロントの二人は素人レベルの演奏力ではないだろうか。リズム隊はジャマイカから招聘してもよいが、フロント陣営はニューヨークのジャズ・ミュージシャンを起用すれば、かなり締まった聴きごたえのあるジャズ・レゲイ作品ができたであろうに・・・。しかしながら考えてみたら、このアルバムを買い求めて聴くようなファンは真性ジャズファンではないのだろうから、そういうクラブ系のファンにとってはアドリブの質なんか眼中にないのだろうな。

そして、このミュージシャンのジャズ気質のなさだけでも激しく物足りないのだが、さらには録音がこれまた痛いのだ。全編エコーがかかり過ぎ!! まるで風呂場でラジカセ聴いているみたいだ。エコーのかかったサウンドが聴きたければ、リスナー側の機材 ( AVアンプなど ) でどうにでもなる時代なのだから、制作者サイドは変な装飾を加えなくていいのではないだろうか。

でもまあ、脳みそが融解するくらいの猛暑続きの今年の夏には、確かにマイルスの『 Kind of Blue 』よりはこのレゲエ盤のほうがフィットするかもしれない。そして、氏も云っているように、このアルバムをきっかけに一人でも多くの人がマイルスの『 Kind of Blue 』を聴く気になってくれれば、それはそれで嬉しいことではあると思う。



SWITCH Vol.29 No.8(2011年8月号) 特集:新訳ジャズ
スイッチパブリッシング 著者:新井敏記 価格:819円 評価:★★★★★


巻頭特集 上原ひろみ
今年、自身が参加したアルバムがグラミー賞を受賞した世界的ジャズピアニスト、上原ひろみ。
理論、それとも直感? ジョシュア・レッドマン×平野啓一郎
鼎談|naomi&goro&菊地成孔 ジャズ/ボサノヴァの愛憎史
須永辰緒 ジャズ発、レゲエ経由マイルス行き?


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2011/07/28 | Comment (0) | Trackback (0) | HOME | ↑ ページ先頭へ ↑ |

Marcin Wasilewski Trio / Faithful

   ↑  2011/07/26 (火)  カテゴリー: piano
Marcin Wasilewski Trio_faithfulMarcin Wasilewski Trio / Faithful ( amazon.co.jp )
2011 ECM Records


Marcin Wasilewski (p)
Slawomir Kurliewicz (b)
Michal Miskiewicz (ds)




ポーランド・ジャズの次世代を担うピアニスト、マルチン・ボシレフスキ ( Marcin Wasilewski, 1975~ )の、通算8作目となる最新作。

1990年に Simple Acoustic Trio を結成し活躍していたボシレフスキは、国内外のフェスティバルで数々の賞に輝く当初から将来を嘱望されたピアニストだった。そして、1995年には 『 Komeda 』( Gowi Records ) でアルバムデビューを飾り、その後も母国レーベルに計5枚のアルバムを吹き込み、着実に実績を積み重ねていった。

また一方で、90年代中盤からはポーランド・ジャズ界の重鎮トーマス・スタンコのサポートとしても活躍し注目を集めた。その抜群の演奏力はスタンコをして“ In the entire history of Polish jazz we've never had a band like this one. ”と言わしめたほどであった。ボシレフスキの演奏は、スタンコのECM盤 『Soul of Things』 (2001)、『Suspended Night』 (2003)、 『Lontano』 (2005)などで聴くことができる。

そんな活躍がマンフレッド・アイヒャーにも認められ、2005年には晴れてECMからリーダー作 『 Trio 』 をリリース。続く2007年のECM第二弾『 January 』は、日本には情報が入りにくく、過小評価されがちなポーランド・ジャズながらも輸入盤店を中心に好セールスを記録し、日本のジャズファンの間でも広く認知される存在となった。

今作『 Faithful 』は、そんなボシレフスキのECM移籍後第3弾となる作品。ECMからの作品も3作目ともなると、そろそろ今までとは異なる音楽性を期待する向きもあるとは思うが、残念ながら作風としては前作を踏襲する徹頭徹尾ECM的作品だ。まっ、良くも悪くも、アイヒャーのサウンド・プロダクションには全くブレが無いわけだ。

研磨剤で丁寧に磨き上げられた大理石のような質感をもつ精緻な音列は、まさにECMの音世界なのだが、しかし、今回は少しばかり違っている。つまり、クリーンなサウンドの質感はそのままに、音温度が幾分高めに設定された作品に仕上がっているのだ。Simple Acoustic Trio 時代ほどではないが、あの頃のようなベースやドラムが有機的に絡んでくる場面が随所に聴かれるのが嬉しい。

また、アブストラクトな楽曲が大好きなECMにしては、だいぶメロディを重視した曲を採用しているようで、個人的には好感が持てる。音像も前2作に比べてカラフルな印象をうける。

録音は前2作と異なり、イタリア国境に近いスイスのルガーノ湖畔に立つRSI ( スイスラジオ局 ) のオーディトリアムで行われた。収録曲はボシレフスキの自曲5曲とカヴァ曲5の全10曲。

冒頭曲はユダヤ系ドイツ人の作曲家アイスラー作の《 An den kleinen Radioapparat 》。この曲はスティングが《 The Secret Marriage 》というタイトルでカヴァして有名になった。ものの見事にボシレフスキ色に換骨奪胎してみせたこのカヴァは、スティングのそれに勝るとも劣らない出来栄えだ。

躍動感と内に秘めたメラメラ感が静かに噴出する自曲 M-2 《 Night Train To You 》。テンポ・ルバートでゆったりと揺蕩う彼らの音楽的ルーツでもあるオーネット・コールマン作のタイトル曲 M-3 《 Faithful 》。世の中年を否応なしに感傷的な気持ちにさせてしまう名バラードM-5《 Ballad Of The Sad Young Men 》はキースのカヴァに比肩する名演。ブラジルが生んだ変拍子を操る奇才エルメート・パスコアールが作曲したM-6 《 Oz Guizos 》。そして、ラストを締める静謐な自曲 M-10《 Lugano Lake》。

全体に甘酸っぱいメロディが漂う作品なので、ECMファンにはあまり好意的には迎えられないアルバムかもしれない。むしろ根っからのECMファンにとっては、よりジャズに根ざしたアプローチで音を組み立てていくスタンコのサポート・メンバーとしてのボシレフスキにシンパシーをおぼえるのではないだろうか。いずれにしても、曲構成、メロディー、演奏と、すべてにおいて完成度が高く、少なくともECMからの3作品の中では出色の出来だと思う。




ブログ 『 中年音楽狂日記 』 の中年音楽狂さんの記事 『 Marcin Wasilewskiの新作:これは最高だ。 』 はこちらから。

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2011/07/26 | Comment (4) | Trackback (1) | HOME | ↑ ページ先頭へ ↑ |

PROGRESSIVE ROCK FES 2011 AUG 28th @ 日比谷野外音楽堂

   ↑  2011/07/12 (火)  カテゴリー: Progressive Rock
Progressive Rock Fes 2011プログレッシヴ・ロックの祭典 ~美しき旋律の饗宴~再びめくるめく音世界へ!!~
■日時:2011年8月28日(日)
■会場:日比谷野外大音楽堂
■OPEN:15:00 / START:16:00
前売:12,000円(税込)/当日:12,500円(税込) 全席指定 ※雨天決行
出演:カンサス / ウィッシュボーン・アッシュ / PFM


昨年に続き今年も日比谷野音で“ プログレシッヴ・ロック・フェスティバル”が開催されることになりました。嬉しいですねぇ。クラブチッタ様、それからストレンジ・デイズ様方のおかげです。感謝多々。昨年は行けなかったのですが、今年は大丈夫。既にチケットも手に入れ、今からワクワクしています。なにしろカンサスが来るんですから。死ぬまでに一度は生で観ておきたいバンドの一つだったので、めちゃくちゃ嬉しいです。

今年の出演者は、PFM、ウィッシュボーン・アッシュ、、そしてカンサスと、伊英米のプログレ・バンドが結集です。

それにしても、ウィッシュボーン・アッシュってプログレだったんだ~、とはじめて知りました。ホントに?僕も初期の三作品ぐらいしか聴いたことがないけど、プログレ的要素は見出せないなぁ。かろうじてデビュー作 『 Wishbone Ash 』 が多少インストパートがプログレしてるけど・・・。

名盤と評されている『 Argus ( 邦題:百眼の巨人アーガス ) 』 だって凄くイイ作品だとは思うし、昔は散々聴きまくったアルバムだけど、一度もプログレと思って聴いたことがなかった。

まあ、楽しみは楽しみだけど、ちょっとフェスの主旨からは外れているような、そんな気がしますね。僕個人的には、ウィッシュボーン・アッシュの代わりに YES でも出演してくれれば3マン出しても聴いてみたかったけどね。

PFM のライブを観るのは2002年以来だから10年ぶりになるな。PFMは70年代前半がベストで、その後のPFMはどうもしっくりこないし、2002年の時も懐かしさに胸が熱くなっただけで、演奏自体にはあまり感激はしなかったな。

でもまあ、カンサスもPFMも僕の青春そのものだったから、実際観たらきっと涙腺緩むんだろうなぁ。

人は10代に聴いた音楽を一生聴き続ける、って言うけれど、確かにそうだと思うよ。PFMなんか今、初めて聴いたとしたら絶対ゴミだと思っちゃうだろうな。感受性の塊のようなあの頃だからこそ感動できた、っていうことってあるよね。

関係ないけど、日比谷野音って、客席の傾斜が少ないから前の人の頭でステージがちょっと遮られちゃうでしょ。あれが嫌でねぇ。やっぱりみんな立って観るのかな?猛暑の中、3時間以上、立ちっぱなしは中年にはきついだろうな。それから夏の野音って蚊がいっぱいいるんだよね。



kansas_LeftovertureKansas / Leftoverture ( 永遠の序曲 ) ( amazon.co.jp )

1976 Kirshner

《 Carry On Wayward Son 》

全米アルバムチャート5位までいった1976年リリースの4作目。シングルカットされた 《 Carry On Wayward Son 》 はチャートで11位。難解さがウリの欧州プログレとは異なり、とっても平易でメロデックな作品。彼らの最高傑作と賞賛されている。僕は本作とその後にリリースされた2枚組ライブアルバム 『 Two For The Show 』 が大好きだった。

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2011/07/12 | Comment (2) | Trackback (0) | HOME | ↑ ページ先頭へ ↑ |

Simple Acoustic Trio / Getxo Jazz 96 - XX Festival Internacional de Jazz de Getxo

   ↑  2011/07/10 (日)  カテゴリー: piano
Simple Acoustic Trio _GetxoSimple Acoustic Trio / Getxo Jazz 96 ( amazon MP3 download )
1996 Hilargi Records



Marcin Wasilewski (p)
Slawek Kurkiewicz (b)
Michal Miskiewicz (ds)



欧州の名うての若手ピアニストのなかでも一際輝きを放つポーランド出身のピアニスト、マルチン・ボシレフスキ ( Marcin Wasilewski, 1975~ ) の Simple Acoustic Trio 名義での実況録音盤。

マルチンがベーシストのスワヴォミル・クルキエヴィッツとSimple Acoustic Trio を結成したのは1990年のこと。当時は二人とも音楽高校に通う15歳の少年だった。1993年にドラムスのミハウ・ミスキエヴィッツが加わり、以後、現在に至るまで20年にわたり不動のメンバーで活動を行ってきた。

SAT結成直後の1993年にはポーランド国内のジュニア・ジャズ・コンテストでいきなり三位入賞。その後も数々のコンペティションにエントリーし、いくつもの賞を受賞していった。1996年には二つのコンペティションに参加している。まずひとつはドイツのレバークーゼン・ジャズ・フェスティバルで、もうひとつはスペインのゲッチョで開催されたジャズ・フェスティバルだ。彼らはいづれのコンペティションでも優勝を獲得。マルチン自身も最優秀ソリスト賞の名誉に輝いている。本作はその後者のコンペティション参加時の演奏を収録したもの。

スペイン語でのメンバー紹介の後、ベースとドラムの奏でる揺蕩うリズムに乗せて静かに旋律がその姿を見せる冒頭曲《 Cherry 》は、ポーランドが生んだ偉大なるジャズ・ピアニストであり作曲家でもあるクリストフ・コメダの自作曲。

続いてカーラ・ブレイの《 King Korn 》、オーネット・コールマンの《 Turnaround 》と続くが、決してフリーに傾倒しているわけではなく、あくまでメロディーを素材として用いるだけ。

当時、二十歳そこそこの若者だったのに、その演奏たるや新人の或を超えた完成度をみせ、さらには老練ささえ漂わせる風格。近年はECMから『 Trio 』『 January 』『 Faithful 』と、抒情性溢れる作品を発表。その静謐な世界観を確立し、幅広いファンにアピールしている三人だが、SAT を名乗っていた90年代の彼らは、スケール感があり、ダイナミックで、今よりもずっと大きな世界を目指そうとする意欲があったように思う。別に現在のECM諸作が駄目だというわけではない。勿論いまも素晴らしい演奏なのだが、良きにつけ悪しきにつけ、マンフレッド・アイヒャーの放つ強力な磁場により、彼らの本来の姿がややもすると歪められているような印象を受けるのが少々残念なだけ。

本作を久しぶりにきちんと聴いたが、今とは似ても似つかないかなり骨太な演奏で、それこそリリカルな側面とともにビバップ的な狂騒と興奮みたいな要素も詰め込まれた相当の力作だとあらためて感じた。あえてグループ名にピアニストの名前を冠しないだけのことはあり、三者のインタープレイも刺激的だ。その三者対等にして等価なシステムで稼働するユニット体制は、ちょうどエンリコ・ピエラヌンツィの Space Jazz Trio を彷彿とさせる。欧州に生息するキース・ジャレット単純再生産型のピアニストとは明らかに一線をきす存在だ。

ということで、ECM盤を聴いて彼らを舐めていた方は、本盤を聴いて反省してください。超おすすめ。



ブログ 『 中年音楽狂日記 』 の中年音楽狂さんの記事 『 Simple Acoustic Trio:名前で損しているかもなぁ 』 はこちらから。








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2011/07/10 | Comment (2) | Trackback (0) | HOME | ↑ ページ先頭へ ↑ |

Tom Harrell / The Time of The Sun

   ↑  2011/07/01 (金)  カテゴリー: trumpet
tom harrell_time of the sun Tom Harrell / Time of the Sun ( amazon.co.jp )
2011 Highnote


Tom Harrell (tp,flh)
Wayne Escoffery (ts)
Danny Grissett (p, rhodes)
Ugonna Okegwo (b)
Johnathan Blake (ds)



今宵はトム・ハレル ( Tom Harrell, 1946~ )の最新作『 The Time of The Sun 』 を堪能しているところ。ウェイン・エスコフェリー、ウゴンナ・オケグォ、ジョナサン・ブレイク、そしてダニー・グリセット、という顔ぶれで、2007年に 『 Right On 』 を発表して以来、不動のメンバーで活動を続けてきたが、今新作はそんな彼らによる通算4作目となる作品だ。

収録曲は全9曲。もちろん全てがトムの自作曲。周知のごとく、彼はトップ・プレーヤーであるばかりか、優秀なコンポーザーでもあり、彼の書く曲は多くのミュージシャンによってカヴァされている。その自作曲の数は悠に100は超えているという。変な話、トランペットが吹けなくなっても、作曲家として飯を食っていけそうなくらいだ。

空間系エフェクト処理された奇矯な電子音で幕を開けるタイトル曲 M-1 《 The Time of The Sun 》 は、演奏の重心をかなり低くした8ビート基調のヘヴィな曲。「えっ! これがトム・ハレル!? 」と、おそらく予てからのファンは驚くに違いない。冒頭からこれではちょっとドン引きしちゃいそうになるが、2曲目以降は逆に耳に馴染みやすい軽快なナンバーが並んでいて、ひと安心。

トムは70年代から既にラテン系のオリジナル曲を好んで作曲してきたが、今作でも彼の真骨頂とも言うべきラテン・フレーバー溢れる瑞々しい曲が並んでいる。ブラジリアン・バラードともいうべきスローなナンバーM-2 《 Estuary 》、サンバ調のM-7 《 River Samba 》、6/8拍子のアフロキューバン M-9 《 Otra 》 などなど。

また、ブレッカー・ブラザーズの楽曲のカヴァか? と一瞬思ってしまいそうなファンク・ビートのM-3《 Ridin' 》などもあり、今回は今までにまして脱4ビート化が目立つ仕上がりになっている。

グリセットは前作同様に今回もローズを大々的に用い、トムのリリカルなソロの隙間を埋めるかのように、浮遊感のあるバッキングを奏でる。

また、エスコフェリーの豪快に捻じれる男性的なテナーと、繊細にして滋味溢れる表現力を持つトム・ハレルのトランペットの対比が放つカウンターフォースも面白い。

やや地味な印象を受ける仕上がりだがとっつきやすいため、何度も聴いているうちに意外にもハマる作品かもしれない。

でもまあ、既出の Hight Note からの諸作品に比べ、なんとなく軽薄感が漂っているのがどうもねぇ~、というのが偽らざる気持ち。本当は前作 『 Roman Night 』や前々作 『 Prana Dance 』のほうが、個人的な好みではある。

ついでに言ってしまうと、近年のトムの作品群のなかで一番好きなのは、これ→ 『 The Cube 』( 2008 Abeat )。 厳密にはトムのリーダー作ではないが、彼の淡く抒情的なメロディーセンスが堪能できる珠玉の一枚だ。



Tom Harrell_CUbeTom Harrell, Dado Moroni / The Cube ( amazon.co.jp )
2008 Abeat

Tom Harrell (tp,flh)
Dado Moroni (p)
Andrea Dulbecco (vib)
Riccardo Fioravanti (b)
Enzo Zirilli (ds,per)
Stefano Bagnoli (ds)

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