雨の日にはジャズを聴きながら90年代以降のジャズを気ままに綴っています。 旧ブログ 『 雨の日には JAZZ を聴きながら 』 からのデータ移行は終了しました。ジャズ以外にも、時々デジタル関連の物欲記事、最近ハマっているカメラの話題も少しアップしています。 

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Evgeny Lebedev  『 Fall 』

   ↑  2007/08/13 (月)  カテゴリー: 未分類

1984年モスクワ生まれのピアニスト、エヴジェニー・レベデフの2005年録音のデビュー盤。録音時は若干20歳、と言うと同じロシア出身のエルダー・ジャンギロフ(キルギス出身)を思い出しますが、ジャンギロフが幼少期から既にアメリカに渡り音楽教育を受けたのに対してレベデフは、モスクワ1623学校、モスクワ芸術大学、そしてグネーシン音楽大学と、一貫してロシアでの音楽教育で鍛えられたピアニストなのです。

正直なところ、ロシア生まれ、ロシア育ちの生粋のロシアっ子のピアノ・トリオを聴くのは今回が初めてでした。ロシア人ピアニストと言えば、澤野商会から再発されたコンパス盤 『 Live in Groovy 』 で話題となったウラジミール・シャフラノフが既に有名ですが、彼の場合は若くしてフィンランド ( 妻がフィンランド人 )、更にはニューヨークに活動の場を移してしまったため、全くと言っていいほどロシア訛りのない洗練されたスタイルに変貌してしまっていますし、寺島靖国氏推薦のセイゲイ・マヌキャン・トリオでピアノを弾いていたヴァレリー・グロホフスキー(Valeri Grohovski)にしても、やはり早い時期からアメリカに渡り、フランス、コスタリカなどを中心に世界的な活動( クラシック分野でも活躍 )を行っていて、そのスタイルは耽美的、叙情的な欧州ピアニストのそれに近似しているように思われます。

バルド三国の一つ、旧ソ連エストニア出身のトヌー・ナイソーの 『 With A Song In My Heart 』 (2003 sawano )を聴いた時も、あまりにもエヴァンス的なその手法に拍子抜けしまった、なんてこともありました。

本当のロシア的なピアノ・トリオというものはあくまで幻想に過ぎず、実際には米国、欧州との音楽交流、ミュージシャンの拡散、放出、流入によりロシアらしさというものが存在しなくなっているのかと思っていました。80年代のペレストロイカに続く91年のソ連崩壊により、ロシアの音楽家は表現の自由を手に入れたその一方で、資本主義経済の下、音楽商業的な成功を求められたミュージシャン達は、より住みやすい土地を求めて次々と海外に移住していったといわれています。そんなロシアのハードな音楽事情の中、純然たるロシア産ジャズ・ピアニストであるエヴジェニー・レベデフが母国レーベルから作品を送り出してきたということは注目すべき出来事です。

彼のオリジナル曲6曲にW・ショーターの ≪ Footprints ≫、≪ Fall ≫ とK・ギャレットの ≪ Journey for Two ≫ を挟み込んだ全9曲の構成。非4ビート系のグルーブ感に溢れるオリジナルに耳が奪われます。スパルタニズムなロシア音楽教育で鍛え上げられた強靭な左手から繰り出されるソリッドなリフに乗せて始まる冒頭の≪ Footprints ≫で、ほとんどの聴き手は“何かやってくれそうな予感”を彼に感じ、胸が高鳴るはずです。

若い世代だからこそ生まれ得るポップな語法に満ち溢れた作曲能力も素晴らしく、また一方では、エルダー・ジャンギロフに欠けていた抒情性も上手く表現されています。しかも決して取って付けたような抒情性ではなく、陰影深く、夢幻的な美しさを纏った抒情的バラード・プレイは20歳そこそこの少年が紡いでいるとは俄かに信じられません。さらに付け加えるならば、超絶技巧を遺憾なく見せつけるレベデフの脇を固めるベースとドラムスもかなりのテクニシャンです。

ロシア・ジャズと言えば、どうしても前衛・即興音楽家の独壇場であり、更には彼らを取り巻くジャズ評論家達も非常に学究的、哲学的であり、僕のような軟弱ジャズ・ファンには近寄りがたい領域だったのですが、こんなピアノを聴いてみると、やはりロシアにもスタンダードでコンテンポラリーなジャズがしっかり根付いているんだなあ、と実感し、少しだけロシア・ジャズが身近に感じられるようになりました。

レベデフは2004年にはバークリー音楽院の奨学金を獲得し米国での活動の足掛かりを築き、おそらく現在、母国と米国の両方で活動していると思われます。今後の活躍が大いに期待したいものです。

Evgeny Lebedev  『 Fall 』  2007年発売  One Records??
Evgeny Lebedev  (p)
Anton Chumachenko  (b)
Alexandr Zinger  (ds)

視聴はこちらで。



レベデフがバークリー音楽院の発表会?に参加している時の映像です。マーカス・ミラーがゲスト参加しています。
関連記事

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Comment


Unknown

いつも、僕の古い記事にコメント入れてもらって、感謝いたします。自分でさえ、書いたことを忘れているような記事ですが(笑)。


で、ソースが分からなかったのです...。
彼のマイスペにもアナウンスありませんし。

いつもながら新情報の入手が早いですね~。

criss to Marty |  2008/08/27 (水) 16:22 [ 編集 ] No.2793


新作

クリスさん、こんばんは。
Evgeny Lebedevが新作を出すようです。新作は基本はピアノソロのようです。Daniel Riera(fl #9) Jeff Miles(g #3,8)が参加する曲もあるようです。5曲目はビートルズの「ノルウェーの森」を独自にアレンジした曲らしいです。
収録曲は以下の通りです。
1.Intro
2.500 Miles High Improvisation
3.102 Days
4.Improvisation on a Message In A Bottle
5.Norwegian Contemplation
6.Ellington Fantasy
7.Variations on a Joanna's Theme
8.I Hear A Rhapsody Variation
9.Talk To Me
10.Little Girl's Blue Fantasy
11.Outro

ところで、水曜から東京出張で、UNION巡りをしてきました。
クリスさんお勧めのCholet - Kanzig - Papaux Trio 「Beyond The Circle 」がとても良かったので、前作を探していたら1050円だったので、思わず買っちゃいました。

Marty |  2008/08/23 (土) 21:12 [ 編集 ] No.2794


TBありがとうございます。

>私のCDプレーヤーはXL-Z999の最終バージョンのZ999EXです。

失礼しました。Z999EXは今でもかなり人気ありますからね。30万前後で今でも売買されていますよね。

>最近またフタが途中で止まったりして、非常に調子悪いです。

naryさんも使用頻度が半端じゃないから、ベルトもすぐ痛むんでしょう。我が家のZ900は週1回ぐらいの使用頻度なので、ベルトは全然いかれません。普段は勉強部屋の中古で2万で買ったsony 555ESJを使っているんですが、製造後15年以上経過していますが、全く故障なしで非常にタフですよ。

ところで最近、naryさんのブログは賑やかですね。しらないうちに新しい常連さん達が増えたようで。

それから、最近、五つ星作品が多いですね。naryさんの五つ星は暗に「これ、買え!」と言っているようなので、僕も頑張って買っていますが、最近金欠気味です。

criss to nary |  2007/09/19 (水) 22:21 [ 編集 ] No.2795


こちらからもTBさせていただきました

エヴジェニー・レベデフはバークリーで学んだだけあって、ロシア臭は全く感じさせませんね。
ロシアを意識することなく聴けてよかったです。

私のCDプレーヤーはXL-Z999の最終バージョンのZ999EXです。
最近またフタが途中で止まったりして、非常に調子悪いです。
もう10年は使おうと思っているのですが(苦笑)

nary |  2007/09/18 (火) 22:19 [ 編集 ] No.2796


Victor XL-Z900

ITSUNIREさん、こんばんわ。
こちらこそBMつけていただきありがとうございます。

ところで、 Victor XL-Z999の中古に心惹かれる、とのことですが、僕はその下位機種であります Victor XL-Z900を使用しております。すでに15年経ちますが、3回ほど修理はしたもののいまだ現役です。この機種の難点は蓋を持ち上げるベルドが傷みやすい事と、ラックの一番上にしか置けない、という点です。

簡単に僕のオーディオ(というほど立派ではありませんが)をブログ内で紹介していますので、もしお暇でしたら、カテゴリーの<audio>を覗いてくださいませ。

そうそう、ブログ仲間のnaryさん(jazz&drummer)が確か XL-Z999だったと思うのですが。

criss to ITSUNIRE |  2007/08/19 (日) 00:50 [ 編集 ] No.2797


Paolo Fresu,Richard Galliano,Jan Lundgren

って、ACTのやつですか?suzuckさんが取り上げていましたよね。国内盤が出るから輸入盤が出ないというブツ。すでに国内盤が出てるんですか。知りませんでした。う~ん、でもリズム隊不在の作品は僕はどうも苦手です。

criss to monaka |  2007/08/19 (日) 00:28 [ 編集 ] No.2798


ブックマークにつきまして

こんにちは、ITSUNIREです。
ブックマークをして頂いていることに気がつきませんで、失礼致しました。早速、私のサイトからもリンクを張らせて頂きましたので、宜しくお願いいたします。

あまりの暑さに、早く雨でも降ってくれないかなあと祈っております。私もレッド・ガーランドの『WHEN THERE ARE GREY SKIES』を聴きながら雨降りを過ごしたいなあ、と思っています。

アップされた内容とは合っていないコメントにて恐縮です。。。

ITSUNIRE |  2007/08/17 (金) 14:09 [ 編集 ] No.2799


さすがの検索

クリスさん、こんにちは、monakaです。
さすがの検索ですね、良いアルバムというのは突然にきますね。本日も夏休み、お忙しいならごめんなさい、昼からワインをいただきながら聴いている、これ
いいです。休み前に仕入れたPaolo Fresu,Richard Galliano,Jan Lundgrenのトリオ。記事にする前にいいから書いてしまいました。

monaka |  2007/08/14 (火) 12:36 [ 編集 ] No.2800

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