雨の日にはジャズを聴きながら90年代以降のジャズを気ままに綴っています。 旧ブログ 『 雨の日には JAZZ を聴きながら 』 からのデータ移行は終了しました。ジャズ以外にも、時々デジタル関連の物欲記事、最近ハマっているカメラの話題も少しアップしています。 

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Scott Wendholt 『 From Now On... 』

   ↑  2008/02/26 (火)  カテゴリー: 未分類

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20世紀の初めの頃、ニューオーリンズの黒人ブラス・バンドから発生したジャズは、アメーバーの如く様々な音楽形態を吸収、消化することによって発展してきたわけですが、90年代に入るとその発展進化の速度は緩やかに減速し、以後ほとんど進化らしい進化を示していないのではないかと、この95年録音のスコット・ウェンホルトの『 From Now On… 』(criss cross 1123)を聴きながら思ったりしています。

たとえば、本作などを「2007年録音のcriss crossの最新作だよ」って友人に聴かせてもおそらく「これ、カッコイイね~」と納得して聴き惚れてくれるでしょう。逆にいえば、10年前と今ではほとんどそのジャズの方法論は変わっていない、ということになりますね。極論すれば、使用するイディムもリズムも作曲法も何もかも全て90年代に一応の終着点に達した、と言ってもよいかと。

好奇心旺盛な私としては、常に現在進行形のジャズを聴いていたいと足繁く輸入盤店に通ってはいるものの、最近はほとんど未知のジャズ形態に遭遇することはありません。今後もドラスティックにジャズが進化することはおそらくないのでしょうね。そんな絶望にも似た諦めを胸に、今日もDiskunionの扉を開けちゃうわけで、それなら買わなきゃいいじゃん、と友は言うけど、そう簡単に止められない猟盤生活。なぜなら中毒だから。要するに一種の病気ですから。

それはさておき、スコット・ウェンホルトと聞いてもあまり馴染みがないかもしれませんが、秋吉敏子ビッグバンド,ボブ・ミュンツァー・ビッグバンド,マリア・シュナイダー・ビッグバンド,カーネギーホール・ビッグバンド,最近ではバンガード・ビッグバンドなどで活躍しているので、ビッグバンド・ファンにはそれなりに人気のある吹き手です。

簡単に彼の経歴を紹介しておきますと、1965年,コロラド州デンバーで生まれたスコット・ウェンホルトは,小学3年生の時にトランペットを習い始め、高校1年の時にクラスメイトだったGreg Gisbert(グレッグ・ギスバート)に聴かせてもらったウイントン・マルサリスをフューチャーしたアート・ブレーキー&ジャズ・メッセンジャーズの『 Straight Ahead 』に衝撃を受け,初めてビ・バップの洗礼を受けたそうです。なんと当時、彼の自宅にはジャズと言えばチャック・マンジョーネやスパイロ・ジャイラのレコードしか無かったといいます。1983年にインディアナ大学に入学すると、David Baker (デイヴィッド・ベイカー)(エンジニアの方ではないよ)に師事し,ジャズ学を4年間学びました。当時の仲間にはBob Hurst(ボブ・ハースト),Ralph Bowen(ラルフ・ボーエン),それに後にポップス界でもビッグスターとなったChris Botti(クリス・ボッティ)もいました。卒業後はシンシナティに移住し、ロックン・ロール・バンドに参加して遊園地での定期的なギグを行っていたようです。ニューヨークに進出したのは意外に遅く90年代に入ってからで、92年にはVincent Herring(ヴィンセント・ハーリング)の正式メンバーに抜擢されています。その後は彼の卓越した技術が認められ、前述したようなニューヨークの一流ビッグバンドから引く手あまたで現在に至っています。

ウェンホルトは現在までに計5枚のリーダー作を制作しています。まずはcriss crossから『 The Scheme of Things 』(1993)、『 Through The Shadows 』(1994)、『 From Now On… 』(1996)(本作)の3枚。その後、double time records と契約し、『 Beyond Thursday 』(1997)、『 What Goes Unsaid 』(2000) の2枚をリリースしています。

私はcriss cross の3枚しか所有していませんが、どれも現代的で洒落た都会的なアレンジが施されたハード・バップです。ヴィンセント・ハーリングとのダブル・フロントの第一作。ドン・ブレイデンと組んだ第二作。そしてテナーのTim Ries(ティム・リーズ)、トロンボーンのSteve Armour(スティーブ・アーマー)、アルトのSteve Wilson(スティーヴ・ウイルソン)らなどの辣腕どもが参加した本作と、いづれも甲乙つけがたい秀作ぞろいです。(いずれ他の作品も取り上げますね)

個人的には、“ ジャズは管だ! ”、そして“ 管は多いほど面白い ”と思っているので、この第三作が一番のお気に入りです。しかも結構好きなティム・リーズやスティーヴ・ウイルソンが参加しているのでなおさらです。しかし本作において瞠目すべきは、管陣営ではありません。ビリー・ドラモンドこそ本作の肝なのです。ホント、ビリー・ドラモンドの鬼気迫るプレイが凄まじいのです。こんな壊れたドラモンドは聴いたことがありません。意味不明の煽りには開いた口が塞がりません。でも、まあ、最近でこそ知的で繊細なプレーが目を引くドラモンドですが、昔のOTB時代は叩きまくっていましたからね。そんなに不思議ではありませんかね。

肝心のウェンホルトは、流石にビッグバンドで鍛えられただけあって、フレーズもよく歌うし、切れ味も鋭く、隙がありません。俺はアドリブで勝負するぞ、といった自分の持てる力を目一杯詰め込んだ直球振りも清々しく、気持ちがいいですよ。まあ、このcriss crossというレーベルに吹き込みをもつトランペッターには、既にメジャーとなったBryan Lynch 、Ryan Kisor、 Jeremy Pelt、そしてJim Rotondi などがいる一方で、いまだにcriss cross の殻を破れずにいる優秀な吹き手が沢山いますよね。Alex Sipiagin、John Swana、Joe Magnarelli、Tom Williams、そしてGreg Gisbertなどなど。

今聴いているウェンホルトもそんな中の一人ですが、腕前は前者達と比べてもなんら遜色ない技術力を持っていると信じていますので、あまり保守的にならずガンガン暴れまくって生きのいい作品で私たちを楽しませてほしいものです。

Scott Wendholt 『 From Now On... 』 1996 criss cross 1123
Scott Wendholt (tp)
Tim Ries (ts&ss)
Steve Armour (tb)
Steve Wilson (as)
Bruce Barth (p)
Larry Grenadier (b)
Billy Drummond (ds)
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