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「この人はいったいどうやって弾いているのだろう」と不思議でならないベーシストっているもので、たとえば、ブライアン・ブロンバーグ、ヴィクター・ウッテン、マーク・キングなど、いまでこそネット上に動画がアップされているので、簡単に演奏する姿を見ることができるようになったが、映像のなかった昔は不思議でしかたなかった。今日取り上げるイタリア人ベーシスト、Dominique Di Piazza ドミニク・ディ・ピアッツァもそんな一人だ。
初めて聴いたのは92年に発売されたジョン・マクラフリンの作品『 Que Alegria 』 であった。マクラフリンは、カイ・エクハルトやヨナス・エルボーグなど、馬鹿テク・ベーシストばかりを起用することで有名だ。ドミニクもそんな馬鹿テク・ベーシスト集団の一人だ。そんな彼の初リーダー作品がイタリアの新興レーベル Picanto Records から発売になった。
まずは簡単に彼の経歴を書き記しておく。(彼のOfficial Web Site より)
シチリアで生まれたドミニク(出生日不明)は、ジプシーであった継父に育てられた。そのことが後の音楽性に影響を与えたようだ。彼ははじめギターとベースの両方を学んだが、79年にジャコ・パストリアスを聴いたことがきっかけとなり、ベーシストとしての道を選ぶこととなった。
独学でベースを学んでいったが、独自のプレイスタイルを確立するのに、それほど時間はかからなかった。80年代初めには、彼のドレードマークである親指、人差し指、中指の3フィンガーによる独特の奏法は完成していた。さらにはペダルスチールギター用のピックを指にはめることでその右手の奏法を進化させ、誰にも真似できない独特の音色、フレーズを確立させていった。
彼はまた5弦ベースも導入していった。当時はlow B 弦を加えた5弦ベースが一般的であったが、彼は high C 弦を加えたものを使用し、世界のトップ・ベーシストに影響を与えた。彼のこのようなベースの新たな奏法は、ベース界に波紋を起こし、米国ならびに欧州の数多くのアーティストが、彼の奏法を採用していった。たとえば米国のMatthew Garrison マシュー・ギャリソン(あのジミー・ギャリソンの息子)やフランスの Hadrian Feraud アドリアン・フェローらは、ドミニクのフォロアーである。
87年にはギル・エバンス・ビッグ・バンドのヨーロッパ・ツアーに参加。89年のJean-Pierre Como ジャン・ピエール・コモの『 Padre 』(邦題:父に捧ぐ)への参加を経て、91年にはあのジョン・マクラフリン、トリロク・グルドゥらとトリオを結成し、300回以上の世界公演を挙行した。そのトリオで録音されたのが『 Que Alegria 』である。2000年にはビレリー・ラグレーン、デニス・チェンバースらと“ Front Page ”を結成しツアーを行い、アルバム『 Front Page 』を制作した。
近年の活動としては、今年1月に発売になったアントニオ・ファラオのCAM JAZZからの作品『 Woman’s Perfume 』への参加がある。現在は再び“ John McLaughlin & The 4th Dimension ”の一員としてツアーに参加しているようだ。
さて、この新作はNelson Veras ネルソン・ヴェラス ( g )、Manhu Roche マヌ・ロシュ ( ds ) とのギター・トリオ編成。ヴァラスは若き天才ギタリストとしてフランスではかなり有名。拙ブログでもクリストフ・ウォーレムやアルド・ロマーノのところで取り上げているが、その完成されたテクニックはもちろんのこと、その成熟した歌心に抜群のセンスをみる。
全12曲で、うち8曲がドミニクのオリジナル曲。全体に静かで優雅な曲調が多く、印象的なメロディーも少なく、油断をしているとBGMになってしまいそう。ナイロン弦ギターのヴェラスの音と、high C弦を多用した高音部でのドミニクの音が意外に似ていて、しかもフレーズも近似しているので、今どっちが弾いているのか、迷ってしまうこともある。つまりは、はっきり言って、面白くない。もう少し派手な作品を期待していたが調子抜けした感じだ。もちろんヴェラスもドミニクも滅茶苦茶うまいのだが、ドミニクの独特のロマンチックな曲は、心に訴える力強さに欠けるような気がするし、ギター・トリオという編成にも越え難い限界をみる。なかなかソングライティング・センスの優れたベーシストっていないものだ。やはり、彼のようなテクニックを持ったベーシストは、彼を超える馬鹿テク大物アーティストと共演して初めて真価が発揮されるのではないだろうか。
Dominique Di Piazza 参加作品ならびに新作の中から、5曲をアップロード。
1) Jean-Pierre Como ≪ someday my prnce will come ≫
2) John McLaughlin Trio ≪ que alegria ≫
3) Antonio Farao ≪ la via dei babbuini ≫
4) Front Page ≪ intro jingle/first step ≫
5) Dominique Di Piazza ≪ dinello ≫
<おまけ>
マシュー・ギャリソンの驚異の Giant Steps!
アドリアン・フェローを観て、ベースをやめよう!
3分過ぎのクロマチックなソロ、信じられない。
そして、ドミニク。これじゃギターと同じじゃね~か!
中年音楽狂さんの記事はこちら。
タイトル: ベーシスト必聴(だろう) Dominique Di Piazzaの初リーダー作
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2008/06/20 | Comment (9) | Trackback (0) | HOME | ↑ ページ先頭へ ↑ |同感です。
ベーシストやドラマーのリーダー作って、ちょっと勘違いの駄作も多いので博打みたいなものですね。
ドミニクはバックで映えるミュージシャンかもしれません。
それにしてもあれだけ速いフレーズを弾かれると、こちらの耳がついていけず、結局、印象に残るフレーズというものがないんですよね。
ベーシストはそれほど早弾きする必要はないのでしょうね。
ということで、こちらからもTBさせてきただきます。
HMVでは「入手困難」となっていたので半分諦めていたのですが、ちゃんと入荷したのでよかったです。
でもなんか期待していたほどの作品ではなかったですね。
私としてもちょっと大人しすぎるように感じました。
楽曲的なこともあるのですが、ドラマーがいまいちでしたね。
体重のことですが、
10kg 少なく書いちゃいました。
一週間で10kg痩せたら、今頃死んでます。
訂正しましたので、よろしく。
せっかくTBしていただきたのに、うまく張り付いていませんね。申し訳ございませんが、再度、トライしていただけますでしょうか。
ドミニクを最初に見たときは、度肝をぬかれましたが、アドリアンの映像を見たら、もっとすごかったので、ドミニクがちょっと哀れにみえました。
もっと、かわいそうなのが、マーカス・ミラーで、これもYoutubeの映像ですが、ふたりでどこかの楽器フェスでのブースで、セッションしている映像ですが、明らかにマーカスの方が見劣りしているんですよね。
今、一番、指が速く動くのは、アドリアンでしょうね。
ちょくちょく訪問はさせていただき、面白い動画を
拝見させていただいていますが、コメントまでは
いたらず、すみません。
そうそう、6月8日にnanmo2さんがアップされていた、
クリス・エンジェルの空中浮遊のマジックありましたが、僕も結構、マジックが好きで、彼の映像はよく見てます。一番びっくりしたのは、胴体切断のマジックでしたが、nanmo2さんはご存じですか。空中浮遊よりすごいと思うのですが、どうでしょう。
>特にアドリアン君の左手はどうなっているの???
まるでクモが宿ってるみたい。 (@_@;)
そうですね、僕もクモを連想しました。指が長くて、関節だけ出っぱていて、凄く動きが速くてね。
>あとは歌心ですな。←ここ重要 (^^ゞ
そのとおりです。速く動けば動くほど、歌が失われるのです。その微妙なバランスが大切なわけです。アドリアン君にはやはり歌が感じれれない。これから、そのあたりを身につけるとどんでもないベーシストになるんでしょうね。
crissさん,こんにちは。確かにおっしゃるとおりで,もう少し激しくやって欲しいというのが多くの人の感想ではないでしょうか,
この人,バックでこそ光る人かも知れませんね。
TBさせて頂きます。
crissさん、おはようございます。
いやー、3人ともビックリするほどのバカテクですな。
特にアドリアン君の左手はどうなっているの???
まるでクモが宿ってるみたい。 (@_@;)
あとは歌心ですな。←ここ重要 (^^ゞ
次は、バカテク・ウッド・ベーシストの特集、よろしゅう頼んます。(笑)
そして、何よりもビックリなのが、crissさんの体重。
1週間足らずで10キロ減ですか? (@_@;)
これはマジ凄過ぎますな。
ではでは。
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