雨の日にはジャズを聴きながら90年代以降のジャズを気ままに綴っています。 旧ブログ 『 雨の日には JAZZ を聴きながら 』 からのデータ移行は終了しました。ジャズ以外にも、時々デジタル関連の物欲記事、最近ハマっているカメラの話題も少しアップしています。 

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Pat Metheny / Orchestrion ( 1 )

   ↑  2010/02/04 (木)  カテゴリー: guitar

pat metheny orchestrionPat Metheny / Orchestrion  ( amazon )
2010  Nonesuch


Pat Metheny ( g, p, key, marimba, vib, guitarbots, b, ds, cymbals, blown-bottle, bells, perc, )

 

 

 


 
『 Orchestrion 』 と題したパット・メセニーの待望のニュー・アルバムは、自動演奏楽器を駆使して彼一人で パット・メセニー・グループのサウンドを奏でてしまう、という前代未聞の仰天プロジェクトだ。

『 Orchestrion 』とは、19世紀末から20世紀初頭にかけて盛んに開発された、複数の自動楽器を用いたオーケストラ演奏装置の総称。ホテルのロビーや高級クラブなどで時折見かける自動演奏ピアノ(プレイヤー・ピアノ )も、その Orchestrion の大切な構成楽器である。この自動ピアノの分野ではYAMAHA のディスクラビア  ( Disklavier )  が有名だが、実は本作のなかでもこのディスクラビアが大活躍している。

今回の完全一人プロジェクトの構想の発端はメセニーの幼少期まで遡る。7~8歳のころ、祖父の家の地下室に置いてあったプレイヤー・ピアノに魅せられ、以後ずっとこの楽器に対する思いを暖めてきた。普通の人間なら、幼少期に抱いた夢など大人になると忘れてしまうか、あるいは厳しい現実の前に夢など諦めていくものだが、メセニーはそうでなかったようだ。

世界一のコンサート集客数を誇るジャズ・ミュージシャンとして富と名声を手に入れたメセニーは、子供のころの夢を実現するのに十分な資金力を手に入れていた。優秀なエンジニアとの数ヶ月に及ぶ研究の末、ついに誰も見たことのないとんでもない巨大な自動演奏システムを完成させたのだ。

もちろんそこには最先端のコンピューター・ミュージックの技術と、電子工学系の技術が応用されているわけだが、その技術の中でもソレノイド・テクノロジーの進歩と Guitar-bot と呼ばれる自動演奏ギターの開発が今回のプロジェクトを成功に導いた鍵となる技術だと考える。

ソレノイド・テクノロジーとは電気的エネルギーを機械的エネルギーに変換させる技術のこと。もともとはガレージの開閉器として考案されたが、現代社会ではさまざまな分野で利用されている。身近なところではどの家庭にもある全自動洗濯機の給排水電磁弁がそれである。ソレノイド技術を音楽に利用する際の最大のメリットは、反応時間が非常に短いため入力信号から実際に鍵盤や太鼓を叩くまでのタイムラグがほとんど無視できるくらい少ないということである。Youtube で演奏風景が観れるが、その中には2台のヴィブラフォンがセットされている。そこには1鍵盤に対して1マレットがソレノイド・アクチュエータ ( Actuator ) を介して装着されていて、MIDI信号に合わせて目にも留まらぬ速さで自動演奏しているのだ。このすばやい反応性はソレノイド技術なくしてなし得ないものだ。

guitarbot3 
もうひとつのプロジェクトの要が ギターロボット、Guitarbots だ。

実際のところ自動演奏楽器でオーケストラを組む際、ドラムやパーカッションなどの打楽器は自動化しやすいと思う。動きがシンプルなので、アクチュエータの構造も簡単なもので済む。ピアノやヴィブラフォンも一種の打楽器だから、これも簡単だろう。ピアノなどは前述したようにYAMAHA のディスクラビアを使用すればよいのだから。

一番の問題は弦楽器なのだ。1世紀前に Orchestrion が考案されたときもほとんどが鍵盤楽器と打楽器の組み合わせによる装置であり、弦楽器を組み入れたシステムは皆無だった。自動バイオリンが単体で開発されていたようで、こちらのYoutube で演奏風景を観ることができるが、おそらくそれが当時唯一の自動弦楽器だったのだろう。

このGuitarbot は、エリック・シンガー氏 ( Eric Singer ) が発明したギターロボットで、彼は現在、LEMUR ( League of Electronic Musical Urban Robots ) と呼ばれる自動演奏のためのロボットの開発チームを主宰している。 このなんとも奇妙な楽器だが、よく見ると4本のアルミ板にはそれぞれ1本づつギターの弦が張ってある。その弦の上をフレットが電動で上下にスライドすることで音程を変化させているようだ。そして、装置の下端に取り付けられた4枚ピック付きの立方体が回転することで弦をはじき、音が出る仕組みだ。原理は比較的簡単だが結構複雑な音楽を演奏することができるのには驚かされる。



 

LEMUR ( League of Electronic Musical Urban Robots )
ブルックリンに本部を置く自動演奏ロボットを研究開発する技術者および芸術家から成る非営利団体。ミュージシャン兼エンジニアであるエリック・シンガー氏により2000年に設立された。LEMUR は現在、ロックフェラー財団をはじめいくつかの文化財団からの助成により運営されている。

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Comment


こんばんわ。

こんばんわ。 
最高気温マイナス8度です。 
寒くなると客足が鈍くなり、今日はこの前届いたルカ・マヌンツァの新作ばかりきいていました。聴けば聴くほど良くなっていくふしぎな作品です。これからハイ・ファイブ関係も漁っていくことにして、次はスカナピエコ参加のLORENZO TUTTIを買おうと思います(遅すぎますね。)

閑話休題。 
このメセニーのCDの曲を生のカルテットで聴いてみたいですね。個人的にはメセニーのギターが苦手なんですが、彼の作る静かに熱くなっていく曲(エルミタージュ等)が大好きなんです。この作品も良い曲ばかりでしたが、やはり店ではながせないと判断してパスしました。ヤフオクで安く出品されたら買おうと思います。 
JAZZというかワールドミュージック寄りの自動機械演奏ですよね。  メセニーの趣味的な意味合いが強い作品なんでしょうが自己満足に終わっていないのがすごいとおもいます。 
それではまた。

札幌少年 |  2010/02/05 (金) 00:52 [ 編集 ] No.3635


Re: Pat Metheny / Orchestrion ( 1 )

こんにちは。

寒い日が続きますね。東京もこのところ朝は0度ですよ。今日は寒いうえに風が強く、妻も子供も熱を出して寝込んでいいる始末です。

>これからハイ・ファイブ関係も漁っていくことにして、次はスカナピエコ参加のLORENZO TUTTIを買おうと思います(遅すぎますね。)

「 Touch 」ですかね?「Drumonk」も良かったけど、聴き易さからいったら前者のほうがお薦めです。

>個人的にはメセニーのギターが苦手なんですが、

僕もちょっと苦手ですが、結局、新作でるたび聴いてます。
メセニーならやっぱり「思い出のサンロレンツォ」とか「アメリカン・ガレージ」の頃が最高だったな~、なんて、最近のアルバムを聴くたびに思いン出します。

>メセニーの趣味的な意味合いが強い作品なんでしょうが自己満足に終わっていないのがすごいとおもいます。 

やはり作品として世に出すだけあって、決して遊びの音楽ではありません。ただ、まだまだ完成度は高いとは云えないですね。もしかすると続編がいつかでるんじゃないかって思ってます。テクノロジーの進歩により可能になる音楽ってありまからね。今はメセニーの頭の中だけで鳴っていても、それを具現化できる機材が開発できれば、次の作品もきっと作るはずです。

ということで、今日は Stefano Battaglia と Michele Rabbia のECM盤を聴いてます。なんだかとっても得体のしれない不安感にさいなまれる音楽です。ちょっと後悔。

criss to 札幌少年さん |  2010/02/06 (土) 16:44 No.3640


LORENZO TUTTIについて

こんにちわ。 
ちょっとLORENZO TUTTIについてお聞きしたいんですが。「SWEET REVELATION」というカルテット作品を買おうと思っています。もし、お持ちでしたら感想などを教えていただけませんか?
この間ダニエル・スカナピエコの「NEVER MORE」をきいてから、彼のテナーが気に入ってしまいました。
ああいう太いテナーが好きです。

いつも色々お聞きしてすいません。

札幌少年 |  2010/02/07 (日) 12:44 [ 編集 ] No.3647


Re: Pat Metheny / Orchestrion ( 1 )

>「SWEET REVELATION」というカルテット作品を買おうと思っています。もし、お持ちでしたら感想などを教えていただけませんか?

残念ながら持っていないんですよ。僕も欲しくてね。でも中古屋でなんか全然見たことすらありません。こういうのが「レア盤廃盤」で高値で売っていたら買っちゃうんですどね。もし手に入れたら逆に教えてください。

僕もイタリアを聴き始めてまだ5年ぐらいなので、古い作品は持っていないものがたくさんあります。中古屋巡りではそのあたりがターゲットなのですが、なかなか出ないですよね。

criss to 札幌少年さん |  2010/02/07 (日) 23:38 No.3648


TBさせて頂きます

crissさん,こんにちは。

このアルバム,音楽としては評価しながらも,なぜバンドでやらないのかという疑問はいつまで経っても解消しません。まぁ問題作ってのはわかるんですけど,これをライブでやってまた稼ぐMethenyってのはどうなんでしょうと思ってしまう私です。

私は彼のファンであるがゆえに,どうしても納得がいきません。ということではありますが,こちらからもTBさせて頂きますが,いつものようにまたダメかもしれません。

中年音楽狂 |  2010/02/13 (土) 16:40 [ 編集 ] No.3658


TBさせていただきます

面白い機械を使ったアルバムですけど、自分は曲だけで、いつもの彼の演奏とあまり変わらないので、十分楽しめました。まあ、こういう実験的な作品は、彼だけしかアルバムという商品にはできないと思うのですけど。

TBさせていただきます、と書こうと思いましたが、またTB失敗したようです。すいません。

910 |  2010/02/14 (日) 08:58 No.3659


中年音楽狂さん、今晩わ。

音楽家って、すべてを自分一人の手で演奏しててみたいっていう願望って
あるんじゃないでしょうかね。メセニーって、元来、オタク気質だから特に
そのような願望をもっているのかもしれませんね。

昔、キース・ジャレットも、ギターからハーモニカ、ドラム、ベースまで全部自分で演奏した多重録音の作品を出したことありますよね。なんだかボブ・ディランにたいなフォーク調のアルバムでしたが。

メセニーのこのアルバム聴いて、キースを思いだしました。
まあ、成功者だけに許される道楽だと思って、寛大にみていきませんか。
僕は自動演奏の楽器のメカニズムに興味がありますので、
けっこう楽しめましたけど。

ただ、やっぱりソレノイドを使っているだけに、ダイナミックレンジが狭いんですよね。迫力のあるサウンドはやっぱり出せない。
そこがちょっと物足りないかもしれません。


TBだめみたいので、ブログの最後にリンク貼らせたもらいますね。
では、また。

criss to 中年音楽狂さん |  2010/02/15 (月) 19:38 No.3662


910さん、今晩わ。

>自分は曲だけで、いつもの彼の演奏とあまり変わらないので、十分楽しめました。

でも、ダイナミックレンジは狭いですよね。迫力に欠けるよな気がします。そのあたりがソレノイドの弱点なんですよね。スケールもいつものPMGよりは小さいし、やっぱり機械仕掛けの限界って、あるような気がします。音楽的には流石だとは思いますが。

910さんもベースやるから分かると思いますが、やっぱりこの作品でのベースって、ほとんどフィルインとかないのでつまらないですよね。生身の人間ならここでちょっとオカズいれたいな~と思うところに何も入らないと、ちょっとつまらないな~って感じちゃいます。

何曲目かに、パーカッションのソロもありましたが、それこそミュージシャンが叩いたら絶対こんなチープな音にはならないと思うようなソロだったし、やっぱり細部にはボロがでちゃていると思いますが、いかがでしょう。

ということで、TB、やっぱり駄目みたいなので、記事の最後にリンク貼らせてもらいます。

では、また。

criss to 910 |  2010/02/15 (月) 19:45 No.3663

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