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Jazz Orchestra of the Concertgebouw featuring Peter Beets / Blues For The Date

   ↑  2010/02/26 (金)  カテゴリー: large ensemble

Jazz Orchestra of The Concertgebouw_blues for the dateJazz Orchestra of The Concertgebouw / Blues for The Date ( amazon )
2010 55 Records FNCJ-5539
 
Henk Meutgeert ( cond ), Joris Roelofs ( as,ss,cl,fl ), Jorg Kaaij ( as, fl ), Simon Rigter ( ts ), Sjoerd Dijkhuizen ( ts, cl ), Juan Martinez ( bs, bcl ), Jelle Schouten ( tp, flh ), Wim Both ( tp, flh ), Rini Swinkels ( tp, flh ), Ruud Breuls ( tp, flh ), Jan van Duikeren ( tp, flh ), Martijn Sohier ( tb ), Hansjorg Fink ( tb ), Bert Boeren ( tb ), Martien de Kam ( b-tb ), Martijn van Iterson ( g ), Peter Beets ( p ), Frans van Geest ( b ), Martijn Vink ( ds )



オランダのビッグバンド、Jazz Orchestra of The Concertgebouw ( 以下JOC )の通算6作品目となる最新作。2008年にリリースされた前作 『 Silk Rush 』 ( 前項あり ) は、JOC きってのスーパースター、ジェシ・ヴァン・ルーラー ( g ) を主役に配したいわば“ ジェシ・ヴァン・ルーラー・ソングブック集 ” であったが、今最新作はジェシ同様、JOC のなかでは絶大な人気を誇るピアニスト、ピーター・ビーツ ( Peter Beets , Hague , 1971~ ) をフィーチャーした作品だ。もちろん演奏曲はすべてピーター・ビーツのオリジナル曲である。

まずは簡単に JOC について記しておく。


JOC は96年に創立されたビッグバンドで、たとえばフランスの Paris Jazz Big Band やベルギーの Brussels Jazz Orchestra と同様、比較的 歴史の浅い集団だ。

オランダにはストリングス・セクションを有する世界でただ一つのビッグバンド、 The Metropole Orchestra や、コンベンショナルなスタイルで安定したサウンドを奏でる83年設立のDutch Jazz Orchestra などが既に存在しているが、この JOC は地元出身の若き精鋭を中心に結成された新しいビッグバンド・サウンドを模索する集団という点で他との差別化を図っているようだ。

JOC は編曲・指揮を担当するヘンク・ムトーヘルトやベーシストのフランツ・ヴァン・ヘーストらによって96年に“ The New Concert Big Band ”という名でスタートした。そして地道な活動が実を結び、99年には、クラシック界の殿堂“ Concertgebouw ”の名を冠したJOC という名前に昇格改称している。現在では年間50公演以上、年間観客動員数は35000人を超えており、今後も活動範囲を広げていく予定だ。なお、やはりビッグバンドの運営は他国同様、厳しい状況下におかれており、現在JOCは、オランダ教育・文化・科学省から構造基金を受ける一方、Deloitte および AKD Prinsen Van Wijmen という企業からの支援を受けて運営されている。

このバンドは、トランペットが5人配されているため、通常のビッグバンドよりも1人多い18人編成であるのが特徴的だ。それにより、高域部のエッジが鋭くなり、トランペット・ソリでの抜群の爽快感を生みだしている。メンバーは全員オランダを代表する新進気鋭のエリート・ミュージシャンとのことだが、ホーン・セクションには日本ではほとんど馴染みのないミュージシャンが名を連ねている。それに対してリズム・セクションは強力だ。もしかすると世界最強のリズム隊を有するビッグバンドかもしれない。まずはギターのジェシ・ヴァン・ルーラー。おそらく世界で軽く5本の指にはいる超絶技巧派だろう。日本にもファンは多い。本来ならビッグバンドのギターはそれほど優秀でなくても務まるところなのに、そこにジェシを起用するあたりがこのバンドの特徴だ。そして、ジェジとの活動を通して徐々にその評価を高めているのが、ドラマーのマタイン・ヴィンクとベーシストのフランツ・ヴァン・ヘーストだ。マタインはBrussels Jazz Orchestra や The Metropole Orchestra でも活躍する超売れっ子ドラマー。ピアニストのピーター・ビーツもCriss Cross に多くの吹き込みをもつ日本でも人気のミュージシャンだ。05年には 『 Live at The Concertgebouw Vol.1 & 2 』 という素晴らしいトリオ作品を発表している。


さて、肝心の内容について。


今作はビムハウス ( Bimhuis ) での実況録音盤。ビムハウスはアムステルダム中央駅近くにあるオランダ屈指のジャズスポット。オランダ国内のアーティストは云うに及ばず、世界中の超一流ジャズマンが連日熱い演奏を繰り広げている有名スポットだ。

収録曲は全7曲でいずれもピーター・ビーツの筆によるもだが、すべて彼の Criss Cross に残した 『New York Trio 』 シリーズで演奏されている曲をビッグバンド用にアレンジし直したスコアを用いている。


JOC の指揮者であるヘンク・モトーヘルトが素晴らしいアレンジを施しているが、彼以外にもクラシックから映画音楽やジャズまで幅広い分野で活躍しているピアニスト兼作曲家兼指揮者のユーレ・ハンストラ ( Jurre Haanstra ) もリリカルで美しいアレンジを提供している。


ビッグバンドはやはり、指揮者あるいはバンドメンバーがはじめからビッグバンドでの演奏を念頭に置いた曲を書いて、その楽曲を自ら演奏する、という手法のほうがそのバンドの魅力を引き出しやすいと思っている。欧州のビッグバンドによくあることだが、米国の有名ソリストを招聘して、そのミュージシャンの楽曲とソロをフィーチャーしたプログラムを組むことが多いが、あれはあまり面白いと思って聴いた試しがない。ジャズ・ジャイアントのトリビュート・プログラムも期待外れに終わることも多い。やはり、ビッグバンドはゲストなど招かずに、自ら曲を書き、自らその曲を演奏するほうが100倍楽しい。

そういう視点で JOC の作品を俯瞰した場合、ヘンク・モトーヘルトとメンバーの自曲で固めた家内工業的作品 『 Riffs'n Rhythms 』 ( 2008, 55 Records ) がベストだと思う。

以前、この『 Riffs'n Rhythms 』のレビューを書いたとき、僕は彼らの演奏をこんな風に表現していた。


≪ ~ リズムを目まぐるしく変化させながら、切れ味鋭いソリを怒涛のごとく決めてくる。アクセントの入れ方も斬新。針の穴を通すような緻密なスコアを正確無比の超人的読譜力と演奏スキルで軽々とこなしていく。~ ≫


がしかし、今回のピーター・ビーツ作品集を聴く限り、リズムの変化の点においても、アンサンブルの切れ味も、スコア上のフック度にしても、やはり 『 Riffs'n Rhythms 』 には及ばないと感じた。とは云うものの、ビーツのピアノのためのシンプルな数分の楽曲をこれほどまでにイメージを膨らませ、壮大なビッグバンド・サウンドに仕上げてしまうとは、やはりリーダーのヘンク・モトーヘルトの編曲能力は相当に凄い。

主役のビーツもソロパートでは豪快かつ優雅にオスカー・ピーターソン級のソロを聴かせてくれて、単純に爽快な気分になれるし、トランペットのヤン・ヴァン・ダウケレンやルート・ブルルス、アルティストで一昨年に55 Records からリーダー作もリリースしたヨリス・ルーロスなど、個性的な脇役も健在で、アンサンブル、ソロともに大変楽しめる作品に仕上がっている。なお、今作にはジェシは参加しておらず、代わりにマタイン・ヴァン・イターソンというギタリストが参加している。ジェシには技術的に及ばないものの、ベンソン風のなかなか味のあるソロをとっていて好感が持てた。

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