雨の日にはジャズを聴きながら90年代以降のジャズを気ままに綴っています。 旧ブログ 『 雨の日には JAZZ を聴きながら 』 からのデータ移行は終了しました。ジャズ以外にも、時々デジタル関連の物欲記事、最近ハマっているカメラの話題も少しアップしています。 

ブログパーツ

スポンサーサイト

   ↑  --/--/-- (--)  カテゴリー: スポンサー広告
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

(記事編集) http://jazzlab.blog67.fc2.com/?overture" target="_new

--/--/-- | Comment (-) | HOME | ↑ ページ先頭へ ↑ |

Traincha 『 Who'll Speak For Love』

   ↑  2008/03/05 (水)  カテゴリー: vocal
Traincha   『 Who'll Speak For Love』

ジョン・レノン&ポール・マッカートニー、アントニオ・カルロス・ジョビンと並び、ポップス界における20世紀の偉大なる作曲家バート・バカラック。彼もまた他の二人と同様、ジャズ・ミュージシャンによって頻繁にカヴァーされるアーティストです。その複雑な構成とテンション・コードの多用に加え、変拍子や転調などの技法も駆使し、ボッサやR&Bの要素もとり得れた上質なポップ・ミュージックは、“バカラック・サウンド”あるいは、“バカラック・マジック”と呼び称され、今でもジャンルの枠を超えて多くの音楽ファンに愛されています。

今日聴いているオランダ人歌手、Traincha Oosterhuis (トレインチャ・オースタルハウス)の新作『 Who’ll Speak For Love 』もそんなバカラックへのオマージュに満ち溢れた素晴らしカヴァー集です。実は本作は彼女にとってはバカラック・カヴァーとしては2作目となる作品で、すでに2006年に『 The Look of Love 』が発売されていて好評を博していました。前作のノーツの中で彼女は“ This album contains fourteen of my favorite songs and still there are so many more to be sung ” と発言し、暗に第二弾カヴァー集を予定していることを匂わせていましたが、それが実現したというわけです。

僕は彼女のことを『 The Look of Love 』を聴くまでは全く知らなかったのですが、すでにオランダでは国民的歌手であるようです。松永尚久氏のライナーノーツによれば、これまでにハービー・ハンコック、キャンディー・ダルファー、ライオネル・リッチー、アンドレア・ボッチェリ、パット・メセニー、ミケル・ボルストラップらなど、ジャズ/ポップス系の一流アーティストとの共演も果たしており、国内でも数々のショーを成功されているようです。

そんなスター的存在の彼女のバカラック集ということで、Blue NoteのCD制作に対する力の入れようは相当なものです。かなりお金がかかっている作品です。プロデュースにパトリック・ウイリアムス、バック・オーケストラはMetropole Jazz Orchstra (メトロポール・ジャズ・オーケストラ)、指揮はヴィンス・メンドゥーサ、そしてエンジニアにアル・シュミット、という鉄壁の頭脳集団が彼女をサポートします。

第一集『 The Look of Love 』と今回の新作である第二集『 Who’ll Speak For Love 』は編成からミュージシャンまで全て同じですから、二枚組として発売しても全然おかしくない作品ですが、第一集にはバカラックの代表作である≪ The Look of Love ≫、≪ Alfi e≫、≪ I Say Little Prayer ≫、≪ Close to You ≫など、比較的ヒットした馴染み深い曲が取り上げられているのに対し、第二集は≪ Raindrops Keep Falling on My Head ≫ 以外はややマニアック向きの選曲となっています。個人的にはエルビス・コステロとバカラックが共演した1998年の作品『 Pained From Memory 』で演奏された≪ God Give Me Strength ≫ と ≪ Pained From Memory ≫ が再演されているのが嬉しいです。バカラック初心者には第一集が、バカラック通には第二集がお薦めです。

彼女の声はそれほど個性的ではないですが、歌唱力は流石に抜群です。低音部ではややハスキーで、高音部では澄み切った伸びの良い響きが魅力的で、真摯に歌い上げる様に否応なしに惹き込まれてしまいます。バカラックと共演した大物女性シンガーには、デュオンヌ・ワーウィックやバーバラ・ストライザンドらなどがいますが、トレインチャの歌声は彼女らと比べても全く遜色ありません。ただし、器楽奏者と同等の立場でコード・プレグレッションの上での自由にアドリブ(大体はスキャットを用いるわけですが)できるヴォーカルを“ ジャズ・ヴォーカル”と呼ぶのであれば、明らかにトレインチャの声は“ ジャズ・ヴォーカル”ではありません。エラ・フィッシェジェラルド、サラ・ヴォーン、カーメン・マクレエ、ビリー・ホリデイらなどの黒人歌手しか認めないファンには、トレインチャの歌声はポップス歌謡にしか聞こえないでしょう。まあ、ジャズ・ヴォーカルか否か、などという議論は最近ではほとんどなされませんが。第一、“ ジャズ・ヴォーカリスト”など現在では絶滅危惧種ですからね。

バカラック・サウンドに魅せられたアーティスト達が各々、様々なアレンジを施してバカラックの楽曲を演奏することにより、そのバリエーションがフィードバックされ、更にバカラックの魅力が際立っていく。そんな循環作業の中で、永遠にバカラック・サウンドは生き続ける。まさに時代を超えるエバー・グリーン・ミュージックなのでしょうね。


Trijntje Oosterhuis  『 The look of Love 』  2006 Blue Note
バカラック集の第一弾。この時はまだ、Traincha ではなく Trijntje と表記されていました。


Elvis Costello with Burt Bacharach  『 Pained from Memory 』  1998 Mercury
必聴、必携の感動の大名盤。大推薦盤。


Antonella Vitale  『 The look of love 』  2003 Alfa Records (Italia)
最近手に入れたバカラック・カヴァー集ではかなり気に入っているのが、イタリア人歌手、アントネッラ・ヴィターレの本作。バカラックのポップ色を廃し、ジャズ的なアレンジでアーティスティックな作品に仕上がっている秀作。バックを務めるピアニスト Andrea Beneventano (アンドレア・ベネヴェンターノ)はジャズ批評誌No.133 『 ピアノ・トリオ vol.3 』の中で、河内氏によっても紹介された人。かなりかっこいいです。

<!-- Traincha with Metropole Orchestra -->
[parts:eNozsDJkhAMmJhMjUyZjU1NGJgszSyPTNEuLpKqiKFcPD1d/y2ImGDDGIQ/VzMSEpBIA1XMPYg==]
You Tube上にも結構彼女の映像がアップされています。ヴィンス・メンドゥーサ指揮のメトロポール・オーケストラの貴重な映像に感激。このライブ映像を見ていると、彼女の歌声ってかなりソウルフルで迫力ありますね。

関連記事

FC2スレッドテーマ : JAZZ (ジャンル : 音楽

(記事編集) http://jazzlab.blog67.fc2.com/blog-entry-129.html

2008/03/05 | Comment (0) | Trackback (0) | HOME | ↑ ページ先頭へ ↑ |

Comment

コメントを投稿する 記事: Traincha 『 Who'll Speak For Love』

お気軽にコメントをぞうぞ。
非公開 (管理人のみ閲覧可能なコメント) にしたい場合には、ロック にチェックを入れてください。

  任意 : 後から修正や削除ができます。
  非公開コメントとして投稿する。(管理人にのみ公開)
 

Trackback

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。