雨の日にはジャズを聴きながら90年代以降のジャズを気ままに綴っています。 旧ブログ 『 雨の日には JAZZ を聴きながら 』 からのデータ移行は終了しました。ジャズ以外にも、時々デジタル関連の物欲記事、最近ハマっているカメラの話題も少しアップしています。 

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Luca Mannutza Sound Six / Tributo Ai Sestetti Anni 60

   ↑  2010/04/03 (土)  カテゴリー: piano

luca mannutza_sound 60Luca Mannutza Sound Six / Tributo Ai Sestetti Anni 60 ( amzon )
2010 Albore Jazz



Andy Gravish(tp)
Paolo Recchia (as)
Max Ionata (ts)
Luca Mannutza (p)
Renato Gattone (b)
Andrea Nunzi (ds)


High Five Quintet で活躍中のイタリア人ピアニスト、ルカ・マヌッツァ ( Luca Mannutza , Cagliari , 1968~ ) のリーダー作としては2作品目となる最新作。

今年初めにリリースされたデビュー作『 Longin' 』( Wide Sound ) は 、ピアノトリオによる作品であったが、今回は3管フロントのセクステット編成で、米国60年代のハード・バップを題材にした作品。

日本でも人気上昇中のマックス・イオナータ ( Max Ionata , 1972~ )、イデア6 でお馴染みのアンディ・グラヴィッシュ ( Andy Gravish , Pennsylvania , 1961~ )、そして日本ではまだまだ無名だが母国イタリアではステファノ・ディ・バティスタの後継者として注目されている新人アルティスト、パオロ・レッチア ( Paolo Recchia , 1980~ )( 前項あり ) の三人がフロントラインを固める。

2007年にアンディとルカは共同名義で『 Sound Advice 』(下掲 ) という作品を制作している仲で、この時にはマックスも参加しており、さらに今作ではスーパーバイザーとして名を連ねているルカ・ブルガレリも本職のベースで参加していた。というわけで今回も気心知れた仲間同士による録音だったようだ。

全8曲で49分57秒と潔くLPサイズの録音時間。 マルグリュー・ミラーの M-7 《 Grew's Tune 》 以外は50~60年代に演奏されたハードバップの楽曲で、そのうちショーターのオリジナルが3曲を占める。

冒頭曲はジョージ・ラッセルの 《 Ezz-thetic 》。オリジナルは1961年のRiverside作品 『 Ezz-thetic 』 に収められているが、現在でも通用するような斬新でヒネリの効いたテーマをもった難曲にして名曲だ。このような洒落たハードバップを冒頭に配するセンスに脱帽する。この 《 Ezz-thetic 》に関して言えば、ジョージ・ラッセルのオリジナル・ヴァージョンではエリック・ドルフィーのほとばしる熱気に満ちた素晴らしいソロが聴けるし、またマックス・ローチの『 Max Roach Plus 4 』 ( Emercy 1956 ) では希有のインプロヴァイザー、ソニー・ロリンズによる名演が聴けるわけで、そのようなジャズ・ジャイアントの熱気漲るアドリブを聴いて青春を過ごした僕 ( もちろんリアルタイムではないが)のようなジャズファンには、ここでのマックスやアンディのソロはいまいとつ訴求力に欠けると思うのだが、そう感じるのは僕がちょっとうるさい40代親父ジャズファンであるからなのだろう。

イタリア人が奏でるハードバップは、たとえ今作のような60年代のジャズを題材にした場合であっても、洗練さと知的さを兼ね備えた洒落た感性に満ちている。そこにはハードバップ特有の泥臭さや活気、熱気などを感じることはあまりない。クラブジャズ・ファンに支えられたイタリアのジャズ市場においては、若い世代に受けるような甘美でスタイリッシュでノリの良いジャズを制作するのは商業音楽としては至極当然のことであろう。さらには、カントォーネとオペラ好きな歌の国イタリアの国民性も多分にジャズの独自性に影響しているのであろう。

そもそも50年前も昔の米国ジャズと比べても意味ない。大体、彼らは黒人ではないし、人種差別、困窮、麻薬などとは無縁な白人ミュージシャンなのだから、彼らに貪欲な反骨精神を求めても無理というものだ。

だからといって彼らのジャズがハードバップではないかというと、そんなことはない。修練の積み重ねに裏付けられた優れたミュージシャンたちによる正真正銘のハードバップだ。ただ、欲を言えば、カヴァするにしてももう少しアレンジを加えてオリジナリティを出して欲しいと思う。一世風靡したハードバップが60年代に入ってから次第に飽きられていったのは、コード進行、リズム、ソロの構成などが単調な決まり切ったものになってしまったからだ、ということを忘れてはいけない。

イタリアのハードバップが旧態依然とした印象を強く受ける最大の理由は、ドラマーが叩きだすリズムがあまりにも定型ビートに終始していることだと思う。演奏のスリル感や高揚感は、その伸縮自在に揺れるポリリズミックなビートにより増幅される。米国ではトニー・ウイリアムス亡きあと、彼のフォロアーが数多く登場し活躍しているが、イタリアでは、たとえば、エリック・ハーランドやケンドリック・スコットなどのようなコンテンポラリー度の高いドラマーの噂を聞いたことがない。

閑話休題。いずれの楽曲も昔、聴き親しんだものばかりで、聴き進めていくとどうしてもノスタルジックな気分になっていくが、すべてが予定調和の色彩が強く、アドリブも想定内の出来映え。アドリブ・コーラス数も少なめで、いつの間にかあっさり終わってしまったので、その点でも若干物足りなさを感じる作品であった。

andy gravishAndy Gravish - Luca Mannutza / Sound Advice  ( amazon )
2007  Wide Sound

Andy Gravish(tp)
Luca Mannutza (p)
Max Ionata (ts,ss)
Luca Bulgarelli (b)
Marcello Di Leonardo (ds)

 

 

  中年音楽狂さんの記事 『  Luca Mannutza の新譜を聞いて思うこと 』 はこちら



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2010/04/03 | Comment (7) | Trackback (1) | HOME | ↑ ページ先頭へ ↑ |
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Comment


これ『リメンバリング・シェリー』を聴いた後の作品だったので余計に物足りなさを感じたのかな、と思います。
選曲は抜群、というか好みなんですけどね~。

Luca Mannutzaがこういう作品を作りたかった、というのが分かったので、これはこれで良しかな、と思ってます。

SINTETIC |  2010/04/04 (日) 14:33 No.3840


>選曲は抜群、というか好みなんですけどね~。

僕も選曲は完全にツボです。


>Luca Mannutzaがこういう作品を作りたかった、というのが分かったので、これはこれで良しかな、と思ってます。

結局、彼らって、根っから米国50~60年代のハードバップが好きで、強い憧れがあって、そのまんま、やりたいんでしょうね。
「俺達でジャズ界に革命を起こそう!!」なんて気持ちは毛頭なく、好きな昔ながらのハードバップがやれればまずはよしとする、そんな純真な気持ちに支えられたジャズなんでしょうね。それにイタリア人には、いまでもこういうタイプのジャズが受けるんじゃないですかね。昔からそのあたりの嗜好性はかわってませんね。

中年音楽狂さんのところで盛り上がっていましたが、僕も中年音楽狂さんとおんなじ気持ちです。が、僕はあくまで現在のイタリアのジャズには肯定的ですけどね。僕は、基本的に、最終的に、ジャズは楽しけりゃいいじゃん的なスタンスなもんで。

criss to SINTETIC |  2010/04/04 (日) 22:16 No.3842


予想以上に盛り上がってしまいました

crissさん,こんばんは。

私がこのアルバムに関する記事をアップするときには,相応の不安はあったわけですが,いろいろなご意見をお聞きできて結局はよかったのではないかと思います。

私もイタリア・ジャズを否定するつもりはありませんが,crissさんがお書きになっている「一世風靡したハードバップが...次第に飽きられていったのは...単調な決まり切ったものになってしまったからだ、ということを忘れてはいけない」という危惧をこのアルバムを聞いていて感じてしまったというところが,今回の記事を書いた動機でした。

まぁ,私としても楽しけりゃいいんですけど。根が攻撃的なのかなぁなんて思っています。ということで,TBを試みますが,またたぶんダメでしょうねぇ。

中年音楽狂 |  2010/04/04 (日) 22:31 [ 編集 ] No.3843


うむ。。

やはり、閣下もですが、インテリジェンスの高い人の文章はきちんとしてますよねー。

人それぞれあるので、全く同じ!とは、いいませんが、わたしの頭の中に渦巻いてること、かなり近い感じです。 


でも、、それとアドリブソロが短く、破綻ない感じがし、あれあれと終わってしまうのは、また、なんか違うんじゃないかな、、と。。「密かに」思ってたりするわけです。(^^ゞ


すずっく |  2010/04/04 (日) 23:11 [ 編集 ] No.3845


中年音楽狂さん、こんばんわ。

自分のレビューを書く前に中年音楽狂さんちのコメント欄を拝見してしまっていたので、どうしてもその流れで文章を作ってしまいましたが、少々、辛口すぎたかと、今日、読み返して半分反省しています。

多分、このアルバムも大音量で、それこそジャズ喫茶なんかで聞くとまた印象が変わるのかなって思ったり、あるいはライブならもっともっと熱い、それこそ50年前にタイムスリップしたかのような疑似体験でも出来るくらいの凄い演奏なのかもしれないって、ちょっとおもいました。

それから、

アルバムを作る時、制作者やるいはミュージシャンはおそらく僕らのようなコアなジャズファンはターゲットにしていないんじゃないでしょうか。もっとヤング・ゼネレーションをターゲットにしたアルバム作りをしていると思うのですが。だとすればあの軽さや楽曲の短さ、アドリブの簡潔さも納得できるのではないでしょうか。

まあ、そんなわけですので、中年音楽狂さんもこれに懲りずにイタリアンジャズを応援してやってください。

ということで、こちらからもTBさせていただきます。

criss to 中年音楽狂さん |  2010/04/05 (月) 20:17 No.3849


初めてコメントさせていただきます。
私も40代なのでが、近年jazzを聴き始めたもので
一曲目のエズ・セティックスは文句なく痺れました。
>現在でも通用するような斬新でヒネリの効いた
テーマを持った難曲にして名曲
オリジナルを知らない私のような者も度々CRISSさんの
小気味よく、納得させられる文章を参考にさせていただいてます。
今後もブログ頑張ってください。

ダフード |  2010/04/17 (土) 13:45 [ 編集 ] No.3888


ダフードさん、はじめまして。

お越しいただき、ありがとうございます。

>私も40代なのでが、近年jazzを聴き始めたもので

それはそれは幸せなことですね。いくらでも名盤に新鮮な気持ちで触れられるわけで、ジャズファンとしてうらやましい限りです。

最近は何を聴いても大同小異に思えて、感動というものに飢えています。

>オリジナルを知らない私のような者も度々CRISSさんの
小気味よく、納得させられる文章を参考にさせていただいてます。

エズ・セティックスのオリジナルを含め、3バージョンの音源をアップしておきましたので、お暇な時にお聞きください。

これからもどうかよろしくお願いします。
どんどんコメントくださいね。
では、また。

criss to ダフードさん |  2010/04/18 (日) 09:53 No.3892

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