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Salvatore Bonafede / Sicilian Opening

   ↑  2010/05/15 (土)  カテゴリー: piano
Salvatore Bonafede _Sicilian Opening 
Salvatore Bonafede / Sicilian Opening ( HMV )
2010 Jazz Eyes


Salvatore Bonafede (p)
Marco Panascia (b)
Marcello Pellitteri (ds)






イタリア人ピアニスト、サルバトーレ・ボナフェデ ( Salvatore Bonafede, Sicily, 1962~ ) の最新作。ファブリツィオ・ボッソのデビュー作 『 Fast Flight 』やジェリー・バーガンジーの『 Jerry on Red 』に代表されるRed 諸作などで知られるボナフェデだが、日本での知名度はまだまだ低いと言わざるを得ない。しかし1991年には Musica Jazz 誌の投票で《 Top Young Player 》に選出されたのを皮切りに現在までに本国はもとより欧米の数多くのトップミュージシャン、たとえばエンリコ・ラヴァ、レスター・ボウイ、デューイ・レッドマン、ラルフ・タウナー、ジェリー・バーガンジー、ジョー・ロバーノなどのサポートを務めてきた実力者である。

本作は彼にとっては9作目となる作品で、メンバーには現在はニューヨーク在住の二人、ベースのマルコ・パナシアとドラムスのマルチェロ・ペリテッリを擁したトリオ編成である。マルコ・パナシアはあのエルダー・ジャンギロフのバンドメンバーとして有名であるし、一方のマルチェロ・ペリテッリはジョン・アバークロンビーやデイヴ・リーブマンやダニーロ・ペレスなどの作品でお馴染みのドラマーで、現在はバークリー音楽大学で教鞭もとる教育者としても知られている。この二人ともボナフェデと同郷のシチリア島の出身である。

そして彼らの作品を制作したのもボナデフェら3人の生まれ故郷であるシチリア州パレルモに本部を置く注目の新興レーベル Jazz Eyes である。このレーベルはまだまだカタログ数はわずか ( 本作が8作品目 ) だが、いまのところハズレがないので、今作にも否応なしに期待が高まる。そして『 Sicilian Opening 』という盤題が示すように、本作はシチリアへのオマージュを捧げており、徹頭徹尾シチリアへの愛に満ち溢れた作品に仕上がっている。

全12曲で、ビートルズの≪ BlackBird ≫ と≪ She's Leaving Home ≫ のカヴァを以外はボナフェデのオリジナル。冒頭に配されたニューオーリンズ風のタイトルトラック。次いでスパニッシュの哀愁感漂う ≪La Grande Ilusion ≫。中盤のアラビア音階を用いた≪ Appunti us Palermo ≫。ゴスペル・フィーリングに溢れる≪ Italian Ingegno ≫。ポップでフォーキーな≪ It Plays From Far ≫ などなど、兎に角、色彩感豊かな玩具箱をひっくり返したかのような楽しみが詰まった作品だ。

地中海の優しい潮風と溶け合うようなボナフェデの音楽。まるで地中海沿岸の街を東から西へ旅しているかのような空想を抱かせる楽曲が並んでいる。イタリア人ジャズ・ミュージシャンは自国のカンツォーネはもとより、他国の民族音楽を巧く取り込み融合することに長けている。実はこのことはジャズに限ったことではない。ロック、とりわけプログレの分野においてもイタリア人はクラシックや民族音楽などの異種ジャンルの融合を繰り返し生き延びてきた。そのあたりの民族性に由来する音楽の独自性は隣国のフランスやドイツと決定的に違うのだろう。

思えばボナフェデほどイタリア人としてのアイデンティティを表現できるピアニストはいないのではないか。善し悪しは別としても彼の音楽には、人間が普遍的に持っている喜びや悲しみや怒りなどの感情の高まりがごく自然な形で表現されている。この理性ではなく感情で音楽をコントロールする術もイタリア人独特のものではないだろうか。

総体としては以前に比べ随分とポップで聴きやすい作風に変化しているようだ。個人的にはエリック・レニーニが2006年の 『 Big Boogaloo 』 で、それまでの繊細な抒情派路線からゴスペル路線に宗旨替えした時のことを思い出した。あるいはバティスト・トロティニョンのサイケデリックなジャケが印象的な『 Flower Power 』あたりを彷彿とさせる作品でもある。より大衆受けするスタイルにはなったことは確かだが、同時に軽くて深みのない、場合によっては陳腐で軽薄と捉えられかねない危うさを孕んだ作品であるともいえる。







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