雨の日にはジャズを聴きながら90年代以降のジャズを気ままに綴っています。 旧ブログ 『 雨の日には JAZZ を聴きながら 』 からのデータ移行は終了しました。ジャズ以外にも、時々デジタル関連の物欲記事、最近ハマっているカメラの話題も少しアップしています。 

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Metropole Orchestra featuring John Scofield conducted by Vince Mendoza / 54

   ↑  2010/06/26 (土)  カテゴリー: large ensemble
john scofield_54.jpg
Metropole Orkest featuring John Scofield / 54 ( amazon )
2010 Emercy

Metropole Orchestra
Solist : Ruud Breuls (tp), Paul van der Feen (as), Leo Janssen (ts), Bart van Lier (tb), Martijn Vink (ds), Hans Vroomans (p)
John Scofield (g)
Vince Mendoza (arr.M1-5,7&8)
Florian Ross (arr.M-6)
Jim Mcneely (arr.M-9&10)


ここ最近、個人的に感じるのは、ジャズのラージ・アンサンブル作品が以前に比べて増えていのではないかということ。僕自身がビッグバンドが好きだからそう感じるのかもしれなけど、しかし、バックにストリングスが入ったり、ビッグバンドのアンサンブルをバックにソロをとったりするアルバムがやたら目につきます。

もしそのことが僕の思い込みでなければ、その背景には欧州を中心に高水準のアンサンブル集団が増えているという事実が関係しているのではないでしょうか。

欧州のビッグバンド界隈は今や百花繚乱の様相を呈しています。長い歴史を誇るドイツの WDR Big Band (西ドイツ放送協会ビッグバンド)やNDR Big Band (北ドイツ放送協会ビッグバンド)、デンマークの Danish Radio Big Band (デンマーク放送ビッグバンド)から、90年代に産声を上げたベルギーの Brussels Jazz Orchestra や Paris Jazz Big Band 、更には オランダのJazz Orchestra Of The Concertgebouwなどの新興勢力まで、現在のヨーロッパ大陸は、まさに戦国時代さながらの群雄割拠の勢力争いが繰り広げられていると言っても過言ではありません。

そんな中、ポリスタイルでヴァーサタイルな集団として最も数多くのポップ系あるいはジャズ系ミュージシャンと共演を果たしている今最も注目されているアンサンブル集団が、オランダの放送局が運営にあたるMetropole Orchestra です。

1945年に創立されたメトロポール・オーケストラは、世界で唯一ストリングス・セクションをもつ総勢60人からなる巨大アンサンブル集団です。ジャズはもとより、民族音楽からポップス、果てはヘヴィ・メタルまで幅広いレパートリーをもち、今までにエラ・フィッツジェラルド、ハンク・ジョーンズ、スタン・ゲッツ、ハービー・ハンコック、ジノ・ヴァネリ、ブライアン・イーノ、エルビス・コステロ、スティーヴ・ヴァイなど、世界的に有名な多くのアーティストと共演を果たしています。近年の活動の中では、昨年リリースされたイヴァン・リンスとの共演盤 『 Ivan Lins & The Metropole Orchestra 』 がラテン・グラミー賞の《 Best Brasilian Album 》 賞を受賞して話題となりました。

そして現在、そのオーケストラを統率するのがグラミー賞をはじめ数々の賞に輝く現代最高のアレンジャー、ヴィンス・メンドゥーサ ( Vince Mendoza ) です。ジョニ・ミッチェル、ジェーン・モンハイト、ビヨークなど多くのビッグネームの作品を手掛け、音楽業界では絶大な信頼を得ているメンドゥーサですが、ただ、音楽シーンへの貢献度の割に、一般音楽ファンへの知名度が意外に浸透しないミュージシャンではないでしょうか。がしかし、2005年についにメンドゥーサがメトロポール・オーケストラの常任指揮者&音楽監督に就任しましたので、これから多くの音楽ファンに認知される存在になるのではと期待しています。

という訳で、ミスター・アレンジャーことヴィンス・メンドゥーサ率いるメトロポール・オーケストラの最新作がリリースされました。今作は押しも押されぬジャズ・ギター界の大御所の仲間入りを果たしたジョン・スコフィールド ( John Scofield, 1951~ ) との共演作品。メンドゥーサとスコフィールドの邂逅は約20ぶり。80年代後半にピーター・アースキンの秘蔵っ子として颯爽とジャズシーンに登場したメンドゥーサは89年にデビュー作『 Vince Mendoza 』( 前項あり ) をリリース。その後、90年に『 Start Here 』、91年に『 Instruction Inside 』と、立て続けにリーダー作をリリースしていきましたが、その後2作で既にスコフィールドをソリストとして起用していたのです。今回の新作でも『 Instruction Inside 』に収録されていたメンドゥーサの楽曲を2曲 ( 《 Say We Did 》 と《 Jung Parade 》) 披露しています。当時、夢中で哀愁のメンドゥーサ・フュージョンに聴き入っていた僕には、今回のセルフ・リメイクは大変嬉しい贈り物となりました。



vince mendoza_start here.jpg
vince mendoza / Start Here ( amazon )
1990 Fun House


Bob Mintzer (ts, ss, cl, b-cl), Joe Lovano (ss, ts), Lawrence Feldman (ss, as, fl), John Scofield (g), Ralph Towner (g), Jim Beard (p), Marc Cohen (p), Will Lee (b), Gary Peacock (b), Peter Erskine (ds),etc.





vince mendoza_Instruction Inside.jpg
Vince Mendoza / Instructions Inside ( amazon )
1991 Fun House


Randy Brecker (tp), Lew Soloff (tp), Marvin Stamm (tp), Bob Mintzer (ts, ss), Joe Lovano (ss, ts), John Scofield (g), Ralph Towner (g), Judd Miller ( electric valve instrument), Gloria Cheng (p), Marc Cohen (p), Will Lee (b), Gary Peacock (b), Peter Erskine (ds), Don Alias (perc), Mnolo Badrena (perc), Alex Acuna (perc), etc



70年代から第一線で活躍を続けてきたスコフィールドは、常にアメーバのごとく様々な音楽形態を消化、吸収し自身を進化させてきたので、時代時代によってスタイルがかなり変化しています。なので、スコフィールドのファンの中でも好みによって好き嫌いがあるようです。僕個人としてはやっぱり80年代のグラマヴィジョン時代、つまりデニス・チェンバースが在籍していた頃のファンキーでヘヴィーなフュージョンが好きです。最近はスコフィールドの音楽的ルーツであるR&B やカントリーなどに傾倒していており、彼の音楽の方向性が僕の趣味とちょっとずれてきてしまいました。

2004年のトリオによるライブ盤『 EnRoute 』は最高に出来がよく、続く2005年のレイ・チャールズのカヴァ集も完全にジャズではありませんでしたが、なかなか楽しい作品でした。がしかし、その後の3作品、つまり『 Out Louder 』、『 This Meets That 』、『 Piety Street 』 はどうも肌に合わず、もうジョン・スコのフォローは辞めようかなぁ~、なんて思っていました。でも、今作はイイです。なにしろメトロポール+メンドゥーサがサポートしてますから、悪かろうはずがありません。

さて、前置きが長くなりましたが、そろそろ肝心の内容にいきましょう。

まず盤題の『 54 』の意味ですが、メトロポール・オーケストラのメンバー52人とスコフィールドとメンドゥーサで合計54人、というところに由来しているようです。メトロポール・オーケストラの52名はほぼフル・ヴォリュームに近い構成でしょう。スコフィールドのセルフ・カヴァ7曲とメンドゥーサの自曲2曲から成る全9曲。メンドゥーサの自曲2曲は前述したように91年の日本制作盤『 Instruction Inside 』に収められていた楽曲で、オリジナル・ヴァージョンでもスコフィールドがフューチャーされているので、聴き比べると面白いかもしれません。9曲中7曲はメンドゥーサがアレンジを担当していますが、フローリアン・ロスも1曲、ジム・マクニーリーも2曲、アレンジを書いています。フローリアン・ロスはジム・マクニーリーの弟子ですね。最近、ピアニストとしてはもちろんのこと、アレンジャーとしてもめきめきと頭角を現してきています。ドイツの放送協会専属のビッグバンドの作品などでよく名前を見ます。

アウトスケールで攻撃的にグルーブするスコフィールドのラインと、壮重なクラシカルな和声のオーケストラ・サンドという、お互いに拮抗すべき要素が均衡を保ちながらひとつの世界を構築していく様はまさに圧巻。シンフォニックな音でビートを包み込んでしまうと、甘美なイージー・リスニングなサウンドに陥りやすいのですが、意外とブラス・セクションが頑張って吹いているので、ジャズとしての手ごたえが残っています。ただ、ジャズにスイング、大きな意味でビートを求めるファンにとっては、このオーケストラとの共作はウケが悪いかもしれません。

スコフィールドが書いた数人分のパート譜をもとにして、メンドゥーサは扇動的な重層美旋律を再構築していきます。優しく起伏しながらアンビエントな楽曲に生まれ変わっていきます。それは何処に連れていかれるかのような幻夢的で官能的な音世界。驚くことにメンドゥーサの美意識は20年前と全く変わっていません。ただ演奏者が増えた分、以前に比べ更に華麗に絢爛に響き、立体感とスケール感が格段に増しているだけです。

一方、主役のスコフィールドはイン・アウトを行き来しながら、時にワーミーを踏み鳴らしながらユーモア溢れるフレーズを紡いでいきます。独特のレイドバック感。これが心地よい。コーラスは使っているのだろうが、昔のように強くはかけない。幾部ドライでナチュラルな音質に変化しているようです。

とにかく僕にとってはこの上なく嬉しい作品です。僕の琴線を打つ要素がぎっしり詰まっています。このCDを先週買ってきたのですが、まずいつものようにiPod で聴き込み、次いで自室のオーディオで聴き、昨日は車の中で大音量で聴いてみました。もちろんこういったオーケストラ作品はボリュームを上げれば上げるほど感動も増します。ぜひ環境が許す限りラウドにスピーカーを振るわせて聴いてみてください。相当のトリップ感が得られるはずです。



  ブログ 《 Jazz & Drummer 》 のnaryさんの記事 『 Metropole Orkest, John Scofield, Vince Mendoza/54 』 はこちら
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2010/06/26 | Comment (4) | Trackback (1) | HOME | ↑ ページ先頭へ ↑ |

Comment


こちらからもTBさせていただきます。
本作はジョンスコとメンドーサの久しぶりの共演ということで、もうそれだけでも嬉しかったのですが、演奏がこれまた良くて、欲をいえばもう少しテンポ的な工夫があってもよかったと思うにしても、それ以外は文句なしの満点でした。
録音も非の打ちどころがないほどに素晴らしかったです。

nary |  2010/06/28 (月) 19:26 No.4093


naryさん、こんにちは。

>録音も非の打ちどころがないほどに素晴らしかったです。

やっぱりこういうオケ物は、naryさんちのような高級オーディオでガンガン鳴らして
聴きたいですねぇ。
我が家じゃオケ物の真のよさを体感できませんです。
栃木に帰省したときにオケ物はまとめて聴いてます。

あれ、TB失敗ですねぇ。

criss to nary |  2010/07/01 (木) 11:24 No.4097


すみません。
何度試してもTBが入らないので、今回はURLで失礼します。
実はココログに対しても同じような状態だし(Yahooも以前からそういう傾向がありました)、逆に楽天からはgooに入らないそうで、ブログ仲間のTBがとてもし辛くなってます。
そろそろgooは止めて別のに切り替えろということなのかもしれませんね(苦笑)。
http://blog.goo.ne.jp/narymusic/e/87cef46074f14c320176c804b1586bc2

nary |  2010/07/01 (木) 18:52 No.4101


>何度試してもTBが入らないので、今回はURLで失礼します。

お手数おかけしてすみません。僕のFC2もココログさんとは相性が悪かったのですが、今まですごく反応がよかったgooまでも
TBに障害がでるとは、、、。
まあ、今回だけかもしれませんので、次回もお手数ですがトライしてみてください。

>そろそろgooは止めて別のに切り替えろということなのかもしれませんね(苦笑)。

いやいや、ブログはよほどのことがない限り、乗り変えないほうがいいですよ。アクセス数が激減して、いわゆるコールド・スタートになってしまうので大変ですから。

ということで、今回は記事の最後にリンクを貼らしていただきます。

criss to nary |  2010/07/04 (日) 20:37 No.4104

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