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John Taylor 『 Whirlpool 』

   ↑  2008/02/08 (金)  カテゴリー: piano
John Taylor  『 Whirlpool 』

英国ジャズ界の至宝、ジョン・テイラー(1942年英国マンチェスター生まれ)の2年ぶりとなる新作。前作『 Angel of The Presence 』同様、CAM Jazzからのパレ・ダニエルソン、マーティン・フランスとのニュー・トリオでの録音です。

前作は非常に評判が良かったと記憶していますが、それまでの甘さを完全に排した硬質なリリシズムに貫かれた作品作りから、芳醇な浮き立つ香りを放つ耽美的リリシズムにその演奏スタイルを微妙に変化させていったことが、それまでジョン・テイラーを敬遠していた人々をも魅了し、結果的に高セールスに結びついたのではないでしょうか。

そういう僕も、今迄、90年代のピーター・アースキンとのECM盤群以外、あまりジョン・テイラーを聴くこともなかったのですが、『 Angel of The Presence 』以降、いきなりジョンの愛好家になってしまいました。これもCAM Jazzの持つ素晴らしいプロデュース力の賜物ではないでしょうか。この2000年に発足したイタリアの新興レーベルCAM Jazzは、もともとは映画のサウンドトラックを制作していた会社ですが、このレーベルは良くも悪くもミュージシャンを甘口に調理しまう傾向があり、エンリコ・ピエラヌンツィ、エンリコ・ラヴァ、サルバトーレ・ボナフェテ、ロベルト・ガトー、そしてアントニオ・ファラオなど、みんなCAM Jazzからの作品はメロディー重視の甘味な作風ばかりです。そんなわけで刺激的な作品が少ないのが気になりますが、今回のジョン・テイラーの場合はそのCAM Jazzマジックが彼の作品には好影響をもたらしたと言ってよいでしょう。

ジョンのオリジナル曲が3曲。盟友ケニー・ウィーラーのオリジナル曲が3曲。そのほかにグスターヴ・ホルスト≪In The Bleak Midwinter ≫とガーシュインの≪ I Loves You Porgy ≫という曲構成。音はECMのようにすごく透明度が高いが、ECMよりははるかに温度感が高い。大好きなパレ・ダニエルソンの重厚なベース音も生々しく記録されていて驚くばかり。もともとパレは弦高を上げて力強く弾くNon-Amplify なベーシストですが、その特性が忠実に記録されていてます。以前のジョンの曲は、非常に抽象的で観念的なテーマが多かったのですが、ここではいい塩梅にわかりやすいテーマを奏でています。いつもの天才的な閃きをもったフレーズも健在ですが、才を衒う高踏的な楽曲は皆無ですので安心して聴けます。そういう意味では少々ありふれた欧州叙情派路線ではあるかもしれませんが。

ジョンは今までオーディエンスに媚を売らないアーティスティックな創作活動を主に行い、1993年のコローニュ音楽院の教授就任以降は、後進の育成に力を注いだりしているため、どうしても知名度が浸透していなかった感がありますが、このところの一連のCAM Jazz作品で、今迄アンダーレイテッドな扱いに甘んじてきた彼も、一躍ワールド・ワイドな舞台に登場してくる可能性がやっと出てきました。知的で学究的な雰囲気をもったスタイルはそのままに、温かい空気感の漂うメロディックな創作活動を今後も期待したいものです。

John Taylor  『 Whirlpool 』 2007  CAM Jazz CAMJ 7802-2
John Taylor  (p)
Palle Danielsson  (b)
Martin France  (ds)


John Taylor  『 Decipher (邦題:覚醒)』  1973 MPS
ジャズ批評別冊『 ピアノトリオ1600 』の中で、“ ヨーロッパ・ジャズの金字塔 ” と紹介された彼の代表作。印象的なジャケットなので知らない人はいないでしょう。ここ10年の間に2回、国内盤CDが発売され、誰でも手軽に聴けるようになりましたが、それ以前は目が飛び出るほどの高額取引商品で、庶民には高嶺の花であったLPです。何かが乗り移ったかのように、鬼気迫る激しい打鍵。決してジャズのメインストリームではなかった英国で、しかも70年代初頭に、このような高い技術を持ったミュージシャン達(特にドラマーのトニー・レヴィンが凄い!)がいたなんて、信じられません。

John Taylor  『 Rosslyn 』  2003 ECM
2002年に英国の“Contemporary Music Network (現代音楽ネットワーク) ”が主催するツアーの一環として、ジョンの60歳記念コンサートが開かれ、それに合わせて結成されたのが、マーク・ジョンソン、ジョーイ・バロンからなるトリオ。本作は彼らの唯一の記録です。マーク=ジョーイのリズム隊の作品には大きくはずれることはないと思っていますが、これもなかなか素敵な作品です。音数少なめで幾分内省的なスタイル。空間処理が絶妙で、音粒の余韻が素晴らしい。近年、ジョンの作品にはドラムレスであったり、ベースレスであったりと、変則的な作品が多かったので、そういった意味でも本作は大変貴重な作品です。


Peter Erskine  『 Juni 』  1999  ECM
ピーター・アースキンは、ジョン・テイラー、パレ・ダニエルソンのメンバーで、1992年以降、計4枚の作品を発表してきました。本作はその第4作目となる作品です。あくまでドラマーがリーダーであるため、ピアノ・オリエンテッドな趣をもたず、三者対等な会話を通して繰り広げられる自由(とは言ってもフリー・フォームではないが)な音世界を表現しています。しかし、どの作品も抽象絵画のような分かり難さをもった作風ですので、万人受けはしないでしょう。瞑想者向け。

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