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Jean-Pierre Como / Repertoire

   ↑  2010/11/06 (土)  カテゴリー: piano
jean pierre como_Repertoire

Jean-Pierre Como / Repertoire ( Disk Union )
Futur Acoustic 2010


Jean-Pierre Como (p)
Aldo Romano (ds)
Diego Imbert (b)





仏ジャズ・フュージョン界のVIPバンド、シクサン ( SIXUN ) のファウンダーとして現在も精力的に活動するキーボーディスト、ジャン・ピエール・コモ ( Jean-Pierre Como, 1963~, Paris ) の通算8作目となる最新作がリリースされました。管弦楽団を加えたクラシカルなスタイルで、EGEA風形式美を打ち出した前作 『 L'ame Soeur 』 から実に4年ぶりの新作となります。

そんな待ちに待った新作は、彼にとっては初となるアメリカン・スタンダード集。これはちょっと意外でした。そもそも欧州のジャズ・ミュージシャンはアメリカン・スタンダードをあまり演奏しません。特にフランスのミュージシャンはその傾向が強いように感じます。自身のオリジナル曲で勝負したがるのですね。でもまあ、ジャズ界のグローバルな趨勢として、作曲能力の優劣がミュージシャンを評価する上で、極めて重要なファクターになってきていることは確かですね。

そんなわけで僕にとっては、コモのスタンダード集は意表を突いた興味深い新作ということになるのですが、実は “ コモのスタンダード ” と聞いてふと思い出した彼の作品があります。それは、1989年制作の彼のデビュー作『 Padre 』 ( 邦題: 父に捧ぐ ) です。ベースのドミニク・ディ・ピアッツァとドラムスのステファン・ウシャールという、今では仏ジャズ界の重鎮として君臨する超絶技巧派ミュージシャンを従えて録音された名盤でしたが、そのなかに収録されていた《 いつか王子様が 》 と 《 枯葉 》 がメチャクチャかっこよかったのです。手垢がべっとりついて今や誰も触れたがらない名曲を繊細なタッチで蘇られたその手腕にただただ平伏すばかりでした。

そんな記憶をめぐらせながら鼻息荒くディスクをトレーに乗せてみたのですが、あのテンションぶちぎれのアグレッシヴな演奏は影をひそめて、なんだか優雅で大人しい演奏に終始していたのには、正直、多少の失望感はあります。

しかしまあコモの妙味である、やゆたうように気持ち良く流れる中音域でのメロディー、降りそそぐ流星群のごとき煌めきを放つ高音域でのアドリブラインは今作でも健在ですから、コモファンには十分楽しめる作品ではあります。

ミュゼット ( Musette ) という古きフランスで流行したポピュラー音楽があります。おもにアコーディオンで奏でられる三拍子の軽快な音楽ですが、コモの旧作を俯瞰的に見た場合、このミュゼットのスタイルを上手くジャズに取り入れ独得のフランスの匂いを醸し出しているのがわかります。そのあたりがコモの音楽のキモなのですが、この新作では今までのそのようなバックグラウンドを潔く断ち切り、スタンダードに真正面から取り組んだ作品に仕上がっています。非常に明快で堂々としたスタンダード集です。

収録曲はコモのオリジナル3曲を含む全11曲。冒頭曲 《 The Way You look Tonight 》 に始まり、《 Bewotched 》 、《 Alone Together 》 と、かなり大味なスタンダードが並んでいます。また、有名スタンダードに交じってフレディー・ハバードの名曲 《 Up Jumped Spring 》 を演ってます。《 Up Jumped Spring 》 はスタンダードではありませんが、多くのジャズメンに取り上げられてきたため、スタンダードといってよいでしょう。実際、他の古典的名曲に交じって配されていても全く違和感のない堂々たる趣きを放っています。

コモのオリジナルは3曲。M-4 《 The Sidney Years 》 のようなラグタイム風の小品がいかにもコモらしく、思わず頬が緩んでしまいます。なるほどねぇ、アメリカへの憧憬が通底する本作にはぴったりの楽曲なわけですね。

メンバーはドラマーのアルド・ロマーノに、ベースはディエゴ・アンベール ( Diego Imbert, 1966~, Paris ) 。ディエゴ・アンベールは、デヴィッド・エルマレック、ビレリ・ラグレーン、フランク・アヴィタル、シルヴァン・ブフなどなどの仏メージャー・アーティストらからのオファーが絶えない超売れっ子ベーシストです。先日、バティスト・トロティニョンのトリオのメンバーとして来日した際、僕も新宿ピットインで彼の演奏を観る機会がありました。決して派手さはないのですが、堅実、明快なプレイでしっかりトロティニョンをサポートしていたのが印象に残りました。ソロもよく歌うし、音色も好ましいのもでした。リーダー作もリリースしているようです。

スタンダード中心で、しかも優しい曲調のものがほとんどなので、聴く者すべてを幸せな気分に誘ってはくれますが、押し出しは弱いのでコモをあまり聴かれたことのない方には推挙しにく作品かもね。




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Comment


戸惑いましたか?

crissさん、こんにちはmonakaです。
待っていたComo のアルバムでしたが、ちょっと戸惑いましたね。
好きなComoのところ、このようなアルバムをつくられると、次がどう出るかとても気になりますね。
どうもうまくまとまらず、記事にするまで、時間がかかりました。
TBさせていただきます。

monaka |  2010/12/21 (火) 22:57 No.4309


monakaさん、こんばんわ。
いかがお過ごしですか。忘年会もピークが過ぎて少し体を休めたくなる時期じゃないですか。僕もやっと一通りの忘年会が終わりました。5月から禁酒しているので、二日酔いもなく、体はとっても快調です。週明けからボルネオにジャングル探検に出かけるため、その前に矢っておかないことが山積していて今日明日はめちゃ忙しいですが。

さて、これね、コモの新作。昔はコモ好きだったけど、なんだか最近パッとしない感じです。monakaさんは聴かないかも知れませんが、コモがメンバーになっているSIXUNというフュージョンバンドでもコモはちょっと影が薄くなってきてしまって、大丈夫かなって、心配してます。
ということで、ま、これは凡作ですかね、やはり。
TBさせていただきます。
では、よいお年を。

criss to monaka |  2010/12/23 (木) 00:43 No.4311

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