雨の日にはジャズを聴きながら90年代以降のジャズを気ままに綴っています。 旧ブログ 『 雨の日には JAZZ を聴きながら 』 からのデータ移行は終了しました。ジャズ以外にも、時々デジタル関連の物欲記事、最近ハマっているカメラの話題も少しアップしています。 

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Helen Sung / Going Express

   ↑  2010/11/30 (火)  カテゴリー: piano
helen-sung-going expressHelen Sung / Going Express
( amazon.co.jp )
2010 Sunnyside



Seamus Blake ( ts,ss )
Helen Sung ( p )
Lonnie Plaxico ( b )
Eric Harland ( ds )
Recordsed: Feb. 17, 2009,
Live at the Jazz Standard, NYC

NYCで活躍する中国系アメリカ人ピアニスト、ヘレン・スン ( Helen Sung, Houston ) の通算4作目となる最新作。今年の東京ジャズでテリー・リン・キャリントンのモザイク・プロジェクトのメンバーとして来日したのも記憶に新しいところですが、しかしながら日本での認知度は必ずしも高いとは言えません。僕も名前は以前から知っていましたが、CDを買ったのは今回が初めて。それもエリック・ハーランドやシーマス・ブレイクら目当ての完全なメンバー買い。

ヘレン・スン女史はテキサス州ヒューストン生まれ。5歳の時からバイオリンとピアノを始め、クラシック音楽を極めるためテキサス大学に進学するも、そこでチャーリー・パーカーの 《 Confirmation 》 でソロをとるトミー・フラナガンのピアノに衝撃を受け、ジャズ・ピアニストになることを決心します。すぐにニューイングランド音楽院の “ Thelonious Monk Institute of Jazz Performance ” のコースに参加し、本格的にジャズを習得していきます。そして1999年にはモンク・ピアノ・コンペティションでセミファイナリストに選出されています。現在はニューヨークに居を構えて活動しているようです。スライド・ハンプトン、ウェイン・ショーター、ベニー・ゴルソンらのサポートを務める一方、クラーク・テリー・ビッグバンドの常任ピアニストをこなし、またミンガス・ビッグバンドにも時々参加する多忙ぶりです。

今作はNYC のジャズクラブ “ Jazz Standard ”での実況盤 。このところジャズクラブでの実況録音盤というと、不運にも録音状態の悪い音源ばかりに当たってしまっていたので少々不安があったのですが、これはエンジニアもちゃんとした人で、ミックスダウンにはかの有名なアバタースタジオのジム・アンダーソン氏が携っていますので安心して聴けます。メンバーはフロントが今までのマーカス・ストリックランドに代わってシーマス・ブレイク。ベースにロニー・プラキシコ、ドラムスはエリック・ハーランドという最強の布陣。

なおこの新作の発売を記念してサポート・ツアーが興行されていますが、その時のメンバーはベースがハミルトン・プライス、サックスがボブ・レイノルズ ( Bob Reynolds )( 前項参照 ) ,そしてドラムがマーヴィン・スミッティ・スミスだったようです。

さて、このような腕達者の職人を従えて、スン女史がどんなパフォーマンスを発揮してくれるか、そこが聴きどころですが、これがどうして、なかなか素晴らしいニューヨーク最先端のジャズを聴かせてくれました。

収録曲は、彼女のオリジナルが3曲、コール・ポーターの《 Love for Sale 》、ビリー・ストレイホーンの《 Lotus Blossom 》、ミシェル・ンデゲオチェロの《 Bitter 》、そして彼女が敬愛するセロニアス・モンクの《 In Walked Bud 》《 Eronel 》 で全8曲の構成。さらにはボーナス・トラックとして、スン女史のオリジナル曲とチャップリンの《Smile》 の2曲分のmp3ファイルと、ビリー・チャイルドによる音声ノーツがおまけで付いています。これらはディスクをPCに挿入すると聴ける仕組みです。

世界中から百戦錬磨の豪腕プレーヤーが蝟集するニューヨーク。そこではただ単に巧いだけでは生き残ってはいけません。自己主張してナンボの世界。そんな世界に身を置く彼女のピアニズムには、何処となく無理して自己をアピールしているようないやらしさを僕は感じてしまうのですが、、、。でもそれくらいでないとサバイブできないのでしょうね。

流石に幼少の頃からみっちりクラシックのスパルタ教育を受けてきただけあって、演奏レヴェルは常に驚くべき水準を維持しています。多少リズムに乗れないパートも散見されますが、ライブですからそのあたりはむしろスリル感が増幅され、好ましい傾向だと思いますが。モーダル主体ですが、モンクの楽曲などではちゃんと現代的なバップ・イディオムを駆使した硬質なフレーズも飛び出してきます。一音一音に力強さが漲っていて、ゴツゴツした男勝りの打鍵は個人的には大好きな部類です。

エリック・ハーランドもいつになく熱く、最後列より気炎を振り撒き、フロントのシーマスを煽ります。ハーランドのM-7 《 Bittersweet 》 での煽情的でパワフルなソロは圧巻。何度聴いても気持ちいいです。こういうソロを聴いちゃうと、やっぱり今の若手でハーランドに比肩しうるドラマーってなかなかいないだろうなぁと実感してしまう。

シーマス・ブレイクはソプラノ主体で吹いていて、なかなか新鮮な趣きがあります。曲調に合わせてテナーとソプラノを吹きわけているわけですが、彼のソプラノもなかなか美しい螺旋フレーズを披露しています。

ということで、中国人によるニューヨーク仕込みの先鋭的サウンド。かなりツボにはまりました。正直なところジャケットからはあまりパッとしない印象を持っていましたが、嬉しい誤算でした。これから過去の彼女の作品も漁ってみようかと思っています。




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2010/11/30 | Comment (2) | Trackback (0) | HOME | ↑ ページ先頭へ ↑ |
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Comment


mp3は全く気がつきませんでした

crissさん,こんばんは。

mp3とかコメンタリーとか,芸が細かいんですねぇ。私のようにiTunesに突っ込むだけの生活では,ファイルのチェックまで気が回りませんが,今後はちゃんとファイルを見てみないといけないということですね。いやぁ,勉強になってしまいました。

中年音楽狂 |  2010/12/01 (水) 09:40 [ 編集 ] No.4270


僕も普段はジャケなどよく見ないで、それこそ中年音楽狂さんと同じで、PCに入れたらそのまま現物は棚にしまってしまうたちですが、この時はたまたま発見してしまいました。まあ、アウトテイクになるだけあって、ボーナストラックは今一ですけどね。

criss to 中年音楽狂さん |  2010/12/01 (水) 21:54 No.4272

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