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Andrea Beneventano / The Driver

   ↑  2010/12/21 (火)  カテゴリー: piano
Andrea Beneventano_The DriverAndrea Beneventano / The Driver ( amazon mp3 store )
2010 Alfa Music
 


Andrea Beneventano (p)
Francesco Puglisi (b)
Nicola Angelucci (ds)




イタリア人ピアニスト、アンドレア・ベネヴェンターノ ( Andrea Beneventano ) の2作目となる最新作。2003年にリリースされたデビュー作 『 Trinacria 』 ( 前項参照 ) は、発売当時Disk Union の山本隆氏が紹介し、その後 『 Jazz とびきり新定番 500+500 』 (  MOONKS著 ) では小山智和氏が、『 Jazz 批評No.133 ピアノ・トリオ vol.3 』 では大河内善宏氏がそれぞれ本作を絶賛し、さらにはジャズライフ誌2008年12月号の特集『 ジャズ・イタリアーノ 』のなかでも 『 イタリア・ジャズ・名盤40選 』 に選定された人気盤でした。

ベネヴェンターノの詳しい経歴は残念ながらわかりません。自身の公式ホームページすらありません。Myspace は設置されているものの、ほとんど情報らしき情報は掲載されていません。あとでお話しますが、この方は世間に対して自身をアピールすることに関心がないようです。自己主張してなんぼの音楽世界においては珍しく、あまり他人の目を気にせず、地道にライブ活動だけを行っている方のようです。

プロとして既に20年以上をキャリアを有し、サイドメンや伴奏の仕事がメインでありながらも一方では、マッシモ・ウルバニをはじめ、パオロ・フレス、リック・マーギッツァ、スティーブ・グロスマンらなど、錚々たるミュージシャンとの共演を果たしているようですので、地元ローマではそれなりに評価されているピアニストなのでしょう。

結論から端的に言ってしまうと、非常に素晴らしい作品です。僕が今年聴いたピアノトリオ作品の中ではベスト5に確実に入るくらいの出来栄えです。がしかし、デビュー作に比べるとやっぱり劣る気がします。まあデビュー作は出来過ぎでしたからねぇ。今作を聴いてあらためて思うのは、やっぱりデビュー作はベネヴェンターノにとってはまさに “ 奇跡の一枚” だったのかもしれません。

デビュー作は音に深みがあり、重厚で、陰影に富んだ作品でした。一曲一曲が圧倒的な輝きを帯びて迫ってくるものがあり、なんだか心の奥底をギュッと鷲掴みにされるような凄みがあったように思います。今作は決して演奏が悪いわけじゃないけど、心を揺さぶられるほどの感動は正直なところ、ない。技術力といい、上質な作曲センスといい、申し分ないのですが、どうもサラッと流れてしまって、心に響かない、感じ。まあ、もうちょっと聴きこめば印象も変わるかもしれませんが。

サポートメンバーはベースがフランチェスコ・プグリシ、ドラムスがニコラ・アンジェルッチ。ニコラ・アンジェルッチ ( Nicola Angelucci, Abruzzo, 1979~ ) ( 前項参照 ) はマックス・イオナータ、ルカ・マンヌッツァ、ステファノ・ディ・バティスタ、フランチェスコ・カフィーゾなどのバンドで活躍している売れっ子ドラマーです。派手さはないですが程良くフロントに絡みそして扇動する、今注目の若手です。

収録曲は、ベネヴェンターノの自曲が7曲と、スタンダードの名曲 《 When Sunny Gets Blue 》《 If I Should Lose You 》で計9曲。収録時間は47分と短め。前作同様、自曲の出来がすばらしい。M-5《 Passing Seanons 》 などはエンリコ・ピエラヌンツィを彷彿とさせる優雅で上質なセンスを感じる逸品的楽曲だと思います。自曲のネーミングがふざけていて、《 Giant Steps 》 をもじった《 Midget ( 小人 ) Steps 》 や、《 I Got Rhythm》 をもじった 《 I Got Yout Rhythm 》 や、《 Donna Lee 》 をもじった 《 Donna Quee 》 などの楽曲が収められています。《 Midget Steps 》と《 Donna Quee 》はネタ曲の一部を引用したことがわかるのですが、《 I Got Yout Rhythm 》はネタ曲《 I Got Rhythm》とは全くの別曲のように聞こえます。タイトル曲M-3 《 The Driver 》は諧謔味のある軽快なブルースですが、彼の独得な歌心や遊び心がイイ感じに表現されていて面白いです。プグリシの重心の低いベース・ランニングも好感が持てるし、アンジェルッチの粋なソロも見事です。前作よりも本作は劣る、なんて言っちゃいましたが、トリオとしてのスリル感は格段に今作のほうが増していると思います。その点は大成功でしょう。

ベネヴェンターノ曰く、『作品を出さなくても生活できるから、焦って作品を創らなくてもいいんだ』。こうしてデビュー作から7年も過ぎてしまった訳です。音楽商業主義に毒され粗製乱造を繰り返すミュージシャンが圧倒的多数を占める業界において、大衆に媚びず、自身の信念を貫き通す姿勢は立派だと思いますが、でも、やっぱり表現者たる者、やはり自身の表現物は後世に向けて記録しておかなければならないと思うのです。記録しなければ全てが無になってしまう、のではないでしょうか。

ヴァイナル盤しか記録媒体がなかった時代ならまだしも、いまや制作複製の容易なCDだってあるし、もうちょっと手軽にというなら音源を自身のサイトにアップするだけでもいいし、またYoutbeにライブ映像をアップしてもいい。どんな方法でもいいから音源を記録として残し、多くのリスナーがアクセスできるようにしておくことが現在を生き抜く表現者にとっては必要不可欠なことだと思います。

才能ある素晴らしいピアニストだと思うだけに、そのような内に向かう達観したような考えのために彼の才能がスポイルされてしまうことは非常に残念です。あとで「幻のピアニスト」などと呼ばれないように、今のうちにしっかり音源を残して、世界中の多くのリスナーを楽しませてほしい。このままじゃ、あまりにも勿体ない。どなたか炯眼をもった日本のプロデューサーの方いませんかねぇ。



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