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Helge Lien Trio / Natsukashii - 懐かしい -

   ↑  2011/06/22 (水)  カテゴリー: piano
helge lien_natsukashiiHelge Lien / Natsukashii ( amazon.co.jp )
2011 Ozella


Helge Lien (p)
Frode Berg (b)
Knut Aalefjaer (ds)
Recorded: Sep. 24-26 2010



ノルウェー王国出身のピアニスト、ヘルゲ・リエン ( Helge Lien, 1975~ ) の通算7作目となる最新作。

2000年に『 What Are You Doing The Rest Of Your Life 』( curing legs ) でデビューを飾ったヘルゲは、その後も着実にアルバムをリリースしていき、2006年に発表されたスタンダード集『 To The Little Radio 』で多くの日本のファンの心をつかみ、次ぐ通算6作目となる2008年の作品『 Hello Troll』ではついにノルウェーのグラミー賞を獲得。その人気を不動のものとした。

北極海の海氷を想起させる透明感のある音世界。彼の美意識はデビュー以来、一貫している。がしかし、現在までリリースされた作品を鳥瞰してみると、6枚ともそれぞれ微妙に違った音楽性を持っていることに気づく。もちろん、それぞれが興味深く、作品としての優劣を超えたところでの差異なのだが。

ただ、近年の作品はどうも大衆色が鼻につき、もう一歩のところで彼の音楽に陶酔できない。デビューしたころはもう少しアヴァンギャルドな精神の持ち主かと思っていたが、最近はすっかりリスナー・フレンドリーなピアニストに宗旨替えしてしまったようだ。( 面は相変わらず恐いが )

収録曲は全10曲ですべてヘルゲの自作曲。タイトルにもなっている冒頭曲《 Natsukashii 》は日本の古い情景を想起させる詩情溢れるスローバラード。日本から遥か遠く離れた北欧のピアニストに、こんな日本人的な歌メロディーが作れるのか、ちょっと不思議が感じもするが、確かに心に響く旋律を持った曲だ。少ない音数により空間の隙間を活かしたサウンドスケープ。音のない間を最大限に利用し、音楽を創造することのできる彼のセンスにただただ驚くばかりだ。まるで日本古来の “ 詫び” のメンタリティーを持ち合わせているかのようだ。

この《 Natsukashii 》の余韻に浸る間もなく、リズミックで軽快な2曲目《Africapolka 》が始まる。 “ 静 ” から“ 動 ” へ・・・。 部屋の空気が瞬間的に変わる。なんとも心地よい瞬間。このリズムがポルカか否かはよくわからないが、自然と体がリズムを刻みだし、楽しい気分にはさせてくれる。大体において、アフリカにポルカってあるのだろうか?

冒頭に配されたタイトル曲《 Natsukashii 》をはじめ聴いたときは、メルヘンチックで懐古的なコンセプト作品なのかと思ったが、最後まで聴いてみると意外に曲調もカラフルで、飽きない構成になっていた。前作および前々作あたりが、全体的に“静”のイメージが強い仕上がりだったので、その点に関しては良かったと思う。

ただ、本当は適度にゴツゴツした手触りが残されていると良かったのだが・・・。昔はもっと退廃的というか、サイケ的というか、なんだか毒気があったよねぇ。今作にはそれが無い訳。

でも、ピアニストとしての技量は凄い。すさまじく凄い。しかも、特定の型にはまらない独自性も常にキープし続けているし。打鍵の説得力。一音一音の必然性みたいなものも確かに感じるし。

彼の音楽性はキースジャレットなどの影響を通じて成熟していったことは容易に想像できるのだが、その過程で並行して、相当量のリアルなロック体験を積み重ねていったのだろう。そのあたりのロック魂は、欧州に増殖するキース擬ピアニストには絶対みられない。そこが彼の強みだと思う。ほんと、素晴らしいピアニストだと思うよ。それだけに商業ジャズバンドに堕落しないで欲しいと切に願うんだ。

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Comment


こんにちは

このアルバムも みなさん 聴いておられますね。
わたしも 買おうかなぁと考え中です。
フランスの ドミニク・フィヨン・トリオってご存じですか?

そのアルバムも気になっているんです…

でも みなさんのレビュ-を読むと「natukashii」 聴いてみたいですね。
暑い日が続きますが ワンちゃんは元気ですか? 小学生の頃 飼っていた犬が 暑いと バテていて 氷をあげると 喜んで食べていたのが natukashii です。

マ-リン |  2011/06/23 (木) 16:34 No.4412


マーリンさん、こんばんわ。

>わたしも 買おうかなぁと考え中です。

でも、もしヘルゲを今まで聴いたことがないのなら、この新作よりも『 To The Little Radio 』を先に聴いた方がいいかもよ。

>フランスの ドミニク・フィヨン・トリオってご存じですか?

勿論知ってますよ。昨年出た『 Americas 』しか持ってませんが、なかなか奇麗なピアノを弾く人です。Youn Sun Nah という女性ボーカルが参加していますが、これがまたなかなか素敵です。
以前に曲だけ拙ブログで紹介したことがあります。
もしよろしければ下記リンクからどうぞ。

http://jazzlab.blog67.fc2.com/blog-entry-1421.html

>暑い日が続きますが ワンちゃんは元気ですか?

一日、冷房のかかったリビングでくつろいでいるので、全然たいじょうぶですよ。散歩は妻が朝5時に起きてやってくれているので問題ありません。それより、腰椎ヘルニアになってしまって、後ろ足が動かしにくく、ちょと可愛そうなんですよね~。もうおばあちゃん犬なんで。

criss to マーリンさん |  2011/06/23 (木) 21:05 No.4415


ファンならではですね

>ただ、本当は適度にゴツゴツした手触りが残されていると良かったのだ

昔は、わたしの中では、強面な感じもあったんですけど、、
この優しさにはびっくりです。
でも、わたしはこのアルバムはこれでもいいんです。
次回、、また、違う感じかもしれませんよ。

『 To The Little Radio 』
このアルバムは、わたしもとても好きです。


Suzuck |  2011/06/24 (金) 17:55 [ 編集 ] No.4417


「懐かしい」というタイトルからして、こいつリスナー(特に日本人)に媚びてるなって感じちゃって、最初は引いちゃいましたが、まあ、曲によってはしっかり聴かせてくれたので、良かったとは思いますが、僕的にはやっぱりデビュー作の「アザミ」が好きだなぁ。

ということで、TBさせていただきます。

criss to suzuck |  2011/06/25 (土) 22:53 No.4420


こちらからもTBさせていただきます

ヘルゲ・リエン・トリオはここ何枚か甘口な傾向が続いていたのですが、本作は久しぶりのリリースだったこともあって、やけに良く感じました。
その中でもなんといっても日本人以上に日本の心を知っていると感じられた1曲目にはやられてしまったのですが、逆に動的な曲もけっこうあったりして、ライブ盤以降のアルバムの中では一番気に入りました。

nary |  2011/06/26 (日) 00:18 [ 編集 ] No.4422


驚いた

crissさん、こんにちはmonakaです。
この1曲目にはおどろきましたね。どこでこのメロディを生んだのでしょうね。日本人スタッフがいるんじゃないかと思ってしまいました。
TBさせていただきます。

monaka |  2011/06/26 (日) 16:47 [ 編集 ] No.4424


naryさんは、この冒頭のタイトル曲みたいなのは嫌いなのかと思ってましたが、そうでもなかったですかね?
最近のヘルゲはちょっと売れ線狙いみたいなところがありますからねぇ。

ということでTBありがとうございました。




criss to nary |  2011/06/28 (火) 20:22 No.4425


僕はこのジャケットを見ながら一曲目を聴いていたら、子供の頃、農家の叔母あちゃんちで、弟とトンボ採りして遊んだ風景を思い出しました。だんだん歳をとっていくと、ふとした時にすっかり忘れていた風景を思い出すことがあるんですよね。このあまたの中のどこかに確実に記録されている過去の無数の風景があるんでしょうね。それが時々、ふっと沸いてくる。
一方で、全ての過去の記憶が徐々にぼんやりとしたものになっていき、思い出すことすらできなくなっていき、だからそこ、たまに沸き上がった風景は大切に記録しておかなければと思い、最近は手帳にその都度、思い出したことを記録するようにしています。

criss to monaka |  2011/06/28 (火) 20:32 No.4426

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