雨の日にはジャズを聴きながら90年代以降のジャズを気ままに綴っています。 旧ブログ 『 雨の日には JAZZ を聴きながら 』 からのデータ移行は終了しました。ジャズ以外にも、時々デジタル関連の物欲記事、最近ハマっているカメラの話題も少しアップしています。 

ブログパーツ

スポンサーサイト

   ↑  --/--/-- (--)  カテゴリー: スポンサー広告
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

(記事編集) http://jazzlab.blog67.fc2.com/?overture" target="_new

--/--/-- | Comment (-) | HOME | ↑ ページ先頭へ ↑ |

Marcin Wasilewski Trio / Faithful

   ↑  2011/07/26 (火)  カテゴリー: piano
Marcin Wasilewski Trio_faithfulMarcin Wasilewski Trio / Faithful ( amazon.co.jp )
2011 ECM Records


Marcin Wasilewski (p)
Slawomir Kurliewicz (b)
Michal Miskiewicz (ds)




ポーランド・ジャズの次世代を担うピアニスト、マルチン・ボシレフスキ ( Marcin Wasilewski, 1975~ )の、通算8作目となる最新作。

1990年に Simple Acoustic Trio を結成し活躍していたボシレフスキは、国内外のフェスティバルで数々の賞に輝く当初から将来を嘱望されたピアニストだった。そして、1995年には 『 Komeda 』( Gowi Records ) でアルバムデビューを飾り、その後も母国レーベルに計5枚のアルバムを吹き込み、着実に実績を積み重ねていった。

また一方で、90年代中盤からはポーランド・ジャズ界の重鎮トーマス・スタンコのサポートとしても活躍し注目を集めた。その抜群の演奏力はスタンコをして“ In the entire history of Polish jazz we've never had a band like this one. ”と言わしめたほどであった。ボシレフスキの演奏は、スタンコのECM盤 『Soul of Things』 (2001)、『Suspended Night』 (2003)、 『Lontano』 (2005)などで聴くことができる。

そんな活躍がマンフレッド・アイヒャーにも認められ、2005年には晴れてECMからリーダー作 『 Trio 』 をリリース。続く2007年のECM第二弾『 January 』は、日本には情報が入りにくく、過小評価されがちなポーランド・ジャズながらも輸入盤店を中心に好セールスを記録し、日本のジャズファンの間でも広く認知される存在となった。

今作『 Faithful 』は、そんなボシレフスキのECM移籍後第3弾となる作品。ECMからの作品も3作目ともなると、そろそろ今までとは異なる音楽性を期待する向きもあるとは思うが、残念ながら作風としては前作を踏襲する徹頭徹尾ECM的作品だ。まっ、良くも悪くも、アイヒャーのサウンド・プロダクションには全くブレが無いわけだ。

研磨剤で丁寧に磨き上げられた大理石のような質感をもつ精緻な音列は、まさにECMの音世界なのだが、しかし、今回は少しばかり違っている。つまり、クリーンなサウンドの質感はそのままに、音温度が幾分高めに設定された作品に仕上がっているのだ。Simple Acoustic Trio 時代ほどではないが、あの頃のようなベースやドラムが有機的に絡んでくる場面が随所に聴かれるのが嬉しい。

また、アブストラクトな楽曲が大好きなECMにしては、だいぶメロディを重視した曲を採用しているようで、個人的には好感が持てる。音像も前2作に比べてカラフルな印象をうける。

録音は前2作と異なり、イタリア国境に近いスイスのルガーノ湖畔に立つRSI ( スイスラジオ局 ) のオーディトリアムで行われた。収録曲はボシレフスキの自曲5曲とカヴァ曲5の全10曲。

冒頭曲はユダヤ系ドイツ人の作曲家アイスラー作の《 An den kleinen Radioapparat 》。この曲はスティングが《 The Secret Marriage 》というタイトルでカヴァして有名になった。ものの見事にボシレフスキ色に換骨奪胎してみせたこのカヴァは、スティングのそれに勝るとも劣らない出来栄えだ。

躍動感と内に秘めたメラメラ感が静かに噴出する自曲 M-2 《 Night Train To You 》。テンポ・ルバートでゆったりと揺蕩う彼らの音楽的ルーツでもあるオーネット・コールマン作のタイトル曲 M-3 《 Faithful 》。世の中年を否応なしに感傷的な気持ちにさせてしまう名バラードM-5《 Ballad Of The Sad Young Men 》はキースのカヴァに比肩する名演。ブラジルが生んだ変拍子を操る奇才エルメート・パスコアールが作曲したM-6 《 Oz Guizos 》。そして、ラストを締める静謐な自曲 M-10《 Lugano Lake》。

全体に甘酸っぱいメロディが漂う作品なので、ECMファンにはあまり好意的には迎えられないアルバムかもしれない。むしろ根っからのECMファンにとっては、よりジャズに根ざしたアプローチで音を組み立てていくスタンコのサポート・メンバーとしてのボシレフスキにシンパシーをおぼえるのではないだろうか。いずれにしても、曲構成、メロディー、演奏と、すべてにおいて完成度が高く、少なくともECMからの3作品の中では出色の出来だと思う。




ブログ 『 中年音楽狂日記 』 の中年音楽狂さんの記事 『 Marcin Wasilewskiの新作:これは最高だ。 』 はこちらから。

関連記事

FC2スレッドテーマ : JAZZ (ジャンル : 音楽

(記事編集) http://jazzlab.blog67.fc2.com/blog-entry-1464.html

2011/07/26 | Comment (4) | Trackback (1) | HOME | ↑ ページ先頭へ ↑ |

Comment


音温度

crissさん,こんばんは。「音温度が高め」とはうまいことをおっしゃいますね。確かにECMの前2作よりはそうかもしれません。私のようなECM好きの場合,こういう演奏は文句なしに気に入ってしまうわけでして,これも相性ですかねぇ。「ECMファンにはあまり好意的には迎えられない」ってことは多分ないと思っています。コアなECMファンはそうかもしれませんが。

私のような中途半端なECM好きにはこれぞジャスト・フィットですね。ということで,当方記事のURLを貼付させて頂きます。
http://music-music.cocolog-wbs.com/blog/2011/04/marcin-wasilews.html

中年音楽狂 |  2011/07/28 (木) 00:44 [ 編集 ] No.4440


中年音楽狂さん。こんばんわ。

Gretchen Parlato も聴かれるんですね。この人いいでしょ。最新作はまだ手に入れていませんが、過去の2作は大好きで、しょっちゅう聴いてます。めちゃくちゃ上手い歌手ですよね。

それはさておき、マルチン、いいですね。トマス・スタンコのバックでもいい仕事してますよね。スタンコのバックでいうと、僕的にはボボ・ステンソンよりもずっと好きです。ステンソンって抽象的すぎるのが肌にちょっと合わない時があります。

>私のような中途半端なECM好きにはこれぞジャスト・フィットですね。

いやいや、かなりのECMアディクターだと思いますが(笑)。僕はとちらかというと、ECMは苦手なので、いつも新譜を買うのに躊躇し、買っては一喜一憂しています。

ということで、メセニーの新譜を聴きながら今書いてます。中年音楽狂さんがおっしゃるのと同じく僕も徐々に沁み入ってきたところです。なかなかこの作品を言葉にしにくくて、ブログにアップできずにいますが。

criss to 中年音楽狂さん |  2011/07/28 (木) 23:33 No.4441


これ、わたしはよかったです

わたしも、コアなECMファンではないと思うんです。
リズムないのとか、全然、だめだし。。

この方たち、スタンコにいたときスタンコのアルバムが、明るい色合いになった気がしました。
スタンコは、確かに吠えたりしますが、なんだか好きなんです。ちょっと、こわそうなミュージシャンって、なんだか、好き。(笑)

三つの中では、ポ^ーランド専科のオラシオさまもおすすめなので、やはり、温度が高いのだとおもいます。
トラバしました。

そう、、パットメセニーの新譜、、雨音にとてもあいますよ。

Suzuck |  2011/07/30 (土) 14:55 [ 編集 ] No.4442


suzuckさん、こんにちは。
新潟の大雨は過ぎ去りましたでしょうか?
まっ、市内は大丈夫なんでしょうかね? 多分。

>この方たち、スタンコにいたときスタンコのアルバムが、明るい色合いになった気がしました。

その通りですね。僕はボシレフスキが参加する前のスタンコのアルバムは正直、あまり聴いていなかったのですが、ボシレフスキが加入してから3作とも聴いてたいへん気に入り、それから遡って今、古い作品を色々買いこんで聴いています。
先入観でスタンコを敬遠していましたが、意外に気に入っています。

話は違いますが、今月20日に光文社新書から杉田宏樹氏の『 ジャズと言えばピアノトリオ 』が発売になりましたが、その中でもボシレフスキのことが紹介されています。相変わらず、感情移入を極力排した、データ集的内容ですが、欧州ジャズについて語られた書籍は殆ど無い現状としてはたいへん役に立つと思います。

そうそう、僕もメセニーの新譜やマイケル・フランクスの新譜を毎日のように繰り返し聴いていますよ。メセニーのソロ集は最初は当惑しましたが、なかなかいいですわ。こういうアルバムが一枚ぐらいあるとなにかと便利です。仕事中の最高に贅沢なBGMになります。マイケル・フランクスの新譜もこれまた最高なのですが、すずっくさんの記事を読んじゃうとなかなか自分では書けなくなって。ずっとアップできずにいます。

ということでこちらからもTBさせていただきます。

criss to suzuck |  2011/07/31 (日) 19:23 No.4443

コメントを投稿する 記事: Marcin Wasilewski Trio / Faithful

お気軽にコメントをぞうぞ。
非公開 (管理人のみ閲覧可能なコメント) にしたい場合には、ロック にチェックを入れてください。

  任意 : 後から修正や削除ができます。
  非公開コメントとして投稿する。(管理人にのみ公開)
 

Trackback


この記事にトラックバックする

Faithful/Marcin Wasilewski Trio

一番小さな水仙が咲きました。好きなクリスマスローズも満開です。 桜の花はまだだけ

My Secret Room 2011/07/30
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。