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Nicholas Payton / Into The Blue

   ↑  2008/05/07 (水)  カテゴリー: trumpet
Nicholas Payton into the blue

  Nicholas Payton ニコラス・ペイトンの新作『 Into The Blue 』を聴く。前作『 Sonic Trance 』( Warner Bros. ) が03年の作品だったから、実に5年ぶりのリーダー作になる。

  ニコラスはデビュー以来所属していたVerveを03年に辞め、 Warner Bros. Records に移籍した。そこで彼にとっては初となるエレクトリック作品『 Sonic Trance 』をリリースした。ところがその直後の04年になんとWarner Bros. Recordsのジャズ部門は閉鎖されてしまい、それに伴いにニコラスは解雇されたのだった。( 業績のあるアーティスト、たとえはブラッド・メルドー、ジョシュア・レッドマン、パット・メセニーらなどは子会社の Nonesuch Records に再雇用された。)

   それにしてもニコラスは不運だ。Warner Bros. Records に録音された唯一の作品となってしまった『 Sonic Trance 』にしても、なんだかよく分からない駄作であった(これはどの角度からみてもだめな失敗作であった)。おそらく彼は一生、Warner Bros. Records を恨み続けるだろう。その後は、ジョシュア・レッドマン率いるSF Jazz Collective のレギュラーとなる一方で、多方面でのゲスト・プレーヤーとして活躍していたが、このたびやっとNonesuch Records に再雇用されるはこびとなった。

  ニコラス・ペイトンは、ロイ・ハーグローヴと並び、最も好きなトランペッターだ。もちろん50年代、60年代のリー・モーガンやドナルド・バードも大好きだが、その次に惹かれるトランペッターといえば、(特に90年代の)ニコラスとロイの二人しかいない。ニコラスの『 Payton’s Place 』( 1998 Verve ) とロイの『 Pablic Eyes 』( 1991 Novus ) は永遠の愛聴盤だ。

 だから、僕にとっては『 Payton’s Place 』を超えられるかどうかが新作の評価基準になるのだが、今回はどうだろうか。

  全10曲でうち7曲がニコラスのオリジナル。2曲がベーシストとして活躍している彼の父親ウォルター・ペイトンのオリジナル。そしてもう1曲が映画『 チャイナタウン 』( 1974年 監督:ロマン・ポランスキー )のサントラ《 chinatown 》という構成。ひとまず誰かのトリビュート盤ではないことでほっとする。僕はあまりトリビュート作品が好きではないので。ニコラスは今までににもけっこうトリビュート作品を制作している。ボブ・ベルデンが中心となって制作されたウェイン・ショーター・トリビュート『 Mysterious Shorter 』、ルイ・アームストロング・トリビュートの『 Dear Louis 』、そしてハービー・ハンコック・トリビュートの『 Fingerpainting 』など。

   本作はマイルス・トリビュートではないが、60年代後半の電化マイルス期の影響を受けていると思われるモーダルでアコースティックなサウンドにフェンダー・ローズが怪しく絡む楽曲が多い。マイルスのリイシューの仕掛け人としても有名なボブ・ベルデンがプロデューサーを務めていることも少なからず関係しているのであろう。

  昔のニコラスは、何も考えずに豪快に吹きまくっていた。デビュー作は一応、94年の『 From This Moment 』( verve ) ということになってはいるが、その2年前に『 Carl Allen & Manhattan Projects introducing Nicholas Payton 』というカール・アレンの作品にフィーチャーされている。そこには一点の迷いもまく未来に向けて高らかに吹き鳴らすニコラスがいた。ヴィンセント・ハーリングの凄さと相俟って、胸のすく爽やかな作品であった。

   あるいは、98年の『 Payton’s Place 』では、Tim Warfield ティム・ウォーフィールド ( ts ) との2管編成で、極上の痛快ハード・バップを聴かせてくれた。あの頃は音圧が凄かった。音には質量があるのではないか、と考えたくなるほどの鼓膜直撃の快音だった。デビュー当時はニューオーリンズ出身ということもあり、ルイ・アームストロングにたとえられることも多かったニコラスだが、この頃はまさにリー・モーガンそのものであった。

  閑話休題。この新作では、時代の求めるトレンドにお行儀良く乗っかったコンテンポラリーなサウンドが聴かれる。ケビン・ヘイズのローズがいっそうその雰囲気を高めている。ちょっとブルックリン風でもあり、なんとも言えない浮遊感も漂う。意外にパーカッションの Daniel Sadownick ダイエル・サドウニックの叩くタンバリンが印象的だ。そして、ドラムの Marcus Gilmore マーカス・ギルモアはなんと、ロイ・ヘインズ翁のお孫さんとのこと。

  結局、往年の熱く豪快に吹きまくるニコラスに会うことはできなかった。でもなかなか面白い作品であると思う。この連休中、飽きずに繰り返し何度も聴けたし。今のジャズ・シーンでは、天真爛漫に弾いたり、吹いたり、叩いたりしているだけでは売れないのだろう。何かしらの仕掛けや捻り、ほどよい分かりにくさ、など、ちょっとばかりアーティスティックな作品。



アルバム1曲目に収められていた≪ Drucilla ≫。ニコラスの父親 ウォルターが妻 Drucilla のために書いた曲。スロー・バラードで始まり、徐々に熱くなっていく。ケビンのソロも泣かせるし、ニコラスのソロも音数をしぼってよく歌っている。なかなかの名演です。

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