2009年01月04日 17:59
惜しくも昨年12月29日に逝去されたフレディ・ハバードの遺作 『 On The Real Side 』 です。今年の6月頃に発売になっていたようですが、僕は訃報を知った昨日、急遽買ってきました。名義は “ Freddie Hubbard & The New Jazz Composers Octet ” となっており、実質上のリーダーはフレディではなく、オクテットのリーダーであり曲のほとんどをアレンジしているDavid Weiss ( デヴィッド・ヴァイス )というトランペッターのようです。後述しますが、このデヴィッド・ヴァイスという人が晩年のフレディを励まし、現役復帰を支えた人物です。オクテットのメンバーもデヴィッド・ヴァイスのバンド・メンバーおよびその周辺ミュージシャンで構成されています。
まずは、Bill Milkowski ( 注1 ) のライナーノーツにフレディの病気について書かれていますので、少しだけ触れておきます。
( 病気に関する部分だけ簡単に抄訳しておきます。)
連日のギグとスタジオ・ワークという超人的なスケジュールを何十年にもわたり続けていたため、ついに彼は口唇を痛めてしまうのです。それは1992年のことでした。上唇の中央部が破裂し、やがて感染を起こしてしまったのです。病院で生検( 病変部の一部を切除し病理組織学的検索を行うこと )を行い、悪性ではないことは判明しますが、フレディは上唇の一部を失ったため、ひりひりと痛みが強く、もはや以前のような瞬発力がある鋭いフレーズを自由に吹くことができなくなってしまったのです。
その後、失望したフレディは全てを諦め、現役を引退し印税生活をしていこうと考えていました。しかしそこにアレンジャーもこなす若きトランペッター、デヴィッド・ヴァイスが現れ、フレディを激励し現役続行を促しました。デヴィッドは“ The New Jazz Composers Octet ”という企画でもう一度演奏しないかとフレディに持ち掛けました。そしてついに2001年に『 New Colors 』 という作品でその夢は現実化しました。( 今回の『 On The Real Side 』 はその続編にあたります。)
現在、口唇の痛みもさることながら、他にもいくつか身体上の問題をフレディは抱えています。彼は最近、頚椎症( 脊髄症 or 神経根症 )の手術を受けています。また、肺の腫瘍( 癌ではないらしい )の摘出手術も受けており、さらに数年前から鬱血性心不全で治療を受けています。
今までの情報だと、唇の怪我で吹けなくなったようだとの事でしたが、頚椎症(手のしびれ) や肺の腫瘍摘出術( 術後肺活量の低下 )などによるダメージもトランペット吹きには大きな障害になったのでしょうかね。大体、唇って非常に原始的な臓器で、再生力が強く、少しぐらいの切除で後遺症が残ることなどないんですよ。唇だけの問題ではなかったのでは、というのが僕の勝手な推測です。
さて、本作の話に戻りましよう。メンバーは下記の通りジミー・グリーン、マイロン・ウォルデン、クレイグ・ハンディをはじめ、実力派ぞろいの凄いメンバーを擁しています。このメンバーですから、アンサンブルもかなりへヴィーで重心が低いです。
収録曲は全部で7曲。内6曲がフレディの比較的新しいオリジナル曲で、タイトル曲である ≪ On The Real Side ≫ だけが書き下ろしの新曲です。昨日お話した78年録音のCBS盤『 Super blue 』に収められていたカッコいい4ビートの曲 ≪ Theme for Kareem ≫ と ≪ Take It To Ozone ≫ がここで再演されているのが非常にうれしいですね。
Large Ensemble という形体により、フレディにかかる負担はかなり軽減されています。まあ、そこがヴァイスの狙いなのでしょうが。フレディはフリューゲルホーンのみを使用しています。7曲中6曲でフレディはソロをとっていますが、非常に痛々しい演奏です。フレーズは続かず、ハイ・ノートも音程ボロボロだし、音色も全然・・・と、聴いていると胸が締め付けられるような悲惨な内容です。こんな演奏しかできなくなっていることはヴァイスだってそれこそ一番知っていたはずなのに、なんでそこまでしてフレディを復帰させたかったのか? 不思議でなりません。
全体的には往年のフレディの名曲のアレンジ物が聴けて嬉しいし、アレンジもカッコよく、意外に繰り返し聴きたくなる内容でした。
Freddie Hubbard / On The Real Side 2008年 Times Square Records FQT-CD-1810
Freddie Hubbard ( flu )
David Weiss ( tp )
Myron Walden ( as )
Jimmy Greene ( ts, ss )
Steve Davis ( tb )
Norbert Stachel ( bs, fl )
Xavier Davis ( p )
Dwayne Bruno ( b )
E.J. Strickland ( ds )
Craig Handy ( ts, fl ) ( 2,3,5 )
Russell Malone ( g ) ( 4 )
( 注1 ) Bill Milkowski : ビル・ミルコウスキ Jazz Times Magazine のレギュラー寄稿者であり、『 ジャコ・パストリアスの肖像 』 ( 原書名 : The Extraordinary and Tragic Life of Jaco Pastorius ) の著者。
収録曲は全部で7曲。内6曲がフレディの比較的新しいオリジナル曲で、タイトル曲である ≪ On The Real Side ≫ だけが書き下ろしの新曲です。昨日お話した78年録音のCBS盤『 Super blue 』に収められていたカッコいい4ビートの曲 ≪ Theme for Kareem ≫ と ≪ Take It To Ozone ≫ がここで再演されているのが非常にうれしいですね。
Large Ensemble という形体により、フレディにかかる負担はかなり軽減されています。まあ、そこがヴァイスの狙いなのでしょうが。フレディはフリューゲルホーンのみを使用しています。7曲中6曲でフレディはソロをとっていますが、非常に痛々しい演奏です。フレーズは続かず、ハイ・ノートも音程ボロボロだし、音色も全然・・・と、聴いていると胸が締め付けられるような悲惨な内容です。こんな演奏しかできなくなっていることはヴァイスだってそれこそ一番知っていたはずなのに、なんでそこまでしてフレディを復帰させたかったのか? 不思議でなりません。
全体的には往年のフレディの名曲のアレンジ物が聴けて嬉しいし、アレンジもカッコよく、意外に繰り返し聴きたくなる内容でした。
Freddie Hubbard / On The Real Side 2008年 Times Square Records FQT-CD-1810
Freddie Hubbard ( flu )
David Weiss ( tp )
Myron Walden ( as )
Jimmy Greene ( ts, ss )
Steve Davis ( tb )
Norbert Stachel ( bs, fl )
Xavier Davis ( p )
Dwayne Bruno ( b )
E.J. Strickland ( ds )
Craig Handy ( ts, fl ) ( 2,3,5 )
Russell Malone ( g ) ( 4 )
( 注1 ) Bill Milkowski : ビル・ミルコウスキ Jazz Times Magazine のレギュラー寄稿者であり、『 ジャコ・パストリアスの肖像 』 ( 原書名 : The Extraordinary and Tragic Life of Jaco Pastorius ) の著者。







コメント
コメントの投稿