雨の日にはジャズを聴きながら90年代以降のジャズを気ままに綴っています。 旧ブログ 『 雨の日には JAZZ を聴きながら 』 からのデータ移行は終了しました。ジャズ以外にも、時々デジタル関連の物欲記事、最近ハマっているカメラの話題も少しアップしています。 

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Roy Hargrove / Earfood

   ↑  2008/05/10 (土)  カテゴリー: trumpet
roy

  Roy Hargrove ロイ・ハーグローヴの2年ぶりとなる最新作を聴く。最近のロイは、ジャズ・クインテットでの活動と並行して遂行されているもうひとつのR&B/Hip Hopプロジェクト、RH Factor の活動のほうにより多くの力を注いでいたようで、今世紀に入ってからのジャズ作品は06年の『 Nothing Serious 』 だけという、ちょっと寂しい状態が続いただけに、レギュラー・クインテットでの新作は非常に嬉しい。

  本作ではアルトのJustin Robinson ジャスティン・ロビンソン以外はメンバーが一新されている。

  注目はなんといってもピアノの Gerald Clayton ジェラルド・クレイトンだ。オランダ生まれ、南カリフォルニアア育ちの彼は、ベーシストのジョン・クレイトンのご子息であり、06年のセロニアス・モンク・コンペティションで2位を獲得したエリートである。今回の作品でもかなりセンスのよいソロを聴かせているので、今後とも要注意だ。

  エンジニアには音の魔術師、アル・シュミットを起用し、売れるアルバム作りの定石を打っている。

  プロデューサーはデビュー以来(というかデビュー前から)、ずっとロイをサポートしてきたブレインであり、マネージャーでもあるLarry Clothier ラリー・クロージェが今回も担当している。ラリー・クロージェはいわばロイの育ての親だ。ラリーのプロデュース能力、マネージメント能力があったからこそ、RCA~Verveと、今まで順調に業績を伸ばしてこられたのだ。 質の高い音楽を制作し、かつ収益も上げなければならないという2つの難題。場合によっては二反律ともいえれるこの課題を、巨大音楽産業界のなかで長期にわたりクリアし続けられたのも、ひとえにラリーの手腕に依るところが大きい。

   ラリーとロイの出会いは、さかのぼることロイのハイスクール時代。お忍びで彼の演奏を聴きに来たウイントン・マルサリスはその抜群の才能に惚れ込み、今後のプロとしての活動を保障すると同時に、有能なマネージャー兼プロデューサーのラリーを紹介したのだった。( source は JazzTrumpetsolos.com ) その3年後の90年に、ロイは巨額の契約金 でRCA ( Novus ) と契約した。実は新生ブルーノート(社長はブルース・ランドヴァル)もロイを狙っていたのだが、交渉が難航しているうちにRCAにロイを奪われてしまったのだ。このあたりの経緯は『 ブルーノート・レコード』( リチャード・クック著、前野律訳、朝日文庫 )の第11章第8節《 ロイ・ハーグローヴの問題 》に詳しく書かれているので是非参考にされたし。

   閑話休題。本作は一聴しただけではその良さがいま一つ伝わってこなかったが、数回聴き込むうちにその素晴らしさがじわじわと沁みてきた。とにかく、艶があり、抜けがよく、切れ味もある音色は心地よい。今まで以上にフリューゲル・ホーン( トーマス・インダービネン製 )を手にする曲が多いように感じたが、その蜜のごとく豊潤で甘美な音色、メロディーに思わず陶酔してしまう。ジャスティン・ロビンソンとのアンサンブルの溶け合い方なども絶品だ。彼自身の簡単なライナー・ノーツにも記されているように、作り込み過ぎないシンプルなメロディーに重点をおいた作品つくりは、完璧な成功を収めたと言えよう。

  そして最大の収穫は前述したピアノのジェラルド・クレイトンだ。モンク・コンペティションで受賞したものの、いまだリーダー作はなく、ダイアナ・クラールやロベルタ・ガンバリーニらの歌伴での控え目な演奏しか聴いていなかったので、とっても楽しみにしていた。彼は技巧に走るタイプではないが、軽快なスイング感に満ち溢れた正統派ピアニストだ。本作の中でも要所要所で印象的なソロを聴かせてくれている。早くリーダー作を聴いてみたくなった。

   辻仁成の小説ではないが、まさに冷静と情熱のあいだを絶妙なバランス感覚をもって行き来する演奏に、ロイの円熟の極みを垣間見たような思いがした。いまだ40歳。これから先、ロイとラリーは二人三脚でどんな道を切り開いていくのだろうか。ソウル系の有名アーティストとの共演、ジャズ系のサイドメンとしての活動、自己のRH Factor やクインテットでの活動など、こんなハード・スケジュールでは、いずれエレネギーが枯渇してしまうのではないかと、少々心配にもなってくる。がしかし、いつまでも燃えるような美しさで僕らを楽しませてくれ、ロイ・ハーグローヴ!
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