2008年08月22日 20:22
今日、仕事帰りに近所の大型書店に寄って、スイングジャーナルの9月号を立ち読みしていたら、目の前にこんな新刊が平積みされてた。
『 猫ジャケ 素晴らしきネコードの世界 』。
レコード・コレクターズの増刊号として発売されたようだ。ちょいとめくってみるとけっこう知らない猫ジャケがあって、それなりに目を楽しませてくれる。モンティー・アレキサンダーのMPS盤『 Love Strains 』や、フランク・ザッパが猫を抱いている『 London Symphony Orchestra Vol.II 』など、まったく見たことも聞いたこともない作品が載っていた。遠藤賢司のインタビュー記事もあって懐かしくなり、スイングジャーナルそちのっけで思わず見入ってしまった。しょうもないと言えばしょうもない本だが、猫好きの息子を喜ばせようと買ってきた。でも結局、息子はあまり興味を示さなかった。彼にとっては本物の猫しか興味の対象ではないらしい。
そんなわけで、突発的になんだか猫ジャケ作品を聴きたくなり、棚から引っ張り出して先ほどから聴いている。最近の猫ジャケといえば拙ブログでも紹介したマイク・スターンの最新作『 Who Let The Cat Out ? 』やウルフ・ワケーニウスの『 In The Spirit of Oscar 』 などがすぐに思い浮かぶ。個人的には以下の3枚が猫ジャケ愛聴盤だ。
Tina Brooks 『 Minor Move 』 1958 Blue Note
幻のテナーマン、ティナ・ブルックスは、Blue Note に4枚のリーダー作を残したが、彼の存命中に発売されたのはご存じ『 True Blue 』 ( ST-84041 ) のみ。残りの3枚は発掘盤として後に日の目を見ることになるが、この黒猫の 『 Minor Move 』は、80年代にマイケル・カスクーナの尽力により発掘され、King Records が『 キング世界初登場シリーズ: GXFシリーズ 』 として発売したもの。アルフレッド・ライオンがなぜ 『 True Blue 』 以外の3枚をボツにしたのか、その真意は分からないが、今、4枚を並べて聴いてみると、確かに『 True Blue 』 の出来が一番イイ。ブルックスのオリジナル曲も哀愁味溢れていてイイ感じだし、フレディー・ハバードも乗りに乗っている。『 Minor Move 』 もリー・モーガン、ソニー・クラークと、役者揃いだが、いま一つ散漫とした印象を受ける。本作は King からTOSHIBA EMI に発売元が変わってもLPで再発され、さらに2000年には米Blue Note から ≪ Connoisseur cd series ≫ としてCD再発もされいる。
Shelly Manne & His Men 『 More Swinging Sounds 』 1956 Contemporary
Contemporary には、バーニー・ケッセルの “ うし” や、ハンプトン・ホーズの “ ワニ ” など、動物のイラストを用いた作品がいくつかあるが、本作もその一つ。よく見ると髭もないし、ニクキュウもないし、犬にも見えなくもない。でも、なんだかとっても楽しい音楽が詰まっていそうなことだけは伝わってくる。大学時代、必死にウエスト・コースト・ジャズを収集したが、現在はそのほとんどが倉庫の段ボールの中で眠っている。そんな中、本作は今でも愛聴し続けている数少ないWCJ の一枚だ。特にB面の組曲がイイ。
Gil Evans Steve Lacy 『 Paris Blues 』 1988 Owl
ギル・エバンスが1988年に亡くなる3か月前に吹き込んだ盟友スティーブ・レイシーとのデュオ作品。ギルはアコースティック・ピアノとエレクトリック・ピアノを弾き分けている。オーケストラを率いたときの壮大で幻想的な響きとは対極にあるような実にシンプルで音数の少ないピアノを弾く。スティーブ・レイシーは個人的にはあまり好きなタイプではないが、本作の彼はとっても聴きやすい。過激でアヴァンギャルドな彼の側面は影を潜め、やや内省的な静謐な音世界を繰り広げる。深夜の静まり返った空間によく似合う音だ。







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