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Keith Jarrett / Yesterdays

   ↑  2009/02/14 (土)  カテゴリー: piano

keith jarrett yesterdays

流石にそろそろ打ち止めだろう。

新作を聴くたびに、そう思いながら四半世紀が過ぎてしまった。
キース・ジャレットのスタンダーズ・トリオが結成されたのが83年。私がジャズを聴き始めたのが81年。デビュー作の 『 Standards Vol.1 』 の衝撃以来、現在までずっとリアルタイムで彼らの音楽をフォローしてきたが、正直なところ既にとっくの昔に飽きてしまっている。大体、91年の 『 Bye Bye BlackBird 』 あたりでもうゲップが出てきたし、94年の6枚組 『 At The Blue Note The Complete Recordings 』 には嘔吐した。そうこうしているうちに96年にキースが慢性疲労症候群という厄介な病気に蝕まれ、演奏活動を休止したので、トリオとしての活動は本当にこのあたりが潮時だろうなぁ、と思っていたら、99年には病気を克服し再度トリオでの活動を再開したので、腐れ縁の切っても切れない女友達のごとくまた付き合っているのだが、いつまで続くのか不安でいっぱいである。

さて、キースの新作がリリースされた。がしかし、音源は2001年の来日公演時のものなのである。録音されてから既に8年近くも経った音源を新作として扱ってよいものかどうか甚だ疑問だが、このような事は実は初めてではない。ちなみに、99年の復帰以降の作品を時系列に沿って並べてみると次のようになる。

2000年 Whisper Not ( 1999 )
2001年 Inside Out ( 2000 )  
2002年 Always Let Me Go ( 2001 )
2003年 Up For It ( 2002 ) 
2004年 Out-Of-Towners ( 2001 )
2007年 My Foolish Heart ( 2001 )
2009年 Yesterdays ( 2001 )
※ かっこ内は録音年

はじめのうちは録音からリリースまでのタイムラグがほとんどなかったが、2004年発売の 『 Out-Of-Towners 』 は2001年6月28日のミュンヘンでのライブ音源であるし、2007年発売の 『 My Foolish Heart 』 は2001年7月22日のモントルー・ジャズ・フェスティバルでの音源であり、いずれも今回の 『 Yesterdays 』 同様、長い年月を経てCD化された作品だ。

しかも全て2001年の録音であり、もっとも直近の音源でも2002年録音の 『 Up For It 』 という事実は、一体何を意味するのだろうか。

まず考えられることは、2001年が彼らにとって充実した年であり、お蔵入りさせるにはもったいない音源が沢山あり、まずはそこらへんからCD化し、その後に2003年以降の音源を順次、プレスしていく予定であるという推測。

そしてもう一つ考えられるのは、近年の彼らのライブを観ていないのであくまで憶測の域を出ないのだが、2001年以降の演奏が商品として世に送り出せる水準に達していないのではないか、ということ。なんだか後者のほうが可能性高いように思うがどうだろうか。

35年生まれのピーコックも今や70歳代半ばであり、過去に大病もしているので、キース相手でなければまだまだ十分やっていけるが、やはりキース相手ではかなり厳しい年齢に来ている。キース、ピーコック、ディジョネットの三者の極めて高水準な技術力の絶妙なバランスがあってこそ機能してきたスタンダーズ・トリオだが、近年、そのバランスが僅かずつ崩れてきていることに気づいている方も多いのではなだろうか。

閑話休題。本作は前述したように2001年の来日公演時のライブ録音盤である。同公演はオーチャード・ホールや大坂フェスティバル・ホールなど、5公演が興行されたが、公演ごとに完全即興演奏とスタンダード演奏の比重が異なっていた。そんな演奏の中から完全即興曲だけを集めた作品が『Always Let Me Go 』として既に2002年に発売されている。それに対して本作には最終日4月30日の東京文化会館で演奏されたスタンダード曲と、オーチャード・ホール公演時のサウンド・チェック用に録音された ≪ Stella By Starlight ≫ が収められている。

本作を聴いてまず驚かされるのは、キースがスイングしていること。キースのファンなら、復帰後の演奏スタイルの変化に気づかれていることだろう。よりスイング感を全面に打ち出した楽曲を扱うようになったり、トリオで完全な即興演奏を行ったり、またトリオ・ライブながらピアノ・ソロを挟み込んだりと、あの手この手でマンネリからの脱却を図っているのだ。

『 My Foolish Heart 』や『 Whisper Not 』でも曲によってはスイングしていたが、本最新作のスイング感はより強力だ。そのせいで今まで以上に三者の一体感は強固になっている点も見逃せない。復帰前は、ともすればトリオという枠組みからキースのエゴだけが突き抜けた不均等な図式になりがちだったが、今回は三者のバランス的にも安定度が高い。しかし、予定調和の既存のスイング・ビートに終始することなく、やはりそこにはキースにしか達成できない高度な演奏力でスタンダードに新たな生命を吹き込むことに成功しているから流石である。

最後のサウンド・チェック用に録音された ≪ Stella By Starlight ≫ などは、(当然だが) とってもリラックスした演奏で、(当然だが) あの感極まって発せられる呻き声も聞かれない非常に私好みの演奏である。個人的趣味を申し上げるなら、全曲呻き声なしのこんな優しい曲で構成された作品を作ってもらえると嬉しいのだが。とにかく私はあの呻き声が嫌いで、筒井康隆氏がかつて云っていたように「 絞め殺される寸前の猿のような 」あの声を聞いてしまうと音楽に集中できなくなってしまうのだ。だから、呻き声全開の 『 Standards Live 』 での ≪ Stella By Starlight ≫ ( 名演! ) よりも、演奏の質は劣るがこの最新作の同曲の方が遥かに好きだ。

と云う訳で、こうしたリラックスしたキースは嫌いではない。
飽きながらも聴き続けられる魅力。キースはそんな不思議な吸引力を持っている。
もう少し付き合って行くことにしよう。

でも、流石にそろそろ打ち止めだろう。

Keith Jarrett / Yesterdays    星1つ星1つ星1つ星1つ
2009 ECM 2060

Keith Jarrett  ( p )
Gary Peacock  ( b )
Jack Dejohnette  ( ds )

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Comment


Re: Keith Jarrett / Yesterdays

crissさん、こんにちはmonakaです。
crissさんにはめすらしい、過激なご意見ですね。でもcrissさんのご意見とても解ります。
まず今なぜ古い時間のものを出すかですが、これはトリオとしての品位が残念ながら最近の演奏では落ちているからで内容吟味でしょうがない打ち止めのお言葉もわかります。
ところが、2008年のオーチャードのソロではすばらしいパーフォーマンスをしめしいます。
キースがスタンダードトリオをやり始めたとき、何をやってんだと不満に思ったときから、それを認め、楽しみ、そして終焉もあると愛情を持って見つめたいと思っています。

monaka |  2009/02/14 (土) 20:38 No.163


Re: Keith Jarrett / Yesterdays

そうなんですよね。最近の演奏が出ずに、過去の演奏ばかり発表されるのは、私も気になっていました。

ECMのCD番号が新しいところを見ると、企画自体旧録を出すことの決定が新しいことをうかがわせます。

ただ、あるコンサートの一気に最初から最後までのライヴを連続して聴かせてくれなくても、そのツアーのいいとこどりだったら、まだまだ最近の演奏でもいけるんではないかと思っています。まあ、マンフレート・アイヒャーもキース・ジャレットもかなり気まぐれらしいので、またそのうちにサプライズがあるかもしれませんね。

TBさせていただきます。

910 |  2009/02/14 (土) 22:36 No.164


Re: Keith Jarrett / Yesterdays

crissさん,こんばんは。

「腐れ縁の切っても切れない女友達のごとくまた付き合っている」というのは言いえて妙ですね。もはやマンネリだと思いつつ,それでも買ってしまうだけの魅力をこのトリオはまだ維持してはいると思います。

このアルバムも私は"My Foolish Heart"よりはずっと好きですが,それでももうそろそろ厳しいかもしれませんね。Peacockが70歳を過ぎているというのもありますし(知りませんでした)。

Keithのソロも現代音楽的に変容しつつある部分もありますので,あまりそういう音楽に抵抗のない私にも,だんだん難しくなってきました。ミュージシャンは常に変化するものですから仕方がないですが,逆にこのトリオは変わらな過ぎでしょうかねぇ。

TBさせて頂きます。

中年音楽狂 |  2009/02/15 (日) 00:15 [ 編集 ] No.165


Re: Keith Jarrett / Yesterdays

おはようございます。

>2008年のオーチャードのソロではすばらしいパーフォーマンスをしめしいます。

僕も昨年のソロは観に行きたかったのですが、キースのライブって、すごく人気かるから、随分前からチケットとらないきゃならないでしょ。そんな先の予定がなかなか立たないんですよね。だからチケット買うのが難しくて。Blue Note なら電話予約で済むし。キャンセルだってできるから気軽に予約を入れやすい。そんな訳で、キースのライブは一度も観にいったことがないんです。

ところで、最近のキースでは何が好きですか?
僕は『 Whisper Not 』が好きです。
≪What Is This Thing Called Love ≫ の
アレンジはかっこいいですよね。

と云う訳で、こちらからもTBさせていただきます。


criss to monaka |  2009/02/15 (日) 09:27 No.167


Re: Keith Jarrett / Yesterdays

工藤さんがおっしゃる、「このあたりが彼らのピークとECMは考えているのか」という言葉には激しく同感です。とにかくピーコックの経年変化が少々気になります。そろそろ若手の凄腕ミュージシャンと一緒に一枚作ってもらいたいきもしますし。と云う訳で、こちらからもTBさせていただきます。

criss to 910 |  2009/02/15 (日) 09:53 No.168


Re: Keith Jarrett / Yesterdays

僕も前作 『 My Foolish heart 』 よりも本最新作の方が好きです。復帰後の作品群の中では 『 Whisper Not 』 が愛聴盤ではありますが。

スタジオ盤、聴きたいですよね。できれば唸り声のないキースが聴きたい。唸り声に関しては、キース教の方々からはお叱りを受けそうですが、
僕は不要だと思ってます。あと、コンサートの拍手も嫌いですし。あ~、一枚でいいからスタジオ盤作ってくれ~という感じです。

スタジオ押さえるとお金もかかるし、手間もかかるし、それならライブの時に録音しちゃえば客収入と印税の両方一度に入ってお得じゃん的スタンスが彼らにあるのでしょうかね。

スタジオでもライブでも同質の演奏が可能ならではの発想でしょうね。

criss to 中年音楽狂さん |  2009/02/15 (日) 10:29 No.169


Re: Keith Jarrett / Yesterdays

>できれば唸り声のないキースが聴きたい。

僕も、キースの唸り声は、なんか
○勢された中年オヤジって感じで、好きじゃないなあ。

でも、唸るジャズメン、多いよね。

キース「アァァ!・・・エェェ!・・・」
バド・パウエル「ンゴォッ!・・・ァゴォォ!・・」
エロール・ガーナー「ンガァ~~~!!・・ンワァァ~~!!」
ブレイキー「アァァァ!!(ドカドカドカドカ)」

ガーナーの唸りは、結構好きですよ。


25-25 |  2009/02/16 (月) 18:14 [ 編集 ] No.173


Re: Keith Jarrett / Yesterdays

キース教信者に云わせると、あのうめき声も音楽の一部なのだそうですが、どう考えても、あの声は非音楽的だと思うのですが。

エロール・ガーナーも呻いていましたが、低く小さな声で「ウァ~」「ウ~ファファ」とか云うだけですから全然OKですけどね。先ほど久しぶりにガーナーの「ミスティ」を取り出して聴いていましたが、やっぱり巧いですよね。無条件で楽しくなるジャズだし。

criss to 25-25 |  2009/02/17 (火) 20:58 No.177


Re: Keith Jarrett / Yesterdays

TBさせていただきます。

私も似たような分析してますが(汗)、2001年前後の作品を、数年に渡ってリリースしているのは、執念を感じさせるほどですよね(笑) 単純に充実していたと推測していますが、はてさて。


>でも、流石にそろそろ打ち止めだろう。
個人的には、keith jarrett個人としての次の活動(step up? change stage?)をずっと期待しているのですが..

oza。 |  2009/02/22 (日) 08:43 [ 編集 ] No.200


Re: Keith Jarrett / Yesterdays

>個人的には、keith jarrett個人としての次の活動(step up? change stage?)をずっと期待しているのですが

僕も同感です。僕が打ち止めと云っているのは、
あくまでトリオでの活動であって、ソロはまだまだ
このままやっていてほしいです。

>単純に充実していたと推測していますが、はてさて。

今度、トリオで来日したら、絶対見ておこうと思ってます。仕事がら、人気アーティストのコンサートって、かなり前に予約を入れなきゃならならないので無理でしたが、最近は時間に余裕もできたので、今度こそいけそうです、

充実した演奏を期待したいものです。

criss to oza |  2009/02/22 (日) 20:53 No.205

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