雨の日にはジャズを聴きながら90年代以降のジャズを気ままに綴っています。 旧ブログ 『 雨の日には JAZZ を聴きながら 』 からのデータ移行は終了しました。ジャズ以外にも、時々デジタル関連の物欲記事、最近ハマっているカメラの話題も少しアップしています。 

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Cassandra Wilson / Loverly

   ↑  2008/07/04 (金)  カテゴリー: vocal
Cassandra Wilson  / Loverly

ダイアン・シューア、ダイアン・リーブス、カサンドラ・ウイルソンら、いわゆる新御三家がジャズ・ヴォーカル界の注目を集め始めたのは80年代半ばのことでした。あれから20年。両ダイアンがメインストリーム系のいわばオールド・スタイルの歌唱法を受け継ぎながら人気を獲得してきたのに対してカサンドラは、伝統と革新を融合させたスタイルで時代をリードし、ジャズのテリトリーにとどまらない幅広いファンの支持を得てきました。そして現代アメリカのポピュラー・ミュージック界最高のディーヴァとして君臨し、各方面から最大級の賛辞が寄せられるカサンドラは、Blue Note のドル箱スターとして数多くの作品を世に送り出してきました。

しかし、僕もそんな巷の評価に迎合し、新譜が出るたびに買ってはみるものの、どうしても繰り返し聴く気にはなれないのです。あの井戸の底に蠢く妖怪の呻き声、と言っちゃ言い過ぎですが、なんともドロドロしたダーク・ヴォイスは、深夜に一人で聴いていると背筋が寒くなってきます。はたして、こんな暗く低い声が好きで好きでたまらないというジャズ・ファンって、いるのでしょうか?

いまここに、ジャズ批評誌の139号『 ジャズ・ヴォーカル特集 』があります。この中で89人のプロ・アマが、自身のヴォーカル愛聴盤を3枚づつ紹介しているのですが、計265枚のヴォーカル作品の中に、カサンドラの作品は一枚もありません。最近の同誌は、(自分も書かせていただいているのでなんですが)アマチュアの執筆による投稿雑誌と化し、確かに以前のような一人のミュージシャンに焦点を当てた資料的価値の高い特集はなくなりましたが、そのかわり、今、一般のジャズ・ファンがどんな音楽を望んでいるのか、その音楽から何を感じているのかをダイレクトに伝えてくれる雑誌として、極めて貴重な存在だと思うのです。こんな同誌に、件の如く、カサンドラが全く登場しないのは、これは聴き手の偽らざる本音ではないかと、思うのです。

と、まあ、仕事帰りに今日買ってきたカサンドラの新譜を聴きながら戯言を書き綴ってしまいましたが、本題に入りましょう。彼女のBlue Note からの新譜は待望のスタンダード集です。彼女は基本的にはシンガー・ソング・ライターですので、オリジナル曲やジャズ以外のフィールドから選曲した作品が多く、ジャズのスタンダードを歌うことは稀でした。しかも、ピアノを加えたバックバンドを従えてのスタンダードとなると、88年の『 Blue Skies 』と、97年にジャキー・テラソンと組んだ『 Rendezvous 』(邦題:テネシー・ワルツ)くらいしかありません。

個人的にはこの『 Blue Skies 』が大好きで、彼女の作品の中では唯一の愛聴盤と言ってよい作品です(あ、あと『 New Moon Daughter 』も好きですが)。M-BASEモーブメントの真っ只中に録音されたこの異色のスタンダード集は、マルグリュー・ミラー、ロニー・プラキシコ、テリ・リン・キャリントンという最高のピアノ・トリオをバックに、渋めの選曲と、彼女にしては比較的大人しいアレンジで、保守的なジャズ・ファンをも魅了して止まない最高のヴォーカル作品に仕上がっています。

今回の新作もジェイソン・モランのピアノが12曲中10曲で聴かれますが、やはり弦楽器好きなカサンドラのことだけあって、マービン・シーウェルのギターも大きくフィーチャーされています。クレジットにはありませんが、M-1 ≪ Lover Come Back To Me ≫ では、たまたま遊びに来たニコラス・ペイトンのソロが記録されています。彼女の作品で管入りは皆無ですから貴重な記録ですね。ジェイソン・モランも尖ろうと思うといくらでも尖れるピアニストですが、ここでは控えめなサポートに徹しています。でも時たま鋭角的なフレーズでグサリと刺さってくるあたりがたまりません。カサンドラの歌声は、どんなスタンダードを歌っても聴き手を自分の世界に引き寄せてしまう不思議な力を持っていますね。全体から伝わる印象としては、いつもの張りつめた空気感はあまり感じられません。ましてや難解さなど微塵もありません。よって聴き手も力を抜いて楽しめる作品です。そして、聴くほどに心の襞に深く沁み入る傑作ではないでしょうか。<
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