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Jeff “Tain” Watts / Watts

   ↑  2009/04/14 (火)  カテゴリー: drums

jeff watts watts

これ、凄い。凄すぎ。ジェフ・ワッツ ( Jeff “Tain” Watts b.1960 Pittsburgh ) の通算6枚目、自己レーベル Dark Key Music からは前作『 Folk’s Songs 』に次ぐ2枚目となる新作です。すでに今年初めに発売になっている作品ですが、わたくし、ご存じのように体調不良のためこの2か月程、猟盤生活から遠ざかっていたので、これを買ったのもつい先日のこと。考えてみたらこの一週間、毎日の通勤で聴き惚れているけど、いまだに飽きる気配なしです。

とにかく、このバンドの演奏力は圧倒的。テレンス・ブランチャードとブランフォード・マルサリスという意外に今までなかったフロントラインが超強力で、そして“ 規則正しいリズムを打ち出し続ける ”というドラマー本来の義務をそっちのけで暴れまくるワッツを含め、重量級3人をボトムで支えるのがクリスチャン・マクブライド! という錚々たるメンバーです。一曲だけローレンス・フィールズという無名のピアニストがバラードで参加していますが、これまたリリカルで素敵です。

ワッツとブランフォードは1989年以来、20年近くも活動を共にしてきたので気心知れた盟友ですが、ワッツとブランチャードって共演したことあるのかな?あとで検索してみますが、あまり記憶にないなぁ。大体、ブランチャードをつい最近まで真剣に聴いたことがなかったし。近年、アーロン・パークスやケンドリック・スコットを聴くようになり、彼らがブランチャードのバンド出身であることを知り、あらためてブランチャードを聴きだしたのですが、これが凄くて、『 Bounce 』( 2003 ) や 『 Flow 』( 2005 ) なんかは非常にかっこよくてすっかり愛聴盤になっちゃいました。

あんまり吹きっぷりがいいもんだから、実際に生で聴いてみたくなり、先月 Blue Note のライブを観にいったくらいです。そう言えばブランチャードは2月に発表された51回グラミー賞で『 ベスト・ジャズ・インストゥルメンタル・ソロ賞 』を受賞しているんですね。いや~、凄いソロだったですよやっぱり、客席は悲しくなるくらいガラガラでしたが。

本作は全10曲ですが、M-9 と M-10 の曲間が45秒とられており、最後のM-10 ≪ Devil’s Ringtone ≫ は M-8 ≪ Devil’s Ringtone : The Movie ≫ のインスト・ヴァージョンであることを考えると、たぶんボーナス・トラック扱いなのでしょうね。

M-1 ≪ Return of the Jitney Man ≫ はブランフォードの新譜『 Metamorphosen 』でも聴けるアップテンポのモーダルな楽曲。いきなりワッツが強烈に煽る。ドラムのフィルイン( 俗名:おかず )とは本来はコーラスや小節の終りに使って、メンバーに現在位置を知らせる目的があるのだが、ワッツの演奏は全編“ おかず ”で構成されたような暴れぶりで、よくぞこんなリズムでフロントは自身を見失わないもんだと感心します。

M-2 ≪ Brekky with Drecky ≫ は文字通りマイケル・ブレッカーに捧げたB♭ブルース。この曲はブレッカーの大好きだったオーネット・コールマンの ≪ Turnaround ≫ ( 『 Tomorrow is The Question ! 』に収録。こちらで試聴できます。) をベースに作曲されたものです。面白いのはブルースの5小節~6小節、つまりE♭7 のところが16ビートに突然変わるんですね。しかもテンポも全然違うし。簡単にやってのけるけど、相当難易度高いワザではないかと。

M-3 ≪ Katrina James ≫ は軽快なファンク・チューン。2005年8月にアメリカ合衆国南東部を襲った大型のハリケーン Katrina で犠牲になった人々と、2006年に惜しくも亡くなられたファンク界の帝王ジェームス・ブラウンに捧げた曲らしい。まったく関連のない2つをひっくるめて1曲に仕上げてしまうのは、いかがなものか。

M-4 ≪ Owed ≫ は一転してブランフォードの美しいソプラノがフィーチャーされたバラード。この曲だけピアニストのローレンス・フィールズが参加している。このピアニスト、ワッツがセントルイスで見つけたまだ10代の新人らしいが、なかなか巧い。要チェック!

M-5 ≪Dancin’ 4 Chicken ≫ は、マクブライドとワッツのR&B で始まるが、実はこれがいわゆる“ False Start ”で、誰かの《 Watts! …All Right….Stand by…This is Dancin’ 4 Chicken…Take25 》という声が入り、次いでマクブライドのスインギーなボーイングによる超絶技巧のソロから、フロント2人が入り、デキシー風を経て高速4ビートに目まぐるしく変化していく、彼らにしかできないような複雑な曲。ブランチャードのラッパが火を噴く。それにしても本当に25テイクもとったのだろうか。

M-6 ≪ Wry Koln ≫ はワッツの渾身のドラムソロが大々的にフィーチャーされた曲。ワッツって、スネアを叩く数より、シンバルやタムを叩く数の方が圧倒的に多いんだね。音数の多さにおいては今のところ他の追従を許さないだろうね。もうすぐ50歳になるというのに、まったく衰えを感じさせず、現役感をキープし続けているのが凄いね。

M-7 ≪ Dinsle-Dangle ≫ は、どこかで聴いたことがあるようなメロディーだと思ったら、なんてことはないモンクの ≪ Trinkle, Trinkle≫ だった。ここではブランフォードが抜け、ブランチャードのソロが聴かれる。それにしてもブランチャードって巧いんだね。僕が初めて彼の演奏を聴いたのは81年だか82年だか忘れたけど、ジャズ・メッセンジャーズの一員として来日し、ウントン・マルサリスと二人で ≪ I Remember Clifford ≫ を演奏したときです。マルサリスが隣にいるから余計に緊張したのかもしれないけど、ハーフバルブの音が出なくて泣きそうな顔で演奏していたのを覚えています。あの時の情けない下手な印象がずーと僕の中にはあったから、まったくと言っていいほど、彼をフォローしてこなかった。2000年以降のアルバムは買い揃えたので、今度は90年代の彼の作品を収集しようと思っています。

M-8 ≪ Devil’ Ringtone: The Movie ≫ ( 悪魔の着信音 ) は、彼らの演奏をバックに電話での対話が展開するサントラ風の楽曲です。Mr W. ( 実はGeorge W. Bushを暗喩している )の代理人と名乗る Rome Phillips が、悪魔社のMr. Devlin ( 悪魔を暗喩している ) に電話をかけるところから話は始まります。

Mr.W ( Bush ) は現在苦境に立たされており、なんとかMr. Devlin のもつ悪魔的知恵、手法で助けてはくれないかと懇願する。しかしMr. Devlin ( 悪魔 )は、今までに十分な援助協力をしてやったはずだから、もう私のすべきことはない、と協力を拒否し、最後に 『 電話を切らずにこれを聴いてみたらどうだ 』、と言い放ち会話が終わる。そのあとに地獄からの叫び声(おそらくイラク戦争などで命を落とした人々の叫び声を表しているのだろう )が不気味に続き、演奏もそれに呼応するかのように激しさを増し、最後にMr. Devlinの笑い声で終わる。というブッシュ政権を痛烈に皮肉った風刺的会話なのですが、この曲は好き嫌いがはっきり分かれるでしょう。あまり音楽に社会批判や政治批判を持ち込むのは好きではないけど、僕は単純にこの会話の持つ英語独特のリズムが気に入ったので、個人的にはアリかなって思ってます。

それにしても、03年にグラミーを受賞した有名なカントリーのグループ、Dixie Chicks のリード・ボーカルの人が『 ブッシュ大統領がテキサス出身だなんて、恥ずかしく思う 』と言ったとかで大騒ぎになり、以来、ミュージシャンや芸能人がブッシュ政権を面と向かって批判することはタブーとされているだけに、こんな曲入れちゃって大丈夫なのかな?ってちょっと心配だけど、まあ、もうブッシュも過去の人になったわけだからイイのでしょうね。

M-9 ≪ M’buzai ≫ はワッツの短いドラムソロ。

ボーナス・トラックの M-10 ≪ Devil’ Ringtone ≫ は、M-8 ≪ Devil’ Ringtone: The Movie ≫ のインスト・ヴァージョンで、こちらがあるので何とか救われます。

ワッツのドラムって、一聴するとただ単にデタラメに叩きまくっているだけのように聞こえますが、実は野獣的凶暴性のそのうらに、ビートを極限までに細分化し、それをポリリズミックに再構築し提示していく繊細で知的な作業が見え隠れするので、やっぱり凄いもんだなぁ~といつも感心させられます。

本作は、可能な限り大音量で聴けば、相当のトリップ感を体感できると思います。エッジの効いたカッコイイNY ジャズが聴きたければ、絶対お勧めです。ちなみに Down Beat 誌 では堂々の四つ星を獲得していました。

Jeff “Tain” Watts  /  Watts  星1つ星1つ星1つ星1つ星半分



≪ Katrina James ≫

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Comment


Re: Jeff “Tain” Watts / Watts

crissさん,こんばんは。このアルバムは1曲目からして最高ですよね。

私もグルーミーな朝の通勤時間等にこれを聞くと浮世の憂さも忘れます。

ということでTBさせて頂きます。

中年音楽狂 |  2009/04/14 (火) 21:28 [ 編集 ] No.271


Re: Jeff “Tain” Watts / Watts

 crissさん、マイペースでいろんな情報伝えて下さいね。
今後も楽しみにしています。

ひまわり |  2009/04/14 (火) 23:46 No.272


Re: Jeff “Tain” Watts / Watts

ヴァンガードで、マルサリスとブランチャードを間違えた話は、とっても良くわかりますよ。

マルサリスがやらなかった足跡をブランチャードがたどっているような気さえします。
ほんと、ブランチャードってうまくなったものです。プロでも成長する人はするんですね。

ブランフォードの最新作もすごくよかったし、
僕もカルデラッツォのファンだから繰り返し
聞いているんですが、どちらかというと
このワッツの方がスピード感、重量感があり、好きですね。

ということで、こちらからもTBさせていただきます。

criss to 中年音楽狂さん |  2009/04/15 (水) 21:49 No.277


Re: Jeff “Tain” Watts / Watts

このたびはご心配おかえして申し訳ない。

僕が生死の淵を彷徨っている間に、

というのは嘘ですが、すずっくさんのところへ
お邪魔しているようで、なによりです。

これからも末長く、どうかよろしく。

criss to ひまわりさん |  2009/04/15 (水) 21:57 No.278


Re: Jeff “Tain” Watts / Watts

 本当に、帰ってきて下さり、うれしいです。
今度は、crissさんのブログを楽しみにしている多くのファンを悲しませないで下さいね。
本当に、悲しかったですから、、、、。

 どうお伝えしよう?
いろいろ考えましたよ。
復活して下さることを信じていました。

 ありがとう!! 

ひまわり |  2009/04/15 (水) 22:12 No.279


Re: Jeff “Tain” Watts / Watts

crissさん、こんにちは。
昨夜のうちにコメントしたのですが、送信ボタンを押してもホワイトアウト(真っ白い画面になる)するばかりで、結局は何度トライしても入りませんでした。(TBは一発で入るのですが)
もしかして承認制になっているのかなとも思ったのですが、そうではないようなのでgooブログと相性が悪くなってしまったということなんでしょうね。

crissさんの本作記事は相当気合が入ってますね。
本作がどれだけ凄かったのか、その興奮ぶりがバンバン伝わってきますよ。
私も8曲目さえなければ文句なしの5つ星作品だったのですが、今こうしてcrissさんの記事を読んで8曲目でしゃべっていることの内容が初めて理解できたとしても、やはりアルバムの最高にカッコいい流れがこの曲でブチ切れてしまっているので、この曲だけは必要なかったなあという気がしてます。

ということでダイアナ・クラールも合わせてTBさせていただきました。

(今度はちゃんと「コメント投稿確認」画面が現れましたです)

nary |  2009/04/16 (木) 09:44 No.281


Re: Jeff “Tain” Watts / Watts

ありがたいです。
でも、継続して何かを書き続けるという行為は
想像以上に大変なことです。

ブログを初めて、つくづくそう思います。

その日にあったことを適当につづっていくようなブログならいいのですが、僕も場合、音楽を言葉に
置き換えるブログなので、これがなかなか大変なのです。いや~、やっぱりプロのライターさんはすごいです。こんな作業を仕事にしちゃうんですから。

そんなわけで、いつかはこのブログも終わりますが、それが一年後か、あるいは明日なのかはわかりませんが、それまではどうかよろしくお願いいたします。

最近、ひまわりさんのためになるネタがなくて、すみません。

では、また。

criss to ひまわりさん |  2009/04/18 (土) 05:31 No.282


Re: Jeff “Tain” Watts / Watts

15日の夜は、僕のほうからもnaryさんにアクセスできなくて結局、TBはあきらめてしまいました。
16日の朝には何事もなくTBできたのですが、
おそらく、FC2のサーバーの問題だったのではないでしょうか。

ということで、こちらからもダイアナ・クラールのTBさせていただきます。

criss to nary |  2009/04/18 (土) 05:38 No.284


Re: Jeff “Tain” Watts / Watts

8曲目って実は結構好きなんですが、言葉の意味がわからないからってのが大きいのが良く判りました。
かなり、辛辣な内容だったのですね..

TBさせていただきます。

oza。 |  2009/06/07 (日) 09:29 No.425


Re: Jeff “Tain” Watts / Watts

>8曲目って実は結構好きなんですが、言葉の意味がわからないからってのが大きいのが良く判りました。

僕も細部の英語はわかりませんが、だいたいこんな感じの内容だと思います。少しでもお役に立てて光栄です。

こちらからもTBさせていただきます。

criss to oza |  2009/06/07 (日) 19:16 No.427

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