雨の日にはジャズを聴きながら90年代以降のジャズを気ままに綴っています。 旧ブログ 『 雨の日には JAZZ を聴きながら 』 からのデータ移行は終了しました。ジャズ以外にも、時々デジタル関連の物欲記事、最近ハマっているカメラの話題も少しアップしています。 

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Vincent Mascart / Circum

   ↑  2009/04/21 (火)  カテゴリー: tenor
vincent mascart

≪ Loose Shippings ≫


昼過ぎに渋谷に行く。ついでに久し振りに渋谷メアリージェーンに寄り、たらこパスタのランチをいただきながらウェザー・リポートの 『 Sweetnighter 』 を聴かせてもらう。『 Heavy Weather 』 や『 Black marcket 』 ではなく 『 Sweetnighter 』 をチョイスするあたりがいかにもメアリージェーンらしいなぁ、と思いつつ帰り際に玄関脇にディスプレイされてある新入荷CDを見たら、最近僕が頻繁に聴いているヴィンセント・マスカールの 『 Circum 』 があった。

ヴィンセント・マスカールはフランス人テナーサックス奏者。クロード・バルテレミーがOrchestre National de Jazz 音楽監督に就いていた2002年から2004年に同バンドのメンバーで活躍していたくらいだから、それなりに本国では認知されているミュージシャンなのだろう。ONJ の歴史の中でもバルテレミー期は大好きだけど、このヴィンセントという吹き手は全く知らなかった。

では何故買ったかというと、完全にピアノのジャン・クリストフ・ショレ ( Jean-Christophe Cholet ) 買いだ。昨年ショレが Cholet - Kanzig - Papaux Trio で出した『 Beyond The Circle 』 は素晴らしい作品で拙ブログの 『 2008年極私的愛聴盤 』 でも取り上げた作品だ。また、アルフィオ・オリリオやニコラ・フォルメルらの良質な作品をリリースしているフランスの新興レーベル、Cristal Records からの作品である点も購買欲をそそられた。

彼についてGoogle 検索しても英文の記事は全くヒットせず、わずかに検索しえた情報もフランス語でお手上げ。年齢はもちろん、出生地、活動歴など、すべて分からず状態。

本作は、その編成が変則的なので購入には勇気がいる。ヴィンセント・マーカスのサックス、ジェフロア・タミシエのトランペット、ジャン・クリストフ・ショレのピアノまでは良い。問題はドラムスの代わりにタンバリン奏者のカルロ・リッツォ、ベースの代わりにチューバ奏者のジョナサン・サースが参加している点だ。しかも時折、不気味で妖艶なベニャ・アチアリのヴォイスが加わり、なんとも表現できない怪しい音空間を作り出している。

ヴォイスのベニャ・アチアリはスペインのバス口地方の民謡歌手であるが、ヴォイス・インプロヴァイザーとして世界的に有名 ( らしい )。フランス語で朗読している曲もあるが、やはりフランス語のリズム、抑揚はジャズのグルーヴとは相容れないものがあると思う。

ジョナサン・サースは1961年ニューヨーク生まれの黒人で、世界的にも有名な金管アンサンブル集団 “ Art of Brass Vienna ” のメンバーでもある。

そして瞠目すべきはタンバリンを操るイタリア人、カルロ・リッツォだ。「タンバリンでドラム・サウンドを作るミュージシャン」としてその界では有名らしい。これは凄い。タンバリンを幼稚園のお遊戯会やカラオケの盛り上げ役でしか見たことない方はぜひこの映像を見て、従来のタンバリンの概念を覆す驚異のテクニックに腰を抜かしていただきたい。

    

    

このタンバリンはスナッピーが付いていてピッチが変えられ、また鈴の音をミュートする機能もついているようだね。右手の高速連打はドリル奏法と呼ばれているらしいが、ちょうどヴィクター・ウッテンのスラップの動きに似ていないか。

内容的には、EGEA サウンドを彷彿とさせる地中海音楽的要素と、中近東や北アフリカあたりのエスニカルなルーツ・オリエンテッドな要素がいい塩梅にブレンドされた心地よいサウンドなのだが、前述したように、如何ともしがたいヴォイスがその心地よさを遮るのが残念だ。

時折見せる諧謔味を帯びたユーモラスで遊び心溢れるメロディはいかにもフランス的で思わず頬が緩む。まるで極彩色の万華鏡を覗いているかのような娯楽性に富む作品だが、やはりこの領域の作品は好き嫌いがあるので万人に薦められるわけではない。がしかし、時勢に迎合したありきたりのジャズでは満足できない、飽くなき未踏の音楽世界への探求心を持ったリスナーの心にはきっと響くサウンドだと思う。

Vincent Mascart  /  Circum   星1つ星1つ星1つ星半分
2008  Cristal Records  CR128

Vincent Mascart  ( ts )
Geoffroy Tamisier  ( tp )
Jean=Christophe Cholet  ( p )
Carlo Rizzo  ( tambourins )
Jon Sass  ( tuba )
Benat Achiary  ( voice )
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Re: Vincent Mascart / Circum

太字の文crissさん、こんにちは、monakaです。
面白いものを見つけ、ご紹介くださりましたね。タンバリンの裏にあの仕掛け、驚きました。
JAZZフェスで面白いのがこのような演奏で、びっくりするのがなんともたのしいですね。
Jean=Christophe Choletはそういえば私も楽しみましたが忘れていました。
すぐ忘れてしまうのは私だけでしょうね。

monaka |  2009/04/22 (水) 21:58 No.299


Re: Vincent Mascart / Circum

>Jean=Christophe Choletはそういえば私も楽しみましたが忘れていました。

僕は、まず買ってきたCDは、一回聴き終えたらすぐにCD棚にしまうのではなく、本棚の一角に新譜購入用のスペースを作っていて、そこに入れます。

すぐにCD棚に入れちゃうと、その作品を買ったのをわすれてしまうので。


それで、その新譜スペースから取り出しては何度か聴き、飽きると初めてCD棚に収めるのですが、
この「Beyond The Circle」は、いまだに新譜スペースに居座りつづける凄盤なんです。今でもよく聴くし、iPOD に入れて持ち運んでもいます。

なかなかこういう作品はありません。必ずしも五つ星の作品ではないけど、相性がよいのか、聴きやすいだけなのかわかりませんが、ずっとそばに置いておきたい作品です。

>すぐ忘れてしまうのは私だけでしょうね。

いやいや、僕も激しく忘れますよ。
この間は、とっさに妻の旧姓を忘れて、彼女に顰蹙を買いました。

ですので、最近は「evernote」というフリーソフトに、何かあったらすぐ書きとめて、あとで記憶を整理しながら生活しています。

ご存じかもしれませんが、多田雅範さんのHP「rovamimi returns」のトップページに

「あらゆることは記録されなければならない。さもなくば総てが失われる。」
というユダヤの古い諺が引用されているんですが、
なるほどな~と最近はつくづく思います。

criss to monaka |  2009/04/23 (木) 12:07 No.301


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 |  2009/04/23 (木) 20:24 No.302

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