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Joe Lovano Us Five / Folk Art

   ↑  2009/06/02 (火)  カテゴリー: tenor
Joe Lovano folk art

ジョー・ロヴァーノ ( Joe Lovano, Ohio, 1952~ ) のBlue Note からの最新作。ロヴァーノは1991年に Blue Note と契約して以来現在までに計21枚の作品を制作していきている。収益性を最も重んじる新生 Blue Note が20年近くも契約継続しているところをみると、少なくとも本国ではかなりのセールスを維持できているのでだろう。今やジャズ界の重鎮として君臨し、バークレー音楽院でも教鞭をとり、世界中で活躍している多くの若手ミュージシャンが彼から薫陶を受けたことを誇らしげに語っている。

しかし、こと日本国内に目を向けると、ロヴァーノの評価は高いとは言い難い。評価が高くないというよりもむしろ評価の対象になる機会自体が滅多にないと云ったほうが正しいかもしれない。長年に渡って日本人はさり気なくロヴァーノを無視してきた、といっても差支えない。

どうして日本ではアンダーレイテッドに扱われているのか、理由はわからない。そういう私もあまり好きなほうではない。ビバップから最近のコンテンポラリー系まですべてのスタイルを消化した独特のフレーズは確かに魅力的なのだが、常に垢抜けない臭みが付き纏っているように感じずにはいられない。ぼそぼそと曖昧な音列。字余りフレーズ。ピッチも微妙にはずしている。木製マウスピース特有の緩い音色。とぼけた調子っぱずれなオリジナル曲・・・。どこをとっても好きになる要素がない。

でも、本当はロヴァーノは凄い吹き手なはずだ。なにしろブルース・ランドヴァルが長年可愛がっているアーティストなんだし。日本でもコアなジャズファンの間では根強い人気があるわけだし。ロヴァーノを理解できないのは私の耳がそのレベルに達していないだけなんだと思ってきた。

そしてこの最新作。やはり何度聴いても心を揺さぶられることはなかった。やはりこのあたりが私のジャズに対する理解の限界なのだろうか。

メンバーはピアノにグレッグ・オスビーやスティーブ・コールマンらとの共演で知られるジェームス・ウェイドマン。ベースは歌う美人ベーシストとして最近人気のエスペランザ・スポルディング。そしてドラムスはオーティス・ブラウン III ( R ch ) と フランシスコ・メラ ( L ch ) の2人を擁した変則クインテット編成。

ジェームス・ウェイドマンはその昔はM BASE 系のピアニストとして煙たがられた人だが、90年代以降、けっこうスインギーなピアノ・トリオ作品などを制作していて、親しみやすくなった。個人的にはTBCに吹き込んだ 『People Music 』 ( 1996 ) などが大好きだ。エスペランザはベース・ラインだけ聴いているとごく普通なのだが、弾きながら歌うと俄然魅力が増してくる。なにしろベースラインと歌が良い意味で全くリンクしていないのだ。何気に聴いていると大したことないが、実際にはかなりのテクニックが必要ではないか。しかし本作では歌ってないので彼女に魅力は半減している。

キューバ出身のドラマー、フランシスコ・メラは初見だが、オーティス・ブラウン III はバティスト・トロティニョンの 『 Share 』 で叩いていたので記憶されている方も多いと思う。二人が同時に競い合うような絡み方ではなく、お互い協調し合いながら叩いたり、交互に叩いたりしているあたりは、ジョシュア・レッドマンの最新作 『 Compass 』 でのグレゴリー・ハッチンソンとブライアン・ブレイドの関係にも似ている。

全9曲すべてロヴァーノのオリジナル。タイトル曲 M-2≪Folk Art ≫は10分に及ぶ大作だが、とぼけたテーマを聴くだけでドン引きしてしまった。誰かが盆踊りでも踊りだしそうな緩いビート。このあたりの作曲センスはおそらく私には一生理解できないんだろうなぁ。それに対してウェイドマンのピアノはモーダルに美しく漂い、心地よい。

M-7 ≪ Dibango ≫ ではソプラノ風の音がユニゾンで2本聴こえる。オーバーダブかと普通は考えるが、これはれっきとした一本の楽器。 Aulochrome と呼ばれるソプラノを2本並列にくっつけたような格好をしており、François Louis 氏によって2001年に制作されたものらしい。今のところ世界にこの一本しか存在しない貴重な代物だ。ユニゾンはもちろんこと、不思議なことにハーモニーまで出せてしまう珍楽器だ。



このデモの中では“ Double soprano, one keyboard down the center ” と紹介されている。

そんな訳で、自分のジャズに対する読解力の無さを露呈するようなのであまり大きな声では言えないが、いつものようになんとなく聴き終えてしまった印象の薄い作品だった。これならまだ WDR Big Band と共演した前作 『 Symphonica 』 の方が数倍楽しめた。

Joe Lovano Us Five / Folk Art  星1つ星1つ
2009  Blue Note  0946030915280207

Joe Lovano  ( ts, straight as, taragato, alto clarinet, aulochrome, gongs )
James Weidman  ( p )
Esperanza Spalding  ( b )
Otis Brown III  ( ds )
Francisco Mela  ( ds )
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Comment


Re: Joe Lovano Us Five / Folk Art

crissさん、ご紹介ありがとうございました。monakaです。
でもあまり面白くありませんね、奇をてらった楽器の宿命ですね。鳴らすことが目的でないものね。

monaka |  2009/06/02 (火) 21:21 No.414


Re: Joe Lovano Us Five / Folk Art

ロヴァーノって、これ以外にも変わった楽器吹くんですよね。そのあたりが日本人には馴染めない要因の一つかもしれません。

確かに、面白くないです。きっと見かけ以上に吹き切るのは難しいのでしょうが。

村上春樹の「1Q84」、今254ページです。
滅多に出ない長編なので、ゆっくり時間をかけて
楽しみたいと思います。

なんでも第一巻は売り切れ続発らしいですね。
こんなに売れちゃうと、また春樹はのんびり休暇をとっちゃいそうだな。

criss to monaka |  2009/06/02 (火) 21:48 No.415


Re: Joe Lovano Us Five / Folk Art

ジョー・ロヴァーノはジョンスコと同様に、独特なウネウネ感が生理的に受け付けないという人が多いような気がします。
私としてはマーク・ターナーよりもはるかに好きですけどね。
でもリーダー作に関しては当たり外れが多すぎて、さすがに全面的には共感できません。

本作は2人のドラマーがなかなかアグレッシブだったりして、けっこうポイントが高いです。

nary |  2009/06/02 (火) 23:55 No.416


Re: Joe Lovano Us Five / Folk Art

>ジョー・ロヴァーノはジョンスコと同様に、独特なウネウネ感が生理的に受け付けないという人が多いような気がします。

ウネウネ・フレーズは好きなんですけど、ロヴァーノのウネウネって、滑舌が悪くというか、モゴモゴして不明瞭なフレーズが多い気がするんですよね。でも、昔に比べたら自分の耳もこういうフレーズに慣れてきたせいか、聴きやすくなりました。前作のWDRとの共演盤はけっこう好きでよく聴いています。今日朝はストリックランドの新作を聴きながら通勤しましたが、やや単調ながら、僕としてはストリックランドのようなメタル系ですっきりした音色が好みです。

criss to nary |  2009/06/03 (水) 08:37 No.417


Re: Joe Lovano Us Five / Folk Art

こんにちは。
crissさんのご意見、よーく分ります。実は僕も何年か前同じ様な要旨の文章を書いたことがあって(当然crissさんの文章の方が詳細で論理的なのですが)、思わずニヤニヤしながら読んでしまいました。

TBさせて頂きますね。
宜しくお願い致します。

なおき |  2009/06/03 (水) 12:43 No.418


Re: Joe Lovano Us Five / Folk Art

なおきさん、こんばんわ。

すでに3年前に同じようなロヴァーノ観を書かれていたのですね。

全般的にロヴァーノ嫌いですが、でも、このビレッジバンガードのライブはなかなか良いですよね。ロヴァーノ嫌いな人がいたら、まずはこれを薦めましょう。きっとロヴァーノ好きになるはずです。あとは本人次第でしょう。

僕はこのライブ盤で好きになったけど、そのあとが続かず、徐々に嫌いになっていった口です。

ということで、こちらからもTBさせていただきます。

criss to なおき |  2009/06/03 (水) 21:41 No.419


Re: Joe Lovano Us Five / Folk Art

crissさんはじめまして
以前より楽しみに拝見させていただいておりましたが、
コメントさせていただくのは今回が初めてです。

ジョー・ロバーノの記事

そうそう、そうなんですよね~

と思いながら読ませていただきました。
私も何度となく
ジョー・ロヴァーノは凄いはず・・
とチャレンジして聴いてみましたが
現在までなかなか好きにはなれずにおります。
(上記ビレッジバンガードのライブは未聴
 ですので是非今度聴いてみます。)

PS.
SIGMA DP2
コンデジとは思えない画質に驚き
かなり興味があるのですが
(私もカメラに関しては全くド素人なので)
使いこなすのが難しそうですね。


otto |  2009/06/04 (木) 23:33 [ 編集 ] No.421


Re: Joe Lovano Us Five / Folk Art

otto さん、はじめまして。
ペンネームから推測するに、サックスを吹かれるのでしょうか。

まあ、無理して理解しよとしたり、理解できたふりするのはくだらないですから、自然に理解できるのを待ちましょう。こればかりは教わるものではないので。

ロヴァーノの作品って、当たり外れが激しくて、その中ではヴィレッジ・バンガードのライブはあたりの部類に入るんじゃないかと思いますよ。

SIGMA DP2 は画質を最優先して、そのかわりその他全てを犠牲にしたような使い勝手の悪いカメラで、慣れるまでにはまだまだ修行をしなきゃなりません。でも、これを使いこなせなければSLR カメラの使えないでしょうから、がんばって勉強してみます。

今後ともよろしくお願いいたします、ね。

criss to otto |  2009/06/06 (土) 18:45 No.424

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Joe Lovano(Ts,Straight As,Alto-Cl,Aulochrome,Gongs) James Weidman(P) Esperanza Spalding(B) Otis Brown ?(Ds,Ankle Bells,Opera Gongs) Francisco Mela(Ds,Pandero,Dumbek,Ethiopian Drums,Ankle Bells) Rec. November 18-19,2008,NY (Blue Note 3915282) ジョー・

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