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Orchestre National de Jazz Daniel Yvinec / Around Robert Wyatt

   ↑  2009/06/09 (火)  カテゴリー: large ensemble
Orchestre National de Jazz robert wyatt



フランスのジャズ・ビッグバンド、 Orchestre National de Jazz ( ONJ , オルケストル・ナシオナル・ドゥ・ジャズ、1986~ ) は、一定期間ごとにミュージック・ディレクターを交代させ、任期中は音楽的方向性からメンバーの調達まで一切をディレクターに任せ、政府は≪金は出すが口は出さない≫方針を貫いている世界的にみても非常に珍しい国営のビッグバンドだ。

現在までにアントワン・エルヴェ、ローラン・キュニー、クロード・バルテレミー、フランク・トルティラーら、計9人がディレクターの座に就いているが、同じONJのサウンドでももちろんディレクターによって全く異なるジャズが作られるわけで、そこがこのバンドの最大の魅力となっている。しかもビッグバンド・ジャズとは云っても、コンベンショナルなありきたりのサウンドではなく、むしろコンテンポラリーで時にアヴァンギャルドな、決して頭の固いお役人には理解されないであろう尖がったジャズを作り続けていくあたりは、流石、芸術先進国として名を馳せるフランスだけのことはある。

そんな ONJ の最新作が発売になった。ヴィブラフォン奏者のフランク・トルティラーに代わって昨年3月からベーシストのダニエル・イヴィネック ( Daniel Yvinec ) が常任ディレクターに就いているが、本作は新生 ONJ が始動してから初となる作品である。

で、今回のテーマはロバート・ワイアット ( Robert Wyatt , Bristol , 1945~ ) へのトリビュートということで、ワイアット自身もヴォーカルで全面参加の意欲作である。前任のフランク・トルティラー ( Frank Tortoller ) もONJ を率いた最初の作品がレッド・ツエッペリン曲集だったので、なんとなくロック・レジェンドのトリビュートが今後もシリーズ化しそうな予感がする。

ロバート・ワイアットと云えばソフト・マシーンの創設者で初代ドラマーとして有名だが、個人的にはソフト・マシーンのドラマーは Nucleus を脱退して加入してきたジョン・マーシャル ( John Marshall ) のイメージが強いので、ほとんどワイアットが生でドラムを叩いていた頃のサウンドを覚えていない。それでも全編インストで通した71年の 『 Fourth 』 でのドラミングはなかなか良かったように記憶しているが。

ワイアットは73年に不慮の事故で下半身不随となり、ドラマー生命を断たれたが、74年に『 Rock Bottom 』 でボーカリストとして再帰し、以後、精力的にソロ作品を制作しており、世間的にはドラマーとしてよりはボーカリストとしての評価が高いように思われる。僕も82年にエルビス・コステロが詩を書いてワイアットに送った ≪ Shipbuilding ≫ などは当時、毎日のように聴いていた曲だったし、95年制作ジョン・グリーブス ( John Greaves ) の『 Songs 』 にワイアットが参加したのもよく聴いたものだ。

閑話休題。本作は限定ボーナスCD付きの2枚組で、全15曲。ワイアットの他にも5人の歌手が参加していてすべてボーカル物である。ビッグバンドとは云ってもテンテットだ。トロンボーンなし、トランペット1本、サックク(クラリネット)
3本、ギターあり、と変則的な編成である。ディレクターのダニエル・イヴィネックは本来ベーシストだが、ONJ では自身は演奏していないようだ。

演奏曲をざっと眺めるとワイアットのソロ作品からの曲もあれば、前述したジョン・グリーブスとの共作もあり、また、ソフト・マシーン脱退 ( て云うか、クビか ) したあとに結成したマッチング・モールでのレパートリーなど、すべてなんらかの形でワイアットが関係した楽曲で構成されている。3分の2は知らない曲だがどの曲もワイアットらしさは滲み出てくるものばかりである。ある意味で本作はワイアットの作品と言っても過言ではない。ONJ は完全にボーカルを引き立てるためのアンサンブル集団と化していて、ビッグバンドの醍醐味は皆無だ。まあ、そのあたりを弁えたうえで聴けばこの作品は素晴らしい作品であることが実感できるはずだ。ワイアットの持つ英国的な陰影や情感を保ちつつ、フランス独自の不思議な世界観を提示することに成功している。

サウンドとヴォーカルのアンサンブルが醸し出す音の陰影感も見事だったが、個人的には、どこか孤独を匂わせる深みのあるワイアットの歌声に久しぶりに感動した。

フランス発の podcast 「 abeille musique.com 」 のこちらで試聴できます。

P.S. 上のジャケットに日本語で「フランス国立ジャズ・オーケストラ~」 って、書いてあるでしょ。これシュリンクに貼られたシールではないんですよ。スリーブ・ジャケットにちゃんと印刷されてるんです。日本輸出向けの専用ジャケなのかとも思ったのですが、フランスのサイトをいくつか見てもみんなこの日本語入りのジャケが掲載されているんです。不思議ですね。

Orchestre National de Jazz  / Around Robert Wyatt    星1つ星1つ星1つ
2009  BEE JAZZ  BEE030

EVE RISSER ( p,etc. )
VINCENT LAFONT ( key,electronics )
ANTONIN-TRI HOANG ( as,cl,p )
MATTHIEU METZGER ( sax,electronics,etc. )
JOCE MIENNIEL ( fl,electronics )
REMI DUMOULIN ( sax,cl )
GUILLAUME PONCELET ( tp,p,synth,electronics )
PIERRE PERCHAUD ( g,banjo )
SYLVAIN DANIEL ( b,etc .)
YOANN SERRA ( ds )
DANIEL YYVINEC ( artistic direction )
VINCENT ARTAUD  ( arr. )
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Comment


Re: Orchestre National de Jazz Daniel Yvinec / Around Robert Wyatt

こんばんわ

ソフトマシーンは以前から大好きなバンドで
ロバートワイアットのドラミングは
けして上手くないものの個性的な凄みがあって好んでよく聴いていました
ジョングリーブスの『Songs』にも参加していたのですね 知らなかった...
ジョングリーブスといえばヘンリーカウでの
活躍を思い出します
僕も非常に好きなアーティストです

ONJというのは僕は恥ずかしながら
初めて耳にしました
(勉強不足でもうしわけないです...)
この機会に購入しようかと想います。
では また。

えゔぁんす |  2009/06/12 (金) 00:38 [ 編集 ] No.436


Re: Orchestre National de Jazz Daniel Yvinec / Around Robert Wyatt

>ジョングリーブスといえばヘンリーカウでの
活躍を思い出します
僕も非常に好きなアーティストです 。

ひぇ~~。
ヘンリーカウをご存じとは、かなりプログレ聴き込んでいらっしゃるようで。

いまどきヘンリーカウを知っている人などいませんよ。僕はファーストの「legend 」が好きでしたね。
「unrest」も良いけどファーストに思い入れがあります。キングクリムゾンのフリージャズ化みたいな世界がありましたよね。あまりキャッチーなメロディーが出てこないので人気はなかったけど、なかなかしっかりした演奏力がありましたね。

このころのカンタベリー系のミュージシャン同士の交流って多くて、 fed frith もwyatt の「bottom rock」だったかに参加していたし、いろいろ入り乱れて作品作ってましたね。

帰宅したら久し振りに引っ張り出して聴いてみよっと。

criss to えゔぁんすさん |  2009/06/12 (金) 19:48 No.438


Re: Orchestre National de Jazz Daniel Yvinec / Around Robert Wyatt

>あまりキャッチーなメロディーが出てこないので人気はなかったけど、なかなかしっかりした演奏力がありましたね。

まったくその通りですね。
彼ら独自のスイング感が当時とても鮮烈な印象でした
Crissさんは『legend』の方が好きでしたか
僕は、より室内楽的な『unrest』の方を好んで聴いていましたがどちらも甲乙つけがたい出来映えでしたよね
僕も久しぶりに聴いてみよー

 |  2009/06/13 (土) 19:40 [ 編集 ] No.442

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