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Danny Grissett / Form

   ↑  2009/06/14 (日)  カテゴリー: piano

danny grissett form 



2006年に FSNT から 『 Promise 』 で鮮烈なデビューを果たした ダニー・グリセット ( Danny Grissett , Los Angeles ) の通算3作目となる作品。 前2作はピアノ・トリオ作品であったが、今回は3管フロント・ラインのセクステット編成による作品だ。個人的にはもっとピアノトリオでの演奏を聴きたかったが、やはりプロデュースする側からするとピアノ・トリオばかり連続で3作品はきっとまずいと判断したのだろう。

メンバーは、ヴィセンテ・アーチャー( Vicente Archer , NY ) ケンドリック・スコット ( Kendrick Scott , Texas , 1980 ~ ) によるレギュラー・トリオに加え、シーマス・ブレイク ( Seamus Blake , England ) 、スティーヴ・デイヴィス ( Steve Davis , Worcester,1967~ ), アンブローズ・アーキンムシーレイ ( Ambrose Akinmusire , Oakland, 1982~ ) の3管フロントを擁したセクステット編成。何と云ってもシーマスが参加しているのが最大の魅力だろう。思い込みかもしれないが、シーマスの参加している作品に駄作なし、みたいな印象がある。それから、クリスチャン・スコットと並び今最も注目されている新人トランペッター、アンブローズ・アーキンムシーレイ ( 前項あり ) の参加も大きな魅力となっている。彼は2007年10月に開かれれた「 第20回セロニアス・モンク・ジャズ・トランペット・コンペティション 」で優勝した経歴を持つ逸材である。

主役のダニー・グリセットはおそらくこの2,3年間に脚光を浴びた NY のピアニストの中ではダントツに巧いピアニストだと思う。繊細で凛とした佇まいを見せる現代的なスタイルであり、ハンコックの流れを汲むモーダルな楽曲も、欧州圏の叙情派ピアニストを連想させるコーダルな楽曲も両方とも巧い。そして黒人でありながらほとんど黒人臭さを感じさせない。顔のパーツを構成するすべての稜線が美しい孤を描き、そのことが見る者に知的で繊細な印象を与える。

日本にもたびたび訪れており、古くは2005年11月にニコラス・ペイトンのサポート・メンバーとして来日している。2007年12月のアトリエ澤野コンサートで北川潔トリオで来日した際は私も観たが北川氏がリーダーだったためかやや地味に印象を受けた。昨年9月には丸の内Cotton Club にトム・ハレル・クインテットのメンバーとして登場。今年3月にはヴィセント・アーチャー、マーカス・ギルモアとのトリオ、Brooklyn Queens Expressway Trio で来日し、 Pit Inn や Body & Soul でライブを行っている。

全7曲でオリジナル曲が4曲。3管フロントラインのセクステットでの演奏は2曲だけで、それ以外はトロンボーンとピアノのデュオからピアノトリオ~1管 ( テナー ) ~ 2管 ( テナー&トランペット ) と、曲ごとに編成を変えている。

1曲目は彼の原点ともいうべきハービー・ハンコックの ≪King Cobra ≫ で幕を開ける。この曲はハンコックの63年の 『 My Point of View 』 に収められていた曲だが、カヴァと云っても原曲のクールな妙味を損なうことなく、新たな表情を加え新生させることに成功している。ライナーノーツによると、グリセットはこの曲を10年以上前に編曲し終えていたが今まで演奏の機会がなかったとのことだ。他のグリセットのオリジナルに見事に溶け込んでいて、何気に聴いていると彼のオリジナルではないかと錯覚してしまうほど違和感がない。

グリセットは圧倒的なテクニックを有しながらもそれを顕示、誇示することはなく、管陣営に十分なソロ・スペースを与え、トータル・サウンドに配慮した役割を演じている。そのため、やや彼自身の属性が曖昧になっている印象を受けないでもないが、それでも要所で顔を出す鋭角的なソロは十分刺激的だ。

新人トランペッターのアンブローズ・アーキンムシーレイは自身のリーダー作のなかでは、現在のアメリカが抱える格差貧困問題やアフリカの人種民族問題などに対する社会的メッセージを強く打ち出した重々しくダークな音世界を作り上げ、演奏力はずば抜けて優れているのに、あえてスキルを全面に出さずに、アーティスティックでコンセプチュアルな作品で勝負していた。それはそれで立派だと思うのだが、何と云うか、喩は悪いが “ カッコつけた” 作品だった。でもこのグリセットの作品ではそんな勿体ぶったいやらしさは微塵もなく、若々しく元気のある素晴らしいソロを聴かせてくれた。やっぱりこいつは巧い。そう実感した。

ケンドリック・スコットも益々巧くなっている。先輩のエリック・ハーランドを凌駕する存在感が出てきた。こりゃ、売れるわけだ。もちろんシーマスやスティーブ・デイヴィスの安定した演奏力も健在で、全体として≪非常に巧い集団による隙のない演奏 ≫ という印象を受ける秀作だと思う。

Danny Grissett  /  Form    星1つ星1つ星1つ星1つ
2009  Criss Cross 1315

Danny Grissett  ( p )
Ambrose Akinmusire  ( tp )
Steve Davis  ( tb )
Seamus Blake  ( ts )
Vicente Archer  ( b )
Kendrick Scott  ( ds )

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2009/06/14 | Comment (6) | Trackback (3) | HOME | ↑ ページ先頭へ ↑ |

Comment


Re: Danny Grissett / Form

こちらからもTBさせていただきます。

グリセットのホーン入り作品はこれが初めてだったのですが、やはり才能のある人は何をやっても素晴らしいですね。
3管(2管)アンサンブルは伝統的なものを踏まえていながらも現代的な味付けになっていたりして、さすがだなと思いました。
ただホーン奏者が活躍している分、グリセットの出番が少なかったので(その分美味しさがギュッと濃縮されてはいますが)、じっくりとピアノを楽しむのにはやっぱりピアノトリオか、人数が多くてもワンホーン・カルテットぐらいまででしょうね。
でも本作はなかなか良かったです。

nary |  2009/06/14 (日) 23:20 No.445


Re: Danny Grissett / Form

3管編成というと、現代ハードバップのサウンドを連想してしまうのですが、ここではその枠とは違った表現で3管を使っているのがいいですね。もっとも3管揃う曲は多くはないのですが。でもあの独特なアレンジが、ついその印象を強くしています。モーダルな曲調といい、アルバム全体でうまくサウンドを表現していると思います。

TBさせていただきます。

910 |  2009/06/14 (日) 23:23 No.446


Re: Danny Grissett / Form

内容とは関係ないけど、最近僕もnaryさんみたいにCDはHMVなどでできるだけ買うようになりました。

東京にいると仕事帰りにちょっとDUに寄って2,3枚買っちゃうなんてことがしょっちゅうだったのですが、今まであまり縁のなかったHMVのサイトを見ると、かなり安いんですよね。今まであまり意識してなくて。

このCRISS CROSS なんか、DUだと2800円もするけど、HMVならマルチバイで1780円ですもんね。1000円も違うんですよ。なにこれ!? ってなことを最近知りました。

もうこれからは全部HMVで買おうか、とも思ってるくらいです。

ということで、先ほど、スティーブ・キューン+ジョー・ロヴァーノや、デヴィッド・ヘイゼルタイン+ジョー・ロックなどを注文したところです。いや~、安いですね。びっくり。

criss to nary |  2009/06/14 (日) 23:36 No.447


Re: Danny Grissett / Form

910さん、こんばんわ。
お忙しいところ、すぐにTB返していただいて、ありがとうございます。

グリセットのような管のアレンジ力にこれから一流と言われるためには必須条件なんですね。単にピアノが上手いだけじゃダメ! ということでしょうね。

criss to 910 |  2009/06/14 (日) 23:42 No.448


ダニグリ

コットンクラブで聴きました。
とても巧かったです。
キュッとしまったお顔が印象的でした。。

でね、ピットインライブに行きたかったのですけどね。
このアルバム未到着。
組み合わせにしっぱしたかな。。
一緒に来るアルバムのことを考えると。。
聴くのは。。秋かも。(笑)

追伸 お手数おかけいたしましたが。。トラバ駄目ですね。

すずっく |  2009/06/16 (火) 09:16 [ 編集 ] No.449


Re: Danny Grissett / Form

そうでしたか、それは知りませんでした。
コットンクラブって、バブリーでしょ。
ちょっと僕は馴染めませんが。
スキンヘッドの黒服のおじさんいませんでした?
迫力のなる、ただもんじゃなさそうなオーラを
発している人。結構好きです。

TBだめでしたか。
めげずにもう一度トライしてみました。
今度はライブのエントリーも一緒に。
どうでしょうか。

criss to suzuck |  2009/06/16 (火) 21:43 No.450

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