雨の日にはジャズを聴きながら90年代以降のジャズを気ままに綴っています。 旧ブログ 『 雨の日には JAZZ を聴きながら 』 からのデータ移行は終了しました。ジャズ以外にも、時々デジタル関連の物欲記事、最近ハマっているカメラの話題も少しアップしています。 

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Gerald Clayton / Two-Shade

   ↑  2009/07/28 (火)  カテゴリー: piano
gerald clayton2

ジェラルド・クレイトンの満を持してのデビュー作。すでに彼はロイ・ハーグローブのバンドをはじめ、ダイアナ・クラール、ロベルタ・ガンバリーニ、メリッサ・モーガンらの歌伴、さらにはケンドリック・スコットの作品などでの活動歴があり、そのキャリアはベテランの域に達している。その意味では今までリーダー作がなかったのが不思議なくらいだ。

ジェラルド・クレイトン、1984年、オランダはユトレヒト生まれ。父親はベーシスト兼作曲家のジョン・クレイトン、叔父はアルト・サックス奏者のジェフ・クレイトンという正真正銘のジャズ界のサラブレットだ。

幼いころにカリフォルニアに渡り、ジャズ・ピアノにおいてはシェリー・バーグやケニー・バロンらの薫陶を受けた。さらに、多くの著名なミュージシャンを輩出している西海岸屈指の音楽学校、南カリフォルニア大学附属ソーントン音楽学校に入学し、ビリー・チャイルズにも師事した。2006年に同校を卒業後すぐにNYに移住。そこでロイ・ハーグローブのサポートメンバーに抜擢された。その一方で同年のセロニアス・モンク・ジャズ・ピアノ・コンペティションでは準優勝を収めたことで一躍脚光を浴びるようになった。

本作を制作したのは artistShare。同レーベル はアルバム制作資金を一般のファンから出資してもらい、CDの販売は通販とダウンロードだけという新しいビジネスモデルで躍進を続けている2001年に設立された新興レーベルだ。

ファンによる出資の仕組みは拙ブログでもジョン・ゴードンの紹介の時に書いているので興味のある方はこちら ( Jon Gordon 1, 2, 3 ) をご覧いただきたい。投資者( Participants ) はその投資金額によりゴールド、シルバー、ブロンズの三段階のスポンサーシップが用意されていて、出資者の名前がアルバムジャケットに記載されるという名誉が与えられる。

がしかし、本作の裏ジャケには ブロンズ・コースの出資者の名前は12人ほど記載されているものの、ゴールドやシルバーのコースの出資者の記載はない。これはどういうことだろうか。まさかゴールドやシルバーに出資するファンがいなかったわけであるまい。さらに裏ジャケで目を引いたのは Emarcy のロゴマークが記されていることだ。どうも他の独立系レーベル同様に、メジャーレコード会社とディストリビューション( 販売代行 ) 契約を結び、通販と並行して小売販売を委託したようだ。リスナーにとってはCDを今までよりも安く容易に手に入れやすくなったわけで喜ばしいことではあるが、レコード業界最大の規模を持つ Universal Music の資本が artistShare に介入することで、artistShare のミュージシャン主導の自由な制作活動に悪影響を与えなければよいのだが。

閑話休題。本作はベースにジョー・サンダース、ドラムにジャズティン・ブラウンを擁したピアノ・トリオ編成。ジョー・サンダースはシモーナ・プレマッツィ ( Simona Premazzi ) の 『 Looking For An Exit 』 ( 前項あり ) で聴いたのが最初だったと思う。その後も時々クレジットを目にするようになったが、直近ではクリスチャン・スコットの 『 Live at Newport 』 での演奏が記憶に新しい。また、クリスチャン・スコットがプロデュースしたメリッサ・モーガンの 『 Until I Met You 』にはジェラルド・クレイトンやジョー・サンダースが参加していて、このあたりの人脈は現代NY のコンテンポラリー系ジャズの一翼を担う勢力になりうるであろう。ジャスティン・ブラウンは初めて聞く名前だが、ネット上にもほとんど情報がない。探せた範囲ではヨスバニー・テリー、ジェイソン・リンドナーそれからケニー・ギャレットとの映像があった。こちらに彼の略歴が載っている。年齢は不詳だがカリフォルニア生まれでジュリアード音楽院出身らしい。

ジェラルドのオリジナル10曲と ≪Con Alma ≫ 、≪ All of You ≫で全12曲を収録。

The main theme throughout the Two Shade project will be Balance. A balance between the old and the new ~. ~The tune selection will be a balance of old material and newer material.

artistShare のサイトでジェラルドが語っているように、本作に収められた楽曲はハンク・ジョーンズやオスカー・ピーターソンらのクラシカルなスタイルでスインギーに歌いまくる楽曲と、アーロン・パークスらと共通する指向性を持ったポスト・バップ的なバンド・サウンドを全面に出した音作りの楽曲がバランスよく配列されている。さらには M-9 ≪ Sunny Day Go ≫のうような欧州抒情派ピアニストかと勘違いしそうな甘く儚い美旋律も奏でる多芸ぶりである。これが本当にデビュー作なのかと疑いたくなるような試合巧者の堂々たる演奏で、完全に圧倒された。

ベースのジョー・サンダースは特に個性的なスタイルではないが、弦を引っ掻く力が強く、また弦高もそれなりにあるのであろう、アタック感が鋭く、立ち上がりと減衰が鋭角的で音色的にも好ましい印象を受ける。肉体よりは精神に帰依するベーシストが多い現代において、両者のバランスが非常によいベーシストと云ってよいであろう。

ドラムのジャスティン・ブラウンは、ケンドリック・スコッットやエリック・ハーランドを彷彿とさせるコンテンポラリー度の高いドラマーだが、先人たちに比べてやや音列が平面的な印象を受ける。そのあたりが気になりだすとムショウに耳につくが、でも、なかなかカッコいい独創的なフィルインをバシバシ決めくれるので気に入った。

兎に角、本作は都会的で洗練されたサウンドが全編に横溢した素晴らしい出来だ。変に奇をてらったギミックなどもなく好感も持てる。根拠のない世界新記録を狙うのではなく、根拠のなる自己新記録を積み重ねることでファンを増やしていって欲しいものだ。

Gerald Clayton / Two-Shade   ( amazon )  星1つ星1つ星1つ星1つ
2009  artistShare

Gerald Clayton  ( p )
Joe Sanders  ( b )
Justin Brown  ( ds )
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2009/07/28 | Comment (2) | Trackback (1) | HOME | ↑ ページ先頭へ ↑ |

Comment


Re: Gerald Clayton / Two-Shade

 ビリーチャイルズに師事出来たなんて、幸運ですね。あの、ピアノの音色は美しかったです。
また、御自身の作品では、cdを聴く限りでは、別人のように激しかった。

 今日、行ったクラシックのコンサートで、以前離島に行っていた友人にも会えました。
彼女も、当時を鮮明に覚えていて、潮が引いた白い砂浜で、みんなで寝ていたら、何か音がする?
何かな?
と周りを見たら、あちこちからヤドカリが出てきて、子供のように感激した、あの光景は忘れられないわ、と言っていました。
一切聞こえる音は、ヤドカリが砂の上を歩く音だけでした。

 クリスさん、お身体お大事にして下さいね。
7月は大変でしたが、明日からは8月です!

ひまわり |  2009/07/31 (金) 22:53 No.541


Re: Gerald Clayton / Two-Shade

ひまわりさん、こんにちは。

腰はまだ多少痛むのですが、昨日は千葉の館山に海水浴にいけるぐらい元気になってきました。

僕も昨日は子供とヤドカリやカニなどをとって、浜辺に寝転がりながらヤドカリを突いて遊んでいました。ヤドカリを見ていると子供のころを思い出します。よく熱帯魚やさんで買って育てましたが、すぐ死んじゃうんですよね。

おかげで今日は全身筋肉痛と腰痛悪化で静かに家で「官僚たちの午後」の録画分を観ながら過ごしています。

>ビリーチャイルズに師事出来たなんて、幸運ですね。あの、ピアノの音色は美しかったです。

ビリー・チャイルズはたぶん大学の教官もしていると思いますよ。南カリフォルニア大学でも教鞭をとっているんじゃないでしょうかね。

criss to ひまわりさん |  2009/08/02 (日) 14:04 No.546

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