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Roy Hargrove Big Band / Emergence

   ↑  2009/08/01 (土)  カテゴリー: large ensemble

roy hargrove emergence



ロイ・ハーグローブの初のビッグバンド作品。

ハーグローブにとって自身のビッグバンドを持つことは長年の夢であったようだ。1995年に New York Jazz Festival 出演に際してビッグバンドを構成したことが契機となり、NYの南端にある非営利で運営されているライブスペース、 Jazz Gallery に演奏しながら、徐々にビッグバンドに対する構想を成熟させていった。2006年にはリハーサルバンドを組んでそのJazz Gallery を拠点に活動していた時期もあり、そのライブは All About Jazz の2006年度 Performance of The Year に選ばれている。ハーグローブが招聘したミュージシャンは彼が過去20年の演奏活動の中で出会った気心知れた若き仲間達だ。しかし、≪ Financially speaking, this is probably the worst thing i could ever do, ≫ と彼が言うように、現代においてこれだけの優秀なミュージシャンを一度に雇うことはハーグローブといえど決して簡単なことではなかったようだ。

メンバー構成は、Tp × 5、tb × 4、sax × 5、rythme × 4 にロバータ・ガンバリーニのヴォーカルを加えた総勢19人。私は2008年9月18日のBlue Note Tokyo での彼らの公演を観ているが (  ライブレポート前項あり ) 、トラペット・セクションのグレッグ・ギスバート( Greg Gisbert ) とアンブローズ・アーキンムシーレイ( Ambrose Akinmusire )が来日公演ではターニャ・ダービィ ( Tanya Darby ) と イグモア・トーマス ( Igmar Thomas )に交代していただけで、あとは全て同一メンバーだ。

クレジット・リストを眺めてみると、いずれも百戦錬磨の兵どもばかりで驚いてしまう。特にフランク・グリーン、グレッグ・ギスバート、ダレン・バレット、アンブローズ・アーキンムシーレイによる鉄壁のトランペット・セクションは最強だ。リード・トランペットのフランク・グリーンは Bob Mintzer Big Band や Gerald Wilson Big Band 、それから Village Vanguard Big Band などなど、様々なビッグバンドにハイノートヒッターとして参加してきたビッグバンド界の重要人物だ。アンブローズ・アーキンムシーレイ は2007年度のセロニアス・モンク・ジャズ・トランペット・コンペティションの優勝者であるし、ダレン・バレットも1997年度に優勝している名手だ。グレッグ・ギスバートは他の三人に比べてやや知名度は低いがそれでも熱心なCriss Cross ウォッチャーには名の知れた存在だと思う。

一方、サックス・セクションではハーグローブの片腕としてクインテットでも活躍しているジャスティン・ロビンソンや、World Saxphone Quartet での活躍で注目を集めるブルース・ウイリアムスなどの参加が目を引く。前述したフランク・グリーンやこのブルース・ウイリアムス、それからトロンボーンのジェイソン・ジャクソンなどは複数のビッグバンドを掛け持ちしている超売れっ子ミュージシャンだ。ブルース・ウイリアムスとジェイソン・ジャクソンは今年1月にチャールズ・トリヴァー・ビッグ・バンドのメンバーとしても来日している。

ピアノのジェラルド・・クレイトンは先日初リーダー作を発表したばかりの精鋭で、ベーシストのジョン・クレイトンの御子息であることは言うまでもない。 2006年に南カリフォルニア大学附属ソーントン音楽学校を卒業後すぐにハーグローブのバンド・メンバーに抜擢され、以後ずっとハーグローブと一緒に活動してきたが、DOWNBEAT MAGAZINE の6月号の記事によると、現在は既にハーグローブのバンドを脱退しているようである。

さて肝心の内容だが、これがもう小躍りしたくなるような楽しい作品だ。特に昨年の来日公演を観ているファンにとってはまさにあの時の熱いライブ体験が蘇ってくるだろうし、惜しくも観られなかったファンにもライブの追体験ができるような内容だ。演目もほぼ来日時と同様である。

全11曲でハーグローブやメンバーのオリジナルを中心に ≪My Funny Valentine ≫ や≪September in The Rain ≫ などのスタンダードを織り交ぜた色彩感溢れる構成。

M-3 ≪My Funny Valentine ≫ は、静寂感漂う抑えたバック・アンサンブルを背景に、柔らかに静かに情景を描いて行くようなハーグローブのフリューゲルホーンが実に美しい。このようなバラード・プレイもハーグローブの魅力の一つになっている。

M-6 ≪September in The Rain ≫ はハリー・ウォーレンの書いた傷心の歌 ( 太田裕美の曲じゃないよ ) 。91年制作の『 Public Eye 』 でも演奏していたハーグローブの愛唱歌。来日公演時も演奏していたが、ハーグローブはヴォーカルも披露していて、終盤ではメンバー達とのスキャットのコール・アンド・レスポンスで盛り上がるという構成も来日公演時と全く同じ。

デビュー・アルバム 『 Easy to Love 』 がいきなりグラミー賞にノミネートされて、ジャズ・ヴォーカル界の話題を総ざらいたイタリア出身のヴォーカリスト、ロバータ・ガンバリーが M-7 ≪Everytime We Say Goodbye ≫ と ≪La Puerta ≫ で歌っている。≪Everytime We Say Goodbye ≫ はリスナーに優しく寄り添うようなバラード。≪La Puerta ≫はメキシコの “ ロス・トレス・アセス ” というボレロ系のギター・トリオが歌ってヒットした哀愁感漂うラテン・ナンバー。彼女は原曲どおりのスペイン語で情熱的に歌い上げる。この2曲も来日公演時と同じだ。

M-4 ≪ Mambo for Roy ≫ は、ハーグローブがチューチョ・バルディスを迎えてアフロ・キューバン・ジャズに取り組んだ傑作 『 Habana 』 ( 98年グラミーでBest Latin Jazz Performance 賞を受賞 ) に収められていたナンバー。作曲・編曲はチューチョ・バルディス。

全体的にそれほどアレンジが凝っているわけではなく、超絶技巧を駆使した一糸乱れぬ精緻なアンサンブルを特徴とした欧州系のビッグバンドとは対極に位置するスタイルなのだが、だからと云ってベイシーやエリントンのようなスタイルでもない。ましてやリンカーン・センター・ジャズ・オーケストラやマリア・シュナイダー・オーケストラ、ボブ・ミュンツァー・ビッグ・バンドとかの現代米国を代表するビッグバンドともクロスしない。独創的なサウンドではないのだが、意外にありそうでないビッグバンドかもしれない。もともと取り上げたが楽曲が小編成のコンボ用に作曲された曲やスタンダードがほとんどで、それらをビッグバンド用に音を重ね、膨らませていったような編曲が施されているので、ビッグバンド特有の威圧感もそれほど感じられないので聴きやすいだろう。

これだけ素晴らしい作品なのだが、ひとつ不満を言わせてもらうならば、各曲のソリストの名前がクレジットされていないことだ。ビッグバンドはやはりソリスト・リストを見ながら聴きたいしね。


Roy Hargrove Big Band / Emergence  ( amazon ) 星1つ星1つ星1つ星1つ
2009  Emarcy  0602527079240

Roy Hargrove (tp)
Roberta Gambarini (vo)
Darren Barrett (tp)
Greg Gisbert (tp)
Frank Greene (tp)
Ambrose Akinmusire (tp)
Vincent Chandler (tb)
Jason Jackson (tb)
Saunders Sermons (tb)
Max Seigel (b-tb)
Justin Robinson (as, flute)
Norbert Stachel (ts, flute)
Keith Loftis (ts, flute)
Bruce Williams (as, flute)
Jason Marshall (bs, flute)
Gerald Clayton( p)
Saul Rubin (g)
Danton Boller (b)
Montez Coleman (ds)

 



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