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James Carter / Heaven on Earth

   ↑  2009/09/03 (木)  カテゴリー: tenor

james carter heaven on earth



≪ フリー経由でスイング黄金時代とファンクを直結するという、多くのジャズメンの夢と欲望をかなえうる逸材。≫

これはフランス文学者でスイングジャーナルのレビュアーとしてもおなじみの中条省平氏が、ジェームズ・カーターを称して言った言葉です。思わず膝を叩いてうなづいてしまうような、カーターの本質を鋭く突いた表現だと思います。

また同氏はカーターのことを、80年代以降のもっとも力量のあるミュージシャンであると高く評価しており、その点に関しては僕も素人で僭越ではありますが、同感します。

ただ、どうも僕個人としてはカーターのことが好きになれないのです。

ご存じのように彼はあらゆる管楽器を自由自在に操ることができるマルチリード奏者です。ソプラノやテナーは朝飯前で、それ以外にもアルト、バリサク、バスサク、バスクラ、さらにはフルートと、何でも御座れの多芸さぶりを披露します。しかもどの楽器を吹いても滅茶苦茶ウマイ。

しかしながら、管楽器すべてを自家薬籠中のものとしている点では高く評価はできるものの、今一つ焦点が定まらないのはいただけない。アルバムの中で目まぐるしく楽器を持ち変えるので、最後には今なにを吹いているのかわからなくなり、聴き手が混乱してしまうこともしばしばあります。

そればかりか、その音楽スタイルまでも次から次へと変えるのには正直、これ以上ついていけませんわー。カーターさん、てな感じ。

アルバムごとにコンセプチュアルにスタイルを変えるなら、まだ解る。しかし、一枚の作品のなかでスイングする曲があったかと思うと、フリーの曲が次にでてきたり、果てはコテコテのブルースで永遠ソロをとったり・・・と、アルバムを通してのトーナリティーが全然見出せなくて、聴くうちに結局疲れてしまうわけです。

まあ、百歩譲って、曲単位でのバラエティは飽きさせないための常套手段だということにしましょう。しかし、一曲のなかでのソロだけに目を向けても、ベン・ウェブズター風に朗々と吹いていたかと思うと当然エリック・ドルフィーのようなフリーキーなフレーズやフリークトーンを過剰に用いて、聴き手を軽くイラっとさせるあたりは、容認するわけにはいきません。

この ≪意外性 ≫は、本来ジャズにとって非常に大切な構成要素であるはずです。心地よく裏切られるストーリー展開、脳をいじめられる快感みたいなものは、即興演奏にその本質を置くジャズの醍醐味であるわけですから。でも、カーターの奏でるジャズの意外性は、あまり心地よく感じたためしがないのです。困ったものです。これは個人の感性に因るものなので仕方ないことですが。ブツブツ。

と云う訳で、ブツブツ言っているうちにジェイムズ・カーター氏の新譜が到着してしまいました。でもって、あまり好きでもないのにまた懲りもせず買ってしまいました。

本新作はメデスキー・マーティン&ウッドのオルガン奏者、ジョン・メデスキーを迎えての双頭プロジェクトです。他のメンバーはアダム・ロジャーズ ( g ) , クリスチャン・マクブライド ( b )、ジョーイ・バロン ( ds ) というクインテット編成。それぞれが自身のバンドを持つ一国一城の主であり、その意味ではこのギグのために集まったオールスター・バンドといってよいでしょう。ライブ会場となったのはニューヨークのBlue Note。

そこで思い出すのは2005年に本新作と同じ Blue Note Club で録音されたオルガン・トリオの実況盤 『 Out of Nowhere 』 という作品ですね。オルガンがジェラルド・ギブス ( Gerald Gibbs )、ドラムスがレオナルド・キング ( Leonald King ) 、それにゲストであのジェームズ・ブラッド・ウルマー ( James Blood Ulmer ) とバリトンの ハミエット・ブルイエット( Hamiet Bluiett ) が加わったブルージーかつアーシーなセッションで、なかなか良い作品でした。 

でも、そのオルガン・トリオとは会場もメンバー構成も似てはいますが、今回の作品のほうが役者は一枚も二枚もウワテのようです。


冒頭曲 《diminishing》 はジャンゴ・ラインハルトの曲。カーターは2000年にジャンゴに捧げた作品 『 Chasin' the Gypsy 』を制作するほどのジャンゴ敬愛者なので、ジャンゴの曲を頻繁にレパートリーにしているのですが、ここでは《diminishing》 の原旋律とリズムを完全に解体し、ファンク・リズムに乗せて再演しています。

まずは挨拶代わりにメンバー全員のソロ回し。ヘッドフォンで聴くと、メデスキーのハモンドB3 の音が左右にグルグル行ったり来たりしてナンカとっても気持ちイイぞ。

アダム・ロジャースはギターを歪ませてまるでジョン・スコみたいにアウトしていますね。彼はメインでギブソンES-335 を使用しているが、おそらくここではサブのテレキャスターを弾いているのだろう。

バラードの M-3 《 Street of Dreams 》 では、カーターの十八番であるベン・ウェブスターばりのオールド・スタイルで朗々と歌い上げている。メデスキーもそれに合わせて、ジャック・マグダフみたいなブルージーなバッキングで答えている。ここでのマクブライドのウッド・ベースでのソロもとんでもなく速くて驚きを隠せません。


冒頭から4曲目まで、カーターはずっとテナーを吹いています。5曲目でやっとバリサクに持ち替え、最後のタイトル曲《 Heaven on Earth 》 でさらにソプラノを吹いているのですが、このくらいの持ち替えならそれほど気になりません。バス・サックスやバス・クラの曲がない分、本作はずいぶんと聴きやすい仕上がりになっています。カーターもあまりぶち切れるソロを取っていないし、単純に楽しい作品です。作品の質としては前作の『 Present Tens 』 のほうが遥かに上だと思いますが、このライブ盤もなかなか楽しめますね。
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2009/09/03 | Comment (7) | Trackback (1) | HOME | ↑ ページ先頭へ ↑ |

Comment


Re: James Carter / Heaven on Earth

>ただ、どうも僕個人としてはカーターのことが好きになれないのです。

わたくしもです。(きっぱり)
それでも、何枚か、、買ったかな。。。
しかし、、新譜買うなんて、、えらいなぁ。。

普段、、ネガティヴな同意は避けてるのですが、、(爆)
いいや。。これは。
わたくしごときが、賛同しても、、ファンも多そうだもの。

すずっく |  2009/09/03 (木) 18:31 [ 編集 ] No.629


Re: James Carter / Heaven on Earth

>しかし、、新譜買うなんて、、えらいなぁ。。

彼のCDって、中古店でかなり安く売られていますよね。しかもセールがあると必ず500円前後でたたき売りされていたりして、たぶん人気ないのでしょうね。

だから僕の持っているCDはほとんど格安中古です。

でも、前作の「 Present Tens 」はすごくよかったですよ。持ってます?
naryさんが5つ星つけていたから新譜で買ったのですが、これが大当たりだったので今回も新譜で買いました。

まあ、前作に比べたら腐れですが、でもなかなかよかったです。アダム・ロジャースもいろいろな音出して面白かったし。

criss to suzuck |  2009/09/03 (木) 22:49 No.632


TBさせて頂きます

crissさん,こんばんは。当方ブログにコメント,TBありがとうございます。しかし...,残念ながらTBが届いておりません。また,ココログとの相性が悪くなったみたいです。

さて,Carterですが,私は彼の追っかけではありませんが,たまに買います。でもやっぱり日本では人気が出るタイプではないですよね。本国と日本では相当ギャップがあるのだろうと思います。今回はジャム・バンド的ジャム・セッションってことで私は音楽的にはそれなりに楽しんでしまいました。特にAdam Rogersでしたねぇ。Medeskiのオルガンは響きが軽くて今イチでしたが。

こちらからもTBさせて頂きますが,届きますかねぇ。

中年音楽狂 |  2009/09/03 (木) 23:07 [ 編集 ] No.634


Re: James Carter / Heaven on Earth

やっぱりTBうまくいっていないみたいですね。仕方ないですね。

僕のほうからはもう一度TBしてみますね。

>でもやっぱり日本では人気が出るタイプではないですよね。

僕も同感です。やはり排気量6000cc以上あるコルベットを作るアメリカでは、カーターのような大排気量のでかいサックスが人気あるのでしょうね。

メデスキーは悪くはないけど、やはり他にジョーイ・デフランチェスコ、ラリー・ゴールディングス、サム・ヤヘル、それに最近ではヴェルサーチなど、うまい人がたくさんいるから、ちょっと見劣りしますね。

criss to 中年音楽狂さん |  2009/09/04 (金) 12:18 No.637


Present Tense。。

これ、なんだか、安かったので、抱き合わせて新譜で買いましたよ。
カーターって、正直に言ってしまえば、、そんなに好きじゃないンだけど。。
でも、んじゃ、、まったく、、無視できるか。。って、、言うと、、やっぱ、まったく無視はできないですよねぇ。。
その辺で、ずるずる、、時々、買うんです。
って、この話は、、もう。。いいですぅ。
わたくしが、、悪かったです。お好きな方もいらっしゃいますものねぇ。。はい。m(__)m

東京ジャズの無料イヴェントに行かれるのですね。
いいなァ。


すずっく |  2009/09/04 (金) 17:14 [ 編集 ] No.638


Re: James Carter / Heaven on Earth

>東京ジャズの無料イヴェントに行かれるのですね。
いいなァ。

仕事帰りに大急ぎで駆け込み、なんとか観られました。音響も悪いし、観客も基本的に通行人がほとんどだし、最悪の環境でしたが、一生懸命、聴きました。

美しかった。奏法が。

以前、横浜プロムナードでクリスチャン・ジェイコブを観ましたが、トロティニョンもジェイコブみたいに長身で指も長く、演奏に余裕があったですね。

ふたりとも馬鹿テクで似たような印象を受けました。

他のピアニストの追従を許さない! とはまさにこのことで、圧倒的なテクニックは誰にも真似ができないでしょう。

いや~、すごかったですよ。

明日は見られるかどうか分かりませんが、家から15分ぐらいで行けるので、ちょっと時間を作って行ってみたいです。

では、おやすみなさい。

criss to suzuck |  2009/09/04 (金) 22:57 No.639


相変わらずTBはダメですね

crissさん,こんにちは。TBをリトライしているのですが,ダメみたいです。crissさんからのTBも入りません。

仕方ないので,記事の下にURLを張り付けておきました。

中年音楽狂 |  2009/09/05 (土) 14:10 [ 編集 ] No.640

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