雨の日にはジャズを聴きながら90年代以降のジャズを気ままに綴っています。 旧ブログ 『 雨の日には JAZZ を聴きながら 』 からのデータ移行は終了しました。ジャズ以外にも、時々デジタル関連の物欲記事、最近ハマっているカメラの話題も少しアップしています。 

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Tingvall Trio / Vattensaga

   ↑  2009/10/16 (金)  カテゴリー: piano

 

tingvall trio vattensaga





リーダーのピアニスト、マーティン・ティングヴァルはスウェーデン人、ベースはキューバ人、ドラムスはドイツ人という多国籍ユニットによる第三弾。

彼らのデビュー作  『 Skagerrak 』 が輸入盤店を中心に話題となったのが2006年のこと。あれから恐ろしいことに3年の月日が経ってしまった。夢中になって聴いていたのがつい先日の事のように思いだされるが、ほんとうに時の流れの速さには驚ろきを通り越して、怖さすら感じる。

デビュー作を最初に聴いたときの鮮烈な印象は今も忘れない。クラシック音楽の修練により身に付けた驚くべき演奏力を基盤として、ロックやラテンなどのポップな語法も適度にミクスチャーして作り上げられた自曲群は、とても新鮮に僕らの耳に響いたものだ。

メロディーやリズムが明快で気難しいところがなく、良い意味で4ビートに拘泥することのない新しい感性は、ジャズの範疇を超えて人気を獲得する素質に溢れていた。ちょうど、同郷のエスビョルン・スヴェンソンを連想させるような独創的なスタイルがすでにデビュー作で確立されていたわけだ。

昨年発売されたセカンド 『 Norr 』  ( 前項あり )  では、ポップで耳に馴染みやすい主題の提示がより明確となり、下手すると即興パートが蔑ろになりかねない危うさを孕んだ作品だったが、それでも洗練されたクールで硬質的なサウンドは今まで体験したことのない驚きに満ちていて、やはり相当の逸材であることを再確認できる好盤だった。

この作品を聴くと、彼らはクラシック音楽を学ぶ一方で、相当量のリアルなロック体験を積みながら、最終的にジャズにたどり着いたであろうことが容易に想像できる。それくらいロック・テイストに満ち溢れた作品でもあった。

そして早くも第三作目の登場。しかし、これがちょっと微妙な出来だ。

何度か繰り返し聴いたのだが、どうも心に響いてこない。演奏力はもちろん文句のつけようがないくらい素晴らしいのだが、今回は自曲の個性がいささか希薄なのだ。メロディーの創造に行き詰まりがあるのだろうか。そう勘繰りたくなる曲ばかりだ。お得意のフックに富んだオリジナルがほとんど見られない。

しかもどの曲も2分から5分ほどの短い曲ばかりだ。よってアドリブ部が極端に少ない。もともと彼らの音楽は非常に聴き易い半面、ジャズの即興的スリル感に乏しいことが唯一の弱点であったのだが、その弱点がいっそう強調されてしまった作品と言える。

このような彼らのジャズを上級ジャズファンが聴いたらどう感じるだろうか。けっこう評価は低いのではないかと僕は推測する。前述したように、ロック体験を通して生み出された歯切れの良い ( と云うか、良すぎる ) リズム感には、揺らぎやブレというものが全くない。つまりはスイングしない音楽である。いまどきスイングしないジャズなんて佃煮にして売れるほど巷に溢れているが、彼らのビート感はあまりにもジャズ的でない。ジャズファンを軽く苛立たせるに十分ロックしているのだ。

そんなわけで、少々辛口の評価になってしまったが、新しい感性を持った新人であり、なかなかありそうでなかったサウンドなので、これからも注目していきたいと思う。いっそうのこと次作ではプログレなんかやってくれると相当かっこいい作品ができるのになぁ~、と思ったりもする。

Tingvall Trio / Vattensaga ( amazon )  星1つ星1つ星1つ
2009  Skip Records SKP9087-2

Martin Tingvall  ( p )
Omar Rodriguez Calvo  ( b )
Jurgen Spiegel  ( ds )
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2009/10/16 | Comment (2) | Trackback (0) | HOME | ↑ ページ先頭へ ↑ |
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Comment


Tingvall trioについて

こんばんわ。 
またコメントします。札幌少年です。僕はこのトリオを「JAZZBAR」で一曲だけ聴いたことがあるのですが、あまりあくの強くないメロディーを大切にしたトリオという記憶があります。実は曲自体におぼえがありません...他の楽曲のインパクトが強かったのかもしれませんが、確かにプログレッシブな楽曲をアルバムに1、2曲いれたほうが聴きごたえのあるものになる気がします。全ての曲がメロディアスなのも飽きますよね。僕のなかではERNST GLERUMのOMNIBUS.1は不思議と飽きないアルバムです。
ちなみに僕はTONY PACINIのライブアルバムをVENT AZULさんにオーダーしました。

札幌少年 |  2009/10/16 (金) 23:50 [ 編集 ] No.741


Re: Tingvall Trio / Vattensaga

札幌少年さん、こんにちは。

>僕はこのトリオを「JAZZBAR」で一曲だけ聴いたことがあるのですが

僕は寺島氏のファンではありますが、最近の彼の著書や、寺島レコードは買っていません。ただ、JAZZBARだけは毎年買ってます。手っ取り早く綺麗な曲を聴きたいときは重宝しますよね。時間とお金は無尽蔵にあるわけではないので、JAZZBARのようなコンピは助かります。

今日、アップしようかと思っている、Michel Bisceglia も2007年のJAZZBARに収録されていたミュージシャンです。なかなか良いですよ。

>僕のなかではERNST GLERUMのOMNIBUS.1は不思議と飽きないアルバムです。

僕も好きでした。最近聴いていないけど、と思い、CD棚を探したのですが、どこにも無い! どこかに消えてしまいました。もうこうなると見つかりませんね。

criss to 札幌少年さん |  2009/10/20 (火) 18:08 No.743

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