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Eldar / Virtue

   ↑  2009/10/27 (火)  カテゴリー: piano

eldar virtue



キルギス共和国出身で、現在はニューヨーク在住の馬鹿テクピアニスト、エルダー・ジャンギロフ( Eldar Djangirov, 1984~ ) のメジャーデビュー後4作品目となる最新作。前作 『 Re-Imagination』 が2008年のグラミー賞にノミネートされるなど、確実にその評価を高めてきているエルダーだが、今回は今までとは比較にならないほど素晴らしい作品に仕上げてきた。これは必聴、必携の凄盤だ。

デビュー作 『 Eldar 』 を始めて聴いたときは、オスカーピーターソンを凌駕する瞬間が随所に垣間見られる超絶的なテクニックに、驚きを通り越して呆れかえるほどだった。しかし、その後の作品も含め、率直に言って、今までの彼の作品に共感できなかったし、心を揺さぶられることはなかった。

< 演奏力> と< 音楽性 > がこれほどまでに乖離しているミュージシャンも珍しいと思った。ただ巧いだけ。そんな印象をだった。さらに録音も良くなかった。ピアノの一音一音が鉛の玉がぶつかり合うような硬く冷たい響きを持っていた。感覚的に不快な音で、最後まで通して聴くことができる作品は一枚もなかった。
 
それが驚くことに今回はすべて改善されているのだ。やっと彼の技量が正当に記録された作品に出会えたようだ。

さて、本作は現在のレギュラー・トリオを軸に、ジョシュア・レッドマンやニコラス・ペイトンが一曲ずつ参加。また、キューバ出身でアルトゥーロ・サンドヴァルやゴンザロ・ルバルカバらとの共演で知られるテナー奏者、フェリペ・ラモグリア( Felipe Lamoglia ) が3曲で参加している。

注目はバックを支える二人。つまり、ベースのアルマンド・ゴラ ( Armando Gola . cuba , 1978~ ) とドラマーのラディック・アフォンソ ( Ludwig Afonso , Cuba , 1978~ ) だ。二人ともフェリペ・ラモグリア同様、キューバ出身であるあたりから、このバンドの志向性が窺えるだろう。さらにフェリペ・ラモグリアとアルマンド・ゴラはゴンザロ・ルバルカバのバンド出身。一方のラディック・アフォンソ はスパイロ・ジャイラ出身ということで、聴く前から何となくサウンドが浮かんでくるだろう。

全11曲で、8曲がエルダーのオリジナル。静かなバラード系の曲もあるが、兎に角、超絶技巧変態リズムの
楽曲に耳は釘づけとなる。M-1 ≪ Exposition ≫ 、M-5 ≪ The Exorist ≫、M-7 ≪ Blackjack ≫あたりがそれだ。限りなく細分化された複雑なビートが実に心地よい。人間技とは思えないデジタライクなビート感だ。何処となくチック・コリアのエレクトリック・バンドを彷彿とさせるハード・フュージョンである。

ベースのゴラが刻むライン、リズムはちょうどジェームス・ジナスに似ていて、派手さはないものの、低音域を中心にした強力なグルーブ力をバンドに与えていて好感が持てる。非常にベースらしいベース人だ。フレットレスでこれだけ歯切れよくビートを刻めることにも驚きを覚える。
 
エルダーのピアノはデビュー当時から、誰にも真似のできない神技の域に達していたが、ここにきて更にその技に磨きがかかってきた。しかも音楽的に最も美しく聴こえる閾値ぎりぎりで演奏を抑える術も身につけてきた。そうすることで、激しく昇降するラインのなかに、時々はっとするような美しい旋律が浮かび上がる場面を演出することに成功している。この技術力にこの旋律美。まさに鬼に金棒だ。


濃密なサウンドが渦巻くハード・フュージョン好きには無条件でお勧めできる作品だ。また、プログレ・ファンにも親和性が高いと思う。

Eldar / Virtue ( amazon )  星1つ星1つ星1つ星1つ星半分
2009  Masterworks Jazz  88697-46236-2

Eldar Djangirov  ( p, key )
Armando Gola  ( b )
Ludwig Afonso  ( ds )
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Re: Eldar / Virtue

crissさん、こんにちは,monakaです。
少し天邪鬼なmonakaは、こうまでこの人を褒めとくありません。
ゆっくり引くこと、入魂のフレーズが残念ながらまだないように思います。
凄いところは改めて認識しました。
ここら辺がピアニストとのお付き合いの道行きなのでしょうか。
どのようになっていくのか、楽しみです。

monaka |  2009/10/29 (木) 23:05 No.797


Re: Eldar / Virtue

monakaさん、こんにちは。

僕もnaryさん同様、テクニック至上主義みたいなところがあって、
まあ、それがすべてではないのですが、やはり、自分でも楽器を
いじるせいか、どうしても巧いミュージシャンをみるとそれだけで
感激しちゃうところがあります。

この人のyoutubeを観ましたが、やはりどうしようもなく、
巧いので、それだけでひれ伏してしまします。

まあ、もう少し年輪を刻めば、monakaさんにも好評の
作品がつくれるようになるのではないでしょうか。

ということで、TBさせていただきます

criss to monaka |  2009/10/30 (金) 10:15 No.799

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