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Jim Beard / Revolutions ( ReEntry )

   ↑  2009/10/30 (金)  カテゴリー: large ensemble

jim beard Revolutions2 




ジム・ベアードの9年ぶり、4作目となる最新作。本作は世界で唯一ストリングス・セクションを持つオランダのビッグバンド、メトロポール・オーケストラとの共演盤。指揮者はもちろんヴィンス・メンドゥーサ。ということで、三者そろい踏みの豪華絢爛な絵巻物語のはじまりである。

一聴して何だか初めて聴いた感じのしない、懐かしい気分になった。それもそのはずで、全10曲中4曲が91年の初リーダー作 『 Song of The Sun 』 からの楽曲であった。それ以外にも過去の作品からの再演が2曲含まれていた。数多く作曲を手がけているジムにしては、セルフ・カヴァーが多すぎる感じもしたが、おそらく、自分の愛着のあるオリジナルをオーケストラ・ヴァージョンで再演したらどうなるか、彼自身も興味があったのだろう。


曲は全てジムのオリジナルだが、メンドゥーサがアレンジするとその表情は一変する。

知的で繊細なジムの楽曲にメンドゥーサのラテンの血が注ぎ込まれ、一気に燃え上がるのだ。メンドゥーサの奇抜な和声とエンターテインメント性が繰り成す独特のグルーブ感は麻薬的であり、聴けば聴くほど彼の虜になっていく。弦と管が複雑に絡み合い、幾重にも音が重なり合い、そして比類稀なるファンタスティックな音世界が構築される。

ジムはサイドメンとして起用されるときは、シンセサイザーを扱うことがほとんどだが、自己のリーダー作では生ピアノをメインに弾いてきた。今回もほとんどがピアノを弾いている。もともと彼はピアニストであったから当然といえば当然のことだ。シンセを扱えるほうがギャラが高かったためにシンセを弾きはじめたが、皮肉なことにピアニスト・ジムよりも、キーボーディスト・ジムの方が評価されたのだ。

ジムの知的でクールなピアノも流石だが、盟友ボブ・マラックやビル・エバンスの熱きソロにも痺れる。また、メトロポール・オーケストラのメンバーであり、 Jazz Orchestra of The Concertgebouw のメンバーでもあるトランペッター、Ruud Breuls ルード・ブルルスがなかなか爽やかなソロを聴かせてくれる。そしてドラマーはbrussels Jazz Orchenstraでの活動も並行して行っているマタイン・ヴィンクが7曲を担当。

アレンジはメンドゥーサが7曲担当し、残りはマット・ハリス、ゴードン・グッドウィン(Gordan と表記されているがGordonの間違いだろう)、そしてジム・ベアードがそれぞれ一曲づつ担当している。ゴードン・グッドウィン=Big Phat band という固定観念が僕にはあるので、ちょっと意外。


< Biography >

ジム・ベアードは1960年、フィラデルフィア生まれた。両親の薦めで7歳からピアノを始め、クラシックを学ぶ一方であのジョージ・シアリングの個人レッスンも受け、さらにはクラリネット、サックス、ベースなどを習得していった。85年にはニューヨークに移住したが、1年もしないうちに、マハビシュヌ・オーケストラのツアー・メンバーに抜擢された。その頃、あのステップスのイリアーヌ・イリアスがバンドを脱退し、マイケル・ブレッカーらは彼女の後釜を探してオーディションを開いた。そこでジムもオーディションを受けたが、結果的にはキーボーディストではなくギターのマイク・スターンが加入してしまった。しかしそのことがきっかけでジムとマイケルとの交流がはじまり、のちにマイケルの作品にも参加することとなった。86年暮れからはウェイン・ショーターのツアーに参加。ショーターとの関係は2000年まで続いた。その間にもジョン・スコフィールドやパット・メセニーらのサポートを行うなど、常に超一流アーティストのブレインとして第一線で活躍してきた。



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