雨の日にはジャズを聴きながら90年代以降のジャズを気ままに綴っています。 旧ブログ 『 雨の日には JAZZ を聴きながら 』 からのデータ移行は終了しました。ジャズ以外にも、時々デジタル関連の物欲記事、最近ハマっているカメラの話題も少しアップしています。 

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Seamus Blake / Bellwether

   ↑  2009/11/03 (火)  カテゴリー: tenor

seamus blake bellwether



ニューヨークで活躍中のコンテンンポラリー系テナー奏者、シーマス・ブレイク ( Seamus Blake , England , 1969~ ) の通算7枚目の新作。昨年、 イタリアの新興レーベル Jazz Eyes からリリースされた実況盤2枚組作品 『 Live in Italy 』 ( 前項あり )  が極めて刺激的な傑作で, ブログ仲間の間でもちょっとした話題になったのも記憶に新しいところ。今回は再びCriss Cross に戻って制作された同レーベル通算6枚目となる作品である。

2007年のCriss Cross 作品 『 Way Out Willy 』 とほぼ同様のレギュラー・メンバーでの録音。デヴィッド・キコスキー ( p ) 、ラージュ・ルンド ( g ) 、ビル・スチュアート ( ds ) はそのまま残留し、ベースがオルランド・レ・フレミングから、オーストラリア出身で現在はニューヨークで活躍中のマット・クローシー ( Matt Clohesy ) に交代している。

全7曲で、ジョン・スコフィールド作の≪ Dance Me Home ≫、ドビュッシーの≪ String Quartet in G Minor ≫ 以外はすべてシーマスのオリジナル曲という構成。この他者の2曲は『 Live in Ilaly 』でも演奏していた曲だ。

冒頭曲 ≪ Dance Me Home ≫からいきなりメンバーの凄技が炸裂。最後列から繰り出されるビル・スチュの煽情的なパッシング。シーマスとラージュの超イカすユニゾン・テーマ。キコスキのスケール感豊かなモーダルなソロも健在だ。原曲はジョンスコの87年作品 『 Loud Jazz 』 に収録されていたミディアム・エイト・ビートの曲だったが、本カヴァは速めのフォー・ビートで演奏されている。  

2曲目≪ A Beleza Que Vem ≫ はスローのラテン・ワルツをベースに、シーマスは優雅なソプラノを披露。本来のシーマスのイメージからはちょっとギャップがあるが、これがまた適度な脱力感を誘う美曲。

3曲目≪ Subterfuge ≫ は再び緊張感あふれる濃密な非フォー・ビート。ここでもビルスチュは頻拍性不整脈パルスを発し、激しくフロントを煽る。今日のビルスチュは乗りに乗っているようだ。ラージュのソロも実に美しい。ジョー・パスの影響も見え隠れするが、ベン・モンダーやマイク・モレノに近い奏法でソロをとる。まあ、彼はどんなスタイルにもアダプトできる演奏力を持っている訳だが。

貫禄すら感じさせる堂々としたソロを聴かせるシーマスの筆による美旋律バラード M-4 ≪ The Song That Lives Inside  ≫。
 
  5/4拍子の浮遊感漂うタイトル曲 M-5 ≪ Bellwether ≫。パット・メセニーを彷彿とさせるラージュのソロも素晴らしい。その計り知れない潜在能力に驚いてしまう。まさに変幻自在の脅威の新人だ。

高速7拍子の M-6 ≪ Minor Celebrity ≫を経て、最終曲はドビュッシーの≪ String Quartet in G Minor ≫のカヴァ。キコスキとシーマスのソプラノでゆっくりと優雅に始まる。EGEA諸作のチェンバー・ジャズを想起させるサウンドから徐々に陰影感のある高尚な音世界に移行して行く。シーマスのどこまでも透明なソプラノの音がいつまでも頭の中で鳴り響く。
 
シーマスは子供のころはクラシックのバイオリンを習っていたことがあり、このドビュッシーの弦楽四重奏は大学時代によく聴いたそうだ。

僕個人的に云えば、電化サックスを過激に吹きまくっていたファンク・ジャズ作品 『 Bloomdaddies 』 ( 1996 Criss Cross ) あたりが最もシーマスらしさが表出していた時期だと思っているので、今回の全編アコースティックで比較的真っ当なジャズを聴いていると、なんだか時間軸を逆走しているような錯覚を覚える。

がしかし、これはこれで彼の瑞々しく洒落たセンスが光る傑作であることは間違いない。しかも彼は確実に巧くなっている。ミュージシャンの演奏力は、年々その性能を確実にアップさせていく家電製品と違って、必ずしも経年向上していくわけではないので、シーマスのようなプロのミュージシャンは珍しいのではないか。

クリス・ポッター同様、NYコンテンポラリー系では目覚ましい進化を遂げているシーマスに、今後も目が離せない。

Seamus Blake / Bellwether  ( amazon )  星1つ星1つ星1つ星1つ
2009  Criss Cross  1317

Seamus Blake  ( ts, ss )
Lage Lund  ( g )
David Kikoski  ( p )
Matt Clohesy  ( b )
Bill Stewart  ( ds )
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Re: Seamus Blake / Bellwether

これも、楽しみに順番まちです。
でも、わたくしはやっとイーライ参加のアルバムを聴き始めたところです。。

すずっく |  2009/11/03 (火) 16:43 [ 編集 ] No.809


札幌は雪[i:63650]

こんばんわ。この人(Seamus)気になっていました。Live盤あるんですね。しかもJAZZ EYES。AL FOSTERのLive盤で録音の良さは確認しているので、ちょっと買ってみようと思います。そういえばROBERT BALZARの「OVER NIGHT」届きました。飽きのこない良いアルバムですね。NAJ PONKも新しいアルバム出るみたいですよ。ちなみにBASSはGEOGE MRAZです。楽しみです。
札幌は先週末に初雪が降り、今日も雪がチラチラ降っています。毎年のことながら積もるほど雪はいらないと思います。それではまた。

札幌少年 |  2009/11/03 (火) 18:57 [ 編集 ] No.810


Re: Seamus Blake / Bellwether

>わたくしはやっとイーライ参加のアルバムを聴き始めたところです。。

それって、アサフ・ハキミのCDですか? 僕も当時は気に行ってiPOD に入れて持ち歩いていたのですが、けっこう激しい音で、疲れるんですよね。まだIPOD に入ってますが、最近は聴いていません。

それとも別なイーライ参加の作品ですかね? なんだか最近、別なイーライ参加作品をどこかで活字で見たような気がするような、しないような。気のせいかしら。

>楽しみに順番まちです。
僕んちにもやっと届いたばかりです。店頭ではとっくの昔に手に入ったのですが、DUだとcriss cross って2800円ぐらいするので、最近はHMVで注文してます。2100円ぐらいで買えちゃうんですよね。この差っていったいどこからくるんだ!って、ちょっとv-293です。

criss to suzuck |  2009/11/03 (火) 21:36 No.813


Re: Seamus Blake / Bellwether

>AL FOSTERのLive盤で録音の良さは確認しているので、ちょっと買ってみようと思います。

よかったでしょ。イーライが吹いているライブですよね。JAZZ EYES は要注意のレーベルですよ。今回の最新作とライブ盤、どちらかを買うならライブ盤のほうがよいでしょう。確か2枚ぐみでも安かったし、内容濃厚です。

>NAJ PONKも新しいアルバム出るみたいですよ。
ナイポングは2枚持ってますが、それほど愛着がないので、多分僕は買わないと思います。聴いたら感想教えてください。

>札幌は先週末に初雪が降り、今日も雪がチラチラ降っています。
新潟も初雪が降ったらしいです。観測史上、こんなに早いのは初めてだったらしいですよ。今年の冬は我が家はサイパンで過ごす予定なのですが、すでに予約いっぱいで、今、キャンセル待ちなんです。もしキャンセルがなかったら、今年は北海道でスキーをして過ごそうか、と妻と話をしています。
東京も今日は気温15度と寒く、薄手のダウンを来て外出したくらいです。

では、また。

criss to 札幌少年さん |  2009/11/03 (火) 21:46 No.814


Re: Seamus Blake / Bellwether

crissさん、こんばんは。
こちらからもTBさせていただきます。
本作ではビルスチュが容赦なく煽りまくっていて、もうジョンスコ曲の1曲目からやられてしまいました。
私の場合は「ドラム良ければ全て良し」がモットーですので、当然ながら評価は高いです。
でも5つ星には及びませんでしたけどね(笑)。

実はTBすべきアルバムはエルダー以外にもいっぱいあるのですが、全てにコメントを入れるのも大変な作業ですので、恐縮ではありますが過去記事まで遡ってTBだけ入れさせていただくことにします。
暇なときで結構ですのでcrissさんからもお願いしますね。

nary |  2009/11/03 (火) 23:12 No.815


Re: Seamus Blake / Bellwether

このアルバム、私も1曲目のジョン・スコフィールドの曲がインパクトが強かったのですが、メンバーがいいせいかどの曲もいいですね。

以前は私、変拍子は何拍子基調(時々曲中で変わるのもありますし)ということをよく書いていたのですが、最近はめっきり自信がなくなりまして、最近のジャズはここまで進化しているか、と感慨もひとしおです。何よりそれを何事もなかったかのようにバリバリと演奏してしまうミュージシャンがスゴいですね。

TBさせていただきます。

910 |  2009/11/03 (火) 23:52 No.816


Re: Seamus Blake / Bellwether

はじめまして。ちょくちょく訪問させていただいています。
この作品、メンバーも最高なんですが、聴きどころは1曲1曲のクオリティの高さですね。Bill Stewartもたっぷり堪能できますし。

作品紹介される際の、語彙の豊富さにいつも感心というか凄いなあ、と思っています。

とっつぁん |  2009/11/04 (水) 22:10 No.817


Re: Seamus Blake / Bellwether

naryさん、こんにちは。

>実はTBすべきアルバムはエルダー以外にもいっぱいあるのですが、全てにコメントを入れるのも大変な作業ですので、恐縮ではありますが過去記事まで遡ってTBだけ入れさせていただくことにします。

あら、ほんと、けっこうたまってましたね。お手数おかけしました。僕のほうからもコメント抜きでTBさせていただきます。

ありがとうございました。

criss to nary |  2009/11/05 (木) 11:02 No.819


Re: Seamus Blake / Bellwether

910さん、こんにちは。

>以前は私、変拍子は何拍子基調(時々曲中で変わるのもありますし)ということをよく書いていたのですが、最近はめっきり自信がなくなりまして

僕も全然自信がありませんよ。自信がないときは、ブログでは拍子について触れません(笑)。自信があるときだけ記載します。
最近の曲は小節ごとに拍子が変わっていくものも多いし、複雑化してますよね。プロのミュージシャンは、涼しい顔してやってのけるけど、相当うまくないと変拍子って、乗れないですよね。

昔、友達とテイク・ファイブをやろうということになって、はじめたのですが、ベースの僕にとってはとっても退屈な曲なのですが、ピアニストは5拍子でアドリブをとるのに苦労して、何度やってもフレーズが4ビートになっちゃうらしく困ってました。アマチュアのレベルなんてそんなものです。

TB返し、ありがとうございました。
では、また。

criss to 910 |  2009/11/05 (木) 13:02 No.820


Re: Seamus Blake / Bellwether

とっつぁんさん(なんだか変)、はじめまして。

>はじめまして。ちょくちょく訪問させていただいています。

どうもありがとうございます。naryさんのところでお名前は拝見させていただいていました。これからもどうかよろしくお願いします。

貴方のブログも拝見させていただきました。共感する部分も多く、これからもちょくちょく遊びに伺いますので、どうかよろしく。

拝見したところ、まだブログを初めて2か月ほどのようですね。あまりがんばりすぎると長続きしませんので、気楽に行きましょうね、お互い。

>作品紹介される際の、語彙の豊富さにいつも感心というか凄いなあ、と思っています。

最近は少しづつ、音楽を表現する語彙も増えてきましたが、僕も最初は笑っちゃうような言葉ばかり使ってました。あんまりかっこつけた文章も、何を言っているのか分かりにくくなってしまうので困りますが、いつも「かっこいい」とか「すごい」とかばかりじゃ、読むほうもつまらないですものね。
まあ、僕のブログに興味をもって訪問してくださるかたは、初心者ではないと思うので、ある一定の共通の知識はお互い持っていることを前提に話しているんで、問題はないと思いますけどね。

ということで、こちらからもTBさせていただきます。

criss to とっつぁん |  2009/11/05 (木) 13:13 No.821

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