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Fabrizio Bosso New Project / Black Spirit

   ↑  2009/11/25 (水)  カテゴリー: trumpet

fabrizio bosso black spirit2



High Five Quintet が日本で大ブレイクし、ネコも杓子もボッソ、ボッソと騒いでいたのが5年ほど前のこと。ボッソ参加というだけで、それこそ玉石入り乱れたイタリア産CDが売れた時勢であった。

昨今はだいぶボッソ熱も冷めて、リスナーもボッソが参加しているというだけで喰いつくこともなくなり、本当にイイものだけを選択して買うようになったのではないだろうか。まあ、世のマニアの方々はどうかわからないが、少なくとも僕はそうしている。そりゃそうだろう。不景気だし。

そんな訳で最近では、ボッソの露出度のあまりの高さもあって、彼の参加作品を隅々までフォローしきれていないのだが、その中でもマックス・イオナータの Albore 盤 『 Inspiration 』 ( 前項あり ) でのボッソは最高だった。マックスとのマッチングも良かったし。 《 ボッソの金管 vs マックスの木管 》 というカウンタータイプの多彩なハーモニーが美しかった。

そのマックスの作品に客演したボッソが、今度はマックスに声をかけ自身のリーダー作を制作した。これは超期待できそうだ。

しかもマックスだけではなく、High Five 組からルカ・マヌッツァとロレンツォ・トゥッチ、さらにはイタリア・トランペット界の隠れた名手、マルコ・タンブリーニらがそろい踏み!! とくれば、色めき立つイタリアン・ジャズ・ファンも少なくないのではないか。

そして、今作はボッソのリーダー作としては初の純国産品で、制作したのはポニキャニの欧州ジャズ・レーベル M & I ( Norma Blue じゃないよ! ホッと ) 。でもって、プロデューサーは親父ジャズ・ファンの性感帯を知り尽くしたプロデューサー界の重鎮、木全信氏。


さて、この新作は副題として《 Freddie Hubbard に捧げる 》 とあるように、 昨年暮れに急逝したフレディ・ハバードに対する追悼の意を込めて制作されたものだ。盤題の『 Black Spirit 』 はおそらくフレディの65年のBlue Note 盤 『 Blue Spirits 』 をもじってつけられたのだろう。

“ Spirit ” という言葉は、「 ジャズはやっぱり精神だよね。テクニックがあるからといって、指先の動くままに吹きまくればイイ訳じゃないよね」ということを含意しているのか。「ボッソはテクニックはずば抜けているよね。でもね~魂が感じられないんだよね~」みたいな世間の声に対する省察の思いが込められているのかもしれない。

収録曲は、ボッソの自曲4曲を含む全10曲。フレディ・ハバードに捧げている割には、フレディの自曲は M-4 《 Up Jumped Spring 》のみとちょっと拍子抜け。M-3 《 Body and Soul 》 はもちろんスタンダードだが、フレディが生前、好んで演奏していた曲で、曲名をそのまま盤題にしたImpulse 盤 『 The Body and Soul 』 という作品まで作ったほどだ。《 Up Jumped Spring 》 は6/8 拍子のワルツで、フレディの作品では『 3 Blind Mice 』、『 Backlash 』、『 Born To Be Blue 』、それから遺作となった『 On The Real Side 』 などで聴くことができる。フレディの代表曲であり、他のミュージシャンにカヴァされる機会も多い曲だ。

フレディに関連のある曲は上記の2曲だけなのだが、そのほかの曲としては、ルイ・アームストロング作の 《 Do You Know What It Means To Miss New Orleans 》 やディジー・ガレスビー作の 《 A Night in Tunisia 》 なども取り上げている。さらには、ガレスビーのためにボッソが作曲した≪ Dizzy's Blues ≫ なども収録されており、フレディーへのオマージュなのか、ガレスビーへのオマージュなのか、よくわからない選曲になっている。結局は、ジャズ史に残る偉大なるトランペッターたちに捧げた作品ということなのか。まあ、言い方は悪いが、アバウト過ぎるような気もするけどね。

アルバムの冒頭を飾るのはホレス・シルバーの軽快なラテン・ナンバー ≪Nutville≫。1965年の Blue Note 作品『 The Cape Verdean Blues 』 に収められていた曲だ。『 The Cape ~ 』は、ホレスの作品群の中ではそれほど人気のあった作品ではなかったが、昨今のクラブ 世代のリスナーの間ではホレスの代表作と賞されているらしい。 Rittor Music から出た小川充氏監修によるクラブ世代のためのモダン・ジャズ名盤選 『 Hard Bop & Mode 』 でも、ホレスの作品として唯一紹介されている。

非常にノリがよくフックの聴いた覚えやすいメロディーで、一瞬、High Five Quintet のオリジナル曲か、と錯覚するほど彼らのスタイルにマッチしている。そういえば、今年6月にやはりポニキャニのイタリアン・ジャズ・レーベル Norma Blu から発売された Jazzlife Sextet の『 Tall Stories 』 ( 前項あり )  でもこの曲が取り上げられていた。

2曲目はボッソ・オリジナルのタイトル曲 ≪ Black Spirit ≫ 。ボッソの電光石火のごとき激烈ソロが聴かれる高速モーダル・チューンだ。ロレントツォ・トゥッチのドラムもいつになく熱い。

この初めの2曲までを聴いていると、まるで新生 High FIve Quintet の演奏かと錯覚してしまうくらい、それっぽい演奏だ。がしかし、本作がHigh FIve Quintet とは “ 似て非なる” 音楽的趣向のもとに制作されているということは、3曲目あたりから徐々に明確になってくる。

3曲目はスタンダード の≪ Body and Soul ≫ 。 メロディーの輪郭を際立たせながらのボッソならではの歌心溢れるバラード・プレイに酔いしれる。マックスのオールド・ファションな滋味深いソロも胸にぐっと迫る。このような曲想はHigh FIve Quintet には決して味わえなかったはずだ。

4曲目はフレディの代表曲≪Up Jumped Spring ≫。ここで我が愛しきマルコ・タンブリーニが登場。二人でテーマ部を吹きわけ、ボッソが主旋律を吹けばそれに対してマルコがオブリガードで飾るといった感じ。これぞ至福のハーモニーだ。ここではルカの繊細にして滋味豊かなソロが聴ける。これもやはりHigh FIve Quintetでは得難い快感だと思う。僕の中では、日に日にルカに対する評価が高まってきている。この人はホント、人間味溢れる美しいピアノを弾く人だ。年明けにWIDESOUND からリリースされるルカの初リーダー作が待ち遠しい。

5曲目≪ A Night in Tunizia ≫ でもマルコが客演。ボッソとマルコが激しく火花を散らせるソロ合戦では、ぼーっと聴いていると一瞬、二人の区別がつかなくなるくらい両者の実力は肉薄している。二人がステレオの両チャンネルに分離しているわけではなく、二人ともほぼ中央に定位しているのでよけい混乱する。中央やや左でオフマイクぎみに聴こえるのがマルコで、中央やや右でオンマイクぎみなのがボッソだと思う・・・・。

6曲目以降は割愛するが、全編にわたりボッソの余裕が感じられつつも非常に内容の濃い充実した作品だと感じた。

欲を云えば、もう少し挑戦的なアプローチがあってもよかったのになぁ、と思う。今までのボッソの活動を見てきて、作品ごとの振り幅がそれほど大きくないと感じていたが、やはり今作もいつものボッソだった。超絶技巧ながらも保守派本流を突き進むボッソに、正直なところ、軽く飽きてきているのかもしれない。

彼はこの路線を突き詰めていくのか? リスナーの飽きっぽく移ろいやすい嗜好性と、どう折り合いをつけていくのだろうか。

Fabrizio Bosso New Project / Black Spirit~Freddie Hubbardに捧げる  ( amazon )
星1つ星1つ星1つ星1つ星半分

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2009/11/25 | Comment (10) | Trackback (2) | HOME | ↑ ページ先頭へ ↑ |

Comment


Re: Fabrizio Bosso New Project / Black Spirit

crissさん

こんばんは。

超絶技巧ながらも保守派本流を突き進むボッソ。ふむ。でも、最近のBosso名義のリーダー作は、With Stringsだったり、ラテンだったり、Antonello Salisとのデュオだったりと、メインストリームから少しはみ出た作品が多いなぁと感じたりもしています。
僕としては、できれば、歌心のあるハードバップ路線という「保守派本流」をひたはしり、吹きまくり、突き抜けていってほしいなぁと思っています。

トラックバックさせていただきました。

ヨシカワ |  2009/11/27 (金) 19:18 No.880


Re: Fabrizio Bosso New Project / Black Spirit

crissさん、こんにちはmonakaです。
このアルバム、ショップでタイミングでなくて買わずにいます。
M&Iってめったにありませんが、突然の凄いアルバムがあるので決め付けませんが、私には普段は控えるレーベルです。
メンバーも凄いと思うし、買おう買おうと思うアルバムです。
でも、どうかなということが付きまっとています。
rhodiaさんがどう言うか聞いてからにしようかと思います。

monaka |  2009/11/27 (金) 23:45 No.881


Re: Fabrizio Bosso New Project / Black Spirit

クリスさん、おはようございます。
新作、買われたんですね。
当方、妹尾の新作も売切れだそうなので、入荷次第行きつけのCD SHOPに行こうかと考えております。

> 昨今はだいぶボッソ熱も冷めて、リスナーもボッソが参加しているというだけで喰いつく
> こともなくなり、本当にイイものだけを選択して買うようになったのではないだろうか。
> まあ、世のマニアの方々はどうかわからないが、少なくとも僕はそうしている。

確かに、3ヶ月程前に中古で買ったSade Mangiaracina「PHILOSOPHY」もボッソが参加している
2曲のうち1曲目だけはボッソのハードバップ路線が楽しめるのですが、あとは私的には凡作と
感じました。ただ1曲目だけのために、中古屋行きにはなってませんが。(笑)

さて、詳細は不明ですが、ボッソの新作が出るようです。
http://catfish-records.ocnk.net/product/8278
タイトルからして、「CASA DEL JAZZ」でのライヴ盤のようですね。
予約だけということなので、財布と相談かなぁ・・・。

Marty |  2009/11/28 (土) 11:31 [ 編集 ] No.882


こんにちわ。CRISSさん。 

マックス・イオナータの情報ありがとうございます。デュオCDはやはり買いませんでした。ジョーヘンの曲があいませんでした。
BLACK・SPIRITSに関してですが、以前このアルバムのテンポの速い曲が体に合わないといいながら、僕は7曲目が良かったですね。再度試聴したんですが、全体的にやはりオーソドックスな印象で、もっと良い意味で過激なアレンジでやってほしかったです。
ちなみにナイ・ポンクが届きましたが、同じくらいオーソドックスでした。ほとんどの曲がブルース的な解釈だったので多少だらけますがメロディーは変わらず良いと思いました。ジョージ・ムラツの参加によって分厚さも増した気がします。
写真をみたら皮ジャンをきたおじいちゃんでした。

ピエリック・ペドロンも届いたのですが、音も解釈も洗練されていて良かったです。買って良かったと思いました。いつも情報ありがとうございます。それでは失礼します。

札幌少年 |  2009/11/28 (土) 15:12 [ 編集 ] No.883


Re: Fabrizio Bosso New Project / Black Spirit

ヨシカワさん、こんにちは。

もちろん僕もボッソはいつまでも保守派本流で突き進んでいってもらいたいと思いますが、あれだけ巧いんだから、なんでもできるだろう、ならば、たまには既成のスタイルを打ち破った新境地を見せてもらいたいと思うだけです。

この盤はかなり気に入ってます。ヨシカワさんがおっしゃるように、けっこう曲調にバラエティがあり、飽きませんし、ルカのソロもかなりイイ感じで、長く愛聴盤になりそうです。

TBさせていただきます。

criss to ヨシカワさん |  2009/11/29 (日) 09:24 No.884


Re: Fabrizio Bosso New Project / Black Spirit

monakaさん、こんにちは。

今日は日曜日。いかがお過ごしですか。
僕は午前中は部屋の掃除。午後は買い物に行く予定です。
子供が日曜日なのに研究会で幼稚園に行っているので、
静かな日曜日です。

ボッソの今作は、M&I という色眼鏡で見てしまいがちですが、なかなかどうして、良かったです。monakaさんがおっしゃるように、 M&Iは外れが多いですよね。おそらく、購買層は僕らのようなファンじゃないんですよ、きっと。ジャズをファッションで聴いているような人をターゲットにしているでしょうね。

関係ないけど、monakaさんって、ヌンツィオ・ルトンドのオムニバス盤、もってるんですね。僕も欲しいな~。

criss to monaka |  2009/11/29 (日) 09:38 No.885


Re: Fabrizio Bosso New Project / Black Spirit

Martyさん、こんにちは。

>当方、妹尾の新作も売切れだそうなので、入荷次第行きつけのCD SHOPに行こうかと考えております。

妹尾美里って、そんなに人気あるんですか。ノーマークでしたね。それにこの新作って国内盤でしょ。さすがに売り切れはないのでは、という油断が命取り。さっそく、今日、日曜日なのでレコード屋に行ってきます。試聴しましたが、確かにストライクゾーンです。こうなると、先の自主製作盤が欲しいな。

このところ、Alessandro Bravo の Trionometryを聴いています。ラーシュ・ヤンソン風でなかなか気に入ってます。あとは年末に向けての処分CD&LPを選別に精を出しています。

このところ、新譜はあまり買ってません。数日前もDUに寄ったのですが、欲しい新譜がなくて、中古盤を数点買っただけで帰ってきてしまいました。

このところ、不況が激しさをましてきたので、CDも売れないんでしょうね。DUのお客も、いつ行っても少なめです。

criss to Marty |  2009/11/29 (日) 09:50 No.886


Re: Fabrizio Bosso New Project / Black Spirit

>ちなみにナイ・ポンクが届きましたが、同じくらいオーソドックスでした。ほとんどの曲がブルース的な解釈だったので多少だらけますがメロディーは変わらず良いと思いました。

「 Birds in Black 」が良かっただけに、期待しちゃいますよね。僕は今作はバスかなぁ。

>写真をみたら皮ジャンをきたおじいちゃんでした。

おじいちゃんですか?おじさんでなくて。
「ニューヨークの秋」に顔写真が出てますが、多分真ん中の人がナイポンクかと思ってましたが、実は一番奥の丸顔の人がナイポンクだったのですね。あまりおじいちゃんには見えないのですが、僕が歳だからでしょうか。


>ピエリック・ペドロンも届いたのですが、音も解釈も洗練されていて良かったです。買って良かったと思いました。

それはそれは良かったです。僕の趣味も偏っているので、あまり拙ブログ記事を鵜呑みにしないようにしてくださいね。恨まれるのも嫌ですから。
いくつかのブログなりプロのテキストをきちんと読み比べて判断してください。これからもどうかよろしく。

criss to 札幌少年さん |  2009/11/29 (日) 10:06 No.887


すいません!

すいません。文が足りなかったです。
ジョージ・ムラツがおじいちゃんでした。 
ナイ・ポンクはさらにメタボになってました。 
失礼します。

札幌少年 |  2009/11/29 (日) 12:31 [ 編集 ] No.888


Re: Fabrizio Bosso New Project / Black Spirit

>ジョージ・ムラツがおじいちゃんでした。 
ナイ・ポンクはさらにメタボになってました。

そうでしたか。なんだかおかしいと思ってました。

ムラーツも44年生まれだから、66才でしょ。確かに
見た目はおじいちゃんですね。
でも今でもかっこいいですよね。スーツ着て、眼鏡をかけてベースを
弾く姿は紳士的ですごくいい。そう思いませんか。

criss to 札幌少年さん |  2009/12/01 (火) 22:50 No.890

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